国際標準化

2023年8月 1日 (火)

IEC国際標準化 SC47E WG1&2, SC47F WG1-3&MT会議報告(2023年6月21~23日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) /SC47F(MEMS分野)、SC47E(個別半導体デバイス分野)の国際標準化WG会議が、日本のホスト(一般財団法人 マイクロマシンセンター主催)で、6月21 日~23日に、熊本県 熊本市国際交流会館にて開催されました。

 6月21日には、IEC TC47/SC47E/WG1&2会議が開催されました。
半導体関連技術に関する会議SC47E(DISCRETE SEMICONDUCTOR DEVICES)WG1(SEMICONDUCTOR SENSORS)、WG2(MICROWAVE DEVICES)へのSC47F関係者の参加により、WG各国エキスパートとの活発な意見交換がありました。

 6月22日には、IEC TC47/SC47F/ WG1-3&MT 会議が開催され、現地およびオンライン参加で29名(日本10名、韓国11名、中国8名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 会議では、SC47F/MT1のコンビナーである熊本大学 高島和希教授が議事進行を務められました。日本の主な出席者は、高島教授の他、WG1コンビナーである先端素材高速開発技術研究組合 古田一吉氏、WG3コンビナーである次世代センサ協議会 大和田邦樹副会長、PLである神戸大学 神野伊策教と名古屋工業大学 神谷庄司教授、名古屋工業大学 泉隼人助教、近畿大学宍戸信之講師、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター 三原孝士氏でした。
 WG1では、コンビナーである古田氏からWG活動概要、ココンビナーのSH Choa氏から「IEC 60747-4:2008 ED1」のレビジョンアップ、プロジェクトリーダーの変更等について説明されました。
 WG2では、コンビナーである韓国のHak Joo Lee氏からWG活動概要について説明されました。日本案件のステータスとして、神戸大学 神野教授提案の「IEC 62047-49:Reliability test methods of electro-mechanical conversion characteristics of piezoelectric MEMS cantilever」のNP提出状況、近畿大学 宍戸信之講師提案の「IEC 62047-43:Test method of electrical characteristics after cyclic bending deformation for flexible electro-mechanical devices」のCDV投票完了、について説明されました。
 MT1(Maintenance team1)では、コンビナーの高島教授からISのstability date見直しについて説明され、各国と議論されました。
 WG3では、コンビナーである次世代センサ協議会 大和田邦樹副会長からWG活動概要が説明されました。また、WG3のコンビナーの神戸大学 磯野吉正教授への交代について説明され、磯野教授からは「Introduction of MEMS Research at Kobe Univ. - Nano Mechanical Systems Lab. -」と題して、研究内容について紹介されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、日本から名古屋工業大学 神谷庄司教授がPLである新規提案「フレキシブルMEMSデバイス耐久性の両方向折り曲げに関わる試験方法」の開発状況を同大学 泉隼人助教が説明されました。このほか各国からもMEMSに関する規格開発について紹介されました。

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TC47/SC47F/WG1-3&MT会議の様子

 6月23日には、マイクロマシンセンター主催、熊本大学 国際先端科学技術研究機構(IROAST : International Research Organization for Advanced Science and Technology)共催で、「MEMS Standardization Workshop, – The 96th IROAST Seminar - 」が開催されました。
 Workshopは、熊本大学 高島和希教授が進行を務められ、共催のIROSTから、熊本大学 小林牧子教授から「Patchable piezoelectric/ultrasonic sensor development for automatic abnormal condition detection during homecare stage」について、熊本大学 中島雄太准教授から「Development of microfluidic devices for bio-medical applications」について講演されました。
 このほか、韓国Jungchul Lee氏から「Heater-integrated fluidic resonators」、中国Wei Zhang氏から「MEMS differential pressure flowmeter」、中国Dacheng Zhang氏「Discussion on material mechanical test system of micro-nano-fabricating structure」などMEMS技術に関して、講演され、各国エキスパートの活発な意見交換がありました。
 その他では、来年の本国際標準化WG会議を韓国で5月に開催することがKRNCから提案があり、了承されました。

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MEMS標準化ワークショップ

 次回の会議は、IEC全体会議が11月にフランクフルトで開催されます。
また、来年のTC47/SC47F/WG1-3&MT 会議は、2024年の5月に韓国で開催される予定です。

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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2023年6月27日 (火)

IEC国際標準化 TC47/WG7 ハノイ会議 参加報告(2023年6月7~8日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/WG7(エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)の国際標準化WG会議が、6月7日、8日に、ベトナム ハノイで開催されました。

 TC47/WG7会議には日本から、東京大学鈴木雄二教授、神戸大学神野伊策教授、兵庫県立大学藤田孝之教授他、計6名が参加し、現在審議中の規格案、新規提案等について各国と活発に議論されました。

 会議では、提案している規格案の進捗報告において、東京大学・鈴木教授からIECへ提出した「Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 2: Human arm swing motion」について、神戸大学・神野教授から「Measurement and evaluation methods of kinetic energy harvesting devices under practical vibration environment - Part 3: Human foot impact motion」について報告され、各国エキスパートの理解を得ることが出来ました。

 また、Future worksにおいては、兵庫県立大学・藤田教授が「Standard Test Method for Mechanical Reliability of Vibration Energy Harvesters」について、2023年12月頃にIECへNPを提案する予定であることを説明されました。

