国際交流

2017年3月 9日 (木)

2017年 第23回「国際マイクロマシンサミット」開催のご案内

 マイクロマシンサミットは、年に1回、世界各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/ナノテクノロジーに関する課題や展望につき意見交換する場です。日本の提案により平成7年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで開催されています。これまでオーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、日本、韓国、シンガポール、スイス、台湾、イギリス、米国、ベネルクス、ノルディク、ラテンアメリカ、地中海沿岸地域の国々、およびロシアが参加し、各国のマイクロマシン/MEMSやナノテクの取組状況と課題、ならびに世界の産・学研究機関での最先端の研究成果等の発表がなされ、またその討議が行われました。昨年は東京で開催されて16ヵ国から51名のデリゲートが参加し、「高齢化社会におけるセンサ・MEMS」をテーマに、様々な話題が報告されました。
 
 2017年は5月15日(月)から17日(水)までスペインのバルセロナで開催されます。今回のトピックスは、” Micro and Nano Systems for Smart Cities applications”です。スペインは、関連研究所にセンサやMEMS,無線、半導体や集積回路、物性やナノ材料と言った複数の専門分野の研究者が同居する研究所が多く、多数の専門領域の融合が進んでいるのが特徴です。

 
 また今回のオーガナイザーは、CNM-CSIC(National Microelectronics Center of Barcelona)の所長Carles Cané教授で、サミットには通算で14回参加されている古参のお一人です。詳細は以下のURLを参照ください。
 http://mms2017.imb-cnm.csic.es/
 
 今回も、下山勲東京大学教授を団長として日本代表団を構成し、参加を予定しております。マイクロマシンセンターの会員の皆様はご参加いただけます。世界のマイクロマシン/MEMSやナノテクに関する情報収集や意見交換できるまたとない機会ですので、ぜひご参加いただきたくご案内いたします。

 お問い合わせ先
  一般財団法人マイクロマシンセンター/MEMS協議会事務局
   国際交流担当 三原 孝士
   〒101-0026東京都千代田区神田佐久間河岸67 MBR99ビル6階
   TEL: 03-5835-1870  FAX: 03-5835-1873
   e-mail:  t_mihara@mmc.or.jp



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2017年2月20日 (月)

第5回海外調査報告会を盛況に開催

   第5回MEMS協議会海外調査報告会を1月30日に新テクノサロンで開催し、約50名の方にご参加いただきました。このイベントはマイクロマシンセンター/MEMS協議会(MIF)が行っているMEMS関連の海外調査及び国際標準化の最新状況について国際交流事業の一環として報告するものです。毎年のように北米や欧州を中心に学会等のイベント、海外の大学や研究施設、関連企業の訪問見学の報告を行ってきましたが、今回は前回に引き続き、欧州の橋梁モニタリングに関連する報告を、特別報告として企画致しました。       

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写真1 会場の様子
                  

  MEMS協議会事務局長・長谷川英一からの主催者挨拶のあと、最初の報告は特別報告として「欧州における橋梁モニタリングの現状と動向」と題して技術研究組合NMEMS技術研究機構の中嶋正臣氏から、エジンバラ大学をはじめとした研究機関やConnect  Plus Serviceといったインフラ管理のコンソーシアムとの橋梁モニタリングに関するディスカッションや、Forth Bridge及びForth  Road Bridge等の橋梁での現地調査の報告がありました。最初にNMEMS技術研究機構が中心になって推進している国家プロジェクトであるRIMS:ROAD  Infrastructure Monitoring Systemの説明がありました。これは最先端MEMS技術を駆使して開発されたスーパーアコースティックセンサと言う高周波を発するアコースティックエミッションから低振動まで広い帯域を網羅するスーパセンサや、大面積センサ等の橋梁モニタに特化したセンサデバイスを使った社会インフラモニタリングを行う活動です。 今回の目的としては、日本より先行していろいろな活動が行われている欧州(イギリス、オランダ)の橋梁モニタリングの現状を把握するため、調査団を結成して現地橋梁モニタリング現場の調査を実施するとともにRIMSプロジェクトの広報を図るとのことでした。                   

 調査場所としては、イギリス、ロンドンのConnect Plus Service(CPS)とXEIAD Ltd.、道路保守点検会社であるCPSおよび土木コンサルタント(XEIAD)、M25およびQueen Elizabeth II Bridge(QE2)、光ファイバ等センシング技術、イギリスのモニタリング技術の産業化実態調査のためのEpsilon Optics Ltd調査、エジンバラ大学(イギリス、エジンバラ)にてコンクリート等のインフラ主要構造部材の非破壊検査技術の権威であるProf.  Mike Fordeとの意見交換、イギリス、エジンバラでの代表的な橋梁であるForth BridgeおよびForth Road Bridge調査、特にForth Bridgeのモニタリング実態調査、さらにオランダ、デルフト/ロッテルダムのAEセンサを用いたAE挙動の評価のためのTNOの調査、またVan-Brienenoord Bridgeのモニタリング計測橋梁調査と極めて大規模なものになっています。          

 イギリスにおける、橋梁モニタリングの手段は、光ファイバによる歪センサ計装を使ったものです。とくに英国Epsilon Optics社は、構造設計と光ファイバ計装技術を組み合わせることで、土木、海洋、航空宇宙等の様々な分野へモニタリング技術を提供しています。同社は、光ファイバセンサ自体の開発は行っていないが、光ファイバセンサに対するパッチのアセンブリ等を様々な分野に実装することで、モニタリングに関する幅広いノウハウを有していることを強みとしているようです。その実績は、イギリス国内にとどまらずグローバルなもので、対象も橋梁やトンネルにおけるクラックのモニタリング、ヨットのキールや飛行機の着陸装置への負荷のモニタリング等幅広いようです。          

 また訪問したエジンバラ大学のProf. Mike Fordeは、コンクリートなどのインフラ主要構造部材の非破壊検査技術の権威であるとともに、超音波トモグラフィ、アコースティックエミッションの世界的先駆者とのことです。Journal                   Construction and Building MaterialsのChief Editorを務めている他、RILEM(International Union of Laboratories and Experts in Construction Materials, Systems and Structures)、BINDT(British Institute of Non-Destructive Testing)とACI(American Concrete Institute)等の重要な機関で主査を務めています。                   

 視察した英国のForth Bridge(フォース鉄道橋)は、1890年に完成した全長2530mのカンチレバートラス橋であり、包括的な構造モニタリングシステムが2002年に実装され、リニア変位変換器、回転ポテンショメータ、傾斜計、温度センサとひび割れ検知を含む様々なセンサにより、支承可動部の動きに加え、中央タワーおよびスパン接続部の3軸方向(垂直・水平方向および回転)の動きを検知できるとのことです。               

 最後に中嶋氏のまとめとして、「イギリス、オランダでは幹線道路の長大橋を中心に複数のセンサを用いた常時モニタリングを実施して、メンテナンスの効率化を図っている。但し、使われているセンサは有線のセンサであり、膨大な配線が施設されていた。既存のセンサ生データをそのまま常時モニタリングしているため、データ量が膨大になる、信頼性のある無線システムがないことから確実な有線センサを用いているのが現状であり、無線化や自立電源化に関しては、現場では未だ適用されていない。日本視察団を代表して下山教授からRIMSの概要を説明したところ、RIMSプロジェクトで開発しているセンサに関しては訪問したすべての機関で非常に興味をもって頂けた。」と報告を終えました。

