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2017年8月 9日 (水)

WCEAM2017技術展示及び大規模インフラモニタリング調査報告

 12th World Congress on Engineering Asset Management(WCEAM2017:http://2017.wceam.com/)が2017年8月2日(水)~8月4日(金)にオーストラリアのブリスベンコンベンションセンターにおいて開催されました(写真1:会場のコンベンションセンター入口、写真2:オープニングのスライド)。

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       写真1 会場のコンベンションセンター入口

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          写真2 オープニングのスライド

 本国際会議において技術展示を行うとともにRIMS技術の大規模インフラモニタリングへの展開可能性に関して調査をしましたので、その内容について以下に報告致します。

(1)WCEAM2017

WCEAM2017はThe International Society of Engineering Asset Management (ISEAM,www.iseam.org)が開催する年次大会で、全世界のアセットマネージメントに関連する産学官の関係者が集まり、最先端技術、産学間連携、応用展開について議論する国際会議で、今年12回目を迎えました。今年度は振動工学に関する国際会議VETOMAC-XIII (Vibration Engineering and Technology of Machinery)と共同開催されました。本年度は約250名が参加し、活発な議論が行われていました。セッション構成を表1に示しますが、7件のキーノートスピーチ、4件のパネルセッション、3件のワークショップ、3件のミニコースと20件のテクニカルセッションが行われました。キノートセッション以外は4パラレルセッションで行われました。

        表1 WCEAM2017のセッション構成

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 センシング・モニタリング関連のセッションは紫で示した4セッションがありました。今回NDT & AE in Condition Monitoringのセッションが設けられ、RIMSプロジェクトのメンバーである京大の塩谷特定教授が” Advanced NDT contributing performance evaluation of civil structure”と題する招待講演(写真3:塩谷先生の講演の様子)を行われるとともに、東芝の渡部氏がRIMSの成果の発表(写真4:渡部氏講演の様子)を行いました。

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           写真3 塩谷先生講演様子

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            写真4 渡部氏講演の様子

 アプリケーション関連のセッションとしては、緑で示したPublic Assets(鉄道、道路含む)、Energy Assets、Water Assets、Defence Assets、Health Infrastructureの5セッションがありました。Assets Managementの対象としては発表件数からも分るように、石油、石炭、風力、水力等の発電施設を含むEnergy Assetsが最も多いことが分かりました。その他としては、上下水道関係のWater Assetsが次に多く、鉄道、道路を含めたPublic Assetsが次に続くことが分かりました。現在オーストラリアでは艦船の老朽化が進んで、更新の計画があることから、今回はオーストラリアから4件のDefence Assetsの発表がありましたが、これは特殊事例と考えて良いと思います。これらのことから道路インフラモニタリング技術の大規模インフラへの展開に関してはEnergy Assetsへの展開が最も有力なことが分かりました。

 WCEAM2017としては、今年度から会議アプリを採用して、プロシーディングレスが図られていました。会議アプリに関しては、畜産関係の国際会議のブログ(http://www.nanomicro.biz/mems/2016/08/precision-dairy.html)でも紹介しましたが、世界的に広がりつつある印象を受けました。また、今回Video Conferencing Presentationとして、Skypeを使ってイギリスからの講演を受け付ける試みもなされていました。

 次回のWCEAM2018は2018年9月24日~26日にノルウエイのStavangerで開催予定です。

(2)技術展示会

 今回、RIMS技術を道路インフラだけでなく、大規模インフラに展開するため、上記のように幅広いインフラ(Assets)に関するAssets Managementが扱われているWCEAM2017の技術展示会に技術研究組合NMEMS技術研究機構として出展を行いました。出展を行うにあたり、費用対効果を考え、出展者ではなくブロンズスポンサーとして出展を行いました。ブロンズスポンサーになったため、学会のHPからRIMSのHPへのリンクがはられたり、学会においても、オープニングやクロージングにおいて紹介(写真5:オープニングでの紹介スライド)されたり、ウエルカムレセプションにおいて紹介する機会(写真6:ウエルカムレセプションによる武田のプレゼンの様子)が与えられたりして、効果的に広報をすることができました。

