国際交流

2023年6月26日 (月)

2023 第26回「国際マイクロマシンサミット」(ブカレスト、ルーマニア) 参加報告

マイクロマシンサミットは、年に1回、世界各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/ナノテクノロジーに関する課題や展望につき意見交換する場です。日本の提案により1995年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで開催されています。新型コロナの影響で3年間延期された第26回マイクロマシンサミットが、当初の開催地であったルーマニアの首都ブカレストで、2023年5月22日(月)から24日(木)まで開催されましたのでご報告いたします。今回のトピックスは「Electronic systems: challenges and perspectives」でした。日本からは東京大学大学院精密工学専攻の伊藤寿浩教授がチーフデリゲイトとなり、マイクロマシンセンターの国際交流担当の武田と2名で参加いたしました。今回のオーガナイザーは、ルーマニアの国立研究機関のIMT(National Institute for Research and Development in Microtechnologies)のDr. Carmen Moldovanで、会場はGrand Hotel Continental Bucharest(写真1:会場のホテル外観)でした。

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写真1 開催会場のGrand Hotel Continental Bucharestの外観

今回はルーマニアの隣国のセルビアが新たに加わりましたが、米国、中国、韓国等ヨーロッパ以外の国・地域からの出席者が少なく17の国・地域(オーストラリア、オーストリア、ベネルクス地区、ブラジル、カナダ、EC、フランス、ドイツ、ハンガリー、イベリア地区、インド、アイルランド、イタリア、日本、ルーマニア、セルビア、イギリス)から39名のデリゲイトの登録がありました。当日インドとドイツのチーフデリゲイト他計3名の欠席があり、36名の参加になりました(ECとフランスはオンライン参加)。最も参加者の多かったのは開催国のルーマニアで6名、次いでドイツ、イベリア、イタリアの4名でした。会場の様子及び2日目に撮影した集合写真を写真2、写真3に示します。

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 写真2 会場の様子

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 写真3 集合写真

第1日目はDr. Carmen Moldovanの開会の挨拶(写真4)の後、各国の現状を報告するカントリーレビュー10件と一般講演4件の発表がありました。2日目はカントリーレビュー6件と一般講演11件がありました。

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写真4  Dr. Carmen Moldovanの開会の挨拶の様子


日本からは伊藤チーフデリゲイトから日本の半導体戦略の中でMEMSに関連する先端パッケージ戦略及びムーンライトプロジェクトやMMCが関連する国家プロジェクトの紹介がなされました(写真5:伊藤チーフデリゲイトのプレゼンの様子)。

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写真5 伊藤チーフデリゲイトによる日本のカントリーレビュー報告の様子

また、武田から防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度で受託している小型原子時計の研究成果について「The development on vibration-resistant physics package for chip-scale atomic clocks」と題する発表を行いました(写真6:武田のプレゼンの様子)。

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 写真6 武田のプレゼンの様子

今回ホットなトピックスは半導体の供給不足を解消するために制定された米国のChips Actを受けて、EUにおいても制定された「EU Chips Act」で、EC のMS. Maloney Coletteより制度の全体的な説明がなされるとともに、フランスやイタリアのカントリーレビュー等においても、この制度を使ってSTMicroelectronicsやGlobalFoundries等の企業が各種半導体の量産工場をEUにおいて既に建設するとともに、今後EU各国において次世代半導体の拠点が形成されることが分かりました。また、イタリアにおいて現在MMCで国家プロジェクト化を進めようと検討しているEfriM(Environment-friendly MEMS : 環境調和型MEMS)と似た概念のSeed-like robots for environmental monitoringが実施されていたり、イギリスのデリゲイトとして参加されていたSouthampton大学の土屋准教授より2023年2月からリザバーコンピューティングのプロジェクトNOEMIA(Nano-Opto-Electro-Mechanical Integrated Oscillator Arrays for Energy-Efficient Physical Reservoir Computing)が立ち上がったりしていることも分かりました。さらに、ECの非営利団体でSTMicroelectronics、Bosch、Infineonをはじめとする主要MEMS企業やFraunhofer、IMEC、VTT等の主要研究機関を含む100機関程が加盟してSmart System Integrationを推進しているEPoSS(European Association on Smart Systems Integration)のDirectorであるDr. Elisabeth Steimetzより日本と先端パッケージング等で国際連携プロジェクトを立ち上げないかとの誘いを受けたことも今回のマイクロマシンサミット参加の成果としてあげられます。

テクニカルツアーとしては、5月24日にブカレストから30分程度の郊外にあるExtreme Light Infrastructure Nuclear Physics (ELI-NP)を見学しました(写真7~8参照)。ELI-NPは欧州委員会とルーマニア政府による 欧州地域開発基金(ERDF)で建設された世界で最高クラスの高出力レーザーシステム(毎分2×10PW@1ショット、2×1PW@1Hz、2×100TW@10Hパルス)を有する研究施設で、2019年から本格稼働しているとのことでした。10PWのレーザービームライン、コントロールルーム、レーザービーム利用実験室等の説明を受けました。高出力過ぎて直接MEMSに利用することは難しいと思いますが、同様の施設は中国にあるだけで、ルーマニアにある世界有数の研究施設ということで見学先に選定されたものと思います。

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 写真7 ELI-NPの10PWレーザーのある建物

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  写真8 10PWレーザー前での説明の様子


次回のMMS2024の開催月は例年通り5月に、開催地はオーストラリアのMEMSフラグシップ施設のあるパースで、オーガナイザーはWestern Australia大学のMariusz Martyniuk准教授が務めることになりました。今後もマイクロマシンサミットにおいて、世界各国のMEMS関係機関との国際交流を深め、世界のMEMSの最新動向を入手して、情報発信していきます。

(MEMS協議会 国際交流担当 武田宗久)

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2022年10月26日 (水)

JCK MEMS/NEMS 2022 参加報告

 10月16日(日)から10月19日(水)に鹿児島大学(郡元)学習交流プラザ2階 学習交流ホールで開催されましたJCK MEMS/NEMS 2022に防衛装備庁安全保障技術研究推進制度の成果報告のため参加(10月16日~18日)しましたので、報告致します。

 JCK MEMS/NEMSは日本―中国-韓国のMEMS/NEMS(Micro Electro Mechanical Systems / Nano Electro Mechanical Systems)に関するジョイントの会議で、今回が第13回目になります。 日本、韓国、中国の順に持ち回りで開催しており、日本での開催は2019年の旭川での第10回会議以来3年ぶりになります。この間、新型コロナのため、第11回の韓国は限られたメンバーでのオンライン会議に、昨年の第12回は、中国メンバーは西安に集まりましたが、韓国と日本はオンラインでの参加のハイブリッド開催となりました。今年も当初はリアル開催を目指しましたが、新型コロナの影響で7月の沖縄開催を10月の鹿児島開催に延期するとともに、韓国からの招待講演者1名と留学生及び日本人は鹿児島に集合しましたが、他はオンラインでのハイブリッド開催となりました。

 参加者は会場65名、オンライン33名の計98名で、日本から67名、韓国から8名、中国から22名、ベトナムから1名の参加でした。ジェネラルチェアは慶應義塾大学の三木教授で、以下に示す日本、中国、韓国から各1件のプレナリートークと10件の招待講演(日本:3件、中国:4件、韓国:3件)、27件の口頭発表(日本:18件、中国:5件、韓国:4件)、5件の企業口頭発表(日本:5件)、15件のポスター発表(日本:13件、中国:1件、ベトナム:1件)と2件のバーチャルポスター発表(中国:1件、韓国:1件)の計62件の発表があり、MEMS/NEMS分野の最新の研究発表に関して活発な議論がなされました。会場及びポスター発表の様子を写真1と写真2にそれぞれ示します。

