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2023年8月

2023年8月29日 (火)

「2022年度 分野別動向調査報告書」発行について (MMC「国内外技術動向調査委員会事業」)

 マイクロマシンセンターでは、国内外の最新かつ詳細なマイクロマシン・MEMSそして近年活発化しているナノ関連の研究開発の情報を収集・分析し、その技術動向を把握することを目的に、各年度MEMSの分野で代表的な国際会議を定点観測して、分野別動向調査報告書にまとめています。

 2022年度は“APCOT 2022(The 10th ASIA-Pacific Conference of Transducers and Micro-Nano Technology)”と“MEMS 2023(The 36th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems)”を調査しました。

 “APCOT2022”は、アジア、太平洋地域でのMEMS/ナノテク分野の研究開発事例が発表される国際会議で、2002年に中国・アモイ市で第1回が開催されて以来、2004年は札幌、2006年シンガポール、2008年台湾・台南、2010年オーストラリア・パース、2012年中国・南京、2014年韓国・大邱、2016年金沢、2018年香港と、国際会議Transducersの開催されない年に隔年で開催されています。
 第10回が開催予定であった2020年は新型コロナウイルス感染拡大のため中止となり、2022年 5月29日(日)~6月1日(水)の日程で開催地を上海としてハイブリッド形態で開催されました。
 投稿件数は129件で、前回の157件から僅かに減少しました。その中から118件(前回143件)の論文が採択され、採択率は91%(前回91%)でした。
 国別では中国が72件(前回45件)でトップ、2位、日本33件(前回42件)と続きました。次いで、台湾とシンガポールが3件、タイとオーストラリアが2件、韓国が1件となりました。
 発表内容の大分類別では、Fundamentalsが33件(28%), Applied Devices/Systemsが83件(71%)、どれにも該当しないものが1件(1%)で、応用分野に関する発表と基礎分野に関する発表の割合は、前回とほぼ同等でした。発表件数が多い分野は、Fundamentals Othersが16件と一番多く、Chemical Sensorが13件、Design and Modeling、OpticalおよびRF-MEMSで11件となりました。

 次に、“MEMS2023”は、IEEEのMEMS技術に関する国際会議で、毎年開催されています。36回目にあたる今回は、2023年1月15日~19日の日程で、独 ミュンヘンで開催されました。
 投稿件数は636件(前回600件)で、昨年より6%程度増加しました。採択された論文数は全体で314件(前回275件)、採択率は約49%(前回46%)でした。プレナリーを含む地域別発表論文数は米州43件(前回56件)、欧州57件(前回41件)、アジア太平洋212件(前回172件)となり、前回とほぼ同水準でした。
 地域別ではアジアが多く、昨年に続き中国が83件(前回70件)でトップ、日本54件(前回57件)、米国40件(前回54件)と続きました。このほか、アジア諸国では、台湾33件、韓国23件で、欧州では、ドイツ13件(前回5件)、オーストリア11件(前回1件)、オランダ6件(前回10件)となりました。
 発表件数が多い分野は、Mechanical Sensor(65件)、Radiation/Material Substance Sensor(66件)、Fabrication Technologies (non-Silicon)(47件)、Fluidic(42件)、Design and Modeling(38件)、Others (Applied Devices/Systems)(38件)、Actuators(35件)となりました。

 報告内容の詳細は、2022年度分野別調査報告書冊子のほか、マイクロマシンセンターのホームページ内の賛助会員のページにてご覧になることができます。

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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2023年8月 1日 (火)

マイクロマシン/MEMS分野関連【経済報告 2023年8月号】

 マイクロマシンセンターでは、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 今月号、マイクロマシン/MEMS分野関連 【経済報告 2023年8月号】 をお届けします。
 業務の参考として頂ければ幸いです。

 以下より【経済報告 2023年8月号】PDFをご参照下さい。

 【経済報告 2023年8月号】(「2023_08.pdf」)へアクセス
  (https://mmc.or.jp//info/monthly/economic_report/2023_08.pdf

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IEC国際標準化 SC47E WG1&2, SC47F WG1-3&MT会議報告(2023年6月21~23日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会) /SC47F(MEMS分野)、SC47E(個別半導体デバイス分野)の国際標準化WG会議が、日本のホスト(一般財団法人 マイクロマシンセンター主催)で、6月21 日~23日に、熊本県 熊本市国際交流会館にて開催されました。

