MNOIC/TIA

2019年9月24日 (火)

SENSOR EXPO JAPAN 2019(2019年9月11日-13日)報告

 SENSOR EXPO JAPAN 2019は、フジサンケイ ビジネスアイ様の主催で、一般社団法人 次世代センサ協議会様の特別共催を得て、測定計測展、第15回総合試験機器展、地盤技術フォーラム2019、第21回自動認識総合展と同時開催されました。本展示会では、経済産業省 製造産業局 産業機械課 課長補佐 池田秀俊様による基調講演「我が国製造業の課題と展望」を始めとして、製品・技術発表会、次世代センサフォーラム展示、技術発表会、次世代センサ総合シンポジウムといった盛り沢山の企画が催され、出展団体63団体、ご来場者(3日間の合計)7,416名の皆様による熱心な技術交流が行われました。

 今回、マイクロマシンセンターは3つのテーマについて出展いたしました。
(1) 道路インフラモニタリング用センサ端末パッケージング技術開発成果
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) 殿から技術研究組合NMEMS技術研究機構が受託した国家プロジェクト「道路インフラ状態モニタリング用センサシステム (RIMS) 研究開発」に参画したマイクロマシンセンターのマイクロナノ・オープンイノベーションセンター (MNOIC) が開発したモニタリングシステム用無線センサ端末の高耐久性パッケージング技術として、セラミックスとポリカーボネート樹脂材料からなる新しい高気密性封止パッケージの試作品を出展いたしました。センサのメーカー様とユーザー様から、センサとシステムの実用化時期や価格など、熱心なご質問と技術資料の請求をいただきました。国家プロジェクト終了後は参画企業の自主事業に移行したセンサ及びセンサネットワークシステムの開発に弾みを付けたいと考えております。

(2)MNOICのMEMS研究開発試作支援サービス
マイクロマシンセンターの主要事業のひとつであるMNOICが担当するMEMS研究開発試作支援サービスの活動状況を展示いたしました。本事業は茨城県つくば市にある国立研究開発法人産業技術総合研究所殿の8/12インチ対応MEMSデバイス試作ラインをお借りして展開する事業で、年々右肩上がりのご利用契約をいただいております。MEMSセンサを開発課題としてお持ちのお客様から熱心なご質問をいただき、具体的な打ち合わせもさせていただきました。MNOICでは試作開発のご希望を随時受け付けておりますので、思い立ったらご遠慮なく、私どもの窓口にご連絡をお願い申し上げます。

(3)MEMSセンサ&ネットワークシステム展のご紹介
本展示会はマイクロマシンセンターがJTBコミュニケーションデザイン様と共同で主催する展示会で、2020年1月29日から31日の3日間にわたって、今回の展示会と同じ東京ビッグサイトの西2ホールで実施されます。1990年開始の「マイクロマシン展」から継続開催してきた展示会で、最近はビジネス志向の展示会「MEMSセンサ&ネットワークシステム展」に名前を変えて実施しています。出展申込締切日は9月30日ですが、それ以降でもお申し込みは可能ですので、是非出展のご検討をよろしくお願い申し上げます。
お申込みサイトURL: https://application.jcdbizmatch.jp/jp/nanotech2020/MEMS

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展示会場と説明風景

(MNOIC 原田 武)

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2019年6月21日 (金)

Smart Sensing 2019出展報告 (6月5日~7日)

 センシング技術で価値創造する新社会プラットフォームの展示会として、2019年6月5日から7日までの3日間にわたって東京ビッグサイト西4ホールで開催された、株式会社JTBコミュニケーションデザイン殿主催のSmart Sensing 2019に出展してきましたのでここに報告いたします。
 Smart Sensing 2019は、電子機器トータルソリューション展2019のひとつとして、JPCA Show、マイクロエレクトロニクスショー、JISSO PROTEC 、有機デバイス総合展、WIRE Japan Show、JEP/TEP Showと同時開催され、センサとその材料、プロセス、実装、応用にご興味のある方には非常に楽しみな展示会となっています。本展示会は、IoT社会におけるキー要素であるセンサとセンシング技術を主なテーマとする今回で3回目の新しい展示会ですが、出展団体が81団体で、初回から比べて2倍以上に増加し、今回の来場者は、初日が14,217名、2日目が15,354名、最終日が14,539名、合計44,110名となり、初回の6倍以上に増加した熱意ある参加者の皆様で賑わいました。