【プレナリートーク】
① Emergent Functions of Electrically-induced Bubbles (Prof. Yoko Yamanishi, Kyushu University, JAPAN)
② Recent Progress of thin films thermocouples by MEMS Technologies (Prof. Bian Tian (Virtual) , Xi’an Jiaotong University, CHINA)
③ 3D artificial cell membrane structure arrays fabricated on Si substrate in a microfluidic channel (Prof. Tae Song Kim (Virtual) , Korea Institute of Science and Technology, KOREA)

【招待講演】
① An example of applying blockchain technology to semiconductor fabrication (SVP Myoung Soo Choi, SK Hynix, South KOREA;Tottori University, JAPAN)
② Fabrication of Flexible Li ion Battery (Dr. Seungmin Hyun (Virtual) , Korea Institute of Machinery and Materials, KOREA)
③ MEMS foundry Service in Sony Semiconductor Manufacturing Corp. and Development of advanced process technology in collaboration with Tohoku University (Dr. Hidetoshi Miyashita, Sony Semiconductor Manufacturing Corporation, JAPAN)
④ IoD (Iternet of Disaster)-Feasibility Study of Debris Flow Detection in Sakurajima- (Dr. Yuichi Kurashima, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST), JAPAN)
⑤ Laser Manufacturing of Multifunctional Flexible Sensors & System Integration (Prof. Kaichen Xu (Virtual) , Zhejiang Universit y, CHINA)
⑥ Microchannel cantilevers beyond mass sensing applications (Prof. Jungchul Lee (Virtual) , Korea Advanced Institute of Science and Technology, KOREA)
⑦ Flexible Sensing Electronics for Smart Prosthetic Hand (Prof. Ting Zhang (Virtual) , Suzhou Institute of Nano-tech and Nano-bionics, Chinese Academy of Sciences, CHINA)
⑧ Ultrabright Fluorescent Silicon Nanomaterials for pH Sensing and Bio-Medical Imaging Applications (Prof. Yufei Liu (Virtual) , Chongqing University, CHINA)
⑨ A MODIFIED LUMPED PARAMETER MODEL FOR MEMS MICROPHONE DEVELOPMENT (Dr. Kumjae Shin (Virtual) , KITECH (Korea Institute of Industrial Technology), KOREA)
➉ Ultra-precision Measurement for Some Tumor Markers (Prof. Lei Liu (Virtual) , Southeast University, CHINA)


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      写真1 会場の様子

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     写真2 ポスター発表の様子

 今回私は、防衛装備庁が実施する安全保障技術研究推進制度JPJ004596 の委託事業「量子干渉効果による小型時計用発振器の高安定化の基礎研究(HS-ULPAC : High Stability Ultra Low Power Atomic Clock )」におけるMEMS技術を活用した耐振動性を有する新しい小型原子時計量子部の試作成果について口頭発表し、HS-ULPACの技術力の高さをアピールして、研究成果の広報ができたと考えます。

 次回のJCK MEMS/NEMS 2023は2023年9月中旬に韓国の済州島で開催されることがアナウンスされました。来年こそは新型コロナが落ち着いて、完全リアルで開催できることを祈って閉会されました。

           (MEMSシステム開発センター長 武田 宗久)

 

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2019年5月23日 (木)

2019 第25回「国際マイクロマシンサミット」(中国,西安) 開催報告

マイクロマシンサミットは、年に1回、世界各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/ナノテクノロジーに関する課題や展望につき意見交換する場です。日本の提案により1995年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで開催されています。
2019年は5月6日(月)から9日(木)まで中国の西安で開催されましたので報告致します。中国での開催は2006年の北京,2013年の上海に続く3回目になります。今回のトピックスは”Intelligent Manufacturing: Start from micromachine on a chip”でした。日本からは東京大学の伊藤寿浩教授を団長に、産総研の前田龍太郎先生とマイクロマシンセンターの国際交流担当として武田の3名が出席しました。今回のオーガナイザは、西北工業大学のYuan Weizheng教授でした。日本とも関係の深い古都長安(現在の西安)の西市場(現在残っています市城壁の南西角の外ではありますが、長安の時は城壁の中の西門の近くにあった国際市場)だった場所に建てられたTang Dynasty West Market Hotel(写真1:会場のホテル外観,写真2:会場前の看板)で開催されました。ちなみに東門の近くにありました国内市場だった東市場の場所は,現在は西安交通大学になっています.
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写真1 開催場所のTang Dynasty West Market Hotel外観

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写真2 会場前の看板

今回はタイが新たに加わり、22の地域から64名のデリゲートの登録がありましたが、ビザの関係でラテンアメリカ、イギリス、インド、パキスタンの4地域のデリゲートの欠席があり、デリゲートとしては60名の参加になりました。最も参加者の多かったのは開催国の中国で15名、次いでドイツの7名、イタリアの6名でした。会場での集合写真を写真3に示します。
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写真3 会場での集合写真

第1日目はYuan Weizheng教授の開会の挨拶(写真4:Yuan Weizheng教授の開会の挨拶の様子)の後、各国の現状を報告するカントリーレビューの発表がありました。オーストラリア、ベネルクス、カナダ、中国、EC、フランス、ドイツ、イベリア半島、イタリア、日本、韓国、マレーシア、オランダ、ルーマニア、スイス、米国、シンガポール、タイの順番で報告がありました。各国の産業&技術政策状況、特にIntelligent Manufacturingに関する話題提供があり、日本からは伊藤団長より経産省が進めているConnected Industries及びMEMSやIoTに関する国家プロジェクトの紹介がなされました(写真5:伊藤団長のプレゼンの様子)。また、ECからはDr. Petra Weilerより、新しい5E(Federating European Ecosystems, nano-Electronics, Electronic smart systems, flexible Electronics)プロジェクト等の紹介がありました(写真6:Dr. Weilerのプレゼンの様子)。また、おもしろかったのはスイスから5G通信の世界の話が多くなされているが、本当に5G通信が必要かどうか、4G通信だけで十分ではないかとの問題提起がなされたことでした。時計のスイスらしくCeramic X.0としてセラミックの高精度マイクロ加工によりアナログ時計部品を製造している等の紹介がありました。
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写真4  Yuan Weizheng教授の開会の挨拶の様子

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写真5 伊藤団長による日本のカントリーレビュー報告の様子

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写真6 ECの Dr. Weilerからの5E紹介プレゼンの様子

2日目、3日目は、各国、地域のデリゲートから個別話題の提供があり、計19件の発表がありました。伊藤団長は2日目の午前のセッションの議長もされました(写真7:伊藤団長の議長の様子)。日本からは武田より「Road Infrastructure Monitoring System Development Project(RIMS)」と題してRIMSプロジェクトの紹介を行いました(写真8:武田のプレゼンの様子)。イタリアからイタリアでは最近落橋事故があり、このような技術は重要であるとのコメントを頂きました。個別話題発表では大学や国立研究機関の発表が多かったですが、主要MEMS企業からはBoshとSTMicroelectronicsからの発表があり、どちらの発表でも、MEMSセンサのキートレンドは超低消費電力、高性能、知能組込みであると主張していました。IoT社会において、今後センサは単なるセンシングを行うだけではなくセンサにおいてある程度の情報処理を行ったスマートセンサとして、あらゆるところでの常時モニタリングを実現するフロントエンドとして発展していく世界がすぐそこに来ていることを強く感じました。また、BoshではMEMSデバイスの工場は中国にはつくっていないですが、ユースケース開発のために23のテクニカルセンターを中国において、2007年より中国で積極的な投資を行っているとのことでした。
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写真7 伊藤団長の議長の様子

