SHMII-7参加報告
7th International Conference on Structural Health Monitoring of Intelligent Infrastructure(http://www.shmii2015.org/)が2015年7月1日~3日の3日間、イタリア、トリノのPOLITECHNICO DI TORINOで開催されました。(写真1:会場のPOLITECHNICO DI TORINOの入口、写真2:エントランス看板、写真3:講堂での開会式前の様子)。
写真1 会場のPOLITECHNICO DI TORINOの入口
写真2 エントランス看板
写真3 講堂での開会式前の様子
SHMII-7はSHMII(International Society for Structural Health Monitoring of Intelligent Infrastructure)が主催する土木構造物に関するSHM関連の主要国際会議であり、2003年から2年に1回開催され、本年で7回目でした。本年は30カ国から300名以上の参加がありました。10件のキーノートレクチャ,258件(レギュラーセッション:126,スペシャルセッション:132)の口頭発表と11件ポスター発表がありました。口頭発表は8パラレルセッションで構成されており、参加規模から考えると細分化され過ぎている印象を持ちました。SHMII-7のセッション構成を表1と表2に示します。表1のレギュラーセッションの中のRS1 - SENSORS AND SENSOR SYSTEMSの22件の分類を図1に示します。これからセンサとセンサシステムの発表の中ではワイヤレスセンサの発表が多くなってきていることが分かります。
表1 SHMII-7のセッション構成(1)
表2 SHMII-7のセッション構成(2)
また、デバイスの発表としてはUniversity of Illinois at Chicago, USAからMEMS技術を使った新しいAEセンサやPrinceton University, USAやInSensus Solutions srlから面パターンセンサによるインフラモニタリングの報告が出ていました。未だコンセプトや実験室レベルの発表ですが、RIMSの面パターンセンサの実証を含めた開発を加速する必要性を痛感しました。
非破壊検査(NDE)のセッションはありましたが、今回は発表は3件と少なかったです。一方、同定と診断評価のセッションは発表が多く、21件ずつとなっており、要素技術の開発からSHM技術をインフラ維持管理へ実際に活用することを考えるものが多くなっていることが分かりました。これは近年感じていた国内外の動向と合致していました。
さらに、個々の橋のモニタリングから、複数の橋を一括して管理するlarge populationというセッション(SS4)が立ち上げられていました。論文内容は、まだ始まったばかりでしたが、これからはこのような話が広がっていく印象を持ちました。
また、セッションが特にできてしまうほど、中国の勢いが非常にある印象を受けました。 10年前頃から大きなお金をつけて、いろいろな橋にとりあえずセンサを設置してきたのと、海外で学位をとってきた方が戻ってきて先生になっていたりして、データが高度に分析され、近年外に発表されているという印象でした。同済大学の先生によると、中国は新橋の建設時に建設費の数%を研究開発費としなければならず、それでモニタリングシステムの導入が進んだそうです。また、日本では計測してもデータの公表が非常に難しいこともありますが、知見としてこのようにどんどんでてくると、とても有用だと感じました。
次回のSHMII-8は2017年12月6日~12月8日にQueensland University of Technology, Brisbane, Australiaで開催されます。
(技術研究組合 NMEMS技術研究機構 武田宗久)
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