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2015年11月

2015年11月18日 (水)

第25回 MEMS講習会 (10月22日) 開催報告

 2015年10月22日に兵庫県立工業技術センターにおいて、第25回MEMS講習会を開催致しました。MEMS講習会は、MEMS協議会に所属するMEMSファンドリーネットワーク企業を中心に企画され、都内と地方都市で年に1回ずつ開催しています。
 
 今回は「MEMS技術を利用した地域活性化」をテーマに、兵庫地区の大学や企業と連携してMEMS産業の育成に取り組まれている兵庫県立工業技術センターと、その関連企業とのビジネス交流を目的として、参加者48名の下で実施いたしました。MEMS分野で最先端の研究開発をされている研究者による特別講演と、兵庫地区とMEMSファンドリーネットワークの双方の報告を中心に、MEMSの産業化について議論する貴重な場となりました。

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写真1 講演会場の様子

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写真2 兵庫県立工業技術センター 北川次長

 主催者および共催者の挨拶のあと、兵庫県立大学の前中一介教授から「MEMS技術とその応用」と題した特別講演として、前半では、MEMSの聡明期から現在に至るまで、世界の中での日本の位置付けがわかるようにMEMS技術と製品の変遷をご講演いただきました。民生向けセンサでは、欧米メーカーに先を越されましたが、日本メーカーの巻き返しに向けた心構えをご享受いただきました。また、後半では、ウエラブルセンサによる常時モニタリングに取り組まれた前中プロジェクトの成果を伺うことが出来ました。圧電材料を中心に、様々な測定対象向けのセンサを同じ生産ラインで製造できるように工夫されおり、これまでに構築されてきたリソースを利用できる仕組みとしてMEMS開発支援センターをご紹介いただきました。この仕組みが有効活用されることで、日本発のMEMSデバイスの開発が加速されることが期待されます。

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写真3 特別講演1 前中先生

 続きまして、兵庫地区から2つのご講演をしていただきました。最初は、兵庫県立工業技術センターの才木常正氏から「弾性表面波を用いた高効率流体混合チップ」と題して、層流間の分子拡散だけでは混合が難しい数百ミクロンオーダーの流路での弾性表面波を利用して混合技術について、ご講演いただきました。現在、その効果を最大限に発揮できる応用分野を探索中で、企業と連携した製品開発が楽しみとなるご講演でした。

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写真4 兵庫県立工業技術センター 才木氏

 兵庫地区からの2つめのご講演は、日本電子材料株式会社の永田一志氏より、兵庫県CEOプログラム推進事業として取り組まれている「ポリマーMEMS技術によるLSI用超狭ピッチプローブカードの開発」について、ご講演いただきました。本プログラムは、オンリーワン技術を持つ企業の育成を目指しており、大手プローブカードメーカーである日本電子材料株子会社が、MEMS技術を用いた微細型と、樹脂転写技術によるポリマーMEMS技術により、世界に先駆けた次世代のプローブカードの実現に向けて取り組まれている姿に、頼もしさを感じるとともに、今後の展開が期待されるご講演でした。

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写真5 日本電子材料株式会社 永田氏

 続きまして、本日2件目の特別講演と致しまして、東京大学の菅哲郎先生より、「ロボット周辺認識力向上のためのMEMS分光イメージャー」と題して、ご講演いただきました。少子高齢化が進む日本では、身近で生活支援をしてくれるロボットへの期待が大きく、それを実現するために、ロボットの外界認識能力の向上が急務となっています。菅先生は、NEDOプロジェクト「エネルギー・環境新技術先導プログラム」などで、ロボットに高度な外界認識力を持たせるMEMSビジョンの開発に取り組まれおり、ソフト面だけでなく、多波長同一光軸レンズや赤外光を検知するナノアンテナなど、最先端の加工技術で実現するMEMSビジョンのハード面での技術開発の一端をご紹介いただきました。若手研究者による熱いご講演に、その先にある未来への期待が高まるひと時でした。

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写真6 特別講演2菅先生

 ここで一旦休憩に入り、ファンドリー企業が展示したパネルの前で、MEMSデバイスを開発されている企業・大学向けに相談会を開きました。休憩時間の終了ギリギリまで相談会は続き、講習会後の懇親会でも積極的な情報交換が行われ、兵庫地区のMEMSデバイスに対する開発意欲の高さから今後のMEMS産業の発展が期待される場になりました。