                   

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写真2 中嶋氏から報告
                            

 続いて、「米国のMEMS産業動向」と題してMEMS協議会 今本氏から10月31日~11月2日に米国・フロリダで開催されたIEEE Sensors 2016、また米国MEMS & Sensors Industry Group主催で、2016年11月9日(水)~11月11日(金)に米国カリフォルニア州スコッツデールにて開催されたMEMS & Sensors Executive Congressへの参加報告がありました。この会議は毎年開催され講演やパネルディスカッションといったフォーマルな行事と、休憩時間等の空き時間でのインフォーマルな会話を通して、情報交換や人的なネットワークを形成することにより、MEMS関連産業のネットワーク構築が可能であることが特徴です。研究開発そのものの発表は少なく、事業化をどう促進するかが主題の会議となっている真に産業化のために推進会議になっています。

 またこの2つの大きな会合の間に、フロリダ大学(Yoon教授)・ジョージア工科大学(Ayazi教授・Tentzeris教授)・BSAC(Pister教授)にも訪問し、専門的な領域に踏み込んだ報告になっています。                

 まずIEEE Sensors 2016 参加報告では、日本からの発表が急増し、日本からの参加人数も 2013年の8人程度から2016年では30人                   以上、特にEnergy Harvesterのセッション追加されたこと、また企業からの発表が非常に少ないと言う特徴を持っています、                   

 MEMS & Sensors Executive Congress では、Trillion Sensorを巻き込み、途中でパラレルセッションになったためか、大学や国の研究機関が増えた感じがするが、一方しか聞けないのが残念とのことです。2013年には日本から2名の参加であったが、IoTの影響か日本からの参加が年々増加しているようです。またIoT関連の話題は以前から多いが、今回自動車関連(自動運転・新興国での新たな安全性や排ガス規制)が増えたようです

                  

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写真3 今本氏から報告
     
        
 

次は「マイクロマシンサミット2016と題してMEMS協議会・国際交流担当の三原が報告しました。マイクロマシンサミットは毎年、各国のMEMS関連状況をそれぞれ報告し、意見交換する場として開催され、今回は3回目(初回:京都、第6回:広島)となる日本・東京での開催で、マイクロマシンセンターが事務局を務めました。今回のテーマは「高齢化社会におけるセンサ・MEMS」、オーガナイザーは東京大学・下山勲教授でした。参加者は16の地域,から51人のデレゲイトであり、今回のテーマである健康・医療やライフスタイル・バイオ関連に対応するマイクロシステムに関する話題が多く出されました。発表数は約47件、Delegatesの多い国は、日本14名、ドイツ 6名、イタリア 4名、スイス 4名の順でした。        

 最後は「MEMS国際標準化に関する活動状況]と題して調査研究・標準部長の坂井氏より報告がありました。最近は、センサに無線システムが搭載され、更にエネルギーハーベストに対しての取り組みも強化されており、マイクロマシンセンターでもSSN(スマートセンシング&ネットワーク)研究会を設立して、その活動を強化しています。この分野は、応用分野別にセンサ・無線・エネルギーハーベスト・電源管理、実装と言った要素デバイスや技術の評価を含む国際標準化が必要ですが、特に無線等ではデファクトスタンダードに頼っている側面もあります。このような背景からMEMSの国際標準化はIECを舞台に、更に進められるように「プロダクトアウト/プロセス重視型」のアプローチから「マーケットイン/結果重視型」へと転換が進められています。IECから発行済みのMEMS関連規格は27件で日本提案が12件、韓国提案が13件、中国1件、ドイツ1件となっており、現在審議中が7件あります。審議中の案件には日本・韓国が2件づつ、中国3件となっています。

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写真4 熱心な議論
                                 

 最後に懇親会での乾杯の挨拶 として、マイクロマシンセンター副理事長の青柳桂一氏から熱心にご参加、ご議論して頂いた方々へのお礼、また中締めのご挨拶として、毎回ご参加頂き、熱心に議論して頂いているSPPテクロノロジーズのエグゼクティブシニアアドバイザーの神永氏から国際的な視野でのコメントがありました。(MEMS協議会 国際交流担当 三原 孝士)

                  
 

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2017年1月30日 (月)

IEEE MEMS2017への参加報告


 2017年1月22日から28日まで、米国ラスベガスで開催されたMEMS2017に参加したので、その第1報を取り纏めましたので報告します。

 MEMS2017開催期間中、参加者は704名、オーラルは86件・ポスターは261件(合計367件)で、採択率40%でした。昨年のMEMS2016と比較していずれも微増にとどまっていました。参加国数は25ヶ国ありました。採択数は米国が約100件、次いで日本が約64件、中国が約46件、韓国が約38件の順でした。

 発表分野においては、エナジーハーベスタやガスセンサに関するセッションもあり、IoT関連デバイスの最新技術動向を広く把握できる学会でした。

 参加者にの傾向は、大学や研究機関が約8割と多くを占め、他が企業からの参加でした。代表的な大学や研究機関は、わが国からは東京大学・京都大学・立命館大学・神戸大学から参加しており、海外ではベルギーのIMEC、米国のMIT・Georgia Institute of Technology School・University of California, Berkeley・Stanford University・CALTEC、ドイツのFraunhofer 、スイスのCSEM・ETHZurich、韓国のKAIST、中国のShanghai University等であった。代表的な企業は、Apple・Intel・TSMC・Robert Bosch GmbH・Hitachi・Toshiba・InvenSense, Inc.・LG Electronics・Qualcomm ・Tanaka Precious Metals・Azbil Corporation・NXP・Texas Instruments・Analog Devices, Inc.等であった。IoTセンサネットワークにおけるクラウド層から、個別センサの分野まで、広範囲に渡っていた。

 Student Awardのノミネートは14件(オーラル13件、ポスター1件)あり、3件が受賞(①3D PRINTED THREE-FLOW MICROFLUIDIC CONCENTRATION GRADIENT GENERATOR FOR CLINICAL E. COLI-ANTIBIOTIC DRUG SCREENING,E.C. Sweet, J.C.-L. Chen, I. Karakurt, A.T. Long, and L. Lin, University of California, Berkeley, USA、②64-PIXEL SOLID STATE CMOS COMPATIBLE ULTRASONIC FINGERPRINT READER,J.C. Kuo, J.T. Hoople1, M. Abdelmejeed, M. Abdel-moneum, and A. Lal Cornell University, USA and Intel Corporation, USA、③ENVIRONMENTALLY ROBUST DIFFERENTIAL RESONANT ACCELEROMETER IN A WAFER-SCALE ENCAPSULATION PROCESS,D.D. Shin, C.H. Ahn, Y. Chen, D.L. Christensen, I.B. Flader, and T.W. Kenny Stanford University, USA, InvenSense Incorporated, USA, and Apple Incorporated, USA)