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写真8 武田のプレゼンの様子

テクニカルツアーとしては、今回議長を務めたYuan Weizheng教授の西北工業大学と空軍の航空機管制研究所の見学がありました。西北工業大学は航空機分野で有名な大学であり、そのためMEMSデバイスの開発としても、航空機の翼に搭載して流れを制御するスマートスキン、竹の表面に氷が付かないことから竹の表面構造を模擬した翼に貼る防氷構造、オプティカルミラーを使った3次元イメージキャプチャーのデモ等を見学しました。また、銃の照準器用のIRカメラ等の開発も行っていました。セキュリティが厳しいため、写真撮影はあまり行えませんでしたが、西北工業大学のState key Laboratory of Intelligent Microsystem for Harsh Environmentsの看板の前での写真を写真9に示します。もう1箇所の訪問先は中国空軍の航空機管制研究所で西安の郊外に1年前に建設された立派な研究所でしたが、セキュリティが厳しく、スマホ等も預けて見学しましたが、研究所のビデオと航空管制コンポーネントの製品を見せられただけで、殆ど中身のないものでした。
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写真9 西北大学の看板の前での写真

マイクロマシンサミットでは、会期中の交流会で、その国の文化を理解するカルチャーイベントが楽しみですが、今回は西安で開催されましたため、有名な兵馬俑(写真11)の見学と中国劇の鑑賞がありました。兵馬俑は写真10に示すように、圧巻であり、多くの見学者が来ていました。中国劇はプロジェクションマッピングも駆使され、幻想的なものでした。また、バンケットは西安で有名な飲茶レストランで行われました。
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写真10 兵馬俑

次回の開催場所を議論するチーフデリゲート会議(ランチミーティング)は通常はチーフデリゲートだけの会議ですが、今回は4か国の欠席があったためか、これまで中国のチーフデリゲートを長年務められ、今回も名誉共同議長をされていた精華大学のZhou Zhaoying教授より創設者のMMCとして参加して欲しいとの依頼があり、参加させて頂きました(写真11:チーフデリゲート会議の様子)。イタリアのDario教授から、前回のMMS2018において候補の上がっていたルーマニアと新たにオーストラリアが候補として推薦され、議論の結果、次回はルーマニアのブカレストで、次々回はオーストラリア、その次はカナダで開催ということに決まりました。次回のMMS2020の開催月は例年通り5月に行い、オーガナイザーはNational Institute for R&D in Microtechnologies-IMT BucharestのAdrian Dinescu会長が務めることになりました。また、推奨テーマとして、気候変動に係るMEMS技術に決まりました。さらに、Dario教授より、テーマは毎回決めているが、各国のカントリーレビューでは様式が様々になっているので、様式を決めて発表しようとの提案もなされました。
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写真11 チーフデリゲート会議の様子

(MEMS協議会 国際交流担当 武田 宗久)


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2019年2月25日 (月)

第7回海外調査報告会を盛況に開催

 第7回MEMS協議会海外調査報告会を2月25日(月)に新テクノサロンで開催し、約40名の方にご参加頂きました(写真1)。このイベントはマイクロマシンセンター/MEMS協議会(MIF)が行っているMEMS関連の海外調査及び国際標準化の最新状況について国際交流事業の一環として報告するものです。今回は以下の5件の報告を行いました。
1.「海外MEMS関連研究開発動向調査」(武田宗久)
2.「IoT社会に向けたセンサ動向調査とMEMS産業動向」(今本浩史)
3.「国際マイクロマシンサミット2018報告」(三原孝士)
4.「MEMS関連の国際会議報告(MEMS2019)」(野田大二)
5.「MEMS国際会議報告(APCOT2018)とMEMS国際標準化に関する活動状況報告」(大中道崇浩)
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  写真1 会場の様子
 MEMS協議会事務局長・長谷川英一からの主催者挨拶(写真2)のあと、最初の報告は「海外MEMS関連研究開発動向調査」と題してMEMS協議会の国際交流担当の武田宗久から、欧州、米国、中国の研究機関、大学、ベンチャー等を訪問し、調査した最新の研究開発動向に関して、欧州研究機関(ドイツのFraunhofer ENAS(Institute for Electro Nano Systems)及びフィンランドのVTT)の研究開発動向、IoTを支える基盤技術の動向、健康・医療分野の動向、自動運転分野の動向、ロボット分野の動向、製造分野の動向に分類して報告しました(写真3)。MEMSの第三の波のアプリであるIoT、健康・医療、自動運転、ロボット関連のMEMS製品の開発が世界で活発に行われている状況が把握できるとともに、ピコセンシング技術がキーとなる製品が多々存在することが分かりました。
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写真2 長谷川専務理事の挨拶
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写真3 武田からのプレゼンの様子
 続いて、「IoT社会に向けたセンサ動向調査とMEMS産業動向」と題して、技術研究組合NMEMS技術研究機構及び一般財団法人マイクロマシンセンターの今本浩史から報告がありました(写真4)。米国MEMS & Sensors Industry Group主催で、2018年10月28日~10月30日の間、米国カリフォルニア州ナパにて開催されましたMEMS & Sensors Executive Congress US 2018(MSEC2018)におけるMEMS&センサの動向調査の結果及びマイクロマシンセンターの産業動向調査委員会の取り組みとして実施しています「IoT社会に向けたセンサ技術動向とMEMS産業動向」の内容について報告がありました。MSECの参加者は減少の傾向にあるようでしたが、MEMSに関係する企業(デバイスメーカ、装置メーカ、センサ利用メーカなど)のExecutiveが中心となってビジネスに関する意見交換が活発に行われていたようです。また、今年の会議ではマシンラーニングがキーワードとして多かったようでした。
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写真4 今本氏からの報告の様子
 次は「国際マイクロマシンサミット2018報告」と題してMEMS協議会の三原孝士氏が報告しました(写真5)。2018年の第24回「国際マイクロマシンサミット」は5月14日(月)から16日(水)までアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されました。農業や畜産大国のアルゼンチンらしくテーマは”Agro-food & Environment. Other related applications and results from new and highly relevant R&D actions”でした。今回のオーガナイザは、アルゼンチンArgentinean Nanotechnology FoundationのDaniel O. Lupi所長でした。今回は立地的な理由もあって参加者が少なく、13の地域から31名のデリゲイトが参加されました。日本からは今年度から団長が東京大学の下山勲教授から伊藤寿浩教授に変更になり、後マイクロマシンセンターの国際交流担当として三原と合わせて2名が出席しました。一日目は各国の現状を報告するカントリーレビューで、各国の産業&技術政策状況、特に農業や畜産におけるマイクロシステムやセンサに関する話題提供があり、日本からも現在進行中のMEMSやIoTに関する国家プロジェクトの紹介と共に、今回のMMサミットのテーマにマッチした養鶏や畜産でのセンサIoTを使ったセンサシステムの研究状況を、伊藤団長から話題提供をされました。二日目は、個別話題の講演会で、16件の発表と農業や畜産におけるセンサやIoTの取り組みを議論するラウンドテーブルがありました。日本からの発表は昨年に引き続き国際標準化の重要性と各国の参加を呼び掛ける内容でした。2019年のサミットは中国の西安で5月6日から5月10日に開催されます。
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写真5 三原氏からの報告の様子
 続いて「MEMS関連の国際会議報告-国際会議 MEMS 2019 報告」とのタイトルでMNOICの野田大二氏から2019年1月28日から31日の4日間、韓国ソウルで開催されましたMEMS2019の報告がありました(写真6)。MEMS2019の議長は韓国KAISTのJun-Bo Yoon教授と日本の東京大学竹内昌治教授で、(一財)マイクロマシンセンターもブロンズスポンサーとして支援を行いました。MEMS 2019では投稿論文数677件、採択論文数281件、採択率は41%との紹介があり、その採択論文の内訳は、口頭発表が76件、ポスター発表が205件となっていました。この他にオープンポスターとして61件が選ばれていました。採択論文著者の所属国別件数順位は、1位中国、2位米国、3位日本、4位韓国、5位台湾、以下スエーデン、ドイツ、フランスとなっており、アジアでの開催のためか、全体の約7割がアジアからの発表で占められていました。投稿論文のカテゴリとしてはバイオ、医療関連への投稿が増えてきているようでした。次回はカナダのバンクーバーにて2020年1月に開催予定です。
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写真6 野田氏からの報告の様子
 最後にMEMS協議会・標準部の大中道崇浩から「MEMS国際会議報告(APCOT2018)とMEMS国際標準化に関する活動状況報告」と題して報告がありました(写真7)。先ずは2018年 6月24日~27日 香港・香港科技大学で開催されました隔年開催の Transducer 技術に関する国際会議であるAsia-Pacific Conference of Transducers and Micro-Nano Technology(APCOT2018)の報告がありました。マイクロマシンセンターでは、「国内外技術動向調査」という取り組みとして、MEMS分野の著名な国際会議等をターゲットにした定点観測的な調査を例年行っており、本国際会議はその調査の対象学会です。国内外技術動向調査は、有識者から成る委員によって分析を行い例年報告書として発行しますが、今回は事務局として学会に参加し、今後の調査報告書の作成により具体的・現実的な側面で支援可能と思います。また、合わせて「MEMS国際標準化に関する活動状況」の報告が同じく大中道崇浩からありました。MEMS国際標準化はIEC(国際電気標準会議)で進められており、日本はMEMS分野を担当する分科委員会SC47Fの幹事国として主導的に推進しています。IECの全体会議は毎年開催され、2018年は10月15日~19日に韓国の釜山で開催されました。また、アドホック会議は2018年6月6日~8日にアメリカ・ハワイのホノルルで開催され、現在審議中の規格案について主査から報告の後、意見交換が実施されました。
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写真7 大中道氏からの報告の様子
  MEMS協議会の会員サービスとして始めた本海外調査報告会も7回を数えるほど、長期間継続しています。本会へのご参加はリピータが多いことも特徴で、会員交流の側面も有しています。海外の状況はインターネット等で公開されているとは言っても、中々生の情報や、専門化の印象&感想を聞ける機会は少ないのが現実です。今回もSPPテクノロジーの神永様に貴重なコメント(写真8)や、報告会の後に行った会員交流会(写真9)でIoTの最新状況や日本の課題を議論することが出来ました。最後のこの場を借りまして、今後のMEMS協議会への積極的なご参加を引き続きお願いしたいと思います。
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写真8 神永氏のコメントの様子
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写真9 意見交換会の様子
(MEMS協議会 国際交流担当 武田 宗久)