 最後に次回のTC47/WG7会議は11月15日にドイツ フランクフルトで開催される予定であることを確認しました。

 今年は、対面での開催となり、提案中の規格案について各国エキスパートの活発な意見交換があり、審議を順調に進めることができました。更に、Future Worksで新たな提案が紹介され、今後の充実した標準化活動が期待できる会議となりました。

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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会議が開催されたハノイ工科大学

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会議中の様子

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2022年11月28日 (月)

IEC/TC47 国際標準化全体会議(サンフランシス開催)参加報告(2022年10月31日~11月4日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、10月31日から11 月4日まで、サンフランシスコの Hilton San Francisco Union Square Hotelで開催され、関連する会議に参加しました。

 10月31日には、TC47WG7会議(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)とSC47F Officer/Convenor会議(MEMS分野)が開催されました。

 TC47WG7会議では、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。日本からは、本WGの主査を務めておられる東京大学鈴木教授、兵庫県立大学藤田孝之教授、名古屋工業大学泉隼人准教授、近畿大学宍戸信之講師、産総研山本淳先生他、計7名が参加しました。
 鈴木教授が現在提案中のCD(委員会原案、Committee Draft)「低周波・大振幅かつ回転運動を含む振動発電の特性試験方法」について、コメント対応とCDV( 投票用委員会原案、Committee Draft for Vote)提出スケジュールについて説明されました。神戸大学神野伊策教授が現在提案中のCD「衝撃力による振動発電の特性試験方法」について、CD投票終了後のCCファイルが未回付であることを鈴木教授が言及されました。その結果、TC47 Assistant SecretaryからCCファイルを至急回付して頂くことになりました。
 また、今後提案予定の規格を紹介するFuture workでは、鈴木教授と藤田教授が今年度から開発に着手している「振動発電エネルギーハーベスタの信頼性評価に関する国際標準化」の概要及び提案スケジュールを、山本先生が開発している規格案「熱電発電エネルギーハーベスタ」のNP(新業務項目提案、New Work Item Proposal)開発状況を説明されました。
 最後に、来年の本WG春季会議を日本・熊本で5月下旬から6月中旬にSC47Fと同時開催することを鈴木教授が紹介し、了承されました。

 SC47F Officer/Convenor会議では、本SCのアクティビティについて議論しました。 日本からMT1主査をつとめる熊本大学高島和希教授及びWG1主査の先端素材高速開発技術研究組合古田一吉部長、SC47Fの国際幹事をつとめるマイクロマシンセンター三原孝士をはじめとした4名が参加しました。
 会議では、同SCでのNP提案活性化、新規メンバー獲得の取り組み等について議論しました。加えて、熊本で開催予定の来年度春季WG会議でのワークショップの内容について意見を交換しました。

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TC47/WG7会議の様子

 11月1日には、TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議(MEMS分野)が開催され、26名(日本6、韓国5、中国10、ドイツ1、米国1、Young Professional 3)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。
 日本の主な参加者は、MT1の主査をつとめる熊本大学高島和希教授及びWG1主査の先端素材高速開発技術研究組合古田一吉部長、プロジェクトリーダー(PL)である近畿大学宍戸信之講師、名古屋工業大学泉隼人准教授、国際幹事をつとめるマイクロマシンセンター三原孝士でした。サンフランシスコに渡航できなかった中国の主査、エキスパートはオンラインで参加しました。
 最初に前回会議の議事録を確認し、承認されました。次いで、三原孝士国際幹事がIEC本部からの連絡事項を説明しました。
 各WGの活動概要をWG主査が紹介した後、現在審議中の規格案についての意見を交換しました。
 日本からは宍戸講師がPLである提案「IEC 62047-43:フレキシブルMEMSデバイスの繰返し曲げ耐久性試験方法」について、CD投票結果の各国コメント対応状況をPLが説明し、次段階であるCDVへ進めることが了承されました。
 他国からは、中国のDacheng Zhang氏がシリコンMEMSに関するCDV3件、韓国のJoon-Shik Park氏がバイオMEMSに関するCD1件、中国のPeng Chunrong氏がMEMS共鳴電界デバイスに関するCDV1件それぞれついて、進捗を報告しました。
 既に成立しているIS(国際規格、International Standard)のメンテナンスを管理するMT1で、事前に調査したIS見直し期限変更について主査の高島教授が説明し、承認されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、日本からは、神戸大学神野教授がPLである新規提案「薄膜圧電MEMSの寿命に関する試験方法」について、今年中にNPをIECへ提出する予定であることをマイクロマシンセンター時岡が報告しました。また、名古屋工業大学神谷庄司教授がPLである新規提案「フレキシブルMEMSデバイス耐久性の両方向折り曲げに関わる試験方法」の開発状況を泉准教授が代理で説明しました。
 他国からは、中国のYongzhi Zhao氏がRF-MEMSに関する規格開発、韓国のHak-joo Lee氏がフレキシブル/ストレッチャブルMEMSに関する規格開発それぞれについて、概要を紹介しました。
 その他では、10月31日に開催されたSC47F Officer/Convenor会議の議事内容を、Sung Hoon Choa SC47F議長が説明しました。加えて、来年の本WG春季会議を日本・熊本で5月下旬から6月中旬に開催することをマイクロマシンセンターが提案し、了承されました。

