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2016年8月

2016年8月30日 (火)

2016MNOIC実習講座「インフラおよび産業機器モニタに利用可能な、MEMSセンサの回路・システム実習」の実施

 一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会では、MEMS・マイクロナノ領域における産業推進の一環として、国立研究開発法人産業技術総合研究所 集積マイクロシステム研究センターの研究施設を用いた研究支援サービスであるMNOIC(Micro Nano Open Innovation  Center)事業を実施しています。また、これらの研究施設を使ったMNOIC実習セミナーをTIAサマーセミナーの一環として夏季に実施し、好評を頂いています。
 昨今、「インダストリー4.0」や「Industrial Internet Consortium」などの産業の新たな方向を目指す動きが活発になるにつれ、その根幹をなすIoT(Internet of Things)がさらに脚光を浴びております。そこで今回は、2016年8月25日(木)と26日(金)の2日間にわたり、「インフラおよび産業機器モニタに利用可能な、MEMSセンサの回路・システム実習」という題目のもと、IoTの重要な構成要素であるセンサとマイコン及び無線が一体化したセンサ端末モジュールで世界標準であるArduinoの実習会を開催しました。

写真1 産総研廣島洋集積マイクロシステム研究センター長(左)による開講の挨拶

 先ず事務局からオリエンテーション、引き続いてArduinoの基本を萬代講師より説明後、Arduinoを用いて、温度、光量を計測して、マイコンで処理し、LEDの点灯、LEDの光量制御、パソコンでの制御やパソコンの表示装置への出力、液晶表示装置(LCD)への表示と言う、最も基本的な動作の実習を行いました。

写真2 Van Technoの萬代講師による講演風景

 2日目の実習では、マイコンボード、ブレッドボード、センサの実装や配線、実際のC言語を使ったプログラミングを行いました。
 また、これらの実習で得たスキルを用いて、受講者ご自身がMEMS加速度センサを用いて配線、プログラムを作成し、振動状態をパソコンに表示する振動モニタシステムを構成しました。受講者全員が加速度センサの動作を確認できた際には、自然と受講者より喝采が沸き起こりました。

写真3 今回の実習に使ったArduino Unoマイコンボード(左)と、センサ端末ブレッドボード:BB-801(右)の組み立て例。 BB上は実装されたLCDやLED、抵抗等。
写真4 今回使用したKionix社MEMS3軸加速度センサモジュール KXSC7-2050

 更に、この振動状態をLEDにPWM手法を用いてその強弱で表示するプログラミングにも挑戦し、見事成功した受講者も出ました。

写真5 萬代講師(中央)や三原講師(右)を交えた実習風景

 実習時に購入して頂きました教材はもちろん持ち帰ることが出来て、更なるスキルアップが可能となっています。一日目のセミナーの後、交流会にて「IoTの実際を体験できる貴重なセミナー」などのお言葉を受講者様より頂けたことは、開催者冥利に尽きました。また、実習の閉会にあたり受講者の感想をお聞きしましたが、全体的には大変好評で、初めてさわったArduinoを使い各種センサの動作確認まで行えたその実習内容に満足していただけました。今回はArduinoを使った実習でしたが、さらにRaspberry Piなど他の端末実習も要望される受講者もおり、今後の検討課題としたいと思います。
                (産業交流部 松本一哉)

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2016年8月29日 (月)

第32回マイクロナノ先端技術交流会

(財)マイクロマシンセンターでは、平成28年9月20日(火)、第32回マイクロナノ先端技術交流会
「バイオとエレクトロニクスの融合の新展開 - 生体とデバイスのしなやかで細やかな出会い」 を開催致しますので、ご案内申し上げます。
 
今回は、バイオとエレクトロニクスの融合の最新の取組みについて、
東京大学工学系研究科の染谷隆夫教授から、人と機械を調和する次世代のエレクトロニクスについて、
東京大学生産技術研究所の藤田博之教授からは、MEMSとバイオを融合したナノシステムについて、
それぞれ最先端の研究開発の取組みについてご講演いただきます。
 