 IEEE Fellowsには、Christofer Hierold,ETZ Zurich, Gwo-Bin Lee,Ntional Tsing Hua University,Olav Solgaard,Stanford University,Xin Zhang Boston Universityの4名が選ばれた。

 Bosch Awardには、Clark C,-T. Nguyen,University of California ,Berkeley, USA が選ばれた。 

 次回のMEMS2018は、BELFAST、NORTHERN IRELENDにて開催。 

MEMS2017のロゴ


 赤外線アレーセンサに関する技術動向としては、オーラル1件、ポスター1件の発表があった。いずれもサーモパイル型で、新規の画素構造により高感度化している。しかしながら、従来研究と比較して感度は同等であるため、NMEMSの赤外線アレーセンサの開発において、これらの研究が脅威になる可能性は低いと思われる。


セッションの座長を務められる年吉先生


 IoTにおけるデバイスに関して、広い範囲で質の高い発表を聴講する事ができ、非常に有意義な学会であった。また、他の研究者と交流を深める事ができ、ネットワーク作りの場としても非常に有益であった。したがって、来年度もLbSSプロジェクトとして参加すべきだと思った。 




ラスベガスの街並み

             

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2016年11月11日 (金)

北米出張報告


 2016年10月30日~11月11日の間、国際交流、および産業・技術動向調査を目的に北米(オーランド、アトランタ、サンフランシスコ、スコッツデール)を訪問したので報告する。

【IEEE Sensors(10月30日~11月2日)】

 今年のIEEE Sensorsは、米国フロリダ州オーランドで10月30日〜11月2日に開催された。本学会には3年ぶりの参加だったが、図1にポスター展示の様子を示すが、以前に比べてますます盛況になっていた。特に驚いたのは日本からの参加者が2倍近く増えていたこと、エネジーハーベスタのセッションが新たに新設されていたことである。IoT社会・トリリオンセンサ社会に向けて、自立型センサネットワークへの関心が高まってきていることのあらわれだろうか?

 一方で、上記IoT社会に向けて企業からの発表が増加していることを期待していたものの、ほとんど大学や研究機関からの発表であり、ビジネス展開については正直なところ期待外れであった。本学会の参加は技術研究組合MEMS技術研究機構として出席したので、発表内容は省略し、以下に大学訪問、およびMEMS & Sensors Executive Congressの参加報告を記載する。


図1 IEEE MEMSのポスターセッションの様子


【研究室訪問】

① フロリダ大学

 IEEE Sensors最終日に東京大学教授の鈴木雄二先生とフロリダ大学に訪問した。MISTセンター(Multi-functional Integrated System Technology)の主にRF-MEMS、および低消費電力MEMSセンサを担当されているProf. Yoon氏、およびProf. Nishida氏にMISTの紹介をいただき、クリーンルームを見学させていただいた。クリーンルームの見学では、専任の方(Dr.)に案内をしていただき(図2)、装置管理や教育体制が行き届いている印象を受け、まるで企業のクリーンルームのように感じた。見学後には、Prof. Yoon氏、鈴木先生と近くのステーキハウスで晩ご飯を食べながら楽しい一時を過ごした。(図3)

図2 MISTのクリーンルーム案内の様子 図3Yoon先生、鈴木先生との会食の                          様子

② ジョージア工科大学

・Prof. Ayazi

 ジョージア工科大学では、BAW(Bulk acoustic wave)を用いたジャイロスコープやMEMS振動発電の研究を行っているProf. Ayazi氏の研究室を訪問した。Ayazi氏とは後述するMEMS & Sensors Executive Congress の会場でもお会いし、振動発電、自立型センサ端末に向けた低消費電力のMEMSセンサ等、自立型スマートセンサに向けて多くの議論ができた(図4)。技術研究組合NMEMS技術研究機構での振動発電の取り組みを紹介したところ、エレクトレットの形成手法であるアルカリ熱酸化+高温電圧印加(BT処理)に強い関心を示された。Prof. Ayazi氏のところでは、X-Yの平面で多軸MEMSアクチュエータによる圧電方式の振動発電を研究されており、発電量は少ないものの静電誘導型でも参考となる構造であると感じた。

・Prof. Tentzeris

 また、環境RFから給電するアンビエント・エナジーハーベスタの研究をされているProf. Tentzeris氏の研究室を訪問した。無線等のRF環境がある領域において、エネルギーを取り込み、LEDを発光させるデモを見せていただいた。この発電方式は、RF環境によるところが大きいが、10μW程度までの発電が可能である。課題としては特に周波数が高い場合、電圧出力がとれないとのことである。電圧出力のとれる太陽電池や振動発電等の別のエナジーハーベスタと融合し、ハイブリッドの発電構造とするのが良いだろうとのことであった。 NMEMS技術研究機構で取り組んでいる静電エレクトレット方式の発電とのコラボレーションの話があったが、NEDOテーマであり、すぐに対応できない状況である。まずは、個別企業への技術紹介までとする。図5に実験室でのメンバと一緒に撮影した写真を示す。


 図4 Prof. Ayazi氏と会議室にて 図5 Prof. Tentzens氏と実験室にて

・見学

 両研究室の訪問の間に、Prof. Ayazi氏の研究室の研究員に約1時間ジョージア工科大学のキャンパス&クリーンルームを案内していただいた。ジョージア工科大学のクリーンルームの一部を図6に示すが、とても広く、また装置も新しい設備が多く、大学保有の研究室とは思えない規模であった。読者のみなさまも機会があれば訪問されることをお勧めする。

  図6 ジョージア工科大のクリーンルーム(一部)

③ BSAC

 スマートダストの生みの親である、カリフォルニア大学バークレー校BSACのProf. Kristofer Pister氏の研究室を訪問した。 Pister氏は短パン姿でフランクに迎えてくれた(図7)。まず、最初に当センターでの活動紹介、現在の開発テーマの紹介を行った。振動発電について、ホワイトボードを前にセンサの消費電力低減、低リークキャパシタ等今後の進展を考慮し、リチウムイオン電池2400mAhであれば、センサ端末の寿命が20年以上もつことを式で示された。振動発電をウェアラブル端末等の市場に使うにはまだまだ時間がかかるだろうが、一方で、センサ等の消費電力の大きいアプリケーション、無線頻度が高いアプリケーション、そして、インフラモニタリング等の長寿命のセンサ端末が必要なアプリケーションには、まだまだ振動発電デバイスの必要性があるだとうということであった。
 また、Pister氏から、今後の取り組みとして、1cm□程度のマイクロロボットのポンチ絵を紹介してくれた。CCDとマイクロフォンを内蔵して動く昆虫形であり、6足の昆虫型やドローン構造のマイクロロボットを紹介していただいた。有害な昆虫の撃退やミツバチの代わり等、様々なアプリケーションが考えられるが、軍事用途を考えると恐ろしさを感じた次第である。

        図7 Prof. Pister氏と研究室にて


【MEMS & Sensors Executive Congress】

 本出張のメインイベントとして、MEMS & Sensors Executive Congressに国際交流およびMEMS産業動向調査の一環として参加した。この会議はMEMS & Sensors Industry Group(MSIG)が主催する会議であり、2016年は11月9日~11日にアリゾナ州スコッツデールで開催された。