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2019年2月 1日 (金)

国際会議 MEMS 2019 参加報告

 2019年1月28日から31日の4日間、韓国のソウルにて開催されましたMEMS関連の主要国際会議であるMEMS 2019に参加しました。(一財)マイクロマシンセンターもブロンズスポンサーとして支援を行いました。会場はソウル江南区にある韓国最大級のコンベンションセンター「Coex」にて開催されました(写真1、写真2)。地下1階はCoex Mallとなっており、ショッピングモール内にはシネマコンプレックスや水族館を備えた一大スポットになっていました。

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       写真1 会場外観(韓国・ソウル,Coex)

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           写真2 講演会場の様子

 近年のMEMS国際会議は毎回700名を超える参加者となっています。今回のMEMS 2019では投稿論文数677件、採択論文数281件、採択率は41%との紹介があり、その採択論文の内訳は、口頭発表が76件、ポスター発表が205件となっていました。この他にオープンポスターとして61件が選ばれていました。採択論文著者の所属国別件数順位は、1位中国、2位米国、3位日本、4位韓国、5位台湾、以下スエーデン、ドイツ、フランスとなっており、アジアでの開催のためか、全体の約7割がアジアからの発表で占められていました。投稿論文のカテゴリ別件数割合は表1に示す通りでした。この表からもバイオ、医療関連への投稿が増えてきていることがわかります。

          表1 投稿論文のカテゴリ別件数割合

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 プレナリー招待講演は1日1件の計4件あり、講演者とそのタイトルは以下の通りです。著名な研究者によるいずれの講演も大変興味深い内容でした。

・Prof. Kevin Kit Parker, Harvard University, USA

 Cardiomyocytes as high-power building blocks for bio-hybrid machines

・Prof. Stephanie P. Lacour, EPFL, SWITZERLAND

 Soft and wearable transducers: opportunities and challenges for daily use

・Prof. Isao Shimoyama, The University of Tokyo, JAPAN

 MEMS Sensors for Robots

・Dr. Chaedeok Lee, LG Electronics, KOREA

 SENSOR AS A SOLUTION: RECENT PROGRESS IN INTELLIGENT SENSORS DEVELOPMENT

 3日目となる1月30日の夜はバンケットが開催されました。会場はHan Riverにある「Floating Island」(写真3)で行われ、盛大な会となりました(写真4)。

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              写真3 バンケット会場

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            写真4 バンケット会場内の様子

 MEMS分野は材料、デバイス構造からその特性評価まで多岐にわたる技術領域を網羅しており、近年ではバイオ、医療、生体情報のセンシング、流体反応などへの広がりも多く見られており、こうした最新の論文発表により活発な議論がなされ、大変有意義な会議でした。また、学生のアワードではポスターと口頭の両方の発表があり、こうした講演の機会は若い研究者の励みとなり、若手研究者がどんどん活躍していくことを期待したいと思います。

 このMEMSの国際会議は1987年にアメリカで初めて開催され、1991年に日本で開催されて以降、アジア、ヨーロッパ、北米の順で毎年開催されています。次回はカナダのバンクーバーにて2020年1月に開催予定です。

                               (MNOIC 野田大二)

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2019年1月 4日 (金)

2018年MMC十大ニュース決まる

 マイクロマシンセンターでは、2018年の10大ニュースを選択いたしました。私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

1.インフラモニタリングプロジェクト(RIMS、UCoMS)、最終年度の開発実証試験成果が各種シンポジウム、展示会で注目
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」において、技術研究組合NMEMS技術研究機構(以下NMEMS組合)が提案した「道路インフラ状態モニタリング用センサシステムの研究開発」及び社会・産業インフラ維持管理・更新等の重要な社会課題の一つである都市機能を支えるライフライン系の都市インフラ(電気、ガス、上下水道、情報、エネルギー)の安全な保全のためのセンサーモニタリングシステムの研究開発の最終年度の実施を行いました。
 これらの成果は、国内外で開催された学会、シンポジウム、展示会等で広く発表を行い多くの関心を集めました。

2.スマートセンシング・インターフェース国際標準化案がIECで1年前倒しでNP提案が承認され審議入り
 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/SC47F(MEMS分野分科委員会)にて、提案を行っておりました、「スマートセンサの制御方式」が、2018年、NP(New work item Proposal)承認され審議が開始されました。
 IEC国際標準化SC47E/WG1,2F合同アドホック会議において「スマートセンサの制御方式」について、IECへのNP(New work item Proposal)投票が完了し、エキスパート参加国6か国でNP承認(参加国4か国以上が必要)された旨、また、韓国・米国からそれぞれ1件ずつあげられたコメントへの対応方針を各国に説明しました。

3.MNOICの工程受託活動がPR拡大等により引き続き右肩上がりで推移
 研究開発を支えるMEMS試作ファンドリとして、7年前に開設したつくばの「マイクロナノオープンイノベーションセンター(MNOIC)」も今や中小・ベンチャーを含む40社以上からの研究や工程の受託により、フル稼働の状況にあります。さらに設備整備や技術向上に努めて、我が国のMEMS開発需要に応えてまいります。