皆様の参加申込をお待ちしております。
参加申込: http://www.mmc.or.jp/cgi/sentan_input.html
 
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第32回マイクロナノ先端技術交流会
「バイオとエレクトロニクスの融合の新展開 - 生体とデバイスのしなやかで細やかな出会い -」
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開催日時: 平成28年9月20日(火) 15:00~17:05  懇親会 ~ 18:30
開催場所: 一般財団法人 マイクロマシンセンター・新テクノサロン
      (地図: http://www.mmc.or.jp/gaiyou/map/
プログラム
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15:00~15:05 主催者挨拶
   (財)マイクロマシンセンター 専務理事 長谷川 英一
15:05~16:05
    「MEMSとバイオの融合ナノシステムの取組み(仮)」
       東京大学 生産技術研究所 教授 藤田 博之
16:05~17:05
    「人と機械を調和する伸縮性エレクトロニクスの最前線(仮)」
       東京大学 工学系研究科 教授 染谷 隆夫
17:10~18:30 ----- 講師の先生を囲む交流会 (立食形式) -----
     (会場:(財)マイクロマシンセンター本部 会議室 同ビル6階)
 (プログラムがやむを得ず変更になる場合がございますのでご了承下さい。)
 
参 加 費:
  * MEMS協議会メンバー / 学生 ----- 1人 2,000円
    (正メンバー、アソシエートメンバー、MEMSフェロー)
  * 一 般 --------------------- 1人 5,000円
 
下記ホームページもご参照ください。
   http://www.mmc.or.jp/business/kouryuukai/kouryu-annai/32_annai.html
 
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問合せ先: Tel 03-5835-1870
一般財団法人マイクロマシンセンター
今本・酒向
E-mail: event@mmc.or.jp

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2016年8月16日 (火)

【平成28年8月の経済報告】

 本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 猛暑、平成28年8月の経済報告をお届けします。業務の参考として頂ければ幸いです。  

 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

Mousyo

「2016.8.pdf」をダウンロード


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2016年8月10日 (水)

第22回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム(MEMSセンシング&ネットワークシステム展)のご案内

 MEMS関連の技術・製品・アプリケーションを一堂に展示する「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」の開催準備が進んでいます。

                   

名称:MEMSセンシング&ネットワークシステム展
                   会期:2016年9月14日(水)~16日(金)
                   会場:パシフィコ横浜

 同時開催:InterOpto/LaserTech/BioOpto Japan/LED JAPAN
                 URL:http://www.mems-sensing-network.com/

                 開催内容を順次ご紹介していますが、今回は「第22回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム」のプログラムをお伝えします。

                   

名称:第22回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム
                   開催日時:2016年9月16日(金)13:30-16:35
                   会場:パシフィコ横浜 アネックスホールF202

                   趣旨:無数のセンサと無線ネットワークが繋がるIoTの世界とは、世界中の欲しい情報がWeb上に存在するまだ見ぬ世界とされています。しかし、無線技術を中心にインフラとしての仕組み作りがある程度揃っても、本当に必要なセンサが最適な形態で提供される”スマートセンシング&ネットワーク”には、まだまだ膨大な技術開発が必要であると考えられます。今回、差別化を図る技術開発と、その産業応用と言う2つの側面で、世界の研究者からの報告や提言によって新たな可能性を探って参ります。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    
  発表者
13:35-
                        14:20
IoT時代のセンサ:真のIoTへの道を開くMEMSとセンサのトレンド
                         米国MEMS & Sensors Industry Groupを代表して、MEMSデバイスやセンサの最新の動向を講演いただきます。
                        これからの真のIoT社会に向けた、MEMS,センサのみではなく、AIやセンサネットワーク、システムまで今後の成長産業について発表いただきます。
David Allan
President
                        Virtuix Inc.
14:20-
                        14:50
IoTセキュリティの最新動向と社会実装に向けての課題と対策
                         IoT時代に向けて、接続されるデバイスは今後さらに飛躍的に増加すると予想されています。一方で、IoTシステムに対するセキュリティ上の問題が顕在化してきています。セキュリティの課題と対策例を紹介し、今後のIoT社会に向けてのセキュリティの方向性を発表いただきます。
                        