 今回、マイクロマシンセンターは3つのテーマについて出展いたしました。

(1) 道路インフラモニタリング用センサ端末パッケージング技術開発成果
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) 殿から技術研究組合NMEMS技術研究機構が受託した国家プロジェクト「道路インフラ状態モニタリング用センサシステム (RIMS) 研究開発」の一環として、そのメンバーであるマイクロマシンセンターのマイクロナノ・オープンイノベーションセンター (MNOIC) が開発したモニタリングシステム用無線センサ端末の高耐久性パッケージング技術を出展いたしました。高耐久性セラミックスと高耐候性ポリカーボネート樹脂材料からなり、高気密性封止材料で接合封止した2種類のパッケージの試作品を展示したところ、同様のニーズを持つメーカーの方々から熱心なご質問と技術資料の請求をいただき、インフラモニタリングセンサネットワークの市場ニーズが十分あることを感じました。

(2)MNOICのMEMS研究開発試作支援サービス
マイクロマシンセンターの主要事業のひとつであるMNOICが担当するMEMS研究開発試作支援サービスの活動状況を展示いたしました。本事業は茨城県つくば市にある国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)殿の8/12インチ対応MEMSデバイス試作ラインをお借りして展開する事業で、年々右肩上がりのご利用契約をいただいております。MEMSセンサを開発課題としてお持ちのお客様から熱心なご質問をいただきました。MEMSデバイスを製品化されているメーカー様でも、デバイス開発の初期段階ではご自分の会社の生産ラインを使用する余裕はなく、デバイス試作のアウトソーシングが必要になっているご様子です。

(3)MEMSセンサ&ネットワークシステム展のご紹介
 本展示会はマイクロマシンセンターがJTBコミュニケーションデザイン様と共同で主催する展示会で、2020年1月29日から31日の3日間にわたって、今回の展示会と同じ東京ビッグサイト西2ホールで実施されます。1990年から開始した「マイクロマシン展」以来、30年間にわたって継続開催してきた展示会で、最近はその発展形態としてビジネス志向の展示会「MEMSセンサ&ネットワークシステム展」に生まれ変わりました。Smart Sensing 2019にご興味のあるお客さまには、ぜひご出展、ご参加をお願いしたい展示会です。

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写真1 展示説明風景

(MNOIC 原田 武)

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2019年4月26日 (金)

「MEMS Engineer Forum 2019(MEF2019)」に出展しました

 IoT, センサネットワーク、Industries 4.0、Society 5.0など21世紀のキーテクノロジーであるMEMS技術の現状及び10年後までをエンジニアを中心に議論する国際会議である「MEMS Engineer Forum 2019」(MEF2019)は4月24日、25日、秋葉原のマイクロマシンセンター事務所からもほど近い、両国KFCホールにて、盛況に開催されました。マイクロマシンセンター(MMC)はこのフォーラムに、MNOIC事業を紹介するポスター展示を行いましたので、簡単に報告いたします。
 本フォーラムは、2009年3月の初開催以降、MEF2019で第11回を迎え、実行委員会委員長は10年間勤めていた東北大学の桑野博喜先生から、同じ東北大の田中秀治教授へ交代されました。また同時に副委員長も日立ハイテクノロジーズの野副真理氏と東京大学の三宅亮教授に世代交代がなされましたが、MEMSの世界で成功した人たちが展開する熱い議論の場という会議の性格には変更がありません。MEF2019の主な講演として、国立研究開発法人理化学研究所理事の小寺秀俊先生や、筆者にはBEANSプロジェクト時代の細胞ビーズの研究が懐かしい東京大学生産技術研究所准教授の松永行子氏からバイオMEMSに関するものがありました。一方産業界からは、現在最大の事業量と同時に高成長しているBAW(bulk acoustic wave)フィルタのQorvo社やMEMS業界の巨人のRobert Bosch社からの講演に加え、日本からは当協議会メンバー企業のTDK、ローム、村田製作所などから講演があり、MEMSにかかわる上流の技術から下流のビジネスまでの話題で例年以上に盛り上がりました。
 ポスター展示はKFC HALL ホワイエと、KFC HALL Annexの2か所に分かれて開催され、国内外35機関から出展がありました。質の高い参加者層が多いため、実ビジネスの場として有益であり、MNOIC( MicroNano Open Innovation Center)の活動について、提供できる技術についての詳細な質問を受けました。今後も、わが国の産業競争力強化につながる活動を継続してまいります。