 筆者は2年前にも参加したがその時には、日本からはオムロンの関口氏と筆者のみの参加であり、日本のMEMSへの関心の低さを感じていたが、今回はSPPテクノロジーズの神永氏、東北大学の田中秀治先生はじめ10人近くの出席者があった。これは、IoT社会に向けた関心の向上と、昨年度からトリリオンセンササミットをMSIGが巻き込んだことによるものではないかと考える。

 会議自体は、11月10日・11日と2日間の開催であり、講演会はMEMSやセンサ、センサ応用に関する講演が続いた。講演者はMEMS企業のトップが登壇することもあり、技術的な講演から、事業的な内容まで多岐にわたる。今回、約200名の人が参加していたが、企業トップや、投資家、研究機関などが主要な参加者であった。この会議の一番の特徴は、休憩時間や昼食では、懇親の時間がたっぷりととられており、このような場でコミュニケーションを通じて、人的ネットワークの構築を高めて、ビジネスや研究に活かしていくきっかけをつくることであることであろう。図8、9に休憩時間の様子やBanquetの様子を示す。 この会議の期間中に、InvenSense社が日本の企業に買収されるかもしれないという噂が聞こえてきたが、企業間の動きはこのような場が一つのきっかけなのかもしれないと感じた次第である。

 今年の会議の内容について、IoT(Internet of Things)への期待はこれまで同様であるが、さらに、今回は自動車関連の話題が多かった。車載用途での高性能ジャイロスコープについて、先に報告したジョージア工科大学のProf. Ayazi氏(ジョージア工科大発ベンチャーの米Qualtré社)から、バイアス不安定性の原因を取り除く独自の技術を報告されていた。また、IHSからもクリーンカー、コネクテッドカ―等の自動車動向、MEMS&センサーの動向、市場予測の報告があった。

 

図8 休憩時間の様子      図9 Banquetの様子


【所 感】

 今回、大学訪問やMEMS & Sensors Executive Congressに参加して多くの方々と会話をした。 一方で、会話する相手の方々も何らかの価値を期待しており、特に、日本の企業・大学とのコラボレーションの機会を探っていることが多かった。 事前に訪問先を国内企業に紹介して、関心のあるメンバと同行して参加する等の活動も今後必要ではないかと思う。なお、詳細は2017年1月30日に当センターで開催する海外出張報告会にて報告する予定である。


 

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2016年9月16日 (金)

「スマートセンシング&ネットワーク展」国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムの開催(2016年9月16日)

 国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムは、関連分野の最先端技術及びその動向に関して内外の学識経験者と情報交換することにより、我が国のマイクロマシン/MEMS技術の更なる発展に寄与することを目的に、1995年以来、一般財団法人マイクロマシンセンターを主催者として開催して参りました。本年度のシンポジウムは、2016年9月16日(金)パシフィコ横浜 アネックスホールF202にて開催いたしましたので報告致します。

 最近の当該分野での動向として、2-3年前から米国・欧州で騒がれてきた「トリリオンセンサ」や「インダストリ4.0」等の新しい概念が、最近になってIoTと言うキーワードで、一気に一般誌でも取り上げられるようになってきました。これらは、キーワードは異なりますが具体的な内容は殆ど同じで、スマート化されたセンサ、マイコンや小型コンピュータ、無線、さらに発電デバイス等を組み込んだインテリジェントなセンサ端末が、あらゆる機器に組み込まれ、これらのデータを利用したサービスが始まるという概念です。このように無数のセンサと無線ネットワークが繋がるIoTの世界とは、世界中の欲しい情報がWeb上に存在する、今まだ来ずの(未来的)世界とされています。しかし、無線技術を中心にインフラとしての仕組み作りがある程度揃っても、本当に必要なセンサが最適な形態で提供される”スマートセンシング&ネットワーク”には、まだまだ膨大な技術開発が必要であると考えられます。今回は差別化を図る技術開発と、その産業応用と言う2つの側面で、世界の研究者からの報告や提言によって新たな可能性を探って参ります。 

 以上から、今年の第22回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムは「IoT社会で勝ち続けるためのスマートセンシング新技術とその産業応用」として企画致しました。さらにマイクロマシンセンター内に、2015年の10月1日に発足され、産官学の総力を挙げて活動を邁進しております「スマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会)」の公開シンポジウムとしても位置付けています。

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図1 本シンポジウムチェアの下山勲教授

 司会と主催者挨拶は、本シンポジウムを企画した国際交流委員会の委員長であり、SSN研究会の会長、研究開発から産官学連携による産業推進まで多彩な活躍をされている東京大学の下山勲教授です。

 最初のセッションは、「IoT社会で勝ち続けるためのスマートセンシングの社会実装」として、特別講演 "IoT時代のセンサ:真のIoTへの道を開くMEMSとセンサのトレンド”Sensors in a IoT era : MEMS and Sensor Trends–Paving the Way for a True Internet of Things”とのタイトルで、 世界最大のMEMSセンサネットワークであるMEMS & Sensors Industry Group (MSIG)を代表し、またスマートセンサの有望な応用先である仮想現実&強化現実関連製品を製造・販売されているVirtuix Inc.のPresident:David Allan氏から、ご講演を頂きました。構成としては、「① MSIGの紹介、② IoTおよびIIoT(IoTの産業版)とはなにか?③ 何故IoTが重要なのか?IoTによって何が変わり、どのような産業が興るのか?④ 誰が先導出来るのか?⑤ それは貴方です」でした。印象的だったのは、「Power of IoT」の表現で、巨大産業では1%のエネルギー消費を抑制と、例えば航空機産業では3兆円、石油・ガス産業では9兆円の利益が生まれることです。また、ご自身の会社である、Virtuix Inc.のVR技術を利用した体験型ゲームであるVirtuix Omniの紹介では、実際のモーションセンサの信号をどのように処理されているかの紹介もありました。Is2         図2 MSIGを代表してDavid Allan氏のご講演

 第二の講演は、NTTデータ、技術開発本部 課長の平井康雅氏から「IoTセキュリティの最新動向と社会実装に向けての課題と対策」とのテーマでした。IoT時代で接続されるデバイスが、今後さらに飛躍的に増加すると、IoTシステムに対するセキュリティ上の問題が、現在の懸念から近い将来に大きく顕在化すると予測されます。この避けて通れないセキュリティの課題と対策例を紹介し、今後のIoT社会に向けてのセキュリティの方向性を発表いただきました。ご講演では、あらゆるセキュリティ上の懸念や、それぞれの階層での対策等の具体的な報告や提案がなされました。

 休憩のあとのセッション2:「IoT社会で勝ち続けるためのスマートセンシングの産業動向」では、最初の講演として、株式会社日本政策投資銀行、産業調査部 課長の青木 崇氏から「1兆個のセンサによるIoT社会の変革」とのテーマにて、年間1兆個のセンサを消費するトリリオンセンサ社会が近づいており、IoT時代に向けたセンサメーカの戦略や企業間連携のあり方など、新たなビジネスチャンスに関してご講演がありました。

