道路インフラモニタリングシステムの現地実証を開始 ―幕張メッセで成果発表(10/4~6)―
詳細については10月4日~6日に幕張メッセで開催されます展示会「MEMS SENSING & NETWORK SYSTEM 2017(MSN展2017)」において、展示と講演の場で紹介します。
開催概要
・会 期:2017年10月4日(水)~10月6日(金)
・会 場:幕張メッセ 国際展示場 7ホール
NMEMS技術研究機構ブース 小間番号3-B
・入場料:1,000円、事前登録の場合は無料
・公式サイト:http://www.mems-sensing-network.com/
・事前登録:
http://www.mems-sensing-network.com/info_visitor.html
●プレゼンテーション(幕張メッセ 国際会議場302、
「研究開発プロジェクト成果報告会」、聴講無料)
・日時:2017年10月5日(木)13:15~14:15
・テーマ:「道路インフラモニタリングシステム(RIMS)の研究開発」
成果発表
・発表者:NMEMS技術研究機構 インフラモニタリング研究所 所長
/東京大学IRT研究機構 機構長 教授 下山勲
図1 現地実証の様子
1.概要
技術研究組合NMEMS技術研究機構(以降NMEMSと称す)はNEDO委託事業である「道路インフラ状態モニタリング用センサシステムの研究開発」プロジェクトで開発した道路インフラモニタリングシステム(RIMS)を実高速道路に設置して、現地実証を開始しました。
道路インフラは陸上貨物輸送量の90%以上を占め、国民の豊かな生活を支える重要な社会インフラですが、老朽化が進み、また、大型車両や過積載車両の増加、さらには近年の異常気象や地震による災害の多発により劣化が進み、社会課題になっています。このため、道路インフラの効果的かつ効率的な維持管理・更新技術の開発が求められています。
NMEMSではこのような社会要請をうけ、2014年度から高速道路の橋梁、道路付帯物、法面を対象にして、環境エネルギーを利用した自立電源を有し、各フィールドのモニタリングに適した新規の小型、安価、高性能、高耐久性の無線センサ端末並びに各フィールドのセンシングシステムを統合して道路インフラのトータルな維持管理が可能な道路インフラモニタリングシステム(RIMS)の開発を進めてきましたが、基本的なシステム開発が完了し、本年度から本プロジェクトに参画しているNEXCO等の実高速道路での現地実証を開始致しました。
2.詳細説明
開発したモニタリングシステム及び技術に関して、以下に簡単に説明致します。
(1)スーパーアコースティックセンサによる橋梁モニタリングシステム
(担当:東芝、京大、東大)
主としてコンクリート橋の内部損傷の発生位置、大きさを新規開発の広帯域(1Hz~1MHz)MEMS振動センサ(スーパーアコースティックセンサ、SAセンサ)で安価・高精度にモニタリングし、橋梁の健全性を定量的に評価する手法(特許出願中)を開発しました。展示会では、開発したSAセンサ、手のひらサイズの無線センサ端末、試作端末によるイベントドリブン計測結果(図2)、降雨により励起された弾性波を利用したコンクリート内部損傷検知結果及びイベントドリブン動作リアルタイム位置標定デモ等を紹介します。
(2)フレキシブル面パターンセンサによる橋梁モニタリングシステム
(担当:大日本印刷、産総研、東大)
主として鋼橋のクラック伸展度・方向を新規開発のフレキシブル面パターンセンサにより簡便にモニタリングする技術を開発しました(図3)。展示会では印刷タイプ、極薄PZT/Siタイプそれぞれの歪センサアレイによるフレキシブル面パターンセンサを用いた鋼橋歪分布計測デモ等を紹介します。
(3)傾斜マルチセンサによる道路付帯物モニタリングシステム
(担当:富士電機)
道路標示板、照明柱などの経年・突発劣化診断のため、非サーボMEMSマルチセンサで固有共振周波数と傾きの変化を同時にモニタリングする技術を開発しました(図4)。展示会では、開発した傾斜マルチセンサ、集約器及び傾斜マルチセンサによる道路付帯物模擬模型を使った傾斜、振動、温度同時計測デモ等を紹介します。
(4)電波変位センサによる法面変位モニタリングシステム
(担当:三菱電機)
法面上の複数のセンサから放射した920MHz電波の位相差をみることで4mm/hのずれを全天候・3次元で広範囲、容易にモニタリングする技術を開発しました(図5)。展示会では、開発したセンサ端末、子受信機及び簡易型変位計測装置を用いた電波変位センサの変位計測デモ等を紹介します。
図5 電波変位センサによる法面変位モニタリングシステム実証の様子
(5)無線通信ネットワーク共通プラットフォーム
(担当:NTTデータ)
多種多様なセンサからの様々なデータフォーマットやインターフェースの差異を吸収する通信仕様、設置容易性とコスト対策を目的としたコンセントレータ間の連携通信及びセキュアな情報収集に対応できる無線通信ネットワーク共通プラットフォームを開発しました。展示会では、開発したコンセントレータ及び無線通信ネットワーク共通プラットフォーム(図6)等について紹介します。
(6)高耐久性パッケージング技術
(担当:大日本印刷、日本ガイシ、マイクロマシンセンター、産総研)
悪環境下で常時モニタリングを長期に保証するセンサ端末パッケージング技術、自立電源・無線モジュール・センサ・アンテナ等全ての部品を内蔵したオールインワンパッケージング技術及びパッケージやセンサを構造物に強固かつ容易に接着/接合するシート実装技術を開発しました(図7)。展示会では、アンテナ内蔵LTCCパッケージ、透光性セラミック及び粘接着シート等を紹介します。
(7)超低消費電力原子時計
(担当:リコー、産総研、マイクロマシンセンター、京大、東工大、
首都大東京)
多数のセンサ端末からの情報を統合するための将来技術として、異地点間の時刻同期を高精度、小型、低消費電力で実現できる超低消費電力原子時計(ULPAC: Ultra-Low Power Atomic Clock)の開発を行っています。展示会では、開発しているULPACの概要及びプロトタイプ(図8)の動態デモ等を紹介します。
(8)統合的な道路インフラモニタリングシステム
(担当:NMEMS、NTTデータ)
上記(1)~(4)のモニタリングシステムを統合した道路インフラモニタリングシステムを開発しました。展示会では、統合的な道路インフラモニタリングシステムのエミュレータ(図9)(Pilot-RIMS)によるデモ等を紹介します。
なお、開発した技術は道路インフラだけでなく、エネルギー関連施設等の大規模インフラのモニタリングにも展開可能な技術です。
(技術研究組合NMEMS技術研究機構 武田宗久)
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