2019mef 写真1 技術展示

                  (MEMS協議会 渡辺 秀明)

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2019年3月11日 (月)

「微細加工ナノプラットフォームコンソーシアム シンポジウム」でMNOICの 展示報告

 文部科学省の委託事業である微細加工プラットフォームは、大学等の施設の共用と蓄積された知による研究開発の推進と課題解決支援を目的として、2012年開始以来、この3月には7年を経過しました。この微細加工ナノプラットフォームについてのシンポジウムが本年3月8日(金)、東京大学 浅野キャンパス 武田先端知ビル武田ホールにて開催されました。ここ数年、本シンポジウムにMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)の概要とサービスの内容についてポスター展示しておりますが、本年のシンポジウムの内容についてご報告します。

 この微細加工ナノプラットフォームシンポジウムは、最先端のナノテクノロジーの研究開発動向と、微細加工ナノプラットフォームを活用し産学官の緊密な協力の下で生まれた技術開発の成功事例、ならびに現在開発を進めている企業の生の声などを紹介するものです。

 冒頭、本プラットフォームコンソーシアムの16実施機関を代表して、国立研究開発法人理化学研究所理事の小寺秀俊先生(写真1)から、若手の研究者が本プラットフォームを利用することで、様々なイノベーションの創出が可能となったこと、一方で、日本海側にプラットフォームの拠点がないことが課題と報告されました。

写真1 小寺先生の挨拶

 そして、文部科学省研究振興局参事官齋藤康志氏の来賓挨拶の後、進行役に東京都市大の藤田博之先生(写真2)という豪華な顔ぶれで、基調講演として「ナノハブ拠点でつくるオンチップバイオテクノロジー」と題し、東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻教授 鷲津正夫先生(写真3)から、マイクロデバイスを用いた細胞融合に関する報告があり、細胞核よりも小さいマイクロオリフィスを有するマイクロデバイスを用いることにより,細胞核の混合が起こらないことなどが示されました。

写真2 進行役の藤田先生


写真3 鷲津先生の講演

 続いて特別講演として、「次世代に向けた医療機器戦略」について、シスメックス株式会社 技術開発本部 上席主任研究員 角田正也氏の講演がありました。京大が得意とするバイオ系分野のマイクロ流路作製などの京大プラットフォームを利用して、独自のリキッドバイオプシー技術や全自動免疫測定システムについての紹介でしたが、その肝となるデバイス部分についての詳しい説明はありませんでした。

 休憩後、微細加工ナノプラットフォームの利用事例として、「可変メタサーフェスを利用した光位相変調素子」東京農工大学岩見健太郎准教授、「循環腫瘍細胞の誘電特性測定用デバイスの開発」呉工業高等専門学校江口正徳助教、「容量型MEMS水素センサ向けPdCuSi感応膜開発」株式会社東芝の林裕美研究主務、「広帯域波長掃引パルス量子カスケードレーザの開発」浜松ホトニクス株式会社の杉山厚志氏から4講演があり、最後のセッションとして、実施機関の京大から「バイオ系分野への支援力強化の取り組み」と、北大から「原子層堆積装置(ALD)による支援技術)についての紹介がありました。

 講演会終了後は、ポスターセッションと意見交換会が武田ホールホワイエで開かれました(写真4)。ポスター展示には、微細加工ナノプラットフォームコンソーシアム16機関に加え、協賛機関、協力機関もセッションに参加し、各機関の特色に重きを置いた説明が各所で行われました。MNOICは、微細加工ナノプラットフォームで開発された成果の試作ファンドリーや技術移転先の一つとして期待されており、本コンソーシアムとの連携をさらに強化していきます。こうして、研究開発から商品開発までのリードタイムを短縮し、我が国の産業競争力強化と次代を担う人材の育成につながる活動を継続してまいります。


写真4 MNOICのポスター展示

(MEMS協議会 渡辺 秀明)

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2019年1月 4日 (金)

2018年MMC十大ニュース決まる

 マイクロマシンセンターでは、2018年の10大ニュースを選択いたしました。私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