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TC47/SC47F/WG1-3&MT1会議の様子

 11月3、4日には、それぞれTC47/SC47F全体会議、TC47全体会議が開催され、WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長が報告しました。

 今回は3年ぶりに対面で開催したこともあり、予定していた議題全てを円滑に議論できました。加えて、各国主査やPLと会議前後の時間に交流を図ることができ、充実した会議となりました。
 次回の本TC47会議の開催地は未定で、今後ホスト国を募ることになりました。また、日韓中が持ち回りで開催しているTC47/WG7(エネルギーハーベスタ分野)、SC47F(MEMS分野)等の春季合同会議は、来年5月中旬から6月中旬に熊本で開催する予定です。

調査研究・標準部長 時岡 秀忠

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2022年5月31日 (火)

IEC国際標準化TC47/SC47F WGs-MT、TC47/WG7会議報告(2022年5月19日~20日)(オンライン開催)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) /SC47F(MEMS分野)、TC47/WG7(エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)の国際標準化WG会議が、5月19 日、20日にオンラインで開催されました。

 5月19日には、TC47/SC47F/ WG1-3&MT 会議が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 TC47/SC47F/WG1-3&MT会議には27名(日本11名、韓国8名、中国8名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。SC47F/WG1のコンビナーである先端素材高速開発技術研究組合古田一吉氏が議事進行を務められました。日本の主な出席者は古田氏の他、WG3コンビナーである次世代センサ協議会大和田邦樹副会長、MT1コンビナーである熊本大学高島和希教授、PLである神戸大学神野伊策教授と名古屋工業大学神谷庄司教授、近畿大学宍戸信之講師、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士でした。
 WG1では、古田氏が新たにコンビナーに就任されたことが紹介されました。
 WG2では、神野教授が2022年3月に承認されたCDV「IEC 62047-42:圧電MEMSデバイスのマイクロカンチレバー特性信頼性試験方法」について各国コメント内容と対応を説明、FDISへ進めることが了承されました。次いで、宍戸講師が2022年2月に提案したCD 「IEC 62047-43:フレキシブルMEMSデバイスの繰返し曲げ耐久性試験方法」について各国コメント内容と対応を紹介、CDV提出に対して各国の理解を得ることができました。 また、中国のDacheng Zhang氏から2021年12月に提案したシリコンMEMSに関するNP3件について各国コメントと対応の説明があり、各国のエキスパートと質疑応答がなされました。加えて、韓国のJoon-Shik Park氏から2022年4月に提案したバイオMEMSに関するNPの概要説明がありました。
 MT1(Maintenance team1)では、コンビナーの高島教授からISのstability date見直しについて説明され、各国と議論しました。
 WG3では、中国のPeng Chunrong氏から2021年12月に提案したMEMS共鳴電界デバイスに関するNPについて各国コメントと対応が紹介されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、日本からは神野教授が薄膜圧電MEMSの寿命に関する試験方法、神谷教授がフレキシブルMEMSデバイス耐久性の両方向折り曲げに関わる試験方法の新規提案概要をそれぞれ説明されました。また、中国のWei Zhang氏からMEMS電熱移動デバイスの試験方法、MEMSシリコンマイクロフォンの試験方法に関する新規提案の紹介がありました。
 その他では、来年の本国際標準化WG会議を日本・熊本で5月下旬から6月中旬に開催することをMMCが提案し、了承されました。加えて、具体的な日程等を11月のIEC全体会議(TC47/SC47F/WG1-3&MTは11月1日、TC47/SC47F Plenaryは11月3日に開催)で提案することが決まりました。

 5月20日には、TC47/WG7会議が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 TC47/WG7会議には日本から、神戸大学神野伊策教授、兵庫県立大学藤田孝之教授他、計4名が参加して、各国と活発に議論されました。最初に、各国エキスパートの更新を確認しました。次いで、提案している規格案の進捗報告では、神野教授が2022年3月に提出したCD「IEC 62150-3:衝撃力による振動(Foot motionによる振動)発電の特性試験方法の標準化」について各国コメントを紹介され、エキスパートの理解を得ることが出来ました。
 Future worksにおいては、産業技術総合研究所山本淳氏が「熱電発電エネルギーハーベスタの試験方法」について、2022年6月頃にIECへNPを提案する予定であることを説明されました。
 最後に次回のTC47/WG7会議は10月31日にサンフランシスコで開催される予定であることを確認しました。

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TC47/SC47F/WG1-3&MTオンライン会議の様子
(撮影 名古屋工業大学 神谷庄司教授)

 コロナ感染拡大の影響で、昨年度同様オンライン開催となりましたが、提案中の規格案について各国エキスパートの活発な意見交換があり、審議を順調に進めることができました。更に、Future Worksで多数の新規提案が紹介され、今後の充実した標準化活動が期待できる会議となりました。

 次回の会議は、上述の通り、IEC全体会議が11月にサンフランシスコで開催されます。また、来年のTC47/SC47F/WG1-3&MT 会議は、マイクロマシンセンター主催で2023年の5月下旬から6月上旬に熊本で開催する予定です。

(調査研究・標準部長 時岡 秀忠)

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2021年10月28日 (木)

IEC/TC47 国際標準化全体会議(オンライン開催)参加報告(2021年10月4~8日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、10月4~8日にオンラインで開催され、関連する10月5~8日の会議に参加しました。

