« 2017年12月 | トップページ

2018年1月

2018年1月16日 (火)

平成30年ロボット関連3団体 新年賀詞交歓会、今年も盛況のうちに終了

 平成30年1月12日(金)12時から、(一社)日本ロボット工業会、(一財)製造科学技術センター及び(一財)マイクロマシンセンターの主催による「平成30年ロボット関連3団体 新年賀詞交歓会」を、東京プリンスホテル プロビデンスホールにて開催いたしました。


 開会にあたり3団体を代表しまして、(一社)日本ロボット工業会 稲葉会長が、3団体における本年の抱負や重点項目への取り組みなどについて挨拶を行い、引き続き、御来賓として多田経済産業省製造産業局長から、3団体の事業活動に対する期待を込めたご祝辞を賜りました。


(一社)日本ロボット工業会 稲葉会長 挨拶


来賓 経済産業省 多田製造産業局長 ご挨拶

 本年は、「Society5.0」の実現に向けて政府が打ち出した「コネクテッド・インダストリーズ」の推進に欠かせない、ロボット分野、マイクロマシン/MEMS分野に関心が寄せられていることもあり、昨年より100人以上多い535名もの大勢の業界関係者が参集する盛況な賀詞交歓会となり、出席者は時間の許す限り、交流・歓談に花を咲かせておりました。


 この機会をお借りしまして、ご参加いただきました多くの皆様方に御礼申し上げます。

一般財団法人マイクロマシンセンター 事務局一同

| | コメント (0)

2018年1月10日 (水)

IoTSWC2017参加報告

 昨年10月3日から5日にかけてIoT Solutions World Congress 2017(以下、IoTSWC2017)に参加してまいりましたので、そちらのご報告を致します。IoTSWCは、毎年10月にスペイン・バルセロナで開催されるインダストリアルIoT(以下、IIoT)に関するイベントとなります。本イベントにはインダストリアル・インターネット・コンソーシアム(以下、IIC)が関わっており、IIoTに関するリファレンス実装等が多数のテストベッド(複数社による実運用レベルに近いユースケース検証)として報告されることから、IIoTに関する様々な仕様のデファクトスタンダード形成の場として注視しております。
                  
 現在、産業機器等から吸い上げたデータの有価情報を効率よく取り出しクラウドに送信する、超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究に従事しておりますが、本研究の先端技術調査として前年度にも本イベントに参加した際には、テストベッドを有する先端企業からIIoTに関する多くのヒアリングを実施でき大変有益な機会となった為、今年度も技術動向の定点的な調査を実施して参りました。
                  
                  


図 1 バルセロナの街並み
                  


[概要]
 本年度は、来場者数は114ヶ国240社から約13000人(72%が経営幹部・上位管理職)となり、会場も昨年度比1.7倍の規模で実施されました。会場ではIoTプラットフォームに関するコンセプト展示だけでなく、農業、トランスポート、そしてインダストリ分野から、Siemens社、Intel社による油入装置監視、Analog Devices社による果樹園霜被害予兆監視等、具体的なユースケース展示が多く見受けられ、特にテストベッドの約7割がインダストリ分野からの出展となるなど、IIoT分野の盛り上がりを見せておりました。
                
                  
                  


図 2 展示会場の様子
                 


                  
                  


図 3 各国の講演数(カンファレンス資料より算出)

 

 また、今年はEdgeX Foundryのようなコンソーシアムの動きも目立っており、エッジコンピューティングに関する実装例もございました。EdgeX Foundryに参画する企業によるEdgeXゲートウェイの活用例としてのデモ展示は、OPTO社のブースで風車タービンの遠隔監視デモとしてエッジ側ゲートウェイにEdgeXゲートウェイを採用する例がありました。OPTO社の場合、サーバから、WANインタフェースとなるgroov Boxを介しFAN側コントローラであるOpto 22 SNAP PACsまでの一連のデータ送受信の環境を提供できることからシステムとしては自前で完成しておりましたが、Opto 22 SNAP PACsでは吸収しきれない将来的なプロトコル等に関して相互運用性を向上させる為に、EdgeXゲートウェイを一段仲介させることでエッジ側の抽象化を実現しておりました。クラウドにおけるUIダッシュボードからのビジネスロジックを解釈し異なる装置に対して、PLCコマンドのような制御コマンドを投入するにはエッジを抽象化するインタフェースの役割が明確にする必要がありますが、従来は管理対象ごとに作りこみを行っていたダッシュボードが発行するAPIからFAN側への制御コマンドを変換するアダプタにおいてコネクティビティを持たせる為にEdgeX Foundryが行うエッジインタフェースの標準化の取り組みは、今後きわめて重要な活動になっていくのではないかと感じております。このため、こうしたコンソーシアムの動向にも注目していきたいと思います。

