「MEMS Engineer Forum 2023(MEF2023)」出展報告
4月19日(水)~20日(木)に、マイクロマシンセンター(MMC)からもほど近い東京両国のKFCホールで開催された「MEMS Engineer Forum 2023(MEF2023)」(写真1)に、MMCは昨年に引き続き、MNOIC(MicroNano Open Innovation Center)事業を紹介するパネル展示を行いましたので、簡単に報告いたします(写真2)。
MEFは国内外企業からの出資によりエンジニアを中心に運営され、21世紀のキーテクノロジーとされるMEMS技術の現状と、向こう10年までの技術の将来に迫る国際会議で、今回は2009年3月の初開催から始まって第14回目の開催となり、32社のスポンサー企業が参加して8地域20名の講演者を迎え、この2日間で、13地域664名の方々が講演や出展を通じて、活発な議論が行われました。
MEF2023の基調講演はセッション毎に1講演プログラムされ、全6セッションのトップで講演がありました。
オープニング後のセッション1 “Streams of MEMS 1”では、台湾の国立清華大学Weileun Fang 教授から、“Leveraging Semiconductor Ecosystems to MEMS”と題し、特に台湾におけるMEMS関連産業の発展に関する解説がありました。印象に残ったのは、「台湾は狭い国土で、それゆえデザインハウス、ファンドリー、パッケージ、テストなど、MEMS関連産業の企業間、研究機関間の距離が近く、それがMEMSのエコシステム構築の一因となった」という見解で、戦略的な産官学連携がなされているように感じました。
セッション2 “Core Equipment Technologies of MEMS”では、半導体装置、製造、販売を行う中国企業のAdvanced Micro-Fabrication Equipment Inc. (AMEC)(中微半導体設備(上海)股分有限公司)のGerald Yin氏から、半導体装置市場動向について紹介されました。半導体関連産業の中で、日本に優位性があるとされている半導体製造装置のセッションの基調講演が、中国企業から行われたことで、国内企業の更なる企業努力が必要であることを感じました。
これら以外の基調講演としては、昨年に引き続きSi - MEMS の祖とも言うべきKurt Petersen 博士や、味覚、嗅覚センサの世界的権威の九州大学都甲潔特任教授などからの貴重な講演がありました。
展示はKFCホールのホワイエとAnnexの2か所に分かれて開催され、国内外42社・機関からの出展と22社からの出展者プレゼンテーションが行われました。本展示会は質の高い参加者層が多いため、実ビジネスの交渉の場として有益であり、MNOICの活動について、提供できる技術や実用化や実用性に関連する内容などについての詳細な質問を受け、MEMS技術の成熟度とMNOICの知名度の高まりを感じました。
今後もMNOIC活動を通じて、わが国の半導体・デジタル産業強化につながる活動を継続してまいります。
本会議は毎年開催されており、次回は2024年4月17日(水)~18日(木)に、今回と同様KFCホールでの開催が予定されています。
写真1 MEF2023
写真2 パネル展示
(MEMS協議会 渡辺 秀明)