 10月5日には、TC47WG7会議(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。
 日本からは、本WGの主査を務めておられる東京大学鈴木教授、神戸大学神野伊策教授、兵庫県立大学藤田孝之教授、名古屋工業大学神谷庄司教授、産総研山本淳先生他、計8名が参加しました。
 鈴木雄二教授が現在提案中のCD「低周波・大振幅かつ回転運動を含む振動発電の特性試験方法」、神野教授が現在提案中のNP「衝撃力による振動発電の特性試験方法」について審議結果とコメント対応について説明されました。その結果、それぞれコメントを反映した規格案を会議後IECのCollaboration Platformで回付し、各国エキスパートが内容を確認することになりました。
 Maintenanceでは、鈴木教授提案のIS「IEC 62047-28:MEMSエレクトレット振動発電デバイスの性能試験方法」の安定期日(Stability date)の2021年から2025年への延長が了承されました。
 また、今後提案予定の規格を紹介するFuture workでは、山本先生が開発している規格案「熱電発電エネルギーハーベスタ」の進捗状況を説明されました。

 10月6日にはTC47/SC47F/WG1-3&MT会議(MEMS分野)が開催され、31名(日本13、韓国8、中国8、ドイツ1、米国1)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論しました。
 日本の主な出席者は、SC47F主査である東京都立大学諸貫信行教授と熊本大学高島和希教授、同じく主査である次世代センサ協議会大和田邦樹副会長、PLである神戸大学神野伊策教と近畿大学宍戸講師、名古屋工業大学神谷庄司教授、名古屋工業大学泉隼人助教授、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士でした。
 WG1では、諸貫教授が長年務められたコンビナーを退任されることが述べられました。次いで、大和田副会長が先端素材高速開発技術研究組合の古田一吉部長を諸貫教授の後任として推薦され、吉田部長から自己紹介がなされました。これから各国への承認を貰うQuestionnaireが回付され、最終的な決定がなされます。
 WG2では、神野教授が2021年7月にCDを回付し9月にコメント投票が完了した「IEC 62047-42:圧電MEMSデバイスのマイクロカンチレバー特性信頼性試験方法」についてコメント対応を紹介され、各国エキスパートと議論しました。その結果、次のステップであるCDへの移行が承認されました。次いで、宍戸講師が2021年1月に提案し4月にNPが承認された「IEC 62047-43:フレキシブルMEMSデバイスの繰返し曲げ耐久性試験方法」についてコメント対応を紹介され、各国エキスパートと議論しました。
 MT1(Maintenance team1)では、コンビナーの高島教授からISに関するStability date見直しについて説明がありました。
 Future Workでは、中国から4件、韓国から1件の新プロジェクト概要が紹介されました。これらプロジェクトは2021年10月から2022年3月にかけてIECへ提案される見通しとのことでした。
 また、次回のWG1-3&MT1合同会議を来年5月19日に日本の熊本で開催することを提案し、了承されました。

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TC47/SC47F/WG1-3&MTオンライン会議の様子
(撮影 名古屋工業大学 神谷庄司教授)

 10月7、8日には、それぞれTC47/SC47F全体会議、TC47全体会議が開催され、WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長が報告しました。

 今回も昨年同様オンライン開催となりましたが、予定していた議題全てを議論することができ、充実した会議となりました。
 次回の本会議は来年11月に米国・サンフランシスコで開催されます。また、日韓中が持ち回りで開催しているSC47E(個別半導体デバイス)WG1(半導体センサ分野)、WG2(マイクロ波デバイス分野)、SC47F(MEMS分野)の合同会議は、来年5月18~20日に開催する予定です。同じく、日韓中が持ち回りで開催しているTC47/WG7(エネルギーハーベスタ分野)のWG会議も、前記合同会議と同時に熊本で開催します。

調査研究・標準部長 時岡 秀忠

 

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2021年6月28日 (月)

IEC国際標準化 SC47E/WG1&SC47F&TC47/WG7 WG会議報告(5月19日~20日)(オンライン開催)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/SC47E(個別半導体デバイス)WG1(半導体センサ分野)、TC47/SC47F(MEMS分野)、TC47/WG7(エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)の国際標準化WG会議が、5月19 日、20日にオンラインで開催されました。

 5月19日には、TC47/SC47E/WG1会議が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 ドラフトの議論では、2015~18年度に経産省の国際標準獲得・普及促進事業としてマイクロマシンセンターがとりまとめて取組みました「スマートセンシング・インタフェースに関する標準化」に関して、提案済み・審議中のIEC60747-19-2 TS(Technical Specification)「スマートセンサおよびスマートセンサを駆動する電源の特性表示方法」の状況が紹介されました。現在審議が終了し、技術仕様書TS(Technical Specification)発行に向けて準備中であることが報告されました。
 また、これまでに発行されている国際規格IS(International Standard)の安定期日(Stability date)見直しについて議論されました。最後に今後の会議予定を確認しました。その際、中国、韓国、日本が持ち回りで開催している本国際標準化WG会議を2022年度5月にSC47F合同会議と同時に日本の熊本で開催することが了承されました。