 6月21日には、IEC TC47/SC47E/WG1&2会議が開催されました。
半導体関連技術に関する会議SC47E(DISCRETE SEMICONDUCTOR DEVICES)WG1(SEMICONDUCTOR SENSORS)、WG2(MICROWAVE DEVICES)へのSC47F関係者の参加により、WG各国エキスパートとの活発な意見交換がありました。

 6月22日には、IEC TC47/SC47F/ WG1-3&MT 会議が開催され、現地およびオンライン参加で29名(日本10名、韓国11名、中国8名)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 会議では、SC47F/MT1のコンビナーである熊本大学 高島和希教授が議事進行を務められました。日本の主な出席者は、高島教授の他、WG1コンビナーである先端素材高速開発技術研究組合 古田一吉氏、WG3コンビナーである次世代センサ協議会 大和田邦樹副会長、PLである神戸大学 神野伊策教と名古屋工業大学 神谷庄司教授、名古屋工業大学 泉隼人助教、近畿大学宍戸信之講師、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター 三原孝士氏でした。
 WG1では、コンビナーである古田氏からWG活動概要、ココンビナーのSH Choa氏から「IEC 60747-4:2008 ED1」のレビジョンアップ、プロジェクトリーダーの変更等について説明されました。
 WG2では、コンビナーである韓国のHak Joo Lee氏からWG活動概要について説明されました。日本案件のステータスとして、神戸大学 神野教授提案の「IEC 62047-49:Reliability test methods of electro-mechanical conversion characteristics of piezoelectric MEMS cantilever」のNP提出状況、近畿大学 宍戸信之講師提案の「IEC 62047-43:Test method of electrical characteristics after cyclic bending deformation for flexible electro-mechanical devices」のCDV投票完了、について説明されました。
 MT1(Maintenance team1)では、コンビナーの高島教授からISのstability date見直しについて説明され、各国と議論されました。
 WG3では、コンビナーである次世代センサ協議会 大和田邦樹副会長からWG活動概要が説明されました。また、WG3のコンビナーの神戸大学 磯野吉正教授への交代について説明され、磯野教授からは「Introduction of MEMS Research at Kobe Univ. - Nano Mechanical Systems Lab. -」と題して、研究内容について紹介されました。
 今後提案予定の規格案を紹介するFuture Worksでは、日本から名古屋工業大学 神谷庄司教授がPLである新規提案「フレキシブルMEMSデバイス耐久性の両方向折り曲げに関わる試験方法」の開発状況を同大学 泉隼人助教が説明されました。このほか各国からもMEMSに関する規格開発について紹介されました。

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TC47/SC47F/WG1-3&MT会議の様子

 6月23日には、マイクロマシンセンター主催、熊本大学 国際先端科学技術研究機構(IROAST : International Research Organization for Advanced Science and Technology)共催で、「MEMS Standardization Workshop, – The 96th IROAST Seminar - 」が開催されました。
 Workshopは、熊本大学 高島和希教授が進行を務められ、共催のIROSTから、熊本大学 小林牧子教授から「Patchable piezoelectric/ultrasonic sensor development for automatic abnormal condition detection during homecare stage」について、熊本大学 中島雄太准教授から「Development of microfluidic devices for bio-medical applications」について講演されました。
 このほか、韓国Jungchul Lee氏から「Heater-integrated fluidic resonators」、中国Wei Zhang氏から「MEMS differential pressure flowmeter」、中国Dacheng Zhang氏「Discussion on material mechanical test system of micro-nano-fabricating structure」などMEMS技術に関して、講演され、各国エキスパートの活発な意見交換がありました。
 その他では、来年の本国際標準化WG会議を韓国で5月に開催することがKRNCから提案があり、了承されました。

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MEMS標準化ワークショップ

 次回の会議は、IEC全体会議が11月にフランクフルトで開催されます。
また、来年のTC47/SC47F/WG1-3&MT 会議は、2024年の5月に韓国で開催される予定です。

(調査研究・標準部長 藤澤 大介)

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