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2016年5月

2016年5月16日 (月)

研究開発プロジェクト(RIMS、UCoMS)の活動報告

 MMC/NMEMS組合が推進している研究開発プロジェクトにつき、平成27年度活動成果を報告します。

1.道路インフラモニタリングシステム(RIMS)
 本プロジェクトは2014年7月より活動を開始し、2年目を終えました。
 本研究開発では、従来の点検技術を補完し、無線センサネットワークを活用して道路インフラの状態を常時・継続的・網羅的に把握することを可能とする道路インフラモニタリングシステムの開発として、高速道路の橋梁、道路付帯物、法面等を対象にして、以下の成果を得ることができました。
(1)道路インフラ状態モニタリング用センサ端末及びモニタリングシステムの研究開発
(1-1) 橋梁センシングシステムの開発
(1-1-1) スーパーアコースティックセンサによる橋梁センシングシステムの開発

MEMS スーパーアコースティックセンサデバイスの基本構造を決定し、10mm x  10mm x 10mmのプロトタイプのセンサを試作しました。また、省電力システム設計を完了し、稼働時の消費電力が約1.1Wとなることを確認しました。さらに、目に見えない内部損傷の位置を的確に捉えられる三次元AEトモグラフィ法を確立しました。
(1-1-2)フレキシブル面パターンセンサによる橋梁センシングシステムの開発
 極薄シリコンひずみセンサを作製するプロセスを確立し、長さ5mm、幅1mm、厚さ3umの極薄ひずみセンサアレイを、25個フレキシブル基板上にアレイ化した面パターンセンサプロトタイプを試作し、1x10-6の感度を確認しました。耐候性保護フィルムを試作し、熱ストレスに対して10年以上の耐久性を持つことを示しました。
(1-2)道路付帯構造物傾斜センシングシステムの開発
 MEMSセンサデバイスとして、目標の出力安定性0.855[gal](=0.05[deg]相当)以下となる0.69[gal](=0.04[deg])の安定性を確認しました。また、無線モジュールを試作し、無線通信距離が30m以上であることを確認しました。さらに、傾斜マルチセンサ端末の回路設計を完了し、目標の3.5mW(平均)以下の2.9mW(平均)を得ました。
(1-3)法面変位センシングシステムの開発
 無線メッシュネットワークに関して最適方式の実装を完了し、想定通りの動作をすることを確認しました。さらに、実証実験候補場所の植生による減衰等を考慮した詳細設計を完了し、1時間に4㎜以上の変位を検出可能な見込みを得ました。
(2)道路インフラ状態モニタリング用センサシステム共通基盤技術の研究開発
(2-1)無線通信ネットワーク共通プラットフォームの開発

 各社のセンサとの屋内での接続検証が完了しました。また、受信モジュールの遠隔管理による変更の確認が完了しました。さらに、メッシュネットワーク機能を実装し、目標とした3台までのホップ通信機能を確認しました。
(2-2)高耐久性パッケージング技術の開発
 複数のアンテナを内蔵するLTCC基板で、920MHzの無指向放射パターン基板設計を確立しました。またLTCC基板と透光性セラミックスのレーザ局所加熱による低熱(約40℃)接合、耐腐食性シートフィルム積層プロセス、コンクリートや鋼板に適合する粘接着シートを開発しました。さらに、耐久性加速試験により、封止特特を確認しました。
(3)道路インフラ状態モニタリング用センサシステムの実証及び評価研究
 RIMSセンサ情報との連携、高速道路会社データベースとの連携機能等を備えたPilot-RIMSを開発しました。また、各フィールドに適した実証場所の候補を1,2件に絞り込みました。
(4)センサ端末同期用原子時計の研究開発
 ガスセル内圧力変動に起因する基準周波数変動予測モデルを構築し、ガスセル試作によりモデルの有用性を確認しました。また、Cs・Rb併用ガスセルの温度特性評価から目的の時刻同期精度を達成できる見通しを得ました。ガスセル温度制御での消費電力を10mW以下とする設計指針を得ました。