 休憩明けには、MEMSファンドリーネットワークを構成するMNOIC、みずほ情報総研、富士電機、大日本印刷からMEMSの開発支援から量産までを網羅した4件の技術紹介がありました。初めにMNOIC研究企画部長の渡辺秀明氏より「最先端・大口径の産総研(つくば)・MEMS研究施設を活用した研究支援サービスMNOICのご紹介」、続きまして、みずほ情報総研の岩崎拓也氏より「MEMSにおけるシミュレーションおよびリバースエンジニアリング」、富士電機の後藤崇氏より「富士電機おけるMEMS技術・製品紹介」、大日本印刷の鈴木浩助氏より「大日本印刷MEMSファンドリー紹介」、と発表が続き、本講習会の最後に、ファンドリーサービス産業委員会委員長の浅野雅朗氏より「MEMSファンドリーネットワークとサービスのご紹介」と題しまして、MEMSを開発したい企業を支援する仕組みを紹介いたしました。今回の講習会は、質疑応答も時間内に収まらないほど活発に討議が行われ、MEMSデバイスの開発を目指す企業の裾野が拡がっていくことが期待できる講習会になりました。今後、講習会に参加された方々とMEMSファンドリーネットワークとのコラボによる製品開発がなされることを期待したいと思います。

 また翌日は、兵庫県立工業技術センターが主催する施設の見学会が開催されました。この見学会では、技術調整担当の北川洋一次長が、施設のご説明やご案内をしてくださいました。最初に兵庫県立工業技術センターの概要説明があったあと、MEMS関連施設、及び技術交流館の見学を致しました。MEMSを製造・評価するための最先端の設備だけでなく、製品の使い勝手を評価するための仕組みなど、工業技術センターならでは取り組みがあり、大変興味深い見学会となりました。改めて、兵庫県立工業技術センターでお世話になった方々に感謝したいと思います。

<産業交流部 小出 晃>

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2015年11月16日 (月)

「道路インフラ状態モニタリング用センサシステムの研究開発」の成果をハイウェイテクノフェア2015にて展示

 「道路インフラ状態モニタリング用センサシステムの研究開発(RIMS)」プロジェクトは2014年度より活動を開始し順調に研究開発を進めています。このたび、以下の展示会に出展し成果の一部展示を行います。皆様のご来場をお待ちしております。

 名称 ハイウェイテクノフェア2015
 会期 2015年11月25日(水)~26日(木) 10時~17時
 会場 東京ビッグサイト西3・4ホール
 展示内容
 (1)道路インフラモニタリングシステム
 【特徴】
 ・従来の点検技術を補完し、道路インフラの状態を常時・継続的・網羅的にモニタリング
 ・道路インフラのトータルな維持管理が可能
 ・高速道路の橋梁、道路付帯物、法面等を対象
 ・センサ端末は自立電源駆動
 ・新規の小型、安価、高性能、高耐久性無線センサ
 ・多種多様なセンサからのデータを収集する無線通信センサネットワーク
 ・セラミックスによる高耐久のオールインワンパッケージ
 【仕様】
 ①橋梁振動センシング
 ・広帯域(数Hz~1MHz)振動センサ(スーパーアコースティックセンサ)によるモニタリング
 ・高感度(0.1µε)フレキシブルひずみセンサアレイシートによるモニタリング
 ②高精度(傾斜出力安定性:0.05deg、振動分解能:0.1gal)傾斜マルチセンサによる道路附帯物のモニタリング
 ③電波位相差変位センサによる法面の高頻度・全天候・3次元法面モニタリング(1時間に4mm以下の変位検出)

 (2)高耐久性セラミックスパッケージ
 ・自立電源、無線モジュール、環境センサをオールインワンパッケージ
 ・アンテナ内蔵LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)回路基板
 ・透光性セラミック基板を使い太陽電池もパッケージに内蔵
 ・パッケージを構造物に強固接着/接合する簡易施工シート実装
 ・常時モニタリングを長期(10年)保証する端末パッケージング技術
 【仕様】
 ・サイズ:試作品6.3cm×9.1cm×2.5cm(厚み2mm)【最終目標:7cm×10cm×5cm】
 ・耐久性:【最終目標:実環境下で10年】
 ・透光性セラミック:透過率96%、熱伝導率34W/(m・K)
 ・180°の指向性を持つLTCC内蔵アンテナ

<NMEMS技術研究組合 武田宗久>

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【平成27年11月の経済報告】 

 本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 向寒、平成27年11月の経済報告をお届けします。業務の参考として頂ければ幸いです。  

 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

「2015.11.pdf」をダウンロード

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2015年11月10日 (火)

IWSHM2015参加報告

 The 10th International Workshop on Structural Health Monitoring  (IWSHM2015) が2015年9月1日~3日の3日間、米国パロアルト市のスタンフォード大学で開催されました(写真1:会場のStanford大学キャンパス、写真2:オープニングのスライド、写真3:F.-K. Chang委員長(Stanford大学)の開会挨拶の様子)。

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写真1 会場のStanford大学キャンパス

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写真2 オープニングのスライド

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         写真3:F.-K. Chang委員長(Stanford大学)の開会挨拶の様子