株式会社NTTデータ
技術開発本部 課長
平井康雅
15:00-
                        15:30
1兆個のセンサによるIoT社会の変革
                         年間一兆個のセンサを消費するトリリオンセンサ社会が近づいています。IoT時代に向けたセンサメーカの戦略や企業間連携のあり方など、新たなビジネスチャンスを考える発表をいただけます。
株式会社日本政策投資銀行
産業調査部 課長
青木 崇
15:30-
                        16:00
スマート社会に向けたMEMSの最新動向
                         研究施設の規模と研究者の人員、世界中の企業との共同研究、ここで創成させた新規なMEMS技術を使ったベンチャーの活躍と、全てが世界最大級であるフランス・グルノーブルのCEA-LETIから、IoTが中心になるスマート社会に向けたMEMSの最新動向を発表して頂きます。
Dr. Caroline Coutier
                        Head of MEMS Sensors Laboratory Silicon Components Division CEA-LETI (France)
16:00-
                        16:30
En-Ocean(超低消費電力とエネルギー
                        ハー ベスティングのソリューションのために最適な無線技術)

                         IoT時代に向けて、自立型のセンサ端末がますます増加していきます。EnOcean社の超低消費電力無線技術や自立電源と組み合わせたワイヤレスセンサの最新動向を発表いただきます。
EnOcean GmbH Sales Director
EnOcean Alliance: Vice Chairman Asia
板垣 一美
                   

                   シンポジウムは事前申込制ですが、当日会場においても参加受付をいたします。どうぞ、ご来場ください。

                    <成果普及部 内田和義>

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2016年8月 5日 (金)

平成27年度産業動向調査報告書をホームページに掲載

 平成27年度に調査を進めてきた「スマートセンシング&ネットワークの産業動向調査」の結果をまとめ、ホームページに掲載しました。賛助会員は賛助会員ページより全文をダウンロードできます。賛助会員以外の方は目次を閲覧できます。
 
 マイクロマシン/MEMS 技術は、センサ・アクチュエータなどトランスデューサデバイスの基盤技術と認識されており、例えばスマホなどの情報通信機器ではマイクロホンや高周波信号のフィルターとして、自動車産業ではGPS(Global Positioning System )を構成する加速度センサ等として、またFA(Factory Automation)産業におけるロボットの触覚センサ等々、民生品や社会生活に密着した産業分野で大きな市場を形成しつつあります。更にIoT(Internet of Things)やCPS(Cyber Physical System)の構成デバイスとしても、MEMSは中核を成す戦略技術の一つとして認知されつつあり、MEMSの応用範囲の拡がりとMEMS産業発展の加速が社会から熱望されています。
 
 マイクロマシンセンターではこのような状況認識に立って、MEMS関連産業の更なる発展を図るために必要な同産業の現状及び将来展望を把握することを目的に、平成19年度より調査研究事業委員会の下に産業動向調査委員会を設けました。
 
 これまでは、MEMS技術による高付加価値デバイス、応用される産業分野、アプリケーション機器がどのように展開していくかを把握し、MEMS産業の市場拡大に向けての道筋を明らかにするとともに、急速に発展しつつあるMEMS産業の動向を調査・分析し、MEMS産業戦略策定のために必要な基礎データをまとめてきました。しかしながら、マイクロマシン/MEMS技術の応用はここ数年の拡がりから推測すると拡大の一途であり、MEMS市場やMEMSに関わる産業の構造など、その全体像(産業像)はなかなか見えていませんでした。

 以上の背景に鑑み、平成27年度報告書は、MEMS産業の動向をまとめた後、特にMEMS産業の躍進にとって重要でありかつ日本再興戦略で重要な役割を担うIoT/CPS技術に着目し、先ずは最近における日本のIoT/CPSの施策と産業動向を俯瞰しました。引き続き、その動向を背景としてマイクロマシンセンターが立ち上げたスマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会を説明し、次に産業動向調査委員の各位がSSNに関連した社内商品例を多数詳述し、最後にSSNのプラットフォームとなるIoT端末の内容をハンドブック的に纏めました。この報告書が各方面において広くご利用頂ければ幸いです。
                         (産業交流部 松本)

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Precision Dairy Farming関連国際会議参加報告