1.インフラモニタリングプロジェクト(RIMS、UCoMS)、最終年度の開発実証試験成果が各種シンポジウム、展示会で注目
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」において、技術研究組合NMEMS技術研究機構(以下NMEMS組合)が提案した「道路インフラ状態モニタリング用センサシステムの研究開発」及び社会・産業インフラ維持管理・更新等の重要な社会課題の一つである都市機能を支えるライフライン系の都市インフラ(電気、ガス、上下水道、情報、エネルギー)の安全な保全のためのセンサーモニタリングシステムの研究開発の最終年度の実施を行いました。
 これらの成果は、国内外で開催された学会、シンポジウム、展示会等で広く発表を行い多くの関心を集めました。

2.スマートセンシング・インターフェース国際標準化案がIECで1年前倒しでNP提案が承認され審議入り
 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/SC47F(MEMS分野分科委員会)にて、提案を行っておりました、「スマートセンサの制御方式」が、2018年、NP(New work item Proposal)承認され審議が開始されました。
 IEC国際標準化SC47E/WG1,2F合同アドホック会議において「スマートセンサの制御方式」について、IECへのNP(New work item Proposal)投票が完了し、エキスパート参加国6か国でNP承認(参加国4か国以上が必要)された旨、また、韓国・米国からそれぞれ1件ずつあげられたコメントへの対応方針を各国に説明しました。

3.MNOICの工程受託活動がPR拡大等により引き続き右肩上がりで推移
 研究開発を支えるMEMS試作ファンドリとして、7年前に開設したつくばの「マイクロナノオープンイノベーションセンター(MNOIC)」も今や中小・ベンチャーを含む40社以上からの研究や工程の受託により、フル稼働の状況にあります。さらに設備整備や技術向上に努めて、我が国のMEMS開発需要に応えてまいります。

4. MMC理事長が山西氏から山中氏に交代、MMCの新体制が始動
 2018年度はマイクロマシンセンター理事の改選期にあたり、MEMS理事会において2期4年にわたり当協議会会長(MMC理事長)を務めて頂いた山西健一郎三菱電機相談役から山中康司株式会社デンソー代表取締役副社長(MEMS協議会会長も兼ねる)に理事長が交代されました。
 新理事長には、続いて開催したMEMS協議会推進委員会において挨拶及び最近のトピックスとして1つはスマートセンシング&ネットワーク研究会(SSN研究会)に、医療MEMS研究会などのワーキンググループを設置し、新テーマ発掘に努めていること、二つ目は、設立から8年目のMNOIC事業が、2020年以降も事業の持続的拡大に向け、現場中心に着実に改善活動を進めていることを述べられました。

5. MEMS講習会、マイクロナノ先端技術交流会、海外調査報告会等セミナーが多くの技術者を集め活況
 マイクロマシンセンターでは、MEMS講習会、マイクナノ先端技術交流会、海外調査報告会を開催しており、多くの技術者の参加を頂き活発な意見交換が行われています。
 MEMS講習会は年2回開催し、そのうち1回は地方で開催しています。2018年は2月に九州で開催し、地方でのMEMS技術の普及に貢献しています。
 先端技術交流会は第2回医療MEMS研究会と兼ねて、「生体モニタリングの最前線」をテーマとして開催し、MEMS及び医療関係の技術者と意見交換が行われました。
 海外調査報告会は、MEMS関連の海外調査及び国際標準化の最新状況について国際交流事業の一環として報告するものです。毎年のように北米や欧州を中心に学会等のイベント、海外の大学や研究施設、関連企業の訪問見学の報告を行っています。

6. MEMSセンシング&ネットワークシステム展2018、盛況でビジネスチャンスが拡大
 2018年 10月 17日(水) から19日(金)まで幕張メッセで開催された「MEMS センシング&ネットワークシステム展 2018」は、3日間の開催期間を終え、盛況の内に閉幕しました。来場された皆様方に御礼申し上げます。

 初日は、展示会場内特設ステージでMEMS協議会フォーラムを10:00から12:30まで開催いたしました。2日目は、国際会議室で研究開発プロジェクト成果報告会を開催いたしました。最終日は、国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム及びスマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会公開シンポジウムが10:00から16:05まで開催致しました。何れのシンポジウムも多くの聴衆が熱心に聞き入っておりました。
 会期中の様子は以下を参照ください。
 (初日)
http://www.nanomicro.biz/mems/2018/10/mems2018-be33.html
 (2日目)
http://www.nanomicro.biz/mems/2018/10/mems2018-9487.html
 (3日目)
http://www.nanomicro.biz/mems/2018/10/mems2018-fd87.html