4. MMC理事長が山西氏から山中氏に交代、MMCの新体制が始動
 2018年度はマイクロマシンセンター理事の改選期にあたり、MEMS理事会において2期4年にわたり当協議会会長(MMC理事長)を務めて頂いた山西健一郎三菱電機相談役から山中康司株式会社デンソー代表取締役副社長(MEMS協議会会長も兼ねる)に理事長が交代されました。
 新理事長には、続いて開催したMEMS協議会推進委員会において挨拶及び最近のトピックスとして1つはスマートセンシング&ネットワーク研究会(SSN研究会)に、医療MEMS研究会などのワーキンググループを設置し、新テーマ発掘に努めていること、二つ目は、設立から8年目のMNOIC事業が、2020年以降も事業の持続的拡大に向け、現場中心に着実に改善活動を進めていることを述べられました。

5. MEMS講習会、マイクロナノ先端技術交流会、海外調査報告会等セミナーが多くの技術者を集め活況
 マイクロマシンセンターでは、MEMS講習会、マイクナノ先端技術交流会、海外調査報告会を開催しており、多くの技術者の参加を頂き活発な意見交換が行われています。
 MEMS講習会は年2回開催し、そのうち1回は地方で開催しています。2018年は2月に九州で開催し、地方でのMEMS技術の普及に貢献しています。
 先端技術交流会は第2回医療MEMS研究会と兼ねて、「生体モニタリングの最前線」をテーマとして開催し、MEMS及び医療関係の技術者と意見交換が行われました。
 海外調査報告会は、MEMS関連の海外調査及び国際標準化の最新状況について国際交流事業の一環として報告するものです。毎年のように北米や欧州を中心に学会等のイベント、海外の大学や研究施設、関連企業の訪問見学の報告を行っています。

6. MEMSセンシング&ネットワークシステム展2018、盛況でビジネスチャンスが拡大
 2018年 10月 17日(水) から19日(金)まで幕張メッセで開催された「MEMS センシング&ネットワークシステム展 2018」は、3日間の開催期間を終え、盛況の内に閉幕しました。来場された皆様方に御礼申し上げます。

 初日は、展示会場内特設ステージでMEMS協議会フォーラムを10:00から12:30まで開催いたしました。2日目は、国際会議室で研究開発プロジェクト成果報告会を開催いたしました。最終日は、国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム及びスマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会公開シンポジウムが10:00から16:05まで開催致しました。何れのシンポジウムも多くの聴衆が熱心に聞き入っておりました。
 会期中の様子は以下を参照ください。
 (初日)
http://www.nanomicro.biz/mems/2018/10/mems2018-be33.html
 (2日目)
http://www.nanomicro.biz/mems/2018/10/mems2018-9487.html
 (3日目)
http://www.nanomicro.biz/mems/2018/10/mems2018-fd87.html

 今回ご来場頂きました皆様に御礼申し上げます。

 次回は2020年1月29日(水)~31日(金)に、東京ビッグサイトにおいて、nano tech2020と同時開催を予定しております。
 次回もご来場頂けますよう関係者一同お待ちしております。

7. マイクロマシンサミット2018への参加や海外アフィリエート交流など、国際交流事業を活性化
 マイクロマシンサミットは、年に1回、世界各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/ナノテクノロジーに関する課題や展望につき意見交換する場です。日本の提案により平成7年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで開催されています。
 2018年は5月14日(月)から16日(水)までアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されました。南米での開催は、2014年にブラジル・サンパウロに続く2回目になります。今回のトピックスは、農業や畜産大国のアルゼンチンらしく”Agro-food & Environment. Other related applications and results from new and highly relevant R&D actions”でした。
 次回、2019年のマイクロマシンサミットは、中国・西安(Xi’an)で開催されることが決まりました。コーディネータはNorthwestern Polytechnical UniversityのWeizheng Yuan教授です。

8. LbSSプロジェクトも中間(5年のうち3年)に差し掛かり、成果が現実化
 本研究開発では、工場等の設備の稼働状況等の把握を目的とするスマートセンサモジュール、高効率MEH(Micro Energy Harvester)などの自立電源、及びスマートセンシングフロントエンド回路を開発し、動的センシング制御可能な無給電のスマートセンサ端末を実現します。さらに、同時に開発する学習型スマートコンセントレータとの連携により、従来の環境発電で収集可能な有価情報量を100倍化することを可能とする学習型スマートセンシングシステムの基盤開発と実証を行います。
 現在、学習型スマートセンシングシステムの開発として、有価情報を高めるための自立型センサ端末/学習型センシングアルゴリズムの開発、測定パラメータ可変型スマートセンサ、製造往路セス革新で小型・安価、高効率発電デバイスの開発を行っています。

9. センサ端末同期用原子時計(ULPAC)が世界最高水準の長期安定度を達成
 道路インフラモニタリングシステム(RIMS:ROAD Infrastructure Monitoring System)をはじめとするセンサ端末群は、ネットワークを介して時刻同期をすることで、データ取得の正確な時間を把握し、かつ、データ転送の効率化を図っています。もし、その時刻同期を不要とすることが出来れば、ネットワークの構築や運用にかかる負担を大幅に低減することができます。そこで、正確な時を刻む原子時計をセンサ端末に搭載可能なサイズや消費電力、価格にすることが出来るかを解析や試作を通して、長期間安定的に稼働する時計が完成しました。

10. 青柳副理事長、荒川センター長、野村総務担当部長などMMCの中興を担った方々が引退
 2018年に開催したMEMS理事会において、2003年MMC専務理事に就任し、2006年の当協議会発足に尽力した前MMC副理事長の青柳桂一氏も退任しました。
 また、マイクロマシンセンターを発展させてきた有力メンバーである荒川センター長及び野村総務担当部長が退職致しました。

成果普及部 水島 豊

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2018年11月15日 (木)

米国研究開発動向調査

 2018年11月6日(火)~11月14日(水)に米国の研究機関及びベンチャー企業を訪問して、米国におけるMEMS、IoTセンサ及びピコセンサ技術に関する最新の研究開発動向調査を行いましたので、以下にご報告致します。今回調査したのは以下の7機関です。
 1. eXo Imaging
 2. Stanford Uiversity, Roger Howe研究室
                 3. Stanford Nanofabrication Facility (SNF) &
                  Stanford Nano Shared Facilities (SNSF)
                 4. MIT, Biomimetics Robotics Lab
 5. ORIG3N
                 6. Stanford University, Khuri-Yakub研究室
                 7. Graftworx 
以下に各訪問先での調査結果を示します。

1. eXo Imaging
(1)面談者:Janusz Bryzex, Chairman & Chief Visionary Officer
      Sandeep Akkaraju, CEO & President
(2)訪問日:2018年11月6日(火)
(3)調査結果
                ・eXo ImagingはTrillion Sensors Initiativeを提唱した主宰者のJanusz BryzekがTrillion Sensorsの動きから出た初めての新ビジネスとして2016年に設立したベンチャー会社です。超音波(PMUT)による画像診断(エコー)を、ポータブル機器として開発しています。