 第二のご講演はCEA-LETI (France) Silicon Components Division, Head of MEMS Sensors LaboratoryのCaroline Coutier氏から「スマート社会に向けたMEMSの最新動向New Trends in MEMS for a Smart World」と言うテーマで研究施設の規模と研究者の人員、世界中の企業との共同研究、ここで創成させた新規なMEMS技術を使ったベンチャーの活躍と、全てが世界最大級であるフランス・グルノーブルのCEA-LETIから、IoTが中心になるスマート社会に向けたMEMSの最新動向を発表して頂きました。特にMEMSに関する最先端技術である、シリコンナノスケールのデバイスを駆使して、様々なセンサを研究開発し、更にシームレスにファンダリに技術移転して産業化を進めることは、日本としても大変参考になる取り組みでした。。

 最後のご講演は、EnOcean GmbH Sales Director、EnOcean Alliance: Vice Chairman Asiaの板垣 一美氏から「En-Ocean(超低消費電力とエネルギーハー ベスティングのソリューションのために最適な無線技術)」とのテーマで、電池を搭載しない自立型のセンサ端末がますます増加していくと予想されるIoT時代に向けて、EnOcean社の超低消費電力無線技術や自立電源と組み合わせたワイヤレスセンサの最新動向を発表いただきました。En-Oceanは、日本ではまだあまり知名度がありませんが、欧米では自立型ワイヤレスセンサの代名詞になっているようです。

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         図3 会場の様子

 シンポジウムの閉会の挨拶としてマイクロマシンセンター専務理事・長谷川 英一により、聴講者の方々への感謝、講演者の方々へのお礼と、IoT時代を切り開くマイクロマシンセンターの取り組みに関しての説明がされました。参加者は約180人でした。本シンポジウムの企画を何年か担当すると、デバイスから産業化、更にスマート、ネットワーク化と、益々そのテリトリーが広がっているのが分かります。毎年、企画には悩むことが多いのですが、皆さんのご意見を反映して更に良いものにして行きたいと存じます。(国際交流担当 三原 孝士)

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2016年8月10日 (水)

第22回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム(MEMSセンシング&ネットワークシステム展)のご案内

 MEMS関連の技術・製品・アプリケーションを一堂に展示する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」の開催準備が進んでいます。

                   

名称:MEMSセンシング&ネットワークシステム展
                   会期:2016年9月14日(水)~16日(金)
                   会場:パシフィコ横浜

 同時開催:InterOpto/LaserTech/BioOpto Japan/LED JAPAN
                 URL:http://www.mems-sensing-network.com/

                 開催内容を順次ご紹介していますが、今回は「第22回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム」のプログラムをお伝えします。

                   

名称:第22回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム
                   開催日時:2016年9月16日(金)13:30-16:35
                   会場:パシフィコ横浜 アネックスホールF202

                   趣旨:無数のセンサと無線ネットワークが繋がるIoTの世界とは、世界中の欲しい情報がWeb上に存在するまだ見ぬ世界とされています。しかし、無線技術を中心にインフラとしての仕組み作りがある程度揃っても、本当に必要なセンサが最適な形態で提供される”スマートセンシング&ネットワーク”には、まだまだ膨大な技術開発が必要であると考えられます。今回、差別化を図る技術開発と、その産業応用と言う2つの側面で、世界の研究者からの報告や提言によって新たな可能性を探って参ります。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    
  発表者
13:35-
                        14:20
IoT時代のセンサ:真のIoTへの道を開くMEMSとセンサのトレンド
                         米国MEMS & Sensors Industry Groupを代表して、MEMSデバイスやセンサの最新の動向を講演いただきます。
                        これからの真のIoT社会に向けた、MEMS,センサのみではなく、AIやセンサネットワーク、システムまで今後の成長産業について発表いただきます。
David Allan
President
                        Virtuix Inc.
14:20-
                        14:50
IoTセキュリティの最新動向と社会実装に向けての課題と対策
                         IoT時代に向けて、接続されるデバイスは今後さらに飛躍的に増加すると予想されています。一方で、IoTシステムに対するセキュリティ上の問題が顕在化してきています。セキュリティの課題と対策例を紹介し、今後のIoT社会に向けてのセキュリティの方向性を発表いただきます。
                        
株式会社NTTデータ
技術開発本部 課長
平井康雅
15:00-
                        15:30
1兆個のセンサによるIoT社会の変革
                         年間一兆個のセンサを消費するトリリオンセンサ社会が近づいています。IoT時代に向けたセンサメーカの戦略や企業間連携のあり方など、新たなビジネスチャンスを考える発表をいただけます。
株式会社日本政策投資銀行
産業調査部 課長
青木 崇
15:30-
                        16:00
スマート社会に向けたMEMSの最新動向
                         研究施設の規模と研究者の人員、世界中の企業との共同研究、ここで創成させた新規なMEMS技術を使ったベンチャーの活躍と、全てが世界最大級であるフランス・グルノーブルのCEA-LETIから、IoTが中心になるスマート社会に向けたMEMSの最新動向を発表して頂きます。
Dr. Caroline Coutier
                        Head of MEMS Sensors Laboratory Silicon Components Division CEA-LETI (France)
16:00-
                        16:30
En-Ocean(超低消費電力とエネルギー
                        ハー ベスティングのソリューションのために最適な無線技術)

                         IoT時代に向けて、自立型のセンサ端末がますます増加していきます。EnOcean社の超低消費電力無線技術や自立電源と組み合わせたワイヤレスセンサの最新動向を発表いただきます。
EnOcean GmbH Sales Director
EnOcean Alliance: Vice Chairman Asia
板垣 一美
                   

                   シンポジウムは事前申込制ですが、当日会場においても参加受付をいたします。どうぞ、ご来場ください。

                    <成果普及部 内田和義>

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2016年6月20日 (月)

第22回国際マイクロマシンサミット (MMS2016)報告

国際マイクロマシンサミットは21年前の1995年にマイクロマシンセンターが提唱して始まり、その後は毎年同程度の規模で継続されている国際会議です。通常の学会と異なり、各国の代表が、産業政策や科学技術政策、教育まで含めて議論するのが特徴になっています。日本での開催は、第1回の京都、第8回の広島、今回の第22回が3回目になります。今回のサミットのテーマは、「高齢化社会におけるセンサ・MEMS」であり、健康・医療やライフスタイルに対応するマイクロシステムに関する話題が多く出されました。尚、次回(2017)の開催場所は26日の各国代表者会議で、スペインに決定されました。

開催日時: 2016年5月25日(水)~ 5月27日(金) 
開催場所: ハイアット リージェンシー 東京 
オーガナイザー: 東京大学 下山勲教授
参加者: 世界16ヶ国のデリゲート、51名
事務局:一般財団法人マイクロマシンセンター
プログラム:
24日(火) 夕刻:登録とレセプション 1F 「ラウンジ」
25日(水) 《本会議》27F エクセレンス
   午前:カントリーレビュー
   午後:MEMSによるスマートモニタリング
26日(木) 《本会議》27F エクセレンス
   午前:MEMS医療応用とウェアラブル
   午後:新しいライフスタイル
   夕刻:意見交換会</p></div>
27日(金) 《Technical Tour》(つくば市)
  ①フジキン先端事業所(半導体装置用機器・チョウザメ)
  ②KEK フォトンファクトリー
  ③筑波大学 バイオマス研究施設
  ④産総研・サイエンススクエア

