IEC国際標準化 SC47E/WG1&SC47F&TC47/WG7 WG会議報告(5月19日~20日)(オンライン開催)
IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/SC47E(個別半導体デバイス)WG1(半導体センサ分野)、TC47/SC47F(MEMS分野)、TC47/WG7(エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)の国際標準化WG会議が、5月19 日、20日にオンラインで開催されました。
5月19日には、TC47/SC47E/WG1会議が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。 ドラフトの議論では、2015~18年度に経産省の国際標準獲得・普及促進事業としてマイクロマシンセンターがとりまとめて取組みました「スマートセンシング・インタフェースに関する標準化」に関して、提案済み・審議中のIEC60747-19-2 TS(Technical Specification)「スマートセンサおよびスマートセンサを駆動する電源の特性表示方法」の状況が紹介されました。現在審議が終了し、技術仕様書TS(Technical Specification)発行に向けて準備中であることが報告されました。 また、これまでに発行されている国際規格IS(International Standard)の安定期日(Stability date)見直しについて議論されました。最後に今後の会議予定を確認しました。その際、中国、韓国、日本が持ち回りで開催している本国際標準化WG会議を2022年度5月にSC47F合同会議と同時に日本の熊本で開催することが了承されました。
5月20日には、TC47/WG7会議とTC47/SC47F/WG1-3&MT会議が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。 TC47/WG7会議には日本から、TC47/WG7コンビナーである東京大学鈴木雄二教授、兵庫県立大学藤田孝之教授他、計4名が参加して、各国と活発に議論されました。鈴木教授が議事進行を務められました。 最初に、各国エキスパートの更新を確認しました。次いで、現在審議中の規格案の状況が報告されました。鈴木教授が2021年1月に提案し4月に承認された新業務項目提案NP(New work item Proposal)「IEC 62150-2:低周波・大振幅かつ回転運動を含む振動(Arm swingによる振動)発電の特性試験方法の標準化」については、CD(Committee Draft)を作成し、7月にIECへ提出することを報告されました。 メンテナンスでは各ISについてStability Dateを確認しました。2021年がStability dateであった鈴木教授提案のIS「MEMS エレクトレット振動発電デバイスの性能試験方法」のStability dateが2024年に変更されました。 今後提案予定の規格案を紹介するFuture worksにおいては、神戸大学神野伊策教授が開発している「衝撃力による振動(Foot motionによる振動)発電の特性試験方法の標準化」は2021年7月にIECへNPを提案する予定であること、産総研山本様が開発している「熱電発電エネルギーハーベスタ」は2021年12月にIECへNPを提案する予定であることを、鈴木教授が代理で報告されました。 その他では、アクションアイテムとして、活動していないエキスパートをリストから削除することをIECに要求すること、Pメンバー国からの新しいエキスパートリストを作成することが決まりました。 最後に今後の会議予定を確認しました。その際、中国、韓国、日本が持ち回りで開催している本国際標準化WG会議を2022年度5月にSC47E、SC47F合同会議と同時に日本の熊本で開催することが了承されました。
TC47/SC47F/WG1-3&MT会議には33名(日本14、韓国8名、中国9、ドイツ2)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。SC47F/MT1のコンビナーである熊本大学高島和希教授が議事進行を務められました。日本の主な出席者は高島教授の他、WG3コンビナーである次世代センサ協議会大和田邦樹副会長、WG1コンビナーである東京都市大学諸貫信行教授、PLである神戸大学神野伊策教と名古屋工業大学神谷庄司教授、近畿大学宍戸信之講師、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士でした。 WG2では、神野教授が2020年9月に提案し12月に承認されたNP「IEC 62047-42:圧電MEMSデバイスのマイクロカンチレバー特性信頼性試験方法」について各国コメント内容とそれに対する対応を説明し、各国の理解を得ることができました。 次いで、宍戸講師が2021年1月に提案し4月に承認されたNP 「IEC 62047-43:フレキシブルMEMSデバイスの繰返し曲げ耐久性試験方法」について各国コメントを紹介されました。 MT1(Maintenance team1)では、コンビナーの高島教授からISのstability date見直しについて説明があり、各国と議論しました。 Future Worksでは、中国から4件、韓国から1件の新規提案が紹介されました。その他では、来年の本国際標準化WG会議を日本・熊本で5月に開催することをMMCが提案し、了承されました。また、具体的な日程等は10月のIEC全体会議で提案することが決まりました。

(撮影 名古屋工業大学 神谷庄司教授)
コロナ感染拡大の影響で、2020年11月の全体会議同様オンライン開催となりましたが、各国から多数のエキスパートに参加していただき、有意義な議論を進めることができました。
次回会議としては、IEC全体会議が10月にオンラインで開催される予定です。来年の本国際標準化WG会議は、上述の通り、マイクロマシンセンター主催で2021年5月に熊本で開催する予定です。
(調査研究・標準部長 時岡 秀忠)
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