                ・ピエゾMEMSを使って、既存の医療用の超音波診断装置を現状の超音波プローブの大きさに収めた製品を来年の9月にFDA認許をとって販売しようとしていました。

                ・超音波診断子はFDAの認可が必要ですが、非侵襲機器であるため、FDA取得はそれほど大変ではないとのことでした。

                ・通常MEMSではアイデアから製品まで27年かかっていますが、それを3年で実現できると言っていました。

                ・超音波診断子ではインピーダンスマッチングが必要で、ピコセンシングで考えているインピーダンスマッチング層には大きなニーズがあることが分かりました。

                ・今後はピエゾ MEMSが大きな広がりを持つとの考えで、多くのアプリ例を出して説明してくれました。今製品化を進めている超音波診断子はその第一歩との考えでした。

                ・トリリオンセンサのフェーズ1は2016年に終了しましたが、Januszは現在トリリオンセンサのフェーズ2(安く大量に製造するためにプリンテッドエレクトロニクスの革新が中心技術になるとの考え)をSEMIと画策しているとのことでした。

・写真1にeXo Imagingの入り口でのJanuszとの写真を示します。

                  

写真1  JanuszとeXo Imagingの入り口で
                  
               

2. Stanford Uiversity, Roger Howe研究室
(1)面談者:Charmaine Chai, PhD student
(2)訪問日:2018年11月7日(月)午前
(3)調査結果
                  ・MEMSの大御所のひとりのRoger Howe教授の研究室を訪問しました。生憎Howe教授は出張中で不在でしたが、PhDの学生であるCharmaineに実験室を案内してもらいました。

                  ・Howe教授はMEMSからバイオセンサの方に研究テーマをシフトしているとのことでした。

                  ・タンパク質の分析を行うバイオセンサの開発をしているとのことでしたが、分子識別能を使うのではなく、トンネル電流をローノイズで検出する方式のバイオセンサを開発しているとのことでした。

                  ・また、開発したバイオセンサのベンチャーも立ち上げているとのことでした。

                  ・実験室を案内してくれましたCharmaineはアプリケーションよりはnAレベルの微小信号を検出するためのトンネル電流検出プローブやローノイズ回路等の要素技術を開発しているとのことでした。

                  ・微小信号を検出するということで、ピコセンシングと通じるものがありました。現状はノイズ等により検出できる電流はnAレベルで、pAまでは検出は困難とのことでした。但し、現在考えているバイオセンサではnAで十分とのことでした。

・写真2にSanford大Howe研究室でのCharmaineとの写真を示します。

                  

写真2  CharmaineとHowe研究室の実験室で
                  
               

3. Stanford Nanofabrication Facility (SNF) & Stanford Nano Shared Facilities (SNSF)
(1)面談者:Dr. Mary X. Tang, Managing Director, SNF

             Dr. Shivakumar Bhaskaran, Coordinator, SNSF
                 Clifford F Knollenberg, Cleanroom Science & Engineering Associate, SNSF

(2)訪問日:2018年11月7日(水)午後
(3)調査結果
                  ・MEMSプロセス施設のSNF及びSNSFをManaging Director のMaryとCoordinatorのShivakumarとに案内して頂きました。

【SNF】
                  ・SNFは10,000 sq ftのクリーンルームを有する施設で、建設当初はStanford大学でCMOSを製作するめに建設されましたが、最近は半導体からMEMSを中心とする種々デバイス製作の施設に移行しており、全米に16あるNanofabrication Facilityの一つと位置付けされているとのことでした。

                  ・基本的には4インチのラインで、一部6インチウエハの処理が可能な装置があるとのことでした。年末年始のメンテナンス期間(20日程度週)を除くと1日24時間、週7日フル稼働しているとのことでした。日中は企業等の外部からの使用が多く、学生はむしろ深夜に使用しており、深夜の装置稼働率の方が高いとのことでした。

                  ・メインのCRはクラス100で写真3にレイアウトを示すように、一通りの装置が揃っていました。また、メインが大学の研究用なのでいろんな材料を使ったデバイスを製作できるように、写真4に示しますように、ExFabと呼ばれるグレイな領域も設けているとのことでした。

                  ・外部使用は20~25%で、後は学内の使用とのことでした。

・スタッフはSNSFと合わせて35名程度で、SNFは18.6人とのことでした。学生への装置トレーニングが主な仕事で、実際の装置操作は学生が実施するのが多いとのことでした。
・また、学生が使用するので、写真5に示しますように、主要な場所は一括でモニタできるようにして、監視しているとのことでした。
・写真6にMaryとSNFのファブの前での写真を示します。

                  
 
                  写真3 SNFメインCRのレイアウト
                  
                  
                  写真4 ExFabのレイアウト
                  
                  
                  写真5 CR監視モニタ
                  
                  
写真6 MaryとSNFの前で
                   

 【SNSF】
・SNSFはStanford大学のナノテク関連の高性能なプロセス装置及び評価装置を共同で利用するために作られたサービスセンターで、以下の4つのグループから構成されています。
① Nanofabrication
② Electron & Ion Microscopy
③ X-ray & Surface Analysis
④ Soft & Hybrid Materials
                  ・SNSFでは学内外合わせて年間約850件のサービスを実施しており、そのうち約750件がStanford大学内の25の学科からの使用とのことでした。

                  ・装置は3つのビルに分かれて設置されています。そのうちメインのSpilkerビルの装置レイアウトを写真7に示します。主要な装置を見学させて頂きましたが、さすがスタンフォードで、高価なプロセス装置や分析装置がたくさんありました。

・NaofabricationのマネジャーのClifford F Knollenbergとの写真を写真8に示します。

                  
                  

写真7 SNSF- Spilkerビルの装置レイアウト
                  
                  
写真8 CliffordとSNSF-CRの前で
                  

4. MIT, Biomimetics Robotics Lab
(1)面談者:Dr. Quan Nguyen, Post-Doctoral Fellow
(2)訪問日:2018年11月9日(金)午前
(3)調査結果
                  ・MIT の4足歩行ロボット「Cheetah(チーター)III」を開発しているBiomimetics Robotics Labを見学し、ポスドクのQuanから説明を受けました。

                  ・CheetahIIIは視覚を使わず、接触検出アルゴリズムによりTV等でも話題のボストンダイナミクスのSpotMiniより外力に強くなっているとのことでした。

                  ・但し、触覚センサは搭載しておらず(足に市販の触覚センサをつけたが、ジャンプ等の衝撃に耐えうるものはなかったそうです。)、各モータにつけたエンコーダと慣性ユニットで足の接地場所を計算しているとのことでした。

・各足に3軸のモータとエンコーダを搭載し、胴体部分に慣性ユニットを搭載していました。
                  ・今年10月に開催されましたThe 2018 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent                   Robots and Systems (IROS 2018)でお披露目となり、不整地や階段歩行、その場回転、ジャンプや棒でつついても倒れないデモ等をこなし、話題となっている4足歩行ロボットです。(http://news.mit.edu/2018/blind-cheetah-robot-climb-stairs-
                  obstacles-disaster-zones-0705
)

                  ・写真9にCheeterIIIの外観を写真10に説明してくれているQuanの写真を示します。

                  

写真9 MITの4足ロボットCheeterIII
                  
                  
写真10 説明しているQuan
                  
               

5. ORIG3N
(1)面談者:Kate Blanchard, Founder & COO
(2)訪問日:2018年11月9日(金)午後
(3)調査結果
                  ・ORIG3Nは2014年に設立された遺伝子検査を行うベンチャーで、COOのKate Blanchardに会社概要を紹介頂いた後、会社見学(写真11、写真12:事務所の外観、写真11奥にPCR解析装置が写真12に幹細胞貯蔵用の冷凍タンクが置かれています)をさせて頂きました。

                  ・PCRによる遺伝子解析装置を使った人間のDNA検査(FDAの認可は不要)をサービスとしており、フィットネスDNA検査キット等20種類($24~$149)のDNA検査キットを現在ドラッグストア等で販売する一方で、幹細胞やiPS細胞を培養して、医療応用を目指した研究の2本柱で会社運営をしようとしていました。