 IWSHM2015はStanford大のF.-K. Chang教授が中心となって立ち上げたSHM全般に係る国際ワークショップであり、1997年から隔年に1回開催されていて、今年で10回目であり、毎年Stanford大で開催されています。7月にトリノで開催されたSHMII-7が土木構造物に特化しているのに対して、IWSHMは土木だけでなく、航空、風車、鉄道等幅広い構造物も含んでおり、エアバスやボーイング等航空関連企業がスポンサーとなり、航空分野が活発な印象を受けました。本年は600名以上が参加し、9件のキーノート,336件(ジェネラルセッション:138,スペシャルセッション:198)の口頭発表と46件のポスター発表がありました。口頭発表は 11パラレルセッションで構成されており、こちらも細分化され過ぎている印象を持ちました。IWSHM2015のセッション構成を表1と表2に示します。

                表1 IWSHM2015のセッション構成(1)

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                  表2 IWSHM2015のセッション構成(2)

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 口頭発表336件の分類を図1に示します。これから発表件数としては診断58件、要素技術58件、センサ/アクチュエータが51件と多かったです。

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図1 口頭発表の分類
      

 また、ワークショップならではのラウンドテーブルディスカッション(写真4:航空関連ラウンドテーブルディスカッションの様子)、パネルディスカッションや17機関によるデモ発表(写真5: SHM in Actionの様子)等工夫されたイベントが多くありました。

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写真4:航空関連ラウンドテーブルディスカッションの様子

Iwshm_14写真5: SHM in Actionの様子

 また、デバイスの発表としてはSHMII-7でも発表があったPrinceton University,以外にもIowa State University, USAやUniversity of Waterloo, Canada等からもシート状、アレイ状のセンサの発表があり、面パターンセンサ関連の発表が多くなってきていました。未だコンセプトや実験室レベルの発表ですが、RIMSの面パターンセンサの実証を含めた開発を加速する必要性を痛感しました。

 AE関連のセッションもあり、AEの専門会議で発表されていない産業界への重要な適用事例が数多く見られました。また、ボーイングを始め航空機会社では、AEをSHMのツールの一つとして、確立して使っていますが、詳細は公表されていないことが分かりました。

 また、数は少ないながらも、土木のCivil SHM Standardizationのセッションは面白く、 設計図書から数値モデルそしてモニタリングデータを合わせた管理データベースの構築の試み(スタンフォード、ミシガン、KAISTの共同)や、カナダブリティッシュコロンビア州での自治体と大学との協働による、管理地区全体の橋梁管理システム構築の事例がありました。

 次回のIWSHMは2017年にStanford大学で開催されますが、8th European Workshop on Structural Health Monitoring (EWSHM)が2016年7月5日~8日にスペインのBilbaoで開催されます。

(技術研究組合 NMEMS技術研究機構 武田宗久)

 

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2015年11月 5日 (木)

第32回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムにMNOICをポスター展示

 センサやMEMS関係の国内最大のシンポジウムである第32回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム(以下センサシンポと略します)が本年10月28日(水)~30日(金)、新潟市にて開催されました。このシンポジウムに一般財団法人マイクロマシンセンターからMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンター)の概要とサービスの内容についてポスター展示致しましたのでご紹介させて頂きます。

 このセンサシンポは、新潟市の中心部、信濃川の河口に2003年開業した朱鷺メッセで開催され、1万人収容の本格的な展示場、大小13の会議室、ホテルなどが一体化した施設であり、開催するまでに数年待ち続けた待望の会場でした。参加者数は761人とここ数年では最大の規模であったそうです。今回のセンサシンポは「Future Technologies from NIIGATA 」と題し、電気学会・E部門の部門大会であるとともに、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門主催「マイクロ・ナノ工学シンポジウム」、応用物理学会集積化 MEMS 技術研究会主催「集積化 MEMS シンポジウム」が同時開催され、更に、電子情報通信学会、日本材料学会、エレクトロニクス実装学会との協力による企画セッションも開催されました。招待講演では技術研究組合NMEMS 技術研究機構理事長今仲 行一氏の「IoT 時代の実現に向けて今なすべきこと」(写真1)、豊橋技術科学大副学長 石田 誠氏の「異分野融合研究と価値創造工へ」、大阪大学 産業科学研究所 教授 谷口 正輝氏の「マイクロナノ工学を用いた次世代DNAシークエンサー」、そして東京大学生産技術研究所 マイクロナノメカトロニクス国際研究センター 教授 藤田 博之氏の「MEMSの昨日、今日、明日」の4講演が行われ、学生・研究者に共通した興味深い話題をわかりやすく解説されました。


(写真1)

 今回の技術展示は、ポスター会場にもなったメインホール入口のホワイエで行われ、最優秀展示賞には,愛知県「知の拠点」研究開発プロジェクト成果が選ばれました。MNOICについては、このセンサシンポに参加される層にはかなり知名度が浸透し、サービス内容についての問い合わせはほとんどなく、試作実績や価格、納期についての具体的な内容が多く寄せられました(写真2)。


(写真2)

 大学、産業界、更に公的な研究所にとって有意義な活動を今後も展開していく所存です。

<MEMS協議会 渡辺 秀明>

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