 5月20日には、TC47/WG7会議とTC47/SC47F/WG1-3&MT会議が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 TC47/WG7会議には日本から、TC47/WG7コンビナーである東京大学鈴木雄二教授、兵庫県立大学藤田孝之教授他、計4名が参加して、各国と活発に議論されました。鈴木教授が議事進行を務められました。
 最初に、各国エキスパートの更新を確認しました。次いで、現在審議中の規格案の状況が報告されました。鈴木教授が2021年1月に提案し4月に承認された新業務項目提案NP(New work item Proposal)「IEC 62150-2:低周波・大振幅かつ回転運動を含む振動(Arm swingによる振動)発電の特性試験方法の標準化」については、CD(Committee Draft)を作成し、7月にIECへ提出することを報告されました。
 メンテナンスでは各ISについてStability Dateを確認しました。2021年がStability dateであった鈴木教授提案のIS「MEMS エレクトレット振動発電デバイスの性能試験方法」のStability dateが2024年に変更されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture worksにおいては、神戸大学神野伊策教授が開発している「衝撃力による振動(Foot motionによる振動)発電の特性試験方法の標準化」は2021年7月にIECへNPを提案する予定であること、産総研山本様が開発している「熱電発電エネルギーハーベスタ」は2021年12月にIECへNPを提案する予定であることを、鈴木教授が代理で報告されました。
 その他では、アクションアイテムとして、活動していないエキスパートをリストから削除することをIECに要求すること、Pメンバー国からの新しいエキスパートリストを作成することが決まりました。
 最後に今後の会議予定を確認しました。その際、中国、韓国、日本が持ち回りで開催している本国際標準化WG会議を2022年度5月にSC47E、SC47F合同会議と同時に日本の熊本で開催することが了承されました。

 TC47/SC47F/WG1-3&MT会議には33名(日本14、韓国8名、中国9、ドイツ2)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。SC47F/MT1のコンビナーである熊本大学高島和希教授が議事進行を務められました。日本の主な出席者は高島教授の他、WG3コンビナーである次世代センサ協議会大和田邦樹副会長、WG1コンビナーである東京都市大学諸貫信行教授、PLである神戸大学神野伊策教と名古屋工業大学神谷庄司教授、近畿大学宍戸信之講師、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士でした。
 WG2では、神野教授が2020年9月に提案し12月に承認されたNP「IEC 62047-42:圧電MEMSデバイスのマイクロカンチレバー特性信頼性試験方法」について各国コメント内容とそれに対する対応を説明し、各国の理解を得ることができました。
 次いで、宍戸講師が2021年1月に提案し4月に承認されたNP 「IEC 62047-43:フレキシブルMEMSデバイスの繰返し曲げ耐久性試験方法」について各国コメントを紹介されました。
 MT1(Maintenance team1)では、コンビナーの高島教授からISのstability date見直しについて説明があり、各国と議論しました。
 Future Worksでは、中国から4件、韓国から1件の新規提案が紹介されました。その他では、来年の本国際標準化WG会議を日本・熊本で5月に開催することをMMCが提案し、了承されました。また、具体的な日程等は10月のIEC全体会議で提案することが決まりました。

      
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TC47/SC47F/WG1-3&MTオンライン会議の様子
(撮影 名古屋工業大学 神谷庄司教授)

 コロナ感染拡大の影響で、2020年11月の全体会議同様オンライン開催となりましたが、各国から多数のエキスパートに参加していただき、有意義な議論を進めることができました。

 次回会議としては、IEC全体会議が10月にオンラインで開催される予定です。来年の本国際標準化WG会議は、上述の通り、マイクロマシンセンター主催で2021年5月に熊本で開催する予定です。

(調査研究・標準部長 時岡 秀忠)

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2020年12月 1日 (火)

IEC/TC47 国際標準化全体会議(オンライン開催)参加報告(2020年11月17~20日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、11月16~20日にオンラインで開催され、関連する11月17~20日の会議に参加しました。

 11月17日には、TC47/SC47E/WG1会議(個別半導体、センサ分野)とTC47WG7会議(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。

 TC47/SC47E/WG1会議では、2015~18年度に経産省の国際標準獲得・普及促進事業としてマイクロマシンセンターがとりまとめて取組みました「スマートセンシング・インタフェースに関する標準化」に関して、提案済み・審議中のIEC60747-19-2 TS(Technical Specification)「スマートセンサおよびスマートセンサを駆動する電源の特性表示方法」について、プロジェクトリーダ(PL)の1人であるセイコーホールディングズの古田部長から、DTS(Draft Technical Specification)への各国コメントとそれに対する回答を紹介、了承されました。また、これまでに発行されているISの安定期日(stability date)見直しについて議論されました。

 TC47WG7会議では、日本から、本WGの主査を務めておられる東京大学鈴木教授、神戸大学神野伊策教授、兵庫県立大学藤田孝之教授、産総研山本淳先生、舟橋良次先生他、7名が参加して、各国と活発に議論されました。
 また、今後提案予定の規格案を紹介するFuture workにおいては、東京大学鈴木雄二教授が「低周波・大振幅かつ回転運動を含む振動発電の特性試験方法」を、神戸大学神野伊策教授が「衝撃力による振動発電の特性試験方法」をそれぞれ説明され、各国と意見を交換しました。
 更に、産総研山本淳先生が熱電変換関連で提案する規格案の現状を説明されました。

