« 2015年3月 | トップページ | 2015年5月 »

2015年4月

2015年4月28日 (火)

EWSN2015海外出張報告(その2)

会議の概要や開催地の情報は、すでに“その1”で報告されていますの、この報告では4つほど個別の発表を取り上げたいと思います。
1つ目は、初日2月9日の午前の“PORTO SMARTCITY WORKSHOP”における「Outlook – smartcity initiatives」というセッションの2番目の、ICE-gateway社のGerd Ascheid氏(アーヘンにある大学の教授が本業?)の講演です。講演タイトルは「Smart City Infrastructure as a Service」でした。講演の内容は比較的単純な話で(難しい話もあったかもしれませんが)、ヨーロッパの街灯のLED化に合わせて、街灯を端末化しようという取組に関するものでした。さて、プロジェクトでは、当然ながら、基本的にセンシング機能が先にあり、それに必要な自立電源や無線通信システム、あるいはパッケージ等を導入していくという形で開発が進められていますが、無線センサ端末の機能は多くの場合、電源の制約が大きいということを考えれば、電源が直接供給できる端末(コンセントレータを含む)(本講演の場合は街灯です)を最大限活用するのは重要です。つまり、橋梁や道路にも道路灯はあり、そのLED化が行われるでしょうから、その際に、無線センシングのインフラを導入していくといった視点も重要なのではないかと思いました。

Photo1_4

                  写真1 Gerd Ascheid氏の講演の様子

2つ目は、2日目の朝の、バージニア大学のKamin Whitehouse教授の基調講演「The Rise on the Smart Household」です。内容そのものは、家の中のドアに設置できるセンサ端末“Smart Doorways”によって、カメラなどで直接センシングすることなく、各部屋で誰が何をしているかを間接的に検出して、家の消費電力を最少化するような制御ができるというような話でした。質疑応答では、「間接的とは言え、監視されているような家に誰が住みたいのか?」といったコンセプトを否定するような意見も出ていましたが、それはさておき、プロジェクトでも、カメラのような情報量が多いセンサではなく、ドアの開閉センサのような単純なセンサでも(当然低コストです)、簡単な解析(プロジェクトの場合にはある程度の初期診断のようなこと)はできるのではないかという視点も必要なのではないかと改めて思いました。もともと面パターンセンシングのコンセプトは、単純なセンサ(アレイ)でも情報処理と組み合わせれば、簡単な診断に使えるのではないかというところにありますので、アプリそのものというよりも、情報処理の方法に関しては