« マイクロマシンセンター平成28年度事業計画について | トップページ | IEC/TC47/SC47Fアドホック会議開催される(6月9~10日) »

2016年5月16日 (月)

研究開発プロジェクト(RIMS、UCoMS)の活動報告

 MMC/NMEMS組合が推進している研究開発プロジェクトにつき、平成27年度活動成果を報告します。

1.道路インフラモニタリングシステム(RIMS)
 本プロジェクトは2014年7月より活動を開始し、2年目を終えました。
 本研究開発では、従来の点検技術を補完し、無線センサネットワークを活用して道路インフラの状態を常時・継続的・網羅的に把握することを可能とする道路インフラモニタリングシステムの開発として、高速道路の橋梁、道路付帯物、法面等を対象にして、以下の成果を得ることができました。
(1)道路インフラ状態モニタリング用センサ端末及びモニタリングシステムの研究開発
(1-1) 橋梁センシングシステムの開発
(1-1-1) スーパーアコースティックセンサによる橋梁センシングシステムの開発

MEMS スーパーアコースティックセンサデバイスの基本構造を決定し、10mm x  10mm x 10mmのプロトタイプのセンサを試作しました。また、省電力システム設計を完了し、稼働時の消費電力が約1.1Wとなることを確認しました。さらに、目に見えない内部損傷の位置を的確に捉えられる三次元AEトモグラフィ法を確立しました。
(1-1-2)フレキシブル面パターンセンサによる橋梁センシングシステムの開発
 極薄シリコンひずみセンサを作製するプロセスを確立し、長さ5mm、幅1mm、厚さ3umの極薄ひずみセンサアレイを、25個フレキシブル基板上にアレイ化した面パターンセンサプロトタイプを試作し、1x10-6の感度を確認しました。耐候性保護フィルムを試作し、熱ストレスに対して10年以上の耐久性を持つことを示しました。
(1-2)道路付帯構造物傾斜センシングシステムの開発
 MEMSセンサデバイスとして、目標の出力安定性0.855[gal](=0.05[deg]相当)以下となる0.69[gal](=0.04[deg])の安定性を確認しました。また、無線モジュールを試作し、無線通信距離が30m以上であることを確認しました。さらに、傾斜マルチセンサ端末の回路設計を完了し、目標の3.5mW(平均)以下の2.9mW(平均)を得ました。
(1-3)法面変位センシングシステムの開発
 無線メッシュネットワークに関して最適方式の実装を完了し、想定通りの動作をすることを確認しました。さらに、実証実験候補場所の植生による減衰等を考慮した詳細設計を完了し、1時間に4㎜以上の変位を検出可能な見込みを得ました。
(2)道路インフラ状態モニタリング用センサシステム共通基盤技術の研究開発
(2-1)無線通信ネットワーク共通プラットフォームの開発

 各社のセンサとの屋内での接続検証が完了しました。また、受信モジュールの遠隔管理による変更の確認が完了しました。さらに、メッシュネットワーク機能を実装し、目標とした3台までのホップ通信機能を確認しました。
(2-2)高耐久性パッケージング技術の開発
 複数のアンテナを内蔵するLTCC基板で、920MHzの無指向放射パターン基板設計を確立しました。またLTCC基板と透光性セラミックスのレーザ局所加熱による低熱(約40℃)接合、耐腐食性シートフィルム積層プロセス、コンクリートや鋼板に適合する粘接着シートを開発しました。さらに、耐久性加速試験により、封止特特を確認しました。
(3)道路インフラ状態モニタリング用センサシステムの実証及び評価研究
 RIMSセンサ情報との連携、高速道路会社データベースとの連携機能等を備えたPilot-RIMSを開発しました。また、各フィールドに適した実証場所の候補を1,2件に絞り込みました。
(4)センサ端末同期用原子時計の研究開発
 ガスセル内圧力変動に起因する基準周波数変動予測モデルを構築し、ガスセル試作によりモデルの有用性を確認しました。また、Cs・Rb併用ガスセルの温度特性評価から目的の時刻同期精度を達成できる見通しを得ました。ガスセル温度制御での消費電力を10mW以下とする設計指針を得ました。

2.ライフラインコアモニタリングシステム(UCoMS)
本プロジェクトは2014年7月より活動を開始し、2年目を終えました。
マイクロマシンセンターが担当している「コアモニタリング用 AlN圧電デバイスのウエハレベルパッケージ技術の開発」では以下の成果を得ることができました。
 AlN圧電デバイス量産試作プロセス技術開発では,昨年度開発したAlN圧電デバイスのオールドライプロセスを用いたAlN圧電カンチレバーの8インチウエハ試作を進め、産総研へ良品サンプルを提供し、振動発電特性を確認した。AlN圧電薄膜、Pt電極薄膜、それぞれのウエハ内の内部応力の分布を制御する成膜技術の開発を行い、薄膜を積層したカンチレバー構造のウエハ面内の反り量の制御も可能とないました。これらの結果に基づいて、AlN圧電デバイス(振動検出センサ素子、発電素子、センサ素子)試作を実施し、良好に動作するカンチレバーデバイスが得られることを確認しました。これにより基本的なAlN圧電デバイス量産試作プロセス技術の開発を完了しました。発電性能を向上させるScAlN薄膜形成を行うため、8インチウエハ対応スパッタ装置導入を行い、膜厚の均一性等基本性能の確認を行いました。
 ウエハレベルパッケージ技術開発は、昨年度、有望な接合方法及び構造材料として抽出したAu-Au活性化接合技術の工程条件の最適化を行い、200℃の低温でも約100MPaと非常に高い接合強度が得られることを確認しました。さらに封止構造TEGによる気密封止評価を行い、JIS合格判定基準よりも小さなリーク速度であることが確認され、封止特性も良好であることが分かりました。
 これらの結果から、P型端末0次試作用AlN圧電デバイス向けのパッケージ構造としてAu-Au活性化接合による気密封止および貫通構造による取り出し電極を配置したパッケージを設計・試作を行い、P型端末0次試作を行うチームに提供しました。

 両プロジェクトは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究業務として実施しております。


|

« マイクロマシンセンター平成28年度事業計画について | トップページ | IEC/TC47/SC47Fアドホック会議開催される(6月9~10日) »

Pj RIMS研究開発」カテゴリの記事

Pj UCOMS研究開発」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/522726/63640263

この記事へのトラックバック一覧です: 研究開発プロジェクト(RIMS、UCoMS)の活動報告:

« マイクロマシンセンター平成28年度事業計画について | トップページ | IEC/TC47/SC47Fアドホック会議開催される(6月9~10日) »