                  ・DNA検査キットの方はドラッグストア等で販売するビジネスモデルである程度の成長はするとは感じましたが、現状は人をターゲットにした検査だけを考えているようで、リピータの確保が難しく、検査時間も2,3週間かかるとのことでしたので、成長には限界があるように感じました。

                  ・製品としては、パッケージの中に口内の皮膚細胞を採取する検査綿棒が入っており、それでDNAを採取して、内蔵されているビニール袋と封筒に入れて送付するだけで、結果は専用のアプリをダウンロードすることでスマホから見れるというものでした。

                  ・技術的には同じなので、食品やセキュリティ分野でMEMS技術を使ったリピータの確保が可能なポータブル検査の方向も考えた方が良いように思いました。

・幹細胞やiPS細胞の医療応用ビジネスに関しては、まだまだ製品には遠そうな印象を受けました。
                  ・DNA検査キットに関しては、現在は米国での販売ですが、1,2年後にはアジアを含めた海外展開を考えているとのことでした。

                  ・試しに、フィットネスDNAテスト($149のもので6種類の検査を行う)をして頂いたので、結果楽しみですが、フィットネスDNAテストで$149は少し高いようにも感じました。

                  ・TVを見ているとORIG3N以外の会社から自分のルーツを探るDNA検査キットのコマーシャルが流れていましたので、米国では遺伝子検査ビジネスはかなりポピュラーになっているように見受けられました。

・写真13にORIG3Nの玄関の製品陳列棚の前でのCOOのKateとの写真を示します。

                  

                  写真11 ORIG3Nの事務所外観(1)
                  
                  
                  写真12 ORIG3Nの事務所外観(2)
                  
                  
写真13 ORIG3N玄関の製品陳列棚の前でのCOOのKateと
                    
                  

6. Stanford University, Khuri-Yakub研究室
(1)面談者:Dr. Butrus (Pierre) T. Khuri-Yakub, Professor
       Dr. Kamyar Firouzi, Research Associate
        Dr. Quintin Stedman, Research Associate
              Dr. Minoo Kabir, Post-Doctoral Fellow
              Dr. Bo Ma, Post-Doctoral Fellow
              Farah Memon, PhD Candidate
(2)訪問日:2018年11月12日(月)午前
(3)調査結果
                  ・Khuri-Yakub先生はゼロックスでインクジェットプリンタの開発をされておられた方です。ゼロックスはプリンタの事業からは撤退し、その技術は製薬開発に使う液滴滴下装置に転用されLabcyte(                   https://www.labcyte.com/ )という会社に引き継がれているとのことでした。

                  ・また超音波のCMUT(Capacitive micromachined ultrasonic transducers)の考案者で基本特許を持っておられた方です。1.のeXo ImagingではピエゾMEMSが今後広がるとJanuszさんが言っていましたが、超音波診断子としてはCMUTの方が広帯域、高感度で優れているというのがKhuri-Yakub先生の主張でした。

                  ・また、超音波プローブだけでスマホに接続できるCMUTの製品はButterfly (https://www.butterflynetwork.com/)という会社から1年前に製品化されているとのことでした。ここでもeXo Imagingは出遅れているように感じました。

・また、0.75agの重量を検知できるCMUTを使った化学量センサ(ガスセンサ)の開発をされており、まさにピコ(10-12)どころかアト(10-18)グラムの検出が可能とのことでした。但し、ガス吸着の高分子膜の開発が必要になりますが、それは専門外とのことでした。実際の化学量センサ(写真14)をDr. Quintin Stedmanに説明頂きました。
・そのほかカプセル超音波センサ(カプセル内視鏡のように飲んで超音波診断を行うもの)や脳の活動量モニタリング等の研究をされておられました。
                  ・写真15に教授室でのKhuri-Yakub教授と写真を示します。

                                      

                  写真14 agの検出可能な化学量センサ
                  
                  
写真15 Khuri-Yakub教授と教授室で
                   

7. Graftworx
(1)面談者:David J. Kuraguntla, CEO
      Anthony F. Flannery Jr. Vice President
(2)訪問日:2018年11月12日(月)午後
(3)調査結果
                  ・CEOのDavid J. KuraguntlaとVPのAnthony F. Flannery Jr.に対応頂きました。Davidから会社概要、Anthonyから来年にFDAを取得して発売予定の透析患用のモニタリングシステムの技術的な説明をパワーポイント及び試作品を使って受けました。

                  ・モニタリングシステムは①スマートパッチ(写真16)、②携帯対応データハブ(写真17)、③データ蓄積クラウドと④診断用フロントエンドから構成されていました。

                  ・スマートパッチはマイクロフォン、3軸加速度センサ、高精度温度計と光学の脈波センサ(PPG)を12mm角の基板に実装し、特注のバッテリを搭載したパワーマネージメントユニットとマイコン、メモリー、通信(BLE4.2)ユニットを耐久性のあるフレキシブル基板で接続し、シャワーでも使えるIP64相当を有するコーティングで実装したものでした。

                  ・脈波センサの詳細は分からなかったですが、ピコセンシングで考えている脈波センサのアプリの例として参考になると思いました。

                  ・また、システムとして製品化するためには、MEMSそのものよりは、耐久性、データのセキュリティ、診断技術等周辺の技術が大事とAnthonyは言っておりました。

                  ・本システムではハブにセキュリティ機能を持たせ、スマートパッチからスマートフォンにデータを直接やり取りすることはやめ、ハブを介することでセキュリティを高めたと言っておりました。

                  ・AthonyはInvenSenseの創始者でしたが最近はMEMSそのものよりは医療用デバイスとして役にたつものを開発したいと言っておりました。その他有意義なディスカッションができました。

・写真18に会議室でのDavidとAnthonyとの写真を示します。

                                      

写真16 スマートパッチ
                  
                  
写真17 携帯対応データハブ
                  
                  
写真18 会議室でDavid(左)とAnthony(右)と
                  

以上

                  
(一財)マイクロマシンセター 武田宗久
                  
               

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2018年5月16日 (水)

2018 第24回「国際マイクロマシンサミット」アルゼンチン、ブエノスアイレス開催報告

 マイクロマシンサミットは、年に1回、世界各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/ナノテクノロジーに関する課題や展望につき意見交換する場です。日本の提案により平成7年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで開催されています。

 2018年は5月14日(月)から16日(水)までアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されましたので報告致します。南米での開催は、2014年にブラジル・サンパウロに続く2回目になります。今回のトピックスは、農業や畜産大国のアルゼンチンらしく”Agro-food & Environment. Other related applications and results from new and highly relevant R&D actions”でした。アルゼンチンは日本の国土の7.5倍で南米大陸の南部に位置し、人口は約4400万人です。日本からは東京大学の伊藤寿浩教授を団長に、マイクロマシンセンターの国際交流担当として三原が出席しました。今回のオーガナイザは、Argentinean Nanotechnology FoundationのDaniel O. Lupi所長でした。開催場所は、アルゼンチンの首都であるブエノスアイレスの中心地・サンニコラス地区で、サンマルチン将軍広場に近い、歴史のあるDazzler Hotel San Martineであり、アルゼンチンの大統領府であるレンガ色のカサ・ロサダ(愛称・ピンクハウスと呼ばれる)にも徒歩で15分程度の最高の場所でした。


