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2011年11月 2日 (水)

MicroTAS2011参加報告

「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発プロジェクト(BEANSプロジェクト)」における知識データベースの整備に関して、最新MEMS関連製造技術関連の情報収集を行うことを目的とし、2011年10月2日(日)から6日(木)の5日間の期間に、米国シアトル市にあるワシントン州コンベンションセンターで開催されたμTAS2011(The 15 th International Conference on Miniaturized Systems for Chemistry and Life Sciences、チェアマン バージニア大学James P. Landers教授)に参加しました。本μTAS会議は、血液分析やDNA分析をはじめとする様々な生化学分析に必要な反応,混合,培養,観測といった機能を,MEMS技術により微小なチップ上に集約したデバイスであるμTAS(Micro-Total Analysis Systems)関連技術を中心として,材料・プロセス制御,観測等の要素技術から応用までの研究フェーズに渡り最新の研究状況が報告、及び議論が行われる国際会議です。

 講演は、Plenaryセッション6件、Oralセッション102件、Posterセッションは588件の合計696件行われました。Oralセッションは、3つのセッションから構成されるパラレル・セッションが11回実施されました。また、Posterセッションは、各2時間程度のセッションが3日に分かれて実施されました。参加機関数・参加者数は、事前に登録した参加者だけでも344機関、967名で、その内日本国内の機関所属者は180名でした。全参加者のうち、15%以上を日本国内の機関からの参加者が占めていました。

 ワシントン州コンベンションセンターは、シアトル市の街中(ダウンタウン)にあり、近くには宿泊先となるホテルが多く存在していたので、会議が朝8時から始めるにも関わらず、朝はゆっくりと過ごせたような気がします。また、各のッション中のみならず、ブレイク時間にも、用意されていたコーヒーや軽食を摂りながら盛んに議論が交わされていました。

 下の写真は、コンベンションセンターの外観(上)と会場の入り口(下)です。会議の受付とホールは、下の写真の先に見えるエスカレータを昇ったフロアにありました。

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 下の写真は、2日目(但し、初日は受付とウェルカムセッションだけなので実質上はこれが初日)最初のセッションであるスタンフォード大学のQuake教授の講演の模様(上)、ポスター会場での様子(下)を写したものです。会場はパラレルのOralセッションが3会場、ポスターセッション1会場でしたが、会期を通して全ての会場に多くの研究者が詰めかけ、発表者と聴衆者との間で技術内容から今後の展望まで、熱心な議論が行われていました。

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 会議の内容自体は、”MicroTAS”というキーワードを冠したものなので当然ですが、全体としてMicrofluidics技術を用いた診断デバイスの集積化という一つのテーマに沿った研究内容が基礎から応用まで幅広く報告がなされ、それに基づいて議論が行われていました。中でも、遺伝子解析、たんぱく質分析というテーマに即したものが大きな流れでしたが、個々の病気の診断といった臨床応用に向けたテーマも少なくなく、各々の疾患に対する適切な手法、デバイスが検討されているようでした。

 PlenaryセッションやOralセッションでのプレゼンテーションは技術内容だけでなく、実際に作製したデバイスを用いたデモンストレーションを行っているが多く、各報告ともかなり実用化を意識したものとなっていました。一方で、デバイス作製の際の要素技術である材料・プロセスについては、まだまだ最適なものを探索しているという段階であるという印象を受けました。このことから、BEANSプロジェクトで行っている異分野融合というキーワードでのプロセス技術開発も、本会議で議論されている応用分野に十分に展開できるものであると考えられます。

 なお,μTAS2011では,BEANSプロジェクトからは以下の2件のPoster発表が採択されました。

■  W10G:Y. J. Heo、 M. Takahashi、 H. Shibata、 T. Okitsu、 T. Kawanishi、 and S. Takeuchi、 ”PEG BONDED FLUORESCENT-HYDROGEN FIBERS WITH LESS INFLAMMATION  FOR LONG-TERM SUBCUTANEOUS GLUCOSE MONITORING”

■  W29A:H. Matsui、 M. Sekijima、 T. Fujii、 Stakeuchi、 and Y. Sakai、 “POLARIZED HEPATOCYTE CULTURE USING 3D PATTERNED COLLAGEN GEL FOR ANALYSIS OF BILIARY METABOLITES”

 上のポスター発表のうち、Y. J. Heo研究員の反響についてはフォローできていないが、松井研究員のポスターには国内外の研究者が多数訪れ、同分野の研究者から「すごい」、「良い研究だ」とうコメントを直接聞くことができた一方で、議論の中で新たな研究課題の認識も行えたという報告を聞いています。

 また、日本国内機関研究者についても、Plenaryセッション全6講演中の1講演(全6件),Oralセッション12講演(全120講演)で一定の存在感があったように思います。

 なお次回のMicroTAS2012は,東京大学生産技術研究所・藤井 輝夫教授をチェアマンとして,2012年10月28日(日)~11月1日(木)に,沖縄コンベンションセンター(沖縄県宜野湾市)で開催されます。

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