 2016年6月21日(火)~23日(木)にThe 1st International Conference on Precision Dairy Farming (PDF2016)が、また前日の2016年6月20日(月)~21日(火)にDairycare WG2が主催する関連ワークショップ「Activity measurement in ruminant research and beyond」がオランダのフリースランド州の州都レーワルデン(Leeuwarden)のWTC Leeuwarden(写真1)で開催されました。国際会議が開催されましたレーワルデンはスキポール国際空港から列車で2時間半くらいの距離に位置しています。オランダということもあり伝統的な風車を期待したのですが、車窓から見えたのは写真2に示すような近代的な風車ばかりで、オランダはかなり近代化が進んでいるという印象でした。レーワルデンはオランダの代表的な酪農の町で、運河が通り(写真3)、酪農製品の集散地となっている都市で、酪農の町らしく、写真4に示すような「Us mem」(「我が母」という意味)と名付けられた牛の銅像があり、写真5に示す斜塔でも有名な町です。運河に架かる橋は跳ね橋になっており、船が通るときには上がるのですが、会場の近くには写真6のような面白い形で上がる橋もありました。

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                      写真1 会場のWTC Leeuwarden

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                               写真2 近代的な風車風景

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                                写真3 会場近くの運河

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               写真4 牛の銅像(Us mem)

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              写真5 レーワルデンの斜塔

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              写真6 面白い形の跳ね橋

 PDF2016は過去3回の北アメリカでのPDF関連の会議を経て今年度第1回の国際会議として開催された記念すべきもので約350名の参加者を得て盛大に開催されました。初日はオープニング(写真7)の後2件のキーノート講演と3パラレルセッションで9セッションの講演とポスターセッション、2日目は農場見学、3日目は2件のキーノート講演と3パラレルセッションで11のセッションに分かれて計71件の口頭発表と59件のポスター発表(写真8)が行われました。

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           写真7 PDF2016オープニングの様子

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             写真8 ポスターセッションの様子

 以下に4件のキーノート講演の講演者とタイトルおよびセッション構成として20のセッションのタイトルと講演数(【】内に記載)を示します。

i) キーノート講演

○ Ynte Hein Schukken, GD Animal Health, the Netherlands: Animal health challenges on dairy farms increasing in size - are protocols and precision farming compatible?

○ James Hills, Tasmanian Institute of Agricultures Dairy Centre, Australia: Precision feeding and grazing management for temperature pasture-based dairy systems

○ Daniel Berckmans, KU Leuven, Belgium: Novel Precision Dairy Farming Technologies

○ Jeffrey Bewley, University of Kentucky, USA: Update on use of sensors on dairy farms

ii)セッション構成

 ・Session1 : Reproduction (shared session with DairyCare) 【4】
 ・Session2 : Feeding I【3】
 ・Session3 : Metabolic disorders【4】
 ・Session4 : Lameness detection【3】
 ・Session5 : Requirements for PDF【3】
 ・Session6 : Udder health and reproduction【3】
 ・Session7 : Cow traffic and AMS(Automatic milking system)【4】
 ・Session8 : Economic impact of PDF【4】
 ・Session9 : Welfare【4】
 ・Session10: New PDF technologies I : Lameness detection【3】
 ・Session11: Big data【3】
 ・Session12 : Feeding II【3】
  ・Session13: New PDF technologies II【4】
  ・Session14: Adding value to sensor data【4】
  ・Session15: AMS efficiency【4】
  ・Session16: New PDF technologies III【4】
  ・Session17: Data management【4】
  ・Session18: Performance of AMS【4】
 ・Session19: Grazing【3】
 ・Session20: Data modelling【3】

 セッション名からも分るように、畜産センサの検出対象、データ処理、新技術、経済効果まで幅広いテーマ構成となっていました。また、PDF2016で最も驚いたのは、スマホのアプリを利用したプログラム管理です。工学系の国際会議でもここまでICT化されているものはなく、すごく進んでいるという印象でした。スマホからプログラム等の情報が見られるだけでなく、講演中に講師のした質問にスマホで回答することでリアルタイムに統計結果を表示したり、質問をスマホから入力できるようになっており、司会者は事前に質問内容を把握した上で講師に質問をしたりして、参加者全員の直接的な関与が期待でき、会議の活性化が図れるものとして今後広がっていくのではないかと思いました。