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図1 ハイアット リージェンシー 東京 ロビーの看板

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図2 オーガナイザー(チェア)の東大・下山教授

 25日の本会議では、最初の3つのセッションは各国のチーフデリゲイトによるカントリーレビューです。今回は医療、健康分野の話題提供が比較的多い印象を受けました。まず、Benelux・Van den Berg氏からはフォトニック結晶とMEMSを組み合わせた機能デバイス、MEMSやセンサを医療に用いる様々な活動に関する紹介、EC・Gallardo氏からはデジタル化やスマート化によって如何に産業が変革してきたかを判りやすくご紹介、フランス・Labachelerie氏からはLETI等の成果である極めてファインなシリコン共振器を用いた高精度センサを医療分野に使う取り組み、イベリア・Cané氏からは、PDMSのような比較的作成容易なデバイスによる様々な医療応用、およびIOTに必須なナノテクを用いた発電素子等の発表がありました。

 第二のセッションでは、イタリア・Dario氏から医療に使う様々なカプセル技術とマイクロロボット技術、日本・下山教授からは現在様々なプロジェクトで取り組みがされているスマートセンシング技術や、それを実現する新技術・無線モジュールの紹介、韓国・Kim氏からは将来のスマートホンを支えるナノテクの紹介、南米・Lupi氏からは半導体やMEMSの施設や取り組みの紹介、ノルディック・Ohlckers氏からは医療・バイオを支えるナノテクやMEMS,特にナノピラーの利用、ルーマニア・Dinescu氏からはRFMEMSやマイクロTASの紹介がありました。 

 第三セッションでは、シンガポール・Kumar氏から、小さい国なのに複数の研究者で多数の研究テーマが成果をあげていること、スイス・Fischer氏からは最先端MEMSに加え、最先端のスマート時計の取り組みに関すること、台湾・Chiou氏からは急激な高齢化に備えた医療や診断に関する取組み、米国・Gaitan氏からはロードマップやNISTを含む、様々な側面からの取組み紹介がありました。

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図3 MMサミット2016の会場の様子

第一日目の最後のセッションは、MEMSによるスマートモニタリングで、6つの講演がありました。最初にBosch、Beer氏からIOT時代のスマート化を図った複合センシングに関する話題、ドイツHSHL、Kleinkes氏から将来のデジタル化社会における技術革新について、日本の神永氏からMEMSの歴史から今後のIOTを取り巻く世界の趨勢と、シリコン深掘りを中心とした技術開発、同じく日本からNMEMS組合の今仲氏から道路インフラモニタリング(RIMS)プロジェクトの紹介、イタリアの聖アンナ大、Cavallo氏から健康分野におけるサービスロボット、特に介護や生活空間で実際に使っているロボットに関しての報告、日本のオムロン、関口氏からQOL向上を目的としたマイクロシステムを用いたモニタリング、特に世界初のアレイ型圧力センサを用いた脈波から血圧を計測出来るウェアラブル機器の紹介がありました。セッション後にDario教授によるIOTスマートアプリケーションの未来と題するパネル討論会がありました。このパネル討論会のパネラーは下山教授、Gaitan氏、Fonseca氏であり、MMサミットに何度も来て頂いているデレゲイトの方々にお願いしました。特にコーディネータのDario教授は最高の20回の御参加を頂いています。

 第二日目の午前のセッションは、MEMS医療応用(1)で5件の講演です。BeneluxのenablingMNT,Heeren氏からはマイクロ流体の標準化を睨んだ取り組みとして機能単位でビルディングブロック方式の提案と試作、FranceのCNRS,Franck氏からはLiving Cellを用いたバイオ機械の作成と言うテーマで、細胞を中心に様々な生体物質の変態過程を電子・機械回路のアナロジーから応用する試み、同じくFranceのCNRS,Leclerc氏からから臓器Chipと薬剤スクリーニングに関して人工臓器を製作するためにマイクロ流路を用いて細胞機能の租過程を研究する試み、ドイツのIVAM、Dietrich氏からヘルスケアと治療におけるデジタル化に関して、ドイツではセンサを用いた健康機器が年率22%で伸びており、デジタルヘルスの産業領域が今後伸びるとの見方、またイタリア聖アンナ大、Cavallo氏からはParkinson病の為のウェアラブル指輪センサ、足、指、腕等に多様なウェアラブルセンサを用いて様々な信号処理で人体の動きや疾患を判断する取り組みでした。

 午前の休憩後のセッションはMEMS医療応用(2)で4件の講演です。東大の藤田教授から日本とフランスの本研究領域に関する共同研究と、その成果の報告に加えて、医療診断用のBioMEMS特にナノ領域の細胞ピンセット、細胞分類等の技術の紹介、韓国のKwon氏から高速抗原分析用の様々なマイクロ流体やセルアレイに関して、RomaniaのMoldovan氏から小形医療システムの為のマイクロ・ナノ製造に関してピエゾMEMSやナノデバイス等の様々な取り組み、台湾のLin氏から高齢社会におけるインビトロ高速診断に関して、今後は様々な小形のポイントオブケア機器が開発されるとの報告がありました。

 午後の最初のセッションは、MEMSを使った新しいライフスタイルとのテーマでIberiaのFonseca氏からNffaと言うナノスケールでの研究開発の全てが揃うオープンイノベーション拠点のご紹介やナノ材料を用いたエネルギーハーベスト紹介、ItalyのLeone氏から家庭環境でも使える集積化ウェアラブルセンサとして、モーションセンサが様々な人間の行動パターンを推定できることや、ウルトラワイドバンド無線機器が室内の動作や姿勢を推定できること、韓国のKang氏から喘息診断の為のマイクロシステム、特に電気化学的インピーダンス計測を使った診断等の紹介、米国のWalsh氏からMEMSシステムの商用化の発表として、トリリオンセンサに使う無線周波数の制限をもっと自由にすることで様々な利点が生まれる論点がありました。

図4 集合写真

 このMMサミット最終セッションでは、MEMS産業化と言うテーマにて、日本のLi氏から次世代のリソグラフィー技術に関してマルチチッププローブを用いてナノパターンを生成する取り組み、日本の前田氏から産業技術総合研究所のMEMS関連技術に関して、PZT技術や無線、MEMSアクチュエータ技術を用いた様々な取り組みに関して、NordicのOhlcker氏から超伝導光電子デバイスの実装技術開発であるQ-WAVEと言うEUプロジェクトに関して、超低温で使うジョセフソン素子を多数用いた量子デバイスと光学デバイスの集積化の発表がありました。セッション後にVan den Berg教授による医療アプリケーションの未来と題するパネル討論会がありました。このパネル討論会のパネラーはFisher氏、Heeren氏、Cane氏、Kleinkes氏、Ohlckers氏であり、MMサミットに何度も来て頂いているデレゲイトの方々にお願いしました。特にコーディネータのVan den Berg教授はDario教授と同様に最高の20回の御参加を頂いています。

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図5 MMサミットに多数参加頂いたデレゲイトへのプレゼント