 今回ご来場頂きました皆様に御礼申し上げます。

 次回は2020年1月29日(水)~31日(金)に、東京ビッグサイトにおいて、nano tech2020と同時開催を予定しております。
 次回もご来場頂けますよう関係者一同お待ちしております。

7. マイクロマシンサミット2018への参加や海外アフィリエート交流など、国際交流事業を活性化
 マイクロマシンサミットは、年に1回、世界各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/ナノテクノロジーに関する課題や展望につき意見交換する場です。日本の提案により平成7年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで開催されています。
 2018年は5月14日(月)から16日(水)までアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されました。南米での開催は、2014年にブラジル・サンパウロに続く2回目になります。今回のトピックスは、農業や畜産大国のアルゼンチンらしく”Agro-food & Environment. Other related applications and results from new and highly relevant R&D actions”でした。
 次回、2019年のマイクロマシンサミットは、中国・西安(Xi’an)で開催されることが決まりました。コーディネータはNorthwestern Polytechnical UniversityのWeizheng Yuan教授です。

8. LbSSプロジェクトも中間(5年のうち3年)に差し掛かり、成果が現実化
 本研究開発では、工場等の設備の稼働状況等の把握を目的とするスマートセンサモジュール、高効率MEH(Micro Energy Harvester)などの自立電源、及びスマートセンシングフロントエンド回路を開発し、動的センシング制御可能な無給電のスマートセンサ端末を実現します。さらに、同時に開発する学習型スマートコンセントレータとの連携により、従来の環境発電で収集可能な有価情報量を100倍化することを可能とする学習型スマートセンシングシステムの基盤開発と実証を行います。
 現在、学習型スマートセンシングシステムの開発として、有価情報を高めるための自立型センサ端末/学習型センシングアルゴリズムの開発、測定パラメータ可変型スマートセンサ、製造往路セス革新で小型・安価、高効率発電デバイスの開発を行っています。

9. センサ端末同期用原子時計(ULPAC)が世界最高水準の長期安定度を達成
 道路インフラモニタリングシステム(RIMS:ROAD Infrastructure Monitoring System)をはじめとするセンサ端末群は、ネットワークを介して時刻同期をすることで、データ取得の正確な時間を把握し、かつ、データ転送の効率化を図っています。もし、その時刻同期を不要とすることが出来れば、ネットワークの構築や運用にかかる負担を大幅に低減することができます。そこで、正確な時を刻む原子時計をセンサ端末に搭載可能なサイズや消費電力、価格にすることが出来るかを解析や試作を通して、長期間安定的に稼働する時計が完成しました。

10. 青柳副理事長、荒川センター長、野村総務担当部長などMMCの中興を担った方々が引退
 2018年に開催したMEMS理事会において、2003年MMC専務理事に就任し、2006年の当協議会発足に尽力した前MMC副理事長の青柳桂一氏も退任しました。
 また、マイクロマシンセンターを発展させてきた有力メンバーである荒川センター長及び野村総務担当部長が退職致しました。

成果普及部 水島 豊

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2018年11月 2日 (金)

第35回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムでMNOIC出展報告

 「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム(協賛 マイクロマシンセンター)は1981年に第1回目を開催して以来、産学を中心にした研究グループ間の情報交換、アイデア討議の場として我が国のセンサ分野で重要な役割を担っており、本年で35回目を迎えました。

 本会議は新たな社会ニーズの創造を目指して、新しい物理・化学現象や効果を生かした新センサ・マイクロマシンおよびその製造技術に関心を持つ国内有数の研究者が一同に集うことから、最先端MEMS製造技術や大口径MEMS製造ラインを有するMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)との親和性が高く、ここ数年継続して、MNOICのサービス内容について展示、発表しております。

 本年は、北海道命名150年という節目の年であるため、北海道札幌市に10月に開館したばかりの札幌市民交流プラザにて、10月30日から11月1日まで開催されました。この札幌市民交流プラザは北海道における多様な文化芸術活動の中心的な拠点であるとともに、北海道初の多面舞台を備え、多彩な演出を実現する2,302席の劇場(写真1)を有しています。この劇場をメイン会場に、劇場の主舞台と同程度の広さがあるクリエイティブスタジオや、ガラス張りの多目的スペースであるSCARTS(スカーツ)スタジオなどで会議が行われ、会期中は企業、大学などからの近年最高の900名を超える参加者でにぎわいました。

