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2020年12月 1日 (火)

IEC/TC47 国際標準化全体会議(オンライン開催)参加報告(2020年11月17~20日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化全体会議が、11月16~20日にオンラインで開催され、関連する11月17~20日の会議に参加しました。

 11月17日には、TC47/SC47E/WG1会議(個別半導体、センサ分野)とTC47WG7会議(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)が開催され、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。

 TC47/SC47E/WG1会議では、2015~18年度に経産省の国際標準獲得・普及促進事業としてマイクロマシンセンターがとりまとめて取組みました「スマートセンシング・インタフェースに関する標準化」に関して、提案済み・審議中のIEC60747-19-2 TS(Technical Specification)「スマートセンサおよびスマートセンサを駆動する電源の特性表示方法」について、プロジェクトリーダ(PL)の1人であるセイコーホールディングズの古田部長から、DTS(Draft Technical Specification)への各国コメントとそれに対する回答を紹介、了承されました。また、これまでに発行されているISの安定期日(stability date)見直しについて議論されました。

 TC47WG7会議では、日本から、本WGの主査を務めておられる東京大学鈴木教授、神戸大学神野伊策教授、兵庫県立大学藤田孝之教授、産総研山本淳先生、舟橋良次先生他、7名が参加して、各国と活発に議論されました。
 また、今後提案予定の規格案を紹介するFuture workにおいては、東京大学鈴木雄二教授が「低周波・大振幅かつ回転運動を含む振動発電の特性試験方法」を、神戸大学神野伊策教授が「衝撃力による振動発電の特性試験方法」をそれぞれ説明され、各国と意見を交換しました。
 更に、産総研山本淳先生が熱電変換関連で提案する規格案の現状を説明されました。

 11月18日にはTC47/SC47F/WG1-3&MT会議(MEMS分野)が開催され、28名(日本11、韓国8名、中国6、ドイツ2、米国1)が出席し、現在審議中の規格案、新規提案等について議論されました。
 日本の主な出席者は、SC47F主査である熊本大学元副学長高島和希教授、同じく主査である次世代センサ協議会大和田邦樹専務理事、PLである神戸大学神野伊策教と名古屋工業大学神谷庄司教授、名古屋工業大学泉隼人助教、近畿大学宍戸講師、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士でした。

 WG2では、9月に日本から提案されたPNW-47F-366「圧電MEMSデバイスのマイクロカンチレバー特性信頼性試験方法」について神野教授が規格内容を紹介し、了承されました。

 MT1(Maintenance team1)では、コンビナーの高島教授からWG2のISに関する安定期日見直しについて説明があり、各国と議論しました。
 加えて、近年注目されているSDGs概要と、これまでに発行されたISのSDGs各目標への分類について説明し、了承されました。

 Future Workにおいては、神谷教授の代理で近畿大学宍戸講師が今後提案予定の「フレキシブルMEMSデバイスの繰返し曲げ耐久性試験方法」について規格の裏付けとなる実験データ、規格案等を説明され、各国の理解を得ることができました。
 加えて、韓国からバイオMEMSに関する新規提案が紹介されました。また、次回のWG1-3&MT1合同会議を来年5月に日本の熊本で開催することを提案し、了承されました。

 11月19~20日には、TC47/SC47F全体会議、TC47/SC47E全体会議、TC47全体会議が開催され、各WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長が報告し、1週間に渡るTC47全体会議を無事終えることができました。

 コロナ感染拡大により、オンライン開催という慣れない環境での会議となりましたが、参加メンバーの周到な準備により効率的に議論を進めることができ、大変有意義でありました。

 次回の本会議は来年10月にUAE・ドバイで開催される予定です。また、日韓中が持ち回りで開催しているSC47F(MEMS分野)の合同会議は、今年会議が中止となった熊本で来年5月19~21日に開催します。同じく、日韓中が持ち回りで開催しているTC47/WG7(エネルギーハーベスタ分野)のWG会議も、SC47Fの合同会議と同時に熊本で開催します。

(調査研究・標準部長 時岡 秀忠)

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