 11月18日にはTC47/SC47F/WG1-3&MT会議(MEMS分野)が開催され、28名(日本11、韓国8名、中国6、ドイツ2、米国1)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 日本の主な出席者は、SC47F主査である熊本大学元副学長高島和希教授、同じく主査である次世代センサ協議会大和田邦樹専務理事、PLである神戸大学神野伊策教と名古屋工業大学神谷庄司教授、名古屋工業大学泉隼人助教、近畿大学宍戸講師、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士でした。

 WG2では、9月に日本から提案されたPNW-47F-366「圧電MEMSデバイスのマイクロカンチレバー特性信頼性試験方法」について神野教授が規格内容を紹介し、了承されました。

 MT1(Maintenance team1)では、コンビナーの高島教授からWG2のISに関する安定期日見直しについて説明があり、各国と議論しました。
 加えて、近年注目されているSDGs概要と、これまでに発行されたISのSDGs各目標への分類について説明し、了承されました。

 Future Workにおいては、神谷教授の代理で近畿大学宍戸講師が今後提案予定の「フレキシブルMEMSデバイスの繰返し曲げ耐久性試験方法」について規格の裏付けとなる実験データ、規格案等を説明され、各国の理解を得ることができました。
 加えて、韓国からバイオMEMSに関する新規提案が紹介されました。また、次回のWG1-3&MT1合同会議を来年5月に日本の熊本で開催することを提案し、了承されました。

 11月19~20日には、TC47/SC47F全体会議、TC47/SC47E全体会議、TC47全体会議が開催され、各WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長が報告し、1週間に渡るTC47全体会議を無事終えることができました。

 コロナ感染拡大により、オンライン開催という慣れない環境での会議となりましたが、参加メンバーの周到な準備により効率的に議論を進めることができ、大変有意義でありました。

 次回の本会議は来年10月にUAE・ドバイで開催される予定です。また、日韓中が持ち回りで開催しているSC47F(MEMS分野)の合同会議は、今年会議が中止となった熊本で来年5月19~21日に開催します。同じく、日韓中が持ち回りで開催しているTC47/WG7(エネルギーハーベスタ分野)のWG会議も、SC47Fの合同会議と同時に熊本で開催します。

(調査研究・標準部長 時岡 秀忠)

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2019年11月 7日 (木)

IEC/TC47国際標準化全体会議(2019年10月15~18日)参加報告

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、10月14~18日まで、中国・上海のShanghai EXPO Centre(上海世博中心)にて開催され、関連する10月15~18日の会議に参加しました。

Fig1_20191107160901

会場の外観写真

 10月15日には、TC47/SC47E/WG1会議(個別半導体、センサ分野)が開催され、現在審議中の規格案についての意見交換が行われました。
日本からは、2015~18年度に経産省の国際標準獲得・普及促進事業としてマイクロマシンセンターがとりまとめて取組みました「スマートセンシング・インタフェースに関する標準化」に関して、提案済み・審議中の2件(IEC60747-19-1「スマートセンサの制御方式」、IEC60747-19-2 TS(Technical Specification)「スマートセンサおよびスマートセンサを駆動する電源の特性表示方法」)について、プロジェクトリーダ(PL)の1人であるセイコーインスツル古田部長から、各国に状況説明が行われました。
 IEC60747-19-1「スマートセンサの制御方式」については、現在、国際標準発行直前まで到達しており、IECエディターからのエディトリアルな最終確認に対応中であることを報告しました。
 IEC60747-19-2 TS「スマートセンサおよびスマートセンサを駆動する電源の特性表示方法」については、CD(委員会原案、Committee Draft)投票結果の各国コメント対応状況を議論し、問題無く了承され、次フェーズ(TSの最終フェーズであるDTS、Draft Technical Specification)へ進むことになりました。
また、今後提案予定の規格案の内容を各国に報告するFuture work presentationでは、一般社団法人慣性センサ応用技術研究協会梅田章理事長から「Measurement methods for Accelerometers」が紹介されました。
 10月16日にはTC47/SC47F/WG1-3&MT会議(MEMS分野)が開催され、29名(日本12、韓国4、中国11、ドイツ1、米国1)が出席し、現在審議中の規格案についての意見交換が行われました。
 日本からの出席者は、SC47F主査である熊本大学元副学長高島和希教授、同じく主査である次世代センサ協議会大和田邦樹専務理事、PLである神戸大学神野伊策教授、PL名古屋工業大学神谷庄司教授の代理である名古屋工業大学泉隼人助教、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士をはじめとした12人でした。
 日本提案であるIEC62047-37「圧電MEMSデバイスのセンサ特性に関する信頼性試験方法(PL:神戸大学神野教授)」のCDV(投票用委員会原案、Committee Draft for Vote)投票結果の各国コメント対応状況を議論し、問題無く了承され、次フェーズ(国際標準発行前の最終フェーズであるFDIS、Final Draft International Standard、最終国際規格案)へ進むことになりました。
 同じく日本提案であるIEC62047-35「フレキシブルMEMSデバイスにおける曲げ強度信頼性試験(PL:名古屋工業大学神谷教授)」については、現在、国際標準発行前の最終フェーズFDISの投票中であることが報告されました。