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        写真5 オープニングでの紹介スライド

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    写真6 ウエルカムレセプションによる武田のプレゼンの様子

 展示ブースの全景を写真7に示します。写真7、写真8に示すように、パネルにてRIMS技術の成果の紹介を行いました。オイルプラント等のマネージメントサイドの来場者が多数あり、RIMSで開発したセンサシステムに興味を持って頂き、RIMS技術のアピールができたと考えます。

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      写真7 NMEMS技術研究機構の展示ブース全景

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       写真8  NMEMS技術研究機構展示ブースの様子

 技術展示会では表2に示す13の企業・団体が出展を行いました。

             表2 出展者一覧

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 コーヒーブレーク及びランチの会場の周りに出展(写真9:ランチタイムの展示会場の様子)することで、観客を確保するとともに、今回はスタンプラリーのように、各展示ブースを訪問するとシールが配られて、全ての展示のシールを集めた人にはクロージングにおいて、抽選で液晶テレビとノイズキャンセレーションヘッドホンが当たるというような企画も行われて、集客を増やす努力がなされておりました。

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         写真9 ランチタイムの展示会場の様子

(3)ブリスベン、シドニーの長大橋調査

 今回WCEAM2017が開催されたブリスベンはオーストラリア、クイーンズランド州の南東部に位置し、シドニー、メルボルンに次ぐオーストラリア第3の都市です。市街地はブリスベン川の半島部に位置し、ブリスベン川には100m以上の長大橋が15橋、架かっています。今回会場に近いビクトリアブリッジ(写真10)、キャプテンクックブリッジ(写真11)、ストーリブリッジ(写真12)を調査しました。

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         写真10 ビクトリアブリッジ外観

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        写真11 キャプテンクックブリッジ外観

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         写真12 ストーリーブリッジ外観

 ビクトリアブリッジは1969年に開通しました全長313mのコンクリート橋、キャプテンクックブリッジは1972年に開通しました全長555mのコンクリートボックス桁橋、ストーリーブリッジは1940年に開通しました全長777mの鉄骨トラス橋です。最も古いストーリーブリッジは77年経過しており、補修をしながら使用していました(写真13)が、モニタリングによる劣化診断までは行われていませんでした。

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        写真13 ストーリーブリッジの補修の様子

 オーストラリアにおいてブリッジの構造健全性モニタリング(SHM: Structural Health Monitoring)が行われている代表として、シドニーのハーバーブリッジ(写真14)の調査を行いました。

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          写真14 ハーバーブリッジの外観

 ハーバーブリッジは1932年に開通しました全長1,149mの鉄骨アーチ橋です。シドニーの中央ビジネス地域と北海岸の海峡に架けられた橋で、海水と強風に晒されているため、塗装をしても鉄骨の腐食(写真15)がひどく、1年中どこかで速乾性の塗料を使って塗装を行っている状態です。

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      写真15 ハーバーブリッジ頂上付近のさびの様子

 また、温度差により頂上で18cmも高さが変化するため、ヒンジ機構でサポートされています。開通から85年が経ち老朽化が進んできていること及び交通量が増えてきていることから、バスレーンで重量の大きなバスが通過する第7レーンを支える800の構造部材に3個ずつのMEMS加速度センサを取りつけ、総数2400個のセンサを使った劣化診断モニタリング(サンプリングレート1500Hzまで可能)が非営利の研究機関であるNICTA(National ICT Australia)によって行われています。2400個のセンサからのデータは1日1TBにもなるため、センサのそばにスマートセンサノードを配置して、フィルタリングしてデータ量を削減しています。各ジョイント部が同期して動いている場合には問題はないですが、非同期で動いていることを検知して、AIをつかった解析により劣化診断を行っていました。但し、センサは有線のデイジーチェーンネットワークで接続されており、課題として、ワイヤレス化と自立電源が挙げられており、RIMS技術の展開が可能と感じました。

            (NMEMS技術研究機構 今仲行一、武田宗久)

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