スマートセンシング&ネットワーク展2017」 国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム及びスマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会公開シンポジウム(2017年10月6日)の開催報告
2017年 10月 4日(水) から6日(金)まで幕張メッセで開催された「MEMS センシング&ネットワークシステム展 2017」は、3日間の開催期間を終え、盛況の内に閉会しました。来場された皆様方に御礼申し上げます。特に、最終日である6日(金曜日)は、午後から雨との予報にもかかわらず多くの来場者がありました。
最終日は、国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム及びスマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会公開シンポジウムが12:30から16:40まで、国際交流委員長であり、スマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会の会長でもある下山勲教授に司会をお願いして開催され、約100名の沢山の方々にご参加頂きました。
本報告書では、セッション1の国際セッションに限って報告致します。
Session 1 International Session Latest Trends of IoT / MEMS
(セッション1 国際セッション IoT、MEMS分野の最新動向)
(1) Sensors and computing for a safe IoT world
(CEA LETIにおけるIoT関連技術最前線)
Dr. Marc Duranton, CEA-LETI(France), CEA Fellow, Architecture,
IC Design and Embedded Software Division
MEMS関連の研究所としては世界最大規模の施設と、研究員を擁するフランス・グルノーブルのCEA-LETIの半導体・組み込みソフト部門のMarc Duranton博士から、CEA LETIにおけるIoT関連技術最前線と題する講演がありました。 LETIでは幅広い研究領域や産業界との共同研究案件がありますが、最近ではMEMS領域からナノテク領域へ活用範囲を広げ、かつ産業界が魅力を感じるテーマに取り組んでいます。その中の一つは数百ナノメートルのナノワイヤをセンサの検出素子として使う技術で、既に化学センサや共振器等に使われているとのことです。
(2)MEMS and NEMS Technologies for a Smart World
Dr. Mario Baum(Germany), Fraunhofer Institute for Electronic Nano Systems ENAS
産業界のユーズに基づいた研究開発を積極的に行うことで日本の産総研のモデルにもなっている、ドイツのFraunhofer Institute、その中でもMEMSを中心に活動を行っている、ChemnitzにあるENASのMario Baum博士からMEMS and NEMS Technologies for a Smart Worldと題する講演がありました。今回の発表は、フランフォーファ研究所の紹介と、世界各地との連携、自動車や工業用スマートシステムに使われるスマートセンサ、健康・医療領域に使われるスマートセンサに関する紹介がメインでした。面白いトピックスとしては、Sens-o-Spheresと言う、直径8mmの球に、センサや信号処理、ワイヤレスバッテリ、無線通信を詰め込んで、工場の様々なプロセスコントロールに使う概念が示されました。
(3) SiTime MEMS Oscillator Technology
(SiTime社のMEMS発振器の最新技術)
Mr. Hideki Yoneda, General Manager, Corporate Strategy, Megachips-Corporation
(株)メガチップス 新事業本部 米田 秀樹
長い間、タイミングデバイスのデファクトになっていた水晶発振器を置き換える可能性が出てきたシリコン共振器を開発・製造しているベンチャー企業・SiTimeが開発したシリコンタイミング素子に関して、M&Aを行った日本のメガチップス社の米田 秀樹氏からSiTime社のMEMS発振器の最新技術)と題する講演がありました。シリコンを用いた発振器(共振型)は材料のヤング率の温度依存性や熱膨張係数によって、周波数の強い温度依存性がありますが、それを材料&プロセス技術(構造)や、高精度に温度を計測して補正をかけることで水晶発振器を凌ぐ性能を確保し、またシリコン半導体に組み込みことも可能であることを強調されていました。
(4)Metal Oxide Gas Sensing Material and MEMS Process
Mr. Collin Twanow, Micralyne Inc.(Canada), Vice President of Technology
カナダのアルバータ地方には一般財団法人マイクロマシンセンターと国際アフィリエートになっているナノマイクロ研究所であるACAMPや、MEMSファンドリも行っているMEMS研究開発型の企業Micralyneをはじめ、沢山のMEMS関連企業があり、既に何年にも渡って国際交流を行っています。今回はMNOICをはじめ既に何回もマイクロマシンセンターを訪問頂いている、MicralyneのCollin Twanow副社長からMetal Oxide Gas Sensing Material and MEMS Processと題する講演がありました。大気汚染や環境問題に対する解として、環境センサに注目され、特に大気中の一酸化炭素や、VOC(揮発性有機物)を高感度で検出可能なセンサが重要とされ、最近Micralyneで開発中のマイクロホットプレート型のMOS(金属酸化物)センサの紹介がありました。
最終日は、国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム及びスマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会公開シンポジウムが12:30から16:40まで、国際交流委員長であり、スマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会の会長でもある下山勲教授に司会をお願いして開催され、約100名の沢山の方々にご参加頂きました。
本報告書では、セッション1の国際セッションに限って報告致します。
Session 1 International Session Latest Trends of IoT / MEMS
(セッション1 国際セッション IoT、MEMS分野の最新動向)
(1) Sensors and computing for a safe IoT world
(CEA LETIにおけるIoT関連技術最前線)
Dr. Marc Duranton, CEA-LETI(France), CEA Fellow, Architecture,
IC Design and Embedded Software Division