 まず、基調講演として「スペキュラティブエンジニアリング -技術と未来洞察-」と題し、東京大学大学院 情報理工学系研究科 准教授 川原 圭博氏の講演がありました。スペキュラティブ(デザイン)とは、「未来について考えさせる(speculate)ことで、より良い世界にする」デザイン手法の一つであり、「問題解決」のためのデザイン・プロセスの開発から、問いや視点を生み出し、アクションを経て、望ましい未来へ導くこととされていました。他の基調講演は「ナノバイオデバイスとAI が拓くSociety 5.0・健康長寿社会」と題し、馬場 嘉信名古屋大学大学院 工学研究科 教授、そして「固体酸化物形燃料電池(SOFC)の課題と展望」ということで、鹿園直毅東京大学 生産技術研究所 教授、さらに「鳥の求愛コミュニケーション:現在までの知見と展望」相馬 雅代北海道大学理学研究院生物科学部門准教授があり、最終日には、NMEMS技術研究機構と「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」で共同開発中の京都大学大学院 工学研究科塩谷 智基教授から、「インフラの効率的維持管理に向けた振動センシングアプローチ」の4講演が行われました

 MNOICについては、10/30に技術プレゼンテーションと会期中を通して技術展示を行いました(写真2)。お問い合わせの内容としては、MNOICが提供するサービスの主要内容や、具体的な利用の仕方から、主要装置の日常管理法、測定機器の校正、管理法など、ファンドリーサービスに関係深い詳細な問い合わせを受けました。

 ますます活用が本格化・多様化しているIoTやAIにおいて、MEMSセンサはネットワークとの融合で、数10兆個規模市場に急成長を遂げることが予測されています。特に今後のデバイスには、多機能かつ小型、低消費電力等が求められるので、MEMS技術無しでは成り立ちません。この分野でMNOICのサービスの実力をさらに向上させ、試作設備の共用化や、組織間の壁を低くし集団で力を発揮できるオープンイノベーションを推進し、我が国のIoTデバイスをはじめとする産業の発展に引き続き貢献していきます。


写真1 メイン会場


写真2 技術展示

(MEMS協議会 渡辺 秀明)

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2018年10月30日 (火)

Future Technologies from Sapporoで14件の発表を実施

 センサ・マイクロマシン分野における日本最大のシンポジウムであるFuture Technologies from Sapporoが2018年10月30日(火)~11月1日(木)に開催されました。
 Future Technologies from Sapporoは、電気学会、応用物理学会、日本機械学会、化学とマイクロ・ナノシステム学会がそれぞれ主催し、相互参加可能な複数のシンポジウムや研究会から構成され、学・協会を超えた討議の場となっています。更に今回は、NEDO インフラ維持管理技術シンポジウムも同時開催されたことから、900名を超える参加者での活気に満ちたイベントとなりました。
 なお、先のブログにある第35回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムは、電気学会が主催したシンポジウムとなっています。

 マイクロマシンセンター(MMC)及び技術開発プロジェクトであるRIMS(Road Infrastructure Monitoring System)とUCoMS(Utility Infrastructure Core Monitoring System)からは、基調講演やレビューを含め表1に示す14件の発表を行いました。

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 基調講演では、予防保全を前提としたインフラの定量的な診断手法が話題となり、RIMSでの振動センシングアプローチの成果、特に橋梁床版での内部損傷の診断を中心として講演が展開されました。
 レビューでは、Society 5.0を実現するためには、複数のセンサの統合化・小型化や、触覚をはじめとした新たなセンサの開発などやることがたくさんあり、MEMS技術が今後益々重要になることが述べられました。

 シンポジウム全体を通しては、IoTの進展に伴ってか、研究にとどまらず、サービスのデザインまで一気通貫でといった大きな流れがあったように感じました。そういった流れの中で、実用化が近い我々の技術を実フィールドでの実証結果を含めて提示することで、多くの参加者の記憶に残る成果のPRができたのではないかと捉えています。また、電気、物理、機械、化学といったさまざまなバックボーンを有する研究者との討議(写真1)は非常に有意義でありました。
 発表した新規開発センサやモニタリングシステムの会場での評価は良好でした。このことを踏まえ、社会実装に向けた取り組みを加速します。

1a_5           (技術研究組合NMEMS技術研究機構 中嶋 正臣)

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2018年4月26日 (木)