 反面、相互接続性を上げていくことで古い装置に対する接続性が増し、セキュリティホールを有する古い装置を入口とした他の装置への攻撃のリスクを上げてしまうことにもなりかねません。また、ゲートウェイ側で抽象化する部分がオープンソースであることを利用しソースコードから脆弱性を類推するなどといった、プロプライエタリではないことに起因するセキュリティの脅威に対しても、相互接続性を担保しながら対策していくことが今後の課題となりそうです。
                  
                  


図 4 講演会場の様子


[講演]
 講演企業の中にはIoTプロジェクトの75%程度において期待通りの価値を提供しきれていないと感じている社もありました。これは、データ収集からデータモデル構築、そして分析を行うアルゴリズムのデプロイを行う一連のサイクルの中で、広域に据え付けられる数千単位でのデバイス・ゲートウェイに対するデプロイに、概念検証の段階では見えない課題が多数あり、実運用の段階でデータ収集力に直結するスケーラビリティに制限が課せられるケースがある為です。これまで工場の単一ラインでは、データ収集から知見獲得までをオートメーション化してきましたが、IIoTはこれに加えて、広範囲のデバイスやゲートウェイに対してセキュリティパッチや特定の状況下に適する分析アルゴリズムをあまねく導入後に継続適用していくことで全体最適を行っていく必要があります。
                  
[展示ブース]
 今回、技術動向調査を行ったなかから、LbSS研究に関係がありそうな技術展示2件、ご紹介させて頂きます。
                  
 1件目は、Intel社、BOSCH社による大気モニタリングに関する共同展示になります。ダスト排出量モニタリングによる、建設現場における大気汚染防止に関する法令の遵守度を測定する環境基準トラッキングとそれに応じた建設リソーススケジューリングが特徴です。また、CO検知センサにより、例えば無煙の熱分解等を分析することで火災報知器が検知しない火災の予兆検知にも適用可能と思われます。大気モニタリングといった汎用的な技術をビルの建築・設備運用における各フェーズのユースケースに適用することで、ビルのライフサイクルの初期からシステムを提案・導入できるメリットがある為、他社と比較し競争力のあるモニタリングシステムだと感じました。尚、建設中は本システムが屋外設置となる為、デプロイを正しく機能させることで中継器の不具合によるアップデート未実施を回避しサイバー攻撃による踏み台対策を行うだけでなく、装置そのものを盗難され物理的なメモリアクセスを介して行われるリバースエンジニアリングにも対処しなければならないと思われます。
                  
 2件目ですが、昨年度に引き続き、HPE社、NI社、およびPTC社が提供する予兆保全プラットフォームが展示されておりました。既に前年度の調査で燃料ポンプに対するキャビテーション検知を行うFlowserve社の適用例として本プラットフォームのことは把握しておりましたが、本年度はDeloitte社による振動アノーマリ検知による装置故障の予兆保全にも適用されるなど、本システムが汎用的なIoTプラットフォームとして提供可能なことが示され興味深く感じました。本予兆保全プラットフォームは、NI社の制御ハードウェアからHPE社のコンバージドIoTシステムにセンサデータを送信する際に帯域を圧迫しないよう、コンバージドIoTシステム上では全データから異常と判断されるデータの範囲が分析し、NI社の制御ハードウェアが次回以降の送信時に異常値のみを送信することで転送データの大幅な削減が可能となるデータ転送制御を実装している点が特徴です。実際には、予兆保全は10秒に1回のような頻度の閾値検知で事足りると思われますが、工場のラインではリアルタイム監視による画像データでの製品判定も行うことがあり、こうしたユースケース等ではセンサのデータ転送量が課題となることから本プラットフォームが適用される場面も多そうです。
                  