 今回の会議では、スポンサーとして、以下のプラチナスポンサー7社、ゴールドスポンサー4社、シルバースポンサー6社、ブロンズスポンサー4社の計21社が協賛しており、欧州では畜産センサ、畜産機械の企業が積極的に活動していることが伺えました。ゴールドスポンサー以上は企業ブースを出展(写真9)できるとともに、プラチナスポンサーは2日目の農場見学をアレンジして、農場において、各社の製品の紹介・詳細説明を行っていました。

(プラチナスポンサー)
  ①Agis/CowManager、②CRV、③DeLaval、④GEA、⑤Lely、⑥Nedap、⑦SCR
(ゴールドスポンサー)
  ①Afimilk、②agrifirm feed、③Fullwood、④SmartBow
(シルバースポンサー)
  ①COWALERT、②Hokofarm Group SAC、③HIPRA、④SmartDairyFarming、⑤Qlip、⑥uniform agri
(ブロンズスポンサー)
  ①eCow、②GID、③MADERO、④VIRTUALVET

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              写真9 企業展示ブースの様子


農場見学はプラチナスポンサーである7企業提携の以下の7農場から3農場を選んで計5コースで5台のバス(写真10)に分かれて3農場をツアーするものでした。
① Dairy Farm “Den Hartog” (selected by Platinum Sponsor Agis/CowManager)
② Dairy Farm “Dijkveld-Stol” (selected by Platinum Sponsor SCR)
③ Dairy Farm “Boersma” (selected by Platinum Sponsor DeLaval)
④ Dairy Farm “De Deelen” (selected by Platinum Sponsor Lely)
⑤ Dairy farm “Bouma-Miedema” (selected by Platinum Sponsor CRV)
⑥ Dairy Farm “Formsma-Steenbeek” (selected by Platinum Sponsor Nedap)
⑦ Dairy Farm “Kalma” (selected by Platinum Sponsor GEA)

   私はLalyとNedapとSCRのスポンサー企業提携の農場を見学しました。Lalyスポンサーの農場De Deelen(写真11)は自分の牧草地(写真12)で刈った新鮮な牧草で約180頭の乳用牛を飼育(写真13)するとともにLelyのミルクロボット(写真14)で搾乳した牛乳の60~70%を自分の農場でチーズを作るのに使い、残りを牛乳として市場に出荷しているとのことでした。チーズ工場(写真15、写真16)は牛舎のすぐ隣にあり、新鮮な牛乳を使うことで高品質のチーズを作るとともに、作ったチーズは自分の農場で直販を行うとともに市場にも出荷しているとのことでした。(写真17)。

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               写真10 農場見学ツアーのバス

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               写真11 “De Deelen”農場入口

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            写真12 牛舎裏の広大な牧草地

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            写真13 新鮮な牧草を食べる牛

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             写真14 Lelyのミルクロボット

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               写真15 チーズ工場

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               写真16 チーズ貯蔵庫

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             写真17 チーズ直販売所の前

 Nedapスポンサーの農場“Formsma-Steenbeek”(写真18)はNedapの発情、健康モニタリングセンサシステムやLelyのミルクロボットを導入した自動化された農場で、175頭の乳牛と105頭の若齢畜が飼育されていました(写真19)。Nedapのセンサは加速度センサを足につけ立位、横臥とステップ数を測るSmarttag Legとやはり加速度センサを首に取り付けて食態を測るSmarttag Neckから成り、それらの情報から発情と健康をモニタリングするシステムが基本で、それにどの牛がどこにいるかが分る位置情報システムを追加できるのが特徴になっています。Smarttag Neckをつけた牛を写真20に、位置情報用のアンテナを写真21にコントローラを写真22にタブレット上の位置情報表示画面を写真23に示します。

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           写真18 “Formsma-Steenbeek”農場入口

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               写真19 牛舎の様子

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         写真20 Smarttag Neck(青い部分)装着牛

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             写真21 位置情報用アンテナ

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             写真22 Nedapのコントローラ

 

