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2018年10月22日 (月)

IEC/TC47国際標準化全体会議(2018年10月15~19日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)の国際標準化会議が、10月15日から19日まで、韓国・釜山(釜山国際展示場)にて開催されました。


会場の外観写真

 10月15日に開催されたTC47/WG7会議(半導体デバイス エネルギーハーベスタ、エネルギー変換・伝送分野)には27名(日本13、韓国8、中国3、ドイツ2、米国1)が出席し、現在審議中の規格案の審議状況について、主査から報告の後、意見交換が行われました。


IEC/TC47/WG7会議の様子

 日本からの出席者は、本WGにおいて3人の主査の1人として務めておられる東京大学鈴木雄二教授をはじめ、兵庫県立大学藤田孝之准教授、産総研山本淳グループ長他、13名が、各国と活発な議論を行いました。東京大学鈴木雄二教授からは、先生がプロジェクトリーダ(PL)として提案の「低消費電力電子機器向けの力学的環境発電デバイスの試験方法」の審議状況について報告され、CDV(投票用委員会原案、Committee Draft for Vote)投票の結果、賛成多数で可決され、各国からあげられたコメントへの対応状況を報告し、今後、次フェーズ(国際標準発行前の最終フェーズであるFDIS、Final Draft International Standard、最終国際規格案)に進みます。また、産総研山本淳グループ長からは、熱電関連で今後日本から提案する規格案に関する内容説明が行われました。

 10月16日には、TC47/SC47E/WG1会議(個別半導体、センサ分野)が開催され、29名(日本11、韓国9、中国8、ドイツ1)が出席し、現在審議中の規格案についての意見交換が行われました。日本からの出席者は、SC47E大芝克幸議長、次世代センサ協議会大和田邦樹専務理事(SC47E元議長)をはじめとした11名でした。


IEC/TC47/SC47E/WG1会議の様子

 日本からは、現在、経産省の国際標準獲得・普及促進事業としてマイクロマシンセンターがとりまとめて取組み中の「スマートセンシング・インタフェースに関する標準化」に関して、審議中の2件(スマートセンサの制御方式、スマートセンサの電気特性表示方法)の各国コメント対応状況を議論するとともに、今後提案予定の案件を各国が紹介するFuture workプレゼンテーションでは、スマートセンサを駆動する電源の特性表示方法1件について報告を行いました。本件は新しい分野の取り組みでもあり、各国から、内容理解深化ならびに規格案充実化に向け、さらなる議論を継続したい意向が示され、メールベースや電話会議等による議論を継続していくことで合意しました。

 10月17日にはTC47/SC47F/WG1-3&MT会議(MEMS分野)が開催され、31名(日本10、韓国8、中国11、ドイツ1、米国1)が出席し、現在審議中の規格案についての意見交換が行われました。日本からの出席者は、SC47F主査である熊本大学副学長高島和希教授・大和田専務理事、プロジェクトリーダ(PL)である神戸大学神野伊策教授・名古屋工業大学神谷庄司教授、SC47F国際幹事マイクロマシンセンター三原孝士、国際副幹事マイクロマシンセンター竹内南をはじめとした10人でした。日本提案である「圧電MEMSデバイスのアクチュエータ特性に関する信頼性試験方法(PL:神戸大学神野教授)」、「圧電MEMSデバイスのセンサ特性に関する信頼性試験方法(PL:神戸大学神野教授)」、「フレキシブルMEMSデバイスにおける曲げ信頼性試験(名古屋工業大学神谷教授)」について審議状況説明・内容紹介を実施し、今後の審議における各国への協力要請を行いました。


IEC/TC47/SC47F/WG1-3&MT会議の様子

IEC/TC47/SC47F/WG1-3&MT会議出席者集合写真

 10月18-19日はTC47/SC47F全体会議、TC47/SC47E全体会議、TC47全体会議が開催され、各WGおよびSCにおいて決議された内容について各主査及び議長から報告が行われました。また、国際標準化活動としては1988年から、そして2008年7月のMEMS関連SCであるSC47F発足に際しSC47F国際幹事に就任し9年間務めるなど、長きに渡り国際標準活動に貢献してきたマイクロマシンセンターの竹内南が、来春3月に国際業務を退任予定であることを受け、今回IEC国際会議への参加が最後となる旨、TC47/SC47F全体会議、ならびに、TC47全体会議の席上、各国出席者に報告され、盛大な拍手をもって感謝の意が示されました。今後の国際業務は、2017年7月にSC47F国際幹事を竹内から引き継いだマイクロマシンセンターの三原孝士が継続して担っていきます。

 次回の本会議は来年10月に中国・上海で開催される予定です。

調査研究・標準部長 大中道 崇浩

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