国際会議 MEMS 2019 参加報告
写真1 会場外観(韓国・ソウル,Coex)
写真2 講演会場の様子
近年のMEMS国際会議は毎回700名を超える参加者となっています。今回のMEMS 2019では投稿論文数677件、採択論文数281件、採択率は41%との紹介があり、その採択論文の内訳は、口頭発表が76件、ポスター発表が205件となっていました。この他にオープンポスターとして61件が選ばれていました。採択論文著者の所属国別件数順位は、1位中国、2位米国、3位日本、4位韓国、5位台湾、以下スエーデン、ドイツ、フランスとなっており、アジアでの開催のためか、全体の約7割がアジアからの発表で占められていました。投稿論文のカテゴリ別件数割合は表1に示す通りでした。この表からもバイオ、医療関連への投稿が増えてきていることがわかります。
表1 投稿論文のカテゴリ別件数割合
プレナリー招待講演は1日1件の計4件あり、講演者とそのタイトルは以下の通りです。著名な研究者によるいずれの講演も大変興味深い内容でした。
・Prof. Kevin Kit Parker, Harvard University, USA
Cardiomyocytes as high-power building blocks for bio-hybrid machines
・Prof. Stephanie P. Lacour, EPFL, SWITZERLAND
Soft and wearable transducers: opportunities and challenges for daily use
・Prof. Isao Shimoyama, The University of Tokyo, JAPAN
MEMS Sensors for Robots
・Dr. Chaedeok Lee, LG Electronics, KOREA
SENSOR AS A SOLUTION: RECENT PROGRESS IN INTELLIGENT SENSORS DEVELOPMENT
3日目となる1月30日の夜はバンケットが開催されました。会場はHan Riverにある「Floating Island」(写真3)で行われ、盛大な会となりました(写真4)。
写真3 バンケット会場
写真4 バンケット会場内の様子
MEMS分野は材料、デバイス構造からその特性評価まで多岐にわたる技術領域を網羅しており、近年ではバイオ、医療、生体情報のセンシング、流体反応などへの広がりも多く見られており、こうした最新の論文発表により活発な議論がなされ、大変有意義な会議でした。また、学生のアワードではポスターと口頭の両方の発表があり、こうした講演の機会は若い研究者の励みとなり、若手研究者がどんどん活躍していくことを期待したいと思います。
このMEMSの国際会議は1987年にアメリカで初めて開催され、1991年に日本で開催されて以降、アジア、ヨーロッパ、北米の順で毎年開催されています。次回はカナダのバンクーバーにて2020年1月に開催予定です。
(MNOIC 野田大二)
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