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           写真23 タブレットの位置情報表示画面

 SCRスポンサーの農場“Dijkveld-Stol”は少し古い農場でしたが、頭数はもっとも多く、また子牛牛舎も含めて見学できました(写真24~写真27)。写真28、写真29に首輪に付けられたSCRのセンサHEATIMEのセンサ部分および牛に装着した状態を示します。HEATIMEは加速度センサですが首の上部にしっかりと接触させて装着され、このセンサ1つで、発情、健康状態、分娩、栄養状態が分るとのことで、センサデータから各状態を検出するアルゴリズムおよびユーザーフレンドリーな表示に優れたセンサで、この分野では最もシェアを誇っているようでした。写真30にアンテナを写真31にコントローラ画面の一例を示します。

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               写真24 出産前の母牛

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            写真25 生まれて間もない子牛

 

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             写真26 少し大きくなった子牛群

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            写真27 自動掃除ロボット導入牛舎

 

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              写真28 SCRのセンサHEATIME

 

 

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              写真29 HEATIMEを装着した牛

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               写真30 SCRのアンテナ

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            写真31 HEATIMEコントローラ画面

 以上のように、今回の農場見学でそれぞれのセンサシステムの導入状況ならびに使い方を見学でき大いに役立ちました。各センサシステムは使い勝手の良いユーザインターフェースになっており、ヨーロッパでは畜産センサが積極的に使用されている状況を把握し、今後普及していくことを確信致しました。今後SIPで開発しているセンサも実用化のためには、ユーザインターフェースの良いものに仕上げる必要性を痛感しました。

 見学会の後、バーベキュー大会がDairy Campusで開催されました(写真32)。Dairy CampusはWageningen大学等複数の大学の学生等が実習をするトレーニングセンターで、ミルクパーラー(写真33)、高福祉床(写真34:ヨーロッパでは牛に優しい飼育が求められており、クッション性のあるこのような高福祉床等種々床の比較研究を行っていました)、自動給餌装置(写真35、写真36)、バイオガスシステム(写真37)等最新の設備を有するセンターで、バーベキューの後見学できたのも収穫でした。

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             写真32 Dairy Campusの入口

 

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              写真33 ミルクパーラー

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                写真34 高福祉床

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              写真35 自動給餌装置(1)

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              写真36 自動給餌装置(2)  

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             写真37 バイオガスシステム

 今回第1回だった国際会議は3年に一度開催され、次回のThe 2nd International Conference on Precision Dairy Farmingは2019年6月にアメリカのミネソタ州Rochesterで開催されます。来年は少し小規模でPrecision Dairy Farming2017として、2017年5月30日(火)~6月1日(木)にHyatt Regency Lexington,KYで開催されます。

 PDF2016の前日の2016年6月20日(月)~21日(火)に開催されました関連ワークショップ「Activity measurement in ruminant research and beyond」はEUのCOST(European Cooperation in Science and Technology)活動の一つのDairyCareの4つのワーキンググループの内の一つであるWG2が主催したワークショップで、初日はセッション1とセッション2(写真38、写真39)と10件のポスター発表(写真40)が、二日目はPDF2016との共催でPDF2016の1セッションとしてセッション3が開催されました。初日の参加者は70名程度でこぢんまりとした会議でしたが、討論の場で活発な議論がなされており、畜産センサの欧米の適用事例が把握できました。

 ○セッション1「Measuring and Analysing Social Behaviour」:招待講演2件+講演2件と討論
 ○セッション2「Automatic Phenotyping from Activity Measurements」:招待講演2件+講演2件と討論
 ○セッション3「Reproduction」:4件の講演

 次回の第4回DairyCare Conferenceは2016年10月13日(木)~14日(金)にLisbonで「Life-long Health and Welfare Sensing-Big Data and Internet of Things-」というテーマで開催されます。

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        写真38 DairyCare WG2 オープニングの様子

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            写真39  DairyCare WG2会場の様子

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             写真40 ポスター発表の様子

 本調査は、総合科学技術・イノベーション会議のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)「次世代農林水産業創造技術」(管理法人:生研センター)によって実施したものです。

                (マイクロマシンセンター 武田宗久)

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