マイクロマシンセンター委員会、MEMS協議会活動報告について
新型コロナウイルス感染症の沈静化により「5類」に引き下げられたことに伴い、MEMS協議会をはじめとするマイクロマシンセンター(MMC)の各種委員会活動(図1)も、対面形式での開催が徐々に復活して参りました。
まず、6月13日に、産業動向調査委員会(委員長:東京大学 竹内昌治教授)を3年ぶりに対面開催(一部オンライン参加)し、議論の結果、我が国のMEMS業界の企業が事業撤退や買収などで、その顔触れも大きく変化してきていることなどから、今年度の調査テーマは「日本のMEMS関連事業者の動向に関する調査」と決まり、MEMS産業界の実態と今後の展望についてまとめることになりました。また、本委員会後、オンライン講演会「我が国MEMS関連産業/技術の今後の展望について」を開催し、「MEMS事業者連携委員会」発足のガイダンスを行いました。
6月15日には、MMCの調査研究事業委員会(委員長:東京都市大学 藤田博之教授)をオンライン開催し、傘下の産業動向調査委員会、国内外技術動向調査委員会の前年度の活動報告と本年度の計画などが報告されました。また、これらのMEMS協議会委員会活動全般を統括する産業交流委員会を6月26日に書面開催し、MEMS協議会の2022年度活動結果と2023年度活動計画について、報告いたしました。
さらに7月3日には、新型コロナウイルスにより国際交流が難しかったことから、流会となった年もあった国際交流委員会(委員長:東京大学 伊藤寿浩教授)を4年ぶりに対面で開催し、スマートセンシング&ネットワーク研究会(SSN研究会)や国際標準化活動に貢献する国際交流を行うなどの活動計画が議論されました。
さて、本年度新理事長に就任された西澤格理事長(MEMS協議会会長も兼ねる。株式会社日立製作所 執行役常務 CTO)と西澤新MEMS協議会会長からMEMS協議会副会長に指名された岡徹副会長(三菱電機株式会社上席執行役 開発本部長)、そして留任の伊藤寿浩副会長(東大教授)、長谷川英一事務局長(MMC専務理事)からなるMEMS協議会執行部の新体制(写真1)が発足しました。
この新体制でのMEMS協議会推進委員会が、7月6日、4年ぶりの対面形式で、霞が関官庁街からもほど近い東京虎ノ門グローバルスクエアコンファレンスで開催されました(写真2)。
まず、西澤会長による主催者挨拶があり、SSN研究会のWGで新プロジェクト立上げに努めていることや、MNOIC事業が工程受託を中心に着実に拡大していることなどを述べました。
次に、経済産業省情報産業課長の金指壽様から、今、最も旬な政策の一つの「半導体・デジタル産業戦略検討会議」での議論結果を中心とした、我が国の半導体産業復活の戦略について触れ、その中でMEMSがその他重要分野の一つに加えられたことなどを紹介されました。
その後、本年度のMEMS協議会活動についての議論に移り、センシング技術をIoT、AIなどと高度に融合させることにより、製造現場など多様な場面でセンサの活躍する場所が増えるだろうなど、多くの意見をいただくことが出来ました。
この後、アソシエートメンバーと個人会員も含め約50名を超える参加者で行われたメンバー交流会では、産官連携研究の進め方やIoT社会の実現に必要不可欠なセンサについての基盤技術についての議論も活発に行われました。7月4日に着任されたばかりの清水英路デバイス・半導体戦略室長も、このメンバー交流会に急遽ご参加され、ご挨拶いただきました。
やはり、対面での開催は、参加者の当事者意識を高め、参加者が互いの顔を対面で見ることで、話し合いに積極的に参加するようになるため、MEMS協議会推進委員会、MEMS懇話会など、より重要な委員会は、対面形式での開催を目指したいと思います。
MEMS協議会事務局 渡辺秀明
図1 2023年度 委員会構成
(図をクリックで拡大)
写真1 2023MEMS協議会執行部
写真2 2023MEMS協議会推進委員会