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2018年6月 8日 (金)

IEC国際標準化 SC47E WG1,2 & SC47F 合同アドホック会議(2018年6月6~8日)

 IEC(国際電気標準会議)/TC47(半導体分野技術委員会)/SC47E(個別半導体デバイス)WG1(半導体センサ),WG2(半導体高周波デバイス)&SC47F(MEMS)の国際標準化アドホック会議が、6月6日から8日まで、米国・ハワイ・ホノルルにて開催されました。(アドホック会議は、毎年6月に、日韓中が持ち回り開催している本分野の標準化会議で、今年は韓国がホスト国としての開催でした。韓国関係者のご尽力に深く感謝致します。)


開催地ホノルルの風景

 6月6日に開催されたSC47E(個別半導体デバイス)/WG1(半導体センサ)会議では、28名(日本12、韓国10、中国6)が出席しました。日本からの出席者は、IEC/SC47E国際議長をつとめるソニー大芝克幸議長をはじめとした12名でした。会議では、現在審議中の規格案の審議状況について、主査から報告の後、意見交換が行われました。セイコーインスツル古田一吉部長からは、プロジェクトリーダの一人として提案の「スマートセンサの制御方式」について、IECへのNP(New work item Proposal)投票が完了し、エキスパート参加国6か国でNP承認(参加国4か国以上が必要)された旨、また、韓国・米国からそれぞれ1件ずつあげられたコメントへの対応方針を各国に説明しました。

 また、今後提案予定の案件を各国が紹介するFuture workプレゼンテーションでは、同じく古田部長から、今後スマートセンサに関する規格案2件の提案を行っていく事を報告しました(2018年6月中、2019年3月にそれぞれ1件)。これら、スマートセンサの取り組みは、現在、経産省の国際標準獲得・普及促進事業としてマイクロマシンセンターがとりまとめて取組み中の「スマートセンシング・インタフェースに関する標準化」に関してのものであります。

 韓国からは、Dr. Hojun Ryuから「Test method of sound variation detection sensors and the fire detection systems」についてFuture work紹介がありました。

 6月7日には、SC47F会議(MEMS)が開催され、29名(日本12、韓国10、中国7)が出席しました。日本からの出席者は、IEC/SC47Fの各WG主査をつとめる熊本大学副学長高島和希教授および次世代センサ協議会大和田邦樹専務理事、IEC/SC47F国際幹事をつとめるマイクロマシンセンター三原孝士主幹研究員、国際副幹事マイクロマシンセンター竹内南主幹研究員をはじめとした12名でした。会議では、現在審議中の規格案についての意見交換が行われ、名古屋工業大学神谷庄司教授からは、審議中IEC62047-35「フレキシブルMEMSデバイスにおける曲げ信頼性試験」のCD(委員会原案)コメント対応方針について各国に説明しました。

 神戸大学神野伊策教授からは、審議中IEC62047-36「MEMS圧電薄膜のアクチュエータ特性信頼性試験方法」の状況報告(CDV(投票用委員会原案)のコメント投票中)を行いました。また、Future workプレゼンテーションでは、神谷教授から「フレキシブルMEMSデバイスの繰り返し曲げ信頼性試験方法」1件を、神野教授から「MEMS圧電デバイスのセンサ特性信頼性試験方法」、「MEMS圧電デバイスのマイクロカンチレバー構造信頼性試験方法」の2件を、それぞれ報告しました。

 中国および韓国からは、それぞれ1件ずつ(中国:Hebei Semiconductor research InstituteのDr. Bo Cuiから“RF MEMS circulators”、韓国:Korea Institute of Machinery and MaterialsのDr. Jae-Hyun Kimから“Test method for adhesion strength of metal powder paste for MEMS interconnection”)のFuture work紹介がありました。


SC47Fアドホック会議の様子


SC47Fアドホック会議出席者集合写真

 会議終了後、同日夕刻、韓国ホストによるバンケットが開催され、各国の親交を深め、今後の審議における継続的な相互協力を誓いました。


バンケットの様子
(次世代センサ協議会大和田専務理事から日本のHead of delegationとしての挨拶)

 6月8日にはSC47FのMEMS標準化ワークショップが開催されました。前日と同様の出席者にて、各国からMEMSやセンサに関連する技術プレゼンテーションを相互に行うことで、技術交流を図りました。

 中国・北京大学Wei Zhang教授から「MEMS shock inertial switch」、日本・神野教授から「Piezoelectric thin files for MEMS applications」、韓国・Sejong大のDeok-kee Kim教授から「Standardization roadmap and strategy of IEC TC 124 (Wearable electronic devices and technologies)」および「Stress-induced diffusional process in thin films」の発表がなされました。各発表に対し活発な議論が交わされ、参加者の意識共有化を図るとともに、各国の今後の標準化活動や研究活動に資する内容でありました。

 次回会合は、IECのTC47(半導体分野技術委員会)全体会議として、今年10月に韓国・釜山で開催される予定です。
調査研究・標準部長 大中道 崇浩

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