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図6 夜の東京湾&隅田川クルーズの様子

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図7 素晴らしい夜景

 MMサミットの会期終了後の技術ツアして筑波地区の最先端技術を巡るイベントを企画しました。今回は何故か水に絡むテーマが多く、最初にフジキン先端事業所で、半導体装置用制御機器のご紹介、高度の流体制御技術を用いたチョウザメの飼育の見学でした。フジキンはニードルバルブの世界的企業ですが、この技術を応用した様々な事業に挑戦されており、この見学もこの一環でした。午後の最初の見学はKEKのフォトンファクトリーです。特にSOR光を使った計測や分析は世界中の研究者が利用されています。また普段は見ることが難しい見学として筑波大学・バイオマス研究施設を見学しました。これは淡水の藻を育成してバイオマス材料として利用する試みです。再生エネルギー研究施設に多くの研究者が興味深々でした。最後は産総研・サイエンススクエアを見学しました。産総研の最先端の研究、すなわちロボット技術や再生可能エネルギー等が一堂に展示され、我々スタッフも楽しむことが出来ました。

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図8 チョウザメの水槽見学(フジキン)

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図9 バイオマスの研究施設

 このように、何か月もかけて事務局にて準備を行ってきた怒涛の3日間も何とか終わり、2日目に行われた団長会議にて来年の開催国がスペインに決まりました。
 
 最後になりますが、本国際マイクロマシンサミット2016のドイツのチーフデリゲイトとしてご参加されるご予定であったFraunhofer 研究所ENAS研究所長のThomas Gessner教授が、5月25日にご滞在のホテルでHeart Attackによってご逝去されました。サミット参加者一同、Gessner教授のご偉業を称えますと同時に、ご冥福をお祈りいたします。
                        (国際交流担当 三原孝士)

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2016年2月10日 (水)

カナダ・アルバータ州MEMS関連機関との情報交換会参加報告(1月25日)

 MEMS協議会では、MEMSビジネス内外交流事業の一貫として国際交流事業を行っており、海外のMEMS関連研究機関との交流も活動の大きな柱になっています。昨年に続き今年も、カナダ・アルバータ州MEMS関連機関との国際ビジネス交流会を実施致しましたので、以下に報告します。
 
   国際ビジネス交流会の開催を知らせる看板

 カナダ・アルバータ州は豊富な天然資源から得られる利益を、MEMSやナノテクの研究開発に長期間に渡って集中投資すると同時に、ACAMP(アルバータ先端MNT製品センター)に代表される大型のオープンイノベーションセンターが、企業の研究開発支援、更に先端技術を武器に展開するスタートアップ企業の育成等によって、最先端分野の産業化促進を行っています。

 今回来日されたNINT(National Institute for Nanotechnology)の  Executive Director: Marie D‘Iorio女史をはじめとするご一行は、nano tech 2016に出展するカナダ・アルバータ州MEMS関連機関企業の経営者・研究者・技術者として来日されました。そこで展示会に先立ち、1月25日に赤坂のカナダ大使館にて、マイクロマシンセンターと情報交流会を行いました。

 当日の交流会は、アルバータから来日された方々などが14名、アルバータ東京事務所の方が3名、一般財団法人マイクロマシンセンターから2名で、計19名でした。


 
           交流会風景

 日本からは、MEMS協議会の活動、MEMS関連プロジェクトの動向、日本における企業、大学での研究開発のトピックス、ナノマイクロビジネス展のご紹介等を行いました。カナダからは、代表してNINTのMarie D‘Iorio女史(アルバータ大学の物理学教授を兼ねる)の講演の他、既に何回も御会いしている方々との間で和やかに情報交換が出来ました。(産業交流部 松本一哉)


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2016年2月 4日 (木)

第4回海外調査報告会を盛況に開催(1月21日)

 第4回MEMS協議会海外調査報告会を1月21日に新テクノサロンで開催し、約40名の方にご参加いただきました。このイベントはマイクロマシンセンター/MEMS協議会(MIF)が行っているMEMS関連の海外調査及び国際標準化の状況について報告するものです。毎年のように北米や欧州を中心に学会等のイベント、海外の大学や研究施設、関連企業の訪問見学を行ってきましたが、今回は特に特別報告として世界の家畜に関連する報告を企画致しました。
         
                        写真1 会場の様子
                  
  MEMS協議会事務局長・長谷川英一からの主催者挨拶のあと、最初の報告は特別報告として「欧州と豪州の畜産用センサの現状と動向」と題して技術研究組合NMEMS技術研究機構およびマイクロマシンセンターのMEMSシステム開発センター  武田宗久から、イギリス、エクスターのeCow社、オーストリア、グラーツのsmaXtec社、オーストラリア、ガトンのQueensland大学、および Sydney大学の報告がありました。最初に畜産業の産業内の位置付けとして、国内の畜産は農業生産額の31%を占める最大(2.5兆円産業)であること、世界のスマートフォンの台数が2012年に約7億台に対して、牛の数は15億頭と極めて大きな数字であるとの報告でした。また子牛の誕生、生育、乳牛、健康管理や販売に至る産業形態も説明がありました。牛用のセンサとして各種体温計(深部、耳、膣等)、発情検知(モーションセンサ)、ルーメン(胃)のPHセンサの説明と、何故センサによる牛の管理が必要であるかの説明、受胎率の向上や、生産病(肺炎やストレス)等の課題の説明もありました。また現在取組を行っている、SIP次世代農林水産産業創造技術の研究内容の紹介によって、現在の最先端の状況も判りました。
  海外の状況として、最初に英国のeCOW社は、2007年に設立、Royal Agricultural 大学のToby Mittram教授がCEOです。PHセンサに無線モジュールを付けたセンサで、既に1000台以上が出荷されているようですが、実際に稼働しているのは250台とのことです。
  またオーストリア、smaXtec社は2009年設立、製品のラインナップは広く、Phセンサに加え、気象センサ、センサステーションも含み、出荷台数は2015年に2万台とのことです。このルーメンセンサPHセンサと温度センサを搭載し、センサ内メモリに蓄積したデータを纏めて送る仕組みです。
   豪州の調査では、クイーンズランド大学とシドニー大学の調査報告がありました。この大学ではルーメンセンサや温度センサ、ストレスセンサを活用している(特に運搬時のストレス評価のため)とのことです。
                  