2.ライフラインコアモニタリングシステム(UCoMS)
本プロジェクトは2014年7月より活動を開始し、2年目を終えました。
マイクロマシンセンターが担当している「コアモニタリング用 AlN圧電デバイスのウエハレベルパッケージ技術の開発」では以下の成果を得ることができました。
 AlN圧電デバイス量産試作プロセス技術開発では,昨年度開発したAlN圧電デバイスのオールドライプロセスを用いたAlN圧電カンチレバーの8インチウエハ試作を進め、産総研へ良品サンプルを提供し、振動発電特性を確認した。AlN圧電薄膜、Pt電極薄膜、それぞれのウエハ内の内部応力の分布を制御する成膜技術の開発を行い、薄膜を積層したカンチレバー構造のウエハ面内の反り量の制御も可能とないました。これらの結果に基づいて、AlN圧電デバイス(振動検出センサ素子、発電素子、センサ素子)試作を実施し、良好に動作するカンチレバーデバイスが得られることを確認しました。これにより基本的なAlN圧電デバイス量産試作プロセス技術の開発を完了しました。発電性能を向上させるScAlN薄膜形成を行うため、8インチウエハ対応スパッタ装置導入を行い、膜厚の均一性等基本性能の確認を行いました。
 ウエハレベルパッケージ技術開発は、昨年度、有望な接合方法及び構造材料として抽出したAu-Au活性化接合技術の工程条件の最適化を行い、200℃の低温でも約100MPaと非常に高い接合強度が得られることを確認しました。さらに封止構造TEGによる気密封止評価を行い、JIS合格判定基準よりも小さなリーク速度であることが確認され、封止特性も良好であることが分かりました。
 これらの結果から、P型端末0次試作用AlN圧電デバイス向けのパッケージ構造としてAu-Au活性化接合による気密封止および貫通構造による取り出し電極を配置したパッケージを設計・試作を行い、P型端末0次試作を行うチームに提供しました。

 両プロジェクトは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究業務として実施しております。


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マイクロマシンセンター平成28年度事業計画について

 一般財団法人マイクロマシンセンターの平成28年度における事業活動として、マイクロマシン/MEMS分野及びスマートセンシング分野(以下、「マイクロマシン/MEMS分野等」という。)の一層の発展を支援するため、非営利セクターとしての利点を生かしながら、基盤技術の研究開発、事業環境整備及び普及促進のための取組みを拡充強化していきます。
 
1.MEMS協議会事業の活動を一層強化します。特に、MEMS分野におけるオープンイノベーション実践の我が国最大の拠点であるMNOIC(マイクロナノオープンイノベーションセンター)は、活動6年目に入り、この間、産業界からの強いニーズに加え、幅広い支持が得られてきております。これに応えるべく、更なるサービス拡大・活動強化を目指します。
 また、MEMS協議会のスマートセンシング&ネットワーク(SSN)研究会において、引き続きスマートセンシングに係る先端技術開発テーマの発掘・提案、センサネットワークシステムの社会実装支援などの活動を進めていきます。
 
2. マイクロマシン/MEMS分野等の技術革新を支え、さらにその成果を活用した産業発展に貢献すべく、本年度も以下のような国 / NEDOが主導する産学連携の先端技術開発プロジェクトの推進に携わっていきます。

(1)道路インフラモニタリングシステム(RIMS)の研究開発 2014-2018年度
(2)ライフラインコアモニタリングシステム(UCoMS)の研究開発 2014-2018年度
(3)センサ端末同期用原子時計(CSAC)の研究開発 2015-2018年度
(4)次世代精密家畜個体管理システムの開発プロジェクト 2014-2018年度
(5)高効率MEMS振動発電デバイス(MEH)の先導研究 2015-2016年度
(6)「完全自動化」自動車に不可欠な革新認識システム(IRiS)の先導研究 2015-2016年度
 なお、本年度からのIoT横断テーマに関する新規プロジェクトについても提案準備中です。
 
3.従来から取り組んできたマイクロマシン/MEMS分野等の国際標準化活動を一層強化します。特に、IoT社会へのセンサネットワークの展開を支援すべく、スマートセンシング・インタフェース(SSI)に係る国際標準化を進めるための新規事業を国委託事業に提案中です。採択された場合には本年度から3年間の予定で国際標準規格案の作成に取り組みます。その他の案件についても規格案のIEC提出、提出後のフォローアップなどの活動を行います。
 
