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2019年3月

2019年3月11日 (月)

「微細加工ナノプラットフォームコンソーシアム シンポジウム」でMNOICの 展示報告

 文部科学省の委託事業である微細加工プラットフォームは、大学等の施設の共用と蓄積された知による研究開発の推進と課題解決支援を目的として、2012年開始以来、この3月には7年を経過しました。この微細加工ナノプラットフォームについてのシンポジウムが本年3月8日(金)、東京大学 浅野キャンパス 武田先端知ビル武田ホールにて開催されました。ここ数年、本シンポジウムにMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)の概要とサービスの内容についてポスター展示しておりますが、本年のシンポジウムの内容についてご報告します。

 この微細加工ナノプラットフォームシンポジウムは、最先端のナノテクノロジーの研究開発動向と、微細加工ナノプラットフォームを活用し産学官の緊密な協力の下で生まれた技術開発の成功事例、ならびに現在開発を進めている企業の生の声などを紹介するものです。

 冒頭、本プラットフォームコンソーシアムの16実施機関を代表して、国立研究開発法人理化学研究所理事の小寺秀俊先生(写真1)から、若手の研究者が本プラットフォームを利用することで、様々なイノベーションの創出が可能となったこと、一方で、日本海側にプラットフォームの拠点がないことが課題と報告されました。

写真1 小寺先生の挨拶

 そして、文部科学省研究振興局参事官齋藤康志氏の来賓挨拶の後、進行役に東京都市大の藤田博之先生(写真2)という豪華な顔ぶれで、基調講演として「ナノハブ拠点でつくるオンチップバイオテクノロジー」と題し、東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻教授 鷲津正夫先生(写真3)から、マイクロデバイスを用いた細胞融合に関する報告があり、細胞核よりも小さいマイクロオリフィスを有するマイクロデバイスを用いることにより,細胞核の混合が起こらないことなどが示されました。

写真2 進行役の藤田先生


写真3 鷲津先生の講演

 続いて特別講演として、「次世代に向けた医療機器戦略」について、シスメックス株式会社 技術開発本部 上席主任研究員 角田正也氏の講演がありました。京大が得意とするバイオ系分野のマイクロ流路作製などの京大プラットフォームを利用して、独自のリキッドバイオプシー技術や全自動免疫測定システムについての紹介でしたが、その肝となるデバイス部分についての詳しい説明はありませんでした。

 休憩後、微細加工ナノプラットフォームの利用事例として、「可変メタサーフェスを利用した光位相変調素子」東京農工大学岩見健太郎准教授、「循環腫瘍細胞の誘電特性測定用デバイスの開発」呉工業高等専門学校江口正徳助教、「容量型MEMS水素センサ向けPdCuSi感応膜開発」株式会社東芝の林裕美研究主務、「広帯域波長掃引パルス量子カスケードレーザの開発」浜松ホトニクス株式会社の杉山厚志氏から4講演があり、最後のセッションとして、実施機関の京大から「バイオ系分野への支援力強化の取り組み」と、北大から「原子層堆積装置(ALD)による支援技術)についての紹介がありました。

 講演会終了後は、ポスターセッションと意見交換会が武田ホールホワイエで開かれました(写真4)。ポスター展示には、微細加工ナノプラットフォームコンソーシアム16機関に加え、協賛機関、協力機関もセッションに参加し、各機関の特色に重きを置いた説明が各所で行われました。MNOICは、微細加工ナノプラットフォームで開発された成果の試作ファンドリーや技術移転先の一つとして期待されており、本コンソーシアムとの連携をさらに強化していきます。こうして、研究開発から商品開発までのリードタイムを短縮し、我が国の産業競争力強化と次代を担う人材の育成につながる活動を継続してまいります。


写真4 MNOICのポスター展示

(MEMS協議会 渡辺 秀明)

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2019年3月 5日 (火)

IEC/TC47/WG6,WG7国際標準化アドホック会議の報告

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/WG6,WG7国際標準化アドホック会議が、2月27日から3月1日の日程で中国・深センにて開催され、WG7(エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)会議に参加しました。

 WG7会議では、19名(日本4、韓国4、中国10、ドイツ1)が出席し、主査から各審議中案件(韓国6件、日本1件)の進捗状況説明がなされ、活発な意見交換が行われました。日本からの出席者は、WG7の3人の主査の1人である東京大学鈴木雄二教授、兵庫県立大学藤田孝之准教授、産総研山本淳グループ長、マイクロマシンセンターから大中道(本ブログ執筆者)の4名です。

 東京大学鈴木雄二教授からは、先生がプロジェクトリーダとして提案の「低消費電力電子機器向けの力学的環境発電デバイスの試験方法」が、現在、国際標準発行前の最終段階であるFDIS(Final Draft International Standard)提出済みである旨、報告がなされました。韓国提案の6件の審議中規格案についても、各国出席者間で活発な議論が行われました。

 今後提案予定のFuture workとしては、‟Vibration energy harvesters for arm swing motion”というタイトルで、低周波・大振幅の振動発電である、人間の歩行時腕振りによる振動発電の試験方法標準化を計画(2020年中提案予定)していることが報告されました。また、産総研山本淳グループ長からは、‟Thermoelectric-related energy harvester”というタイトルでの熱電発電の試験方法標準化について、提案前準備状況の報告がなされました。WG7では、前回会議までに韓国から紹介済みの‟Hybrid energy harvester”と合わせ、3件がFuture workとして報告済みとなっております。


IEC/TC47/WG7国際標準化アドホック会議@深センの様子

 このアドホック会議は毎年日韓中で持ち回り開催している会議で、今年は中国の主催でした。会議期間中には、ホスト国中国の招待で、各国のメンバーが一同に会したディナーが催され、各国の親交を深め、引き続き国際標準化活動における相互協力を誓い合いました。次回は、アドホック会議としては、ホスト国日本で、2020年2月23日~25日に奈良で開催予定です。また、各国との次回の議論の場は、IECの全体会議(中国・上海)となり、WG7は2019年10月17日に会議が開催されます。

 WG7が扱うエネルギーハーベスタの分野はIoTのキー技術であり、日本から、本分野での有効な規格案を国際標準として発信すべく、引き続き、各国との密な議論・連携を行いながら、規格提案・審議活動に参画していきたいと思います。
調査研究・標準部長 大中道 崇浩

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