                           写真2 武田から報告
                  
   続いて、「米国のMEMS産業動向」についてMEMS協議会 松本 一哉からMEMS Industry Group(MIG)国際ビジネス会議 (MEMS Executive Congress US in 2015)、Stanford大学工学部・大学院Ginzton Laboratory訪問の報告がありました。
   最初にMEMS Industry Group(MIG)のKaren代表から、IoTの到来を見据え、同団体の名称をMEMS & Sensors Industry Groupに改名することを宣言、更にトリリオンセンサビジョンを2015年5月に傘下に納めた事の報告があったとのことです。またSteve Nasiri氏からベンチャー発の企業であるInvenSenseが何故ここまで成功したかを、要因分析し、実装技術を中心に常に技術で先駆的に進めていたことの報告がありました。
  市場動向として特に市場が拡大するセンサは、BAW(Bulk Acoustic Wave)フィルタで、iPhone6sで20個搭載され、今後更に搭載個数は伸びる見込み、同センサ市場は、Avago社(60%)、Qorvo社(40%)の寡占市場となるとのことです。高周波共振器のRF-MEMSは日本が従来強かったので、最近の状況は残念です。
  またMEMSマイクロフォンの性能向上も素晴らしく、マイクロフォンは、概ねスマートフォンに4つ搭載され、ノイズキャンセラとして音質向上に貢献しています。マイクロフォンの感度向上(機能改善)によって価格下落を阻止できている稀なケースです。現在マイクロフォンの感度は約60dBですが、次世代技術では75dB以上になるものと考えられるほか、Optical MEMSマイクロフォンといった新しいセンサも出てくると推測されます。この場合、82dBに性能向上が可能との事です。
  前回は日本からの参加者は2名と少なかったのですが、今年は8名とのことです。MIGに詳しいSPPの神永アドバイザーによりますと、日本からの参加や講演寄与が増えたことに、主催者が驚いていたとのことです。
                  
                            写真3 松本から報告
                  
  次は「マイクロマシンサミット2015と題してMEMS協議会・国際交流担当の三原孝士が報告しました。マイクロマシンサミットは毎年、各国のMEMS関連状況をそれぞれ報告し、意見交換する場として開催され、今回は第21回となります。今回は久しぶりに欧州のドイツでの開催であり、またテーマも「SMART SYSTEMS FOR MANUFACTURING AND FACTORY AUTOMATION」とドイツ発のインダストリ4.0の話題が共鳴し、欧州からの参加者が例年以上に多く、参加人数は70名、発表数は約60件、Delegatesの多い国は、ドイツ 12名、イタリア 11名、オーストラリア 5名、中国 5名、イベリア半島 5名、スイス 4名またUSA 4名の順でした。
  また研究所の訪問では、ベルリン近郊にあるFraunhofer研究所のIZM(マイクロエレクトロニクス信頼性研究所)でした。Fraunhofer研究所は最先端でなくても、企業にとって必要な研究開発を行う研究所として世界的に有名ですが、IZMは半導体やセンサ、電子基板モジュールの研究開発を行っています。MEMSの研究は勿論ですが、例えばフレキシブルプリント基板の研究等です。日本では論文が書けないと研究テーマは成り立たないことが多いのですが、Fraunhofer研究所では産業界が望めは継続する歴史があります。
  今年のマイクロマシンサミット2016(第22回)は久しぶりに日本で開催されます(第1回が京都、第6回が広島でした。)、場所は新宿のハイアットリージェンシー東京(新宿)で、日程は5月25日、26日です。全世界のMEMSやナノテクの産業推進状況が判ります。御参加を希望される場合は事務局までお問い合わせください。
                  
                         写真 三原から報告
                  
                        写真 坂井から報告
   最後は「MEMS国際標準化に関する活動状況」と題して調査研究・標準部長の坂井裕一より報告がありました。最近は、センサに無線システムが搭載され、更にエネルギーハーベストに対しての取組みも強化されており、マイクロマシンセンターでもSSN(スマートセンシング&ネットワーク)研究会を設立して、その活動を強化しています。この分野は、応用分野別にセンサ・無線・エネルギーハーベスト・電源管理・実装と言った要素デバイスや技術の評価を含む国際標準化が必要ですが、特に無線等ではデファクトスタンダードに頼っている側面もあります。このような背景からMEMSの国際標準化はIECを舞台に、更に進められるように「プロダクトアウト/プロセス重視型」のアプローチから「マーケットイン/結果重視型」へと転換が進められています。IECから発行済みのMEMS関連規格は24件で日本提案が11件、韓国提案が13件となっており、現在審議中が5件あります。審議中の案件には日本・韓国が2件づつ、中国とドイツがそれぞれ1件あります。
                  
   最後に閉会の挨拶 として、専務理事 青柳桂一から熱心にご参加、ご議論して頂いた方々へのお礼がありました。
                  
                           写真 熱心な議論
                  
                  
                         写真 懇親会の様子
   報告会には住友精密工業・神永様、次世代センサ協議会・大和田専務も参加いただき、コメントを頂きました。さらに報告会の終了後には懇親会に場所を移し、情報交換を行いました。(MEMS協議会 国際交流担当 三原 孝士)

                  

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2015年12月 7日 (月)

2015年度 米国MEMS産業動向調査の報告

 米国MEMS Industry Group主催で、2015年11月4日(水)~11月6日(金)の間、米国カリフォルニア州ナパにて開催されたMEMS Executive Congressに国際交流およびMEMS産業動向調査の一環として参加したので報告する。
 この会議は毎年この時期に開催されているもので、講演やパネルディスカッションといったフォーマルな行事と、休憩時間等の空き時間でのインフォーマルな会話を通して、情報交換や人的なネットワークを形成することにより、MEMS関連産業の関係構築を可能とする。特徴としては、研究開発そのものの発表は少なく、事業化をどう促進するかが主題の会議となっている事である。

 今回は2年前と同じく、ワインの産地としても知られるナパを会場とし、情報交流の場としてナパ名産のワインを飲みながらの交流も盛り上がった。
 欧米を中心に、220名近くの方が参加されていた。日本人は、オムロン株式会社マイクロデバイス事業推進部事業部長の関口氏と住友精密工業元社長の神永氏および東北大学大学院工学研究科の田中教授ほか総勢8名というところで、増加の傾向には有るものの、海外のMEMS産業、特に中国の元気さと裏腹に、日本のMEMS産業の寂しさを感じえない。

 会議の当初に、IoTの到来を見据え、同団体の名称をMEMS & Sensors Industry Groupに改名することを宣言したのが印象的であった。この改名に伴い、この団体の新たなサービスとして、Market Place(有望用途、市場)を提供していくことを謳っていた。
今回は主に以下のテーマについて発表があった。
・MEMS市場動向(Yole development、IHS)
・Boschを始めとした各社より、MEMS技術を活用した新開発技術と新商品
・エレベーターピッチでのベンチャーによる、短時間での新技術・事業の提案

 全体を通じて、印象に残った知見としては以下の通り。
・MEMS市場は2014年~2019年にかけて、CAGR(年平均成長率)7.6%で成長するという予測。特にコンシューマーモバイル向けは著しく伸び13.4%で拡大する。市場が拡大するセンサはBAW(Bulk Acoustic Wave)フィルタであり、iPhone6sで20個も搭載されている同センサは、今後さらに搭載個数が伸びる見込み。
・また、モバイル向けセンサについては、今後は加速度、ジャイロ、電子コンパスなどは売り上げが飽和するが、マイクロフォンは特性の向上に助けられ、売り上げの拡大が期待できる。
・パイは大きくないが、健康モニタ用途や医用電子産業は堅実に延びる見込み。

 来年度は、2016年9月7日、8日と中国の上海にて、MEMS Industry Group Conference Asia 2016が開催される予定である。日本のMEMS産業の課題やグローバル連携などについて考える良い機会であるので、関係各位もぜひ継続して参加されることをお勧めする。

<産業交流部 松本一哉>

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