4. その他、マイクロマシン/MEMS分野等の国内外の技術動向や産業動向の調査をはじめとする調査研究、内外関係機関との交流・協力、普及啓発など、これまで当センターが継続的に推進してきた事業活動も拡充強化して、我が国におけるマイクロマシン/MEMS分野等の発展のための基盤作りや環境整備に努めて参ります。加えて、それらの活動の成果発信のために、インターネット上でのホームページ、ブログ、HPによる電子版月例ニュース(MICRONANO Monthly)、報告書電子化・公開等、多様な媒体を活用した情報発信・情報公開に努めます。


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第22回国際マイクロマシンサミット (MMS2016)の準備進む

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MEMS協議会では様々な産業活性化活動を行っておりますが、その中でも昨今のトリリオンセンサ、IOT、インダストリアル4.0と言った欧米からの新しい流れを受けて、国際交流活動は益々重要になっています。特に日本が提案して始まった年に一回開催される、毎年約20ヶ国からの代表団が集まる国際マイクロマシンサミットでの情報収集や情報交換は特に重要な位置付けになっています。 

今回の第22回国際マイクロマシンサミットは、東京大学・下山勲教授をオーガナイザーとし、「高齢者社会における健康・医療」のテーマで、東京(ハイアット リージェンシー 東京)で5月25日から3日間の日程で開催致します。今年は、世界17ヶ国から、現在までの登録者は54名となっています。初日の夕刻の登録とレセプション、25日は各国からの代表団によるカントリーレビューとスマートモニタリング、26日は高齢化社会を前提としたバイオ、医療、および健康領域におけるMEMSやセンサに関する話題です。今回は、一般財団法人マイクロマシンセンターが事務局と言うこともあって、過去21回の全ての参加者の集計を取って、参加の回数ランキングを作成して見ました。その結果、イタリアのダリオ先生と、オランダのファンデンデルク先生が何と20回と最多でした。また参加回数が10回以上の方が13人いらしたことから、今回のMMサミットで開催される(2回の)パネル討論会には、この参加回数の多かった方々に過去のMMサミットの思い出を含めて、MEMS/MSTの将来の姿を語って頂きたいと思います。以上、MMサミット開催まで10日を切ってしまいましたが、最後まで緊張して準備していきたいと思います。(国際交流事業 三原 孝士)

第22回マイクロマシンサミットの公式HP URL:

 http://2016.micromachinesummit.net/

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2016年5月13日 (金)

【平成28年5月の経済報告】 

 本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 新緑のみぎり平成28年5月の経済報告をお届けします。業務の参考として頂ければ幸いです。  

 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

「2016.5.pdf」をダウンロード


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2016年5月10日 (火)

MNOIC(マイクロナノオープンイノベーションセンター)の活動状況

 MNOIC事業開始後5年を経て、本格稼動ステージに進み、着実にユーザが増加し、我が国有数のMEMSファンドリーになりつつあります。工程受託の充実、研究施設の拡充、技術ノウハウの蓄積、人材育成を活動の柱として、産官学連携を通じたTIAのオープンイノベーション活動を強化しています。

 産総研共用施設等利用制度を利用した工程受託コースのご利用は、平成26年度の4件から27年度は26件と大幅に増加しています。

 研究施設の現状は以下の通りとなっております。
 1)最先端MEMS装置 54台
 2)主要設備
  ・12“ウェハ常温接合装置
  ・8“ナノインプリント装置
  ・圧電定数評価装置
 3)産総研クリーンルーム面積
  ・3B棟    250m2
  ・3D棟    350m2

 以上の実績を踏まえ、技術ノウハウの蓄積を進めています。
 1)品質管理、工程管理活動
  5年間における活動の中で、地道に品質管理、工程管理ノウハウを蓄積しています。
 2)国プロ研究開発参画による新技術の蓄積  
  ・道路インフラ(RIMS):高耐久性パッケージ技術
  ・ライフラインコア(UCoMS):圧電薄膜プロセス技術
  ・革新認識システム(IRiS):ナノ構造加工技術

 また、人材育成・国際交流に努めています。
 1)TIA連携大学院
  <MNOIC実習講座>大口径最先端光学式評価装置を用いた強誘電体薄膜の評価
 2)TIA-CuPAL
    (科学技術人材育成)「ナノテクキャリアアップアライアンス」への協力
 3)MEMS短期コース
    (タイ留学生研修)「さくらサイエンスプラン」への協力
 
 <MNOIC研究企画部長 渡辺秀明>


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