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2015年9月 2日 (水)

MNOIC実習セミナー 「大口径最先端光学式評価装置を用いた圧電体薄膜の評価」【TIA連携大学院サマー・オープン・フェスティバル2015】の実施

 一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会では、MEMS・マイクロナノ領域における産業推進の一環として国立研究開発法人産業技術総合研究所 集積マイクロシステム研究センターの研究施設を用いた研究支援サービスであるMNOIC(MicroNano Open Innovation  Center)事業を実施しています。その中のサービスの一つである人材育成について、MNOICで利用可能な最先端装置を用いた実習形式の「MNOIC実習セミナー」を毎年開催し、好評を得て参りました。今年は、「大口径最先端光学式評価装置を用いた圧電体薄膜の評価」を2015年8月27/28日に実施致しました。尚、この実習講座はTIA人材育成活動の一環として、「TIA連携大学院サマー・オープン・フェスティバル2015」として実施しました。
 「インダストリー4.0」や「Industrial Internet」などの製造業の新たな方向を目指す動きが活発になるにつれ、センサの製造に用いられるMEMS技術の重要性はますます増していきます。そのMEMSの材料の中でも、優れた圧電特性を有する薄膜は機械的(Mechanical)作用と電気的(Electrical)作用を橋渡しする材料として、MEMSへの応用が盛んに研究されています。本実習では圧電体薄膜の物性を理解して、最適なMEMSを設計する手法を短時間で習得するとともに、大口径最先端光学式評価装置を実際に使い、圧電材料への理解を深めることを意図しました。
 今回の参加者は企業から6名、学部、大学院生6名の計12名でした。例年になく、企業からの参加者が多く、本材料への産業界側の期待の高さがうかがえます。なお、装置を使っての実習になるため、あまり多くの参加者を募集することができず、締切間際で応募された方には、参加をお断りせざるを得ませんでした。
 開講にあたって、まず産総研廣島洋集積マイクロシステム研究センター長から挨拶(写真1)があり、その後事務局からオリエンテーションの後、産総研集積マイクロシステムセンター社会実装化センサシステム研究チーム長小林健氏の講義(写真2)から実習セミナーが始まりました。講義内容は、PZT薄膜を中心にその形成プロセスとデバイスへの応用を初歩から応用までを詳説し、講義の後半は2日目の実習で測定する圧電定数の理論的導出を解説されました。評価サンプル電極の直径依存性があることや、変位量の印加電圧依存性がバタフライカーブになる理由などを解説し、受講者アンケートでも全員が非常にわかりやすい講義だったとの評価でした。

   写真 1セミナーの風景(廣島センター長挨拶)

   写真2セミナーの風景(小林氏)

 次に、2日目の実習で使う強誘電体テストシステム (aixACT)の日本代理店である、ヤーマン株式会社先端電子グループの山﨑常生氏が、ダブルビームレーザー変位計を取り入れ強誘電体薄膜の絶対変位計測をも可能にした同システムについて解説しました。また途中から、本装置の製造メーカーのドイツのアグザクトシステムズ社の Roland Kessels 氏(写真3)も加わり、600℃までの温度特性を測定可能にしたシステムと実際のデータについて紹介しました。示されたデータには若干の温度依存性がありましたが、それが装置起因なのか、材料特性なのか、熱心な討論がなされ、さながら、圧電材料分野の国際会議のような雰囲気でした。

   写真 3 セミナーの風景(Kessels 氏)

 最後に2日目の実習プログラムについて、マイクロマシンセンターMNOIC開発センターの野田大二研究員から説明があり、1日目の講義を終えました。
 2日目は2班に分かれ、1班は圧電体薄膜評価からサンプル作製・評価、2班はその逆で実習しました。
 圧電薄膜評価は、産総研の小林チーム長と牧本なつみ研究員、さらにはヤーマンの山﨑氏、アグザクトシステムズ社の Kessels氏も加わった講師陣のもと、様々な電極径の圧電薄膜の圧電定数の測定実習を行いました(写真4、5)。受講者の中には、自ら作製した圧電薄膜のサンプルを持参し、aixACTでの測定を試した受講者もいました。測定サンプル作製のプロセスでは、MNOIC野田研究員の指導により、ドライエッチングとレーザー顕微鏡での形状測定と触針段差計を使ったエッチング深さ測定実習を行いました。またクリーンルーム内のプロセス装置の紹介も実施しました。

   写真 4 実習風景

   写真5 実習風景
 最後に、今回の実習を振り返って皆様にアンケートの実施と、実習の感想をお聞きしました。全体的には大変好評で、普段はあまり触れることのできない最先端の評価装置を使った内容に満足いただきました。今回は材料としての薄膜評価でしたが、実デバイスを用いた評価も実施してほしいとの要望もありました。今後の検討課題としたいと思います。
(MEMS協議会 渡辺 秀明)




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