第10回MEMS Engineer Forum2018に出展

 第10回MEMS Engineer Forum 2018(MEF2018)は4月25日、26日、両国KFCホールにて、盛況に開催されました。2日間で延べ750名を超えるMEMSのEngineerが世界から集まり、技術やビジネスの未来を語りました。マイクロマシンセンター(MMC)はこのフォーラムにMMCとMNOIC事業を紹介するポスター展示を行いましたので、簡単に報告いたします。

 MEMS Engineer Forum(MEF)は、21世紀のキーテクノロジーとされるMEMS技術の現状と、向こう10年までの技術の将来に迫る、この分野のキープレイヤーの中でもエンジニアを中心に運営されるユニークな場です。世界中のMEMS研究者、開発者、技術者が一堂に集うこのフォーラムは、2009年3月の初開催以降、回を重ね、MEF2018で第10回を迎えました。

 実行委員会委員長は東北大学 桑野博喜教授が前回に引き続き務めました。主な講演者として、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構技術戦略研究センター長の川合 知二氏、University of California San DiegoのAlbert P. Pisano博士、CEA-LetiのJean-Philippe Polizzi氏、Stanford UniversityのThomas Kenny教授、YOLE DeveloppementのJean-Christophe ELOY氏、また、日本からは、東北大学江刺正喜教授、SPPテクノロジーズ株式会社神永晋氏らが2日間に渡り講演され(写真1)、濃密な議論が行われました。

 ポスター展示はKFC HALL ホワイエと、KFC HALL Annexの2か所に分かれて開催され、国内外49機関から出展がありました。MMCはKFC HALL ホワイエでHALL直近の場所で展示を行い(写真2)、10月に開催するMEMSセンシング&ネットワーク展の案内、マイクロマシンセンター概要及びMEMS協議会会員の概要、産総研集積マイクロシステム研究センターの技術やMEMS大型研究設備を活用することにより、ユーザ企業の研究支援や事業化を推進しているMNOIC( MicroNano Open Innovation Center)の活動を紹介しました。今回はウエハーを展示したことからMNOICについての問い合わせが多くありました。また、MEMSセンシング&ネットワーク展2018に興味を示す姿がみられました。今後も、わが国の産業競争力強化につながる活動を継続してまいります。
(MEMS協議会 渡辺 秀明、水島 豊)


写真1 会場の様子


写真2 展示の様子

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2018年3月 9日 (金)

「微細加工ナノプラットフォームコンソーシアム シンポジウム」でMNOIC展示

 MEMS、ナノテク、微細加工技術の情報発信と関係者の交流を目的に、文部科学省の委託事業である微細加工ナノプラットフォームについてのシンポジウムが3月9日(金)、東京大学                   浅野キャンパス 武田先端知ビル武田ホールにて開催されました。ここ数年、本シンポジウムにMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)の概要とサービスの内容についてポスター展示しておりますが、本年のシンポジウムの内容についてご報告します。
               
   この微細加工ナノプラットフォームシンポジウムは、最先端のナノテクノロジーの研究開発動向と、微細加工ナノプラットフォームを活用し産学官の緊密な協力の下で生まれた技術開発の成功事例、ならびに現在開発を進めている企業の生の声などを紹介するものです。冒頭、本プラットフォームコンソーシアムの16実施機関を代表して、国立研究開発法人物質・材料研究機構理事の小出康夫氏から、本プラットフォームを利用することで、異分野融合によるイノベーションの創出や、大学から企業への技術移転がより一層促進されていることや、最近ではマテリアルズ・インフォマティクスにかかるプロセス知識データプラットフォーム構築に注力していることが報告されました。そして、文部科学省研究振興局参事官 齋藤康志氏の来賓挨拶の後、基調講演として「バイオ・ナノテクからIoTまで:微細加工の可能性」と題し、1週間前に退官記念講演をされたばかりの東京大学大学院工学研究科藤田博之教授のMEMS黎明期から、今日の成熟したMEMS実用期までの代表的なMEMS研究例をレビューする格調高いお話がありました(写真1)。
                  
                  

                  
                  写真1 藤田先生の講演
                  

 続いて、特別講演として、「宇宙・天文とMEMS技術」宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所 和田武彦助教、「富士電機のセンシング技術のご紹介」富士電機株式会社技術開発本部 先端技術研究所システム基盤技術研究部長 武居正彦氏、「ダイヤモンド固体量子センサの可能性」東京工業大学工学院電気電子系波多野睦子教授から、3件の講演がありました。JAXA和田先生の講演ではX線ミラーの加工例、富士電機武居部長の講演では、今後もMEMS技術がシステムの価値を高めるキー技術であるということ、東工大波多野先生の講演では、パワーデバイス内部の電界計測の研究例がそれぞれ印象深い講演でした。
                  
