2017年 第23回「国際マイクロマシンサミット」バルセロナ・スペイン開催報告
マイクロマシンサミットは、年に1回、世界各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/ナノテクノロジーに関する課題や展望につき意見交換する場です。日本の提案により平成7年3月に京都で開催されたのが始まりで、以後、各国持ち回りで開催されています。
2017年は5月15日(月)から17日(水)までスペインのバルセロナで開催されましたので速報として報告致します。今回のトピックスは、” Micro and Nano Systems for Smart Cities applications”です。スペインは、関連研究所にセンサやMEMS,無線、半導体や集積回路、物性やナノ材料と言った複数の専門分野の研究者が同居する研究所が多く、多数の専門領域の融合が進んでいるのが特徴です。今回のオーガナイザーは、CNM-CSIC(National Microelectronics Center of Barcelona)の所長Carles Cané教授でした。
今回は、欧州での開催で参加者も多く、21の地域から64名のデレゲイト、更にスペインから8名のオブザーバ参加もあり、比較的規模が大きいと感じました。特に、今まで何年か不参加の期間があった、イギリスやカナダ、オーストラリア等の復帰、更にアイルランドや東欧の新規の参加国もあったのが特徴です。第1日目はカントリーレビューで各国のスマートシティに関する話題提供があり、日本からも再生可能エネルギーの有効利用を目指すスマートコミュニティやインフラモニタリング関係の国家プロジェクトの話題提供がありました。また1日目の夕刻はラウンドテーブルとして、スペインにてスマートモニタリングを実際に実行している公的研究者や、企業による課題の報告や議論もありました。
2日目は、個別話題の講演会で、23件の発表とMEMS企業を中心とするスマートシステムのラウンドテーブルがありました。日本からの発表は国際標準化の重要性と各国の参加を呼び掛ける内容でした。
また3日目の技術ツアではカタルーニャ・バイオエンジニアリング研究所(IBEC)と、HP(hewlett packard)の研究開発施設への訪問がありました。IBECでは、最新のナノバイオ研究の研究紹介、またHP研究所ではインクジェット方式による最新の3Dプリンター技術や製品の紹介がありました。
(国際交流担当 三原 孝士)
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