Fig2_20191107160901

IEC/TC47/SC47F/WG1-3&MT会議の様子

 10月17日に開催されたTC47/WG7会議(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)では、現在審議中の規格案の審議状況について、主査から報告の後、意見交換が行われました。
 日本からの出席者は、本WGにおいて3人の主査の1人として務めておられる東京大学鈴木雄二教授をはじめ、神戸大学神野教授、兵庫県立大学藤田孝之准教授、産総研山本淳先生、他7名が、各国と活発な議論を行いました。
 今後提案予定の規格案の内容を各国に報告するFuture work presentationでは、東京大学鈴木雄二教授からは「Measurement method of wrist-worn vibration energy harvesting device」(報告済み)に関する最新検討状況が報告されました。
 また、神戸大学神野教授からは、「Standard test method of energy harvesters under impulsive force for wearable applications」について内容紹介が行われ、各国と議論しました。
 さらに、産総研山本先生からは、熱電関連で今後日本から提案する規格案(報告済み)に関する最新検討状況が説明されました。

10月17~18日には、TC47/SC47F全体会議、TC47/SC47E全体会議、TC47全体会議が開催され、各WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長から報告が行われ、1週間に渡るTC47全体会議がつつがなく遂行されました。
 期間中、各国の出席者と交わした密な議論を通じ、各国の規格案開発について深い相互理解が得られ、引き続き審議への相互協力を誓い合うことができたことは大変有意義でありました。

 次回の本会議は来年11月にドイツ・フランクフルトで開催される予定です。 また、日韓中が持ち回り開催を行っているSC47F(MEMS分野)の夏季WG会議としては、次回日本開催となり、来年6月3~5日に熊本で開催します。 同じく、日韓中が持ち回り開催を行っているTC47/WG7(エネルギーハーベスタ分野)の春季WG会議としては、こちらも日本開催となり、来年2月24日に奈良で開催します。

調査研究・標準部長 大中道 崇浩

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2019年6月19日 (水)

IEC国際標準化 SC47E WG1,2 & SC47F 合同WG会議(2019年6月12~14日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/SC47E(個別半導体デバイス)WG1(半導体センサ),WG2(半導体高周波デバイス)&SC47F(MEMS)の国際標準化WG会議が、6月12日から14日まで、中国・蘇州にて開催されました。(WG会議は、毎年6月に、日韓中が持ち回り開催している本分野の標準化会議で、今年は中国がホスト国としての開催でした。中国関係者のご尽力に深く感謝致します
Fig1

開催会場Worldhotel Grand Dushulake Suzhou

 6月12日に開催されたSC47E(個別半導体デバイス)/WG1(半導体センサ)会議では、15名(日本6、韓国5、中国4)が出席しました。日本からの出席者は、IEC/SC47E国際議長をつとめるソニー大芝克幸議長をはじめとした6名でした。会議では、現在審議中の規格案の審議状況について、主査から報告の後、意見交換が行われました。日本提案の規格案審議に関しては、ローム内貴次席研究員から、プロジェクトリーダの一人として提案の「スマートセンサの制御方式」について、CDV(投票用委員会原案)投票のearlyコメント対応の報告を行いました。また、セイコーインスツル古田一吉部長から、プロジェクトリーダの一人として提案の「スマートセンサの特性表示方法およびスマートセンサを駆動する電源の特性表示方法」について、IECへのTS(Technical Specification)としてのNP(New work item Proposal)投票が完了し、エキスパート参加国4か国でNP承認(参加国4か国以上が必要)された旨、また、韓国から11件あげられたコメントへの対応方針を各国に説明しました。これら、スマートセンサの取り組みは、現在、経産省の国際標準獲得・普及促進事業としてマイクロマシンセンターがとりまとめて2016~18年に実施した「スマートセンシング・インタフェースに関する標準化」に関してのものであります。

 6月13日には、SC47F会議(MEMS)が開催され、35名(日本9、韓国5、中国21)が出席しました。日本からの出席者は、IEC/SC47Fの各WG主査をつとめる次世代センサ協議会大和田邦樹専務理事および熊本大学高島和希教授、IEC/SC47F国際幹事をつとめるマイクロマシンセンター三原孝士主幹研究員をはじめとした9名でした。会議では、現在審議中の規格案についての意見交換が行われ、名古屋工業大学神谷庄司教授がプロジェクトリーダとして日本から提案しているIEC62047-35「フレキシブルMEMSデバイスにおける曲げ信頼性試験」のCDV(投票用委員会原案)コメント対応方針について、プロジェクトリーダ代理として北九州市環境エレクトロニクス研究所宍戸信之主任研究員から、各国に説明しました。神戸大学神野伊策教授からは、審議中IEC62047-37「MEMS圧電デバイスのセンサ特性信頼性試験方法」の状況報告として、CD(委員会原案)コメントが軽微な指摘であったことから指摘に伴い修正を施し本会議前に次フェーズCDV提出済みである旨、報告し、そのコメント対応の内容説明を行いました。

 また、韓国:Korea Institute of Machinery and MaterialsのHak-Joo.Lee主査からは、Future workとして前回会議までに紹介ずみの“Test method for adhesion strength of metal powder paste for MEMS interconnection”が、会議直前にNP提案提出済みであることが報告されました。

 今後提案予定の開発中案件を各国が紹介するFuture workプレゼンテーションでは、中国のHebei Semiconductor Research InstituteのBo Li氏から、前回会議までに紹介済み案件である“RF MEMS circulators”の最新準備状況の報告、日本からは神野教授から、前回会議までに紹介済み案件である「MEMS圧電デバイスのマイクロカンチレバー構造信頼性試験方法」の最新準備状況の報告を、それぞれ行いました。
Fig2