写真1 開催場所 Dazzler Hotel San Martine


写真2 開催場所の通り


写真3 レセプションの様子

 今回は立地的な理由もあって参加者が少なく、13の地域から31名のデレゲイトが参加されました。

 一日目は各国の現状を報告するカントリーレビューで、各国の産業&技術政策状況、特に農業や畜産におけるマイクロシステムやセンサに関する話題提供があり、日本からも現在進行中のMEMSやIoTに関する国家プロジェクトの紹介と共に、今回のMMサミットのテーマにマッチした養鶏や畜産でのセンサIoTを使ったセンサシステムの研究状況を、伊藤団長から話題提供をされました。(伊藤寿浩教授はセンサIoTを使った鳥インフルエンザの研究を発端に、動物、更に様々な構造物のモニタリングを専門とされている)カントリーレビューは、ドイツ、オーストラリア、中国、韓国、リベリア半島、日本、ラテンアメリカ、英国、ルーマニア、イタリア、フランス、スイス、ECの順番で報告がありました。


写真4 オーガナイザのLupi氏と会場の様子


写真5 集合写真に集まったデレゲイト


写真6 伊藤教授による日本のカントリーレビュー

 マイクロマシンサミットでは、会期中の交流会で、その国の文化を理解するカルチャーイベントが楽しみですが、今回はアルゼンチンタンゴでした。流石はアルゼンチンの首都らしく、アルゼンチンタンゴを上映する劇場が何軒も並んでいましたが、我々はMadero Tangoでタンゴショウを楽しみました。演劇+ミュージカル+タンゴダンスと言った感じで、たっぷり2時間の講演でした。

 二日目は、個別話題の講演会で、16件の発表と農業や畜産におけるセンサやIoTの取り組みを議論するラウンドテーブルがありました。日本からの発表は昨年に引き続き国際標準化の重要性と各国の参加を呼び掛ける内容でした。


写真7 タンゴショウの会場


写真8 劇場の様子

 サミットの翌日は、テクニカルツアーとしてブエノスアイレスのマイクロシステムやナノテクの研究機関3カ所を回りました。

 最初はバイオサイエンス研究センタCIBION(Bioscience Research Center)です。特に興味深いテーマとして、生きたままの数ナノメートルの細胞を操作するレーザ操作顕微鏡を使った研究の紹介がありました。光学顕微鏡を使うと波長の半分程度にしかビームを縛れないために数ナノメートルの細胞を扱うことは出来ませんが、様々な工夫(被検出物やレーザビームへの操作)を行うことで実現しています。


写真 9 バイオサイエンス研究センタ


写真 10 説明の様子

 2ヵ所目は日本の産業技術(総合)研究所に相当するNational Institute of Industrial Technologyでした。ここには半導体やMEMSの研究施設があって、マイクロTAS等を研究開発すると同時に、IoTに必要なセンサ+MPU+無線と言った応用研究も行い、これを使った企業の事業化にも貢献しているようです。


写真 11 研究所の玄関


写真 12 説明の様子

 最後はアルゼンチンのナノテク研究所である、Argentinian Nanotechnology Foundationです。 ここではナノテクの最先端解析装置を中心に見学しましたが、そのナノ材料を使った応用分野の研究も興味深いものでした。特にカーボンファイバー含有ゾルを使った薄膜タッチセンサを使って、靴のインソールを作成し、靴内部センサ回路や無線回路を組み込んで足の圧力分布を計測するシステムは完成度が高く、今後は実用化と、その効果を検証していくとのことでした。


写真 13 研究所のエントランス


写真 14 会議室

 次回、2019年のマイクロマシンサミットは、中国・西安(Xi’an)で開催されることが決まりました。コーディネータはNorthwestern Polytechnical UniversityのWeizheng Yuan教授です。

(MEMS協議会 国際交流部 三原 孝士)

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2018年5月11日 (金)

国際アフィリエート(SHTP Lab、ベトナム)来訪、MEMSに関する情報交換会を開催

 MEMS協議会では、MEMSビジネス内外交流事業の一貫として国際交流事業を行っており、海外のMEMS関連研究機関との交流も活動の大きな柱になっています。2018年5月10日(木)に、MEMS協議会の国際アフィリエートでもあるベトナムのSHTP Lab(http://shtplabs.org/?page_id=133&lang=en)より訪問団が一般財団法人マイクロマシンセンター(MMC、秋葉原本部)を来訪され、MEMSに関する情報交換会を開催致しました(写真1参照)。以下、その時の内容をご報告致します。

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           写真1 意見交換会の様子

 今回来訪されたベトナム訪問団は、SAIGON HI-TECH PARK MANAGEMENT BOARDHCM CITY, RESAERCH LABORATORIES CENTERのNgo Vo Ke Thanh所長とNguyen Van Tam研究員及びホーチミン市立サイゴンハイテクパーク研究所の科学ディレクターでもある立命館大学杉山進名誉教授の3名でした(写真2参照)。

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写真2 ベトナム訪問団の皆様(右から杉山科学ディレクター、Ngo所長、Nguyen研究員)

 当日は 双方の活動紹介を行って意見交換会を行いました。SHTP LabはベトナムにおけるMEMSの産業化をサポートする研究センターで、6インチのMEMS試作ラインを有して、ホーチミン市のスマートシティ構想における道路の冠水・排水モニタリングや大気汚染モニタリング等の研究開発を行っているとのことでした。また、マイクロマシンセンターとより密接な交流を希望されており、MMCのMNOIC(MicroNano Open Innovation Center)やファウンダリネットワークサービスの活用やSHTP LabのセミナーでのMMCの紹介等の交流を今後積極的に進めることで合意しました。

 MEMS協議会・国際交流事業では今後もこのようなビジネス交流を積極的に行う予定です。

              (MEMS協議会国際交流担当 武田 宗久)

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2018年4月26日 (木)

第10回MEMS Engineer Forum2018に出展

 第10回MEMS Engineer Forum 2018(MEF2018)は4月25日、26日、両国KFCホールにて、盛況に開催されました。2日間で延べ750名を超えるMEMSのEngineerが世界から集まり、技術やビジネスの未来を語りました。マイクロマシンセンター(MMC)はこのフォーラムにMMCとMNOIC事業を紹介するポスター展示を行いましたので、簡単に報告いたします。

 MEMS Engineer Forum(MEF)は、21世紀のキーテクノロジーとされるMEMS技術の現状と、向こう10年までの技術の将来に迫る、この分野のキープレイヤーの中でもエンジニアを中心に運営されるユニークな場です。世界中のMEMS研究者、開発者、技術者が一堂に集うこのフォーラムは、2009年3月の初開催以降、回を重ね、MEF2018で第10回を迎えました。

 実行委員会委員長は東北大学 桑野博喜教授が前回に引き続き務めました。主な講演者として、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構技術戦略研究センター長の川合 知二氏、University of California San DiegoのAlbert P. Pisano博士、CEA-LetiのJean-Philippe Polizzi氏、Stanford UniversityのThomas Kenny教授、YOLE DeveloppementのJean-Christophe ELOY氏、また、日本からは、東北大学江刺正喜教授、SPPテクノロジーズ株式会社神永晋氏らが2日間に渡り講演され(写真1)、濃密な議論が行われました。

 ポスター展示はKFC HALL ホワイエと、KFC HALL Annexの2か所に分かれて開催され、国内外49機関から出展がありました。MMCはKFC HALL ホワイエでHALL直近の場所で展示を行い(写真2)、10月に開催するMEMSセンシング&ネットワーク展の案内、マイクロマシンセンター概要及びMEMS協議会会員の概要、産総研集積マイクロシステム研究センターの技術やMEMS大型研究設備を活用することにより、ユーザ企業の研究支援や事業化を推進しているMNOIC( MicroNano Open Innovation Center)の活動を紹介しました。今回はウエハーを展示したことからMNOICについての問い合わせが多くありました。また、MEMSセンシング&ネットワーク展2018に興味を示す姿がみられました。今後も、わが国の産業競争力強化につながる活動を継続してまいります。
(MEMS協議会 渡辺 秀明、水島 豊)


写真1 会場の様子


写真2 展示の様子

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