 今回、会場で見られた展示では特定のユースケースに特化したプラットフォームが多く、大量のセンサ端末やゲートウェイに対してスケーラビリティを考慮しないシステムはユースケースが個別最適になりがちでした。スケーラビリティを考慮することでゲートウェイ間での接続性も増し、従来システムとは違ったIoTプラットフォーム独自のメリットを享受できると思われます。
                  
[所感]
 日本・欧米等の産業先進国では独自の古いインタフェースを持つPLCを有する工場が未だ多いなか、こうしたインタフェースを扱う為の属人的な手順・ノウハウに頼る部分に対して汎用的なIoTプラットフォームを適用するには多くの課題が残っていると感じています。欧州における本会場でも適切な専門知識やOT知見を有する技術者の不足が聞かれており、スケーラビリティやコネクティビティを向上させることで、本来の高度な技能が必要とされる知見以外でシステムが属人化しない工夫が必要です。こうした点を踏まえたうえで、より高度な解析を行うIoTプラットフォームを構築するには、概念検証の期間にデータモデルの構築に注力する必要があり、データを即日といった短期間で収集開始できるよう、下回りはビルトインのフィルタや既製のプラットフォーム・ダッシュボードを利用するのが望ましいと考えます。
                  
[次回開催]
 今回の技術動向調査で得られた結果はベンチマークとしてフィードバックし、研究開発を継続してまいりたいと思います。次回のIoT Solutions World Congress 2018は、2018年10月16日~18日に開催が予定されております。
                  
                  

           技術研究組合 NMEMS技術研究機構 相見 眞男

                  

| | コメント (0)

2018年1月 5日 (金)

「新年のご挨拶」

新年あけましておめでとうございます。

 本年はSociety5.0の実現を世界に打ち出していくための新たな産業・社会の在り方として、「コネクテッド・インダストリーズ」に大きな注目が集るとされています。特に、製造現場、自動走行、健康・医療・介護等の現実の「リアルデータ」を巡る競争が激しくなると予想されていますが、その「リアルデータ」を収集する最前線にMEMSを中心とする多様なセンサが位置しています。従いまして、ナノ・マイクロ技術分野における研究開発や普及促進等を長年担ってきた私どもマイクロマシンセンターの責任はさらに重くなっていくものと考えております。

 仏のヨール社によれば、世界のMEMS市場は消費者用や自動車用がけん引し、2017年の132億ドルから2022年には254億ドルと年率14%で伸びるとされています。MEMSデバイスとしては、スマホの4G/5G 化の進展によりMEMSフィルタの伸びが大きく、従来からの慣性センサ、圧力センサ、ジャイロなどを凌駕していくと見られます。

 このような中、当センターでは2000年代に注力したMEMS技術そのものの研究開発から、2010年代にはセンサネットワーク技術にシフトし、現在は道路やライフラインのインフラモニタリングに加えて、ファクトリやプラントのスマートセンシングの研究開発に注力しています。そして、昨年は経産省・NEDOがコネクテッド・インダストリーズの重点分野として推しているロボティクスや自動走行の鍵となるAI融合高精度物体認識システムの研究開発に着手しました。

 また、それらの研究開発を支えるMEMS試作ファンドリとして、7年前に開設したつくばの「マイクロナノオープンイノベーションセンター(MNOIC)」も今や中小・ベンチャーを含む40社以上からの研究や工程の受託により、フル稼働の状況にあります。さらに設備整備や技術向上に努めて、我が国のMEMS開発需要に応えてまいります。

 そして、上述の成果などを公開する場として、昨年、MEMSセンシング&ネットワークシステム展を刷新して、初めてCEATECと同時開催とし、5万人を超える来場者の方々にお出でいただくことができました。本年はさらにCEATECやAll about Photonics展とのシナジー効果を高め、IoTシステム、さらにはコネクテッド・インダストリーズの最先端技術展としてのプレゼンスを高めてまいります。

 当センターとしましては、本年もMEMS・スマートセンシング技術の開発や普及に真摯に取り組み、我が国のコネクテッド・インダストリーズの推進に微力ながらも貢献してまいりますので、引き続きご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。

 皆様方には以下の10大ニュースをご覧いただき、このような私どもの活動状況をご賢察いただければ幸いです。

続きを読む "「新年のご挨拶」"

| | コメント (0)

« 2017年12月 | トップページ