SC47F WG会議の様子

 会議終了後、同日夕刻、中国ホストによるバンケットが開催され、各国の親交を深め、今後の審議における継続的な相互協力を誓いました。
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バンケットの様子

 6月14日にはSC47FのMEMSワークショップが開催されました。前日と同様の出席者に合わせ中国から多数の外部出席者が加わり、総勢70名程度が出席し、各国からMEMSやデバイス・センサに関連する技術プレゼンテーションを相互に行うことで、技術交流を図りました。発表プログラムは以下の通りです。

(1)日本 SC47F国際幹事(マイクロマシンセンター), 三原孝士「Introduction of TC47 and SC47F」
(2)韓国 KAIST, Jungchul Lee 准教授「Fluidic channel integrated resonators via traditional microfabrication and unconventional fabrication」
(3)日本 北九州市環境エレクトロニクス研究所, 宍戸信之 主任研究員「Microscopic and macroscopic structure changes adhesion strength of interconnects」
(4)中国 The University of Technology Sydney, Jianguo Wang, Doctoral supervisor researcher, 「Robust Pedestrian Navigation with MEMS IMU Sensors」
(5)中国 Xi’an Chinastar M&C Limited, Rongxiang Gu, General manager 「China’s MEMS sensor industry and technology status」
(6)中国 BRMICRO Electronic Technology Co.,Ltd., Feifei Zhang, Chairman 「Biometric Sensor & Identification Chip Design and Application」
(7)中国 MEMSRIGHT/Nano-polis, Qingjie Ma, Technical director 「Innovation ecosystem, promote the MEMS industry collaborative development」
(8)中国 MEMSensing Microsystems, Jiaxin Mei, Deputy technical officer 「The trend and evaluation criteria of microphone in the field of MEMS」
Fig4

MEMSワークショップ オープニング画面

Fig5

MEMSワークショップ SC47F国際幹事三原(マイクロマシンセンターによるIEC SC47Fの紹介発表

Fig6

MEMSワークショップ 北九州市環境エレクトロニクス研究所宍戸信之主任研究員の技術発表

 午後はテクニカルツアーとして蘇州のMEME関連プロダクションライン2箇所(MEMSRIGHT/Nano-polis、MEMSensing Microsystems)の見学会が行われました。中国関係者のご尽力にて有意義な技術交流が図れたことに深く感謝します。

 次回会合は、IECのTC47(半導体分野技術委員会)全体会議として、来年10月に中国・上海で開催される予定です。また、来年のWG会議は、日本開催となり、マイクロマシンセンターが主催し熊本での開催を予定しています。

調査研究・標準部長 大中道 崇浩

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2019年3月 5日 (火)

IEC/TC47/WG6,WG7国際標準化アドホック会議の報告

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/WG6,WG7国際標準化アドホック会議が、2月27日から3月1日の日程で中国・深センにて開催され、WG7(エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)会議に参加しました。

 WG7会議では、19名(日本4、韓国4、中国10、ドイツ1)が出席し、主査から各審議中案件(韓国6件、日本1件)の進捗状況説明がなされ、活発な意見交換が行われました。日本からの出席者は、WG7の3人の主査の1人である東京大学鈴木雄二教授、兵庫県立大学藤田孝之准教授、産総研山本淳グループ長、マイクロマシンセンターから大中道(本ブログ執筆者)の4名です。

 東京大学鈴木雄二教授からは、先生がプロジェクトリーダとして提案の「低消費電力電子機器向けの力学的環境発電デバイスの試験方法」が、現在、国際標準発行前の最終段階であるFDIS(Final Draft International Standard)提出済みである旨、報告がなされました。韓国提案の6件の審議中規格案についても、各国出席者間で活発な議論が行われました。

 今後提案予定のFuture workとしては、‟Vibration energy harvesters for arm swing motion”というタイトルで、低周波・大振幅の振動発電である、人間の歩行時腕振りによる振動発電の試験方法標準化を計画(2020年中提案予定)していることが報告されました。また、産総研山本淳グループ長からは、‟Thermoelectric-related energy harvester”というタイトルでの熱電発電の試験方法標準化について、提案前準備状況の報告がなされました。WG7では、前回会議までに韓国から紹介済みの‟Hybrid energy harvester”と合わせ、3件がFuture workとして報告済みとなっております。


IEC/TC47/WG7国際標準化アドホック会議@深センの様子

 このアドホック会議は毎年日韓中で持ち回り開催している会議で、今年は中国の主催でした。会議期間中には、ホスト国中国の招待で、各国のメンバーが一同に会したディナーが催され、各国の親交を深め、引き続き国際標準化活動における相互協力を誓い合いました。次回は、アドホック会議としては、ホスト国日本で、2020年2月23日~25日に奈良で開催予定です。また、各国との次回の議論の場は、IECの全体会議(中国・上海)となり、WG7は2019年10月17日に会議が開催されます。

 WG7が扱うエネルギーハーベスタの分野はIoTのキー技術であり、日本から、本分野での有効な規格案を国際標準として発信すべく、引き続き、各国との密な議論・連携を行いながら、規格提案・審議活動に参画していきたいと思います。
調査研究・標準部長 大中道 崇浩

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