   休憩後、微細加工ナノプラットフォームの利用事例として、「トレンチ構造を設けた酸化ガリウムショットキーバリアダイオード」株式会社 ノベルクリスタルテクノロジー/タムラ製作所佐々木公平氏、「分子間相互作用の検出に向けた圧電MEMSセンサの開発」名古屋工業大学 高柳真司助教からの紹介がありました。佐々木氏は、ナノプラットフォームをフル活用し、一機関で一気通貫のプロセスするのではなく、手間を惜しまずそれぞれのプロセスに最も長けた機関を選んで、複数の実施機関をまたがってデバイス作製しており、新しいプラットフォーム利用法として注目されます。最後にプロセス技術開発事例として東京大学 超微細リソグラフィー・ナノ計測拠点の澤村智紀氏から、高速大面積電子線描画装置についての紹介がありました。講演会終了後は、ポスターセッションと意見交換会が武田ホールホワイエで開かれました(写真2)。
                  
                  


                  写真2 ポスターセッションの様子
                  

   ポスター展示には、微細加工ナノプラットフォームコンソーシアム16機関に加え、協賛機関、協力機関もセッションに参加し、各機関の特色に重きを置いた説明が各所で行われました。MNOICでは、微細加工ナノプラットフォームで開発された成果の技術移転先として従来より注目されており、本コンソーシアムとの連携をさらに強化することで、研究開発から商品開発までのリードタイムを短縮し、我が国の産業競争力強化と次代を担う人材の育成につながる活動を継続してまいります。
                  

(MEMS協議会 渡辺 秀明)
                  

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2018年1月 5日 (金)

「新年のご挨拶」

新年あけましておめでとうございます。

 本年はSociety5.0の実現を世界に打ち出していくための新たな産業・社会の在り方として、「コネクテッド・インダストリーズ」に大きな注目が集るとされています。特に、製造現場、自動走行、健康・医療・介護等の現実の「リアルデータ」を巡る競争が激しくなると予想されていますが、その「リアルデータ」を収集する最前線にMEMSを中心とする多様なセンサが位置しています。従いまして、ナノ・マイクロ技術分野における研究開発や普及促進等を長年担ってきた私どもマイクロマシンセンターの責任はさらに重くなっていくものと考えております。

 仏のヨール社によれば、世界のMEMS市場は消費者用や自動車用がけん引し、2017年の132億ドルから2022年には254億ドルと年率14%で伸びるとされています。MEMSデバイスとしては、スマホの4G/5G 化の進展によりMEMSフィルタの伸びが大きく、従来からの慣性センサ、圧力センサ、ジャイロなどを凌駕していくと見られます。

 このような中、当センターでは2000年代に注力したMEMS技術そのものの研究開発から、2010年代にはセンサネットワーク技術にシフトし、現在は道路やライフラインのインフラモニタリングに加えて、ファクトリやプラントのスマートセンシングの研究開発に注力しています。そして、昨年は経産省・NEDOがコネクテッド・インダストリーズの重点分野として推しているロボティクスや自動走行の鍵となるAI融合高精度物体認識システムの研究開発に着手しました。

 また、それらの研究開発を支えるMEMS試作ファンドリとして、7年前に開設したつくばの「マイクロナノオープンイノベーションセンター(MNOIC)」も今や中小・ベンチャーを含む40社以上からの研究や工程の受託により、フル稼働の状況にあります。さらに設備整備や技術向上に努めて、我が国のMEMS開発需要に応えてまいります。

 そして、上述の成果などを公開する場として、昨年、MEMSセンシング&ネットワークシステム展を刷新して、初めてCEATECと同時開催とし、5万人を超える来場者の方々にお出でいただくことができました。本年はさらにCEATECやAll about Photonics展とのシナジー効果を高め、IoTシステム、さらにはコネクテッド・インダストリーズの最先端技術展としてのプレゼンスを高めてまいります。

 当センターとしましては、本年もMEMS・スマートセンシング技術の開発や普及に真摯に取り組み、我が国のコネクテッド・インダストリーズの推進に微力ながらも貢献してまいりますので、引き続きご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

 皆様方には以下の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

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