MEMS関連の研究所としては世界最大規模の施設と、研究員を擁するフランス・グルノーブルのCEA-LETIの半導体・組み込みソフト部門のMarc Duranton博士から、CEA LETIにおけるIoT関連技術最前線と題する講演がありました。 LETIでは幅広い研究領域や産業界との共同研究案件がありますが、最近ではMEMS領域からナノテク領域へ活用範囲を広げ、かつ産業界が魅力を感じるテーマに取り組んでいます。その中の一つは数百ナノメートルのナノワイヤをセンサの検出素子として使う技術で、既に化学センサや共振器等に使われているとのことです。
(2)MEMS and NEMS Technologies for a Smart World
Dr. Mario Baum(Germany), Fraunhofer Institute for Electronic Nano Systems ENAS

産業界のユーズに基づいた研究開発を積極的に行うことで日本の産総研のモデルにもなっている、ドイツのFraunhofer Institute、その中でもMEMSを中心に活動を行っている、ChemnitzにあるENASのMario Baum博士からMEMS and NEMS Technologies for a Smart Worldと題する講演がありました。今回の発表は、フランフォーファ研究所の紹介と、世界各地との連携、自動車や工業用スマートシステムに使われるスマートセンサ、健康・医療領域に使われるスマートセンサに関する紹介がメインでした。面白いトピックスとしては、Sens-o-Spheresと言う、直径8mmの球に、センサや信号処理、ワイヤレスバッテリ、無線通信を詰め込んで、工場の様々なプロセスコントロールに使う概念が示されました。
(3) SiTime MEMS Oscillator Technology
(SiTime社のMEMS発振器の最新技術)
Mr. Hideki Yoneda, General Manager, Corporate Strategy, Megachips-Corporation
(株)メガチップス 新事業本部 米田 秀樹

長い間、タイミングデバイスのデファクトになっていた水晶発振器を置き換える可能性が出てきたシリコン共振器を開発・製造しているベンチャー企業・SiTimeが開発したシリコンタイミング素子に関して、M&Aを行った日本のメガチップス社の米田 秀樹氏からSiTime社のMEMS発振器の最新技術)と題する講演がありました。シリコンを用いた発振器(共振型)は材料のヤング率の温度依存性や熱膨張係数によって、周波数の強い温度依存性がありますが、それを材料&プロセス技術(構造)や、高精度に温度を計測して補正をかけることで水晶発振器を凌ぐ性能を確保し、またシリコン半導体に組み込みことも可能であることを強調されていました。
(4)Metal Oxide Gas Sensing Material and MEMS Process
Mr. Collin Twanow, Micralyne Inc.(Canada), Vice President of Technology

カナダのアルバータ地方には一般財団法人マイクロマシンセンターと国際アフィリエートになっているナノマイクロ研究所であるACAMPや、MEMSファンドリも行っているMEMS研究開発型の企業Micralyneをはじめ、沢山のMEMS関連企業があり、既に何年にも渡って国際交流を行っています。今回はMNOICをはじめ既に何回もマイクロマシンセンターを訪問頂いている、MicralyneのCollin Twanow副社長からMetal Oxide Gas Sensing Material and MEMS Processと題する講演がありました。大気汚染や環境問題に対する解として、環境センサに注目され、特に大気中の一酸化炭素や、VOC(揮発性有機物)を高感度で検出可能なセンサが重要とされ、最近Micralyneで開発中のマイクロホットプレート型のMOS(金属酸化物)センサの紹介がありました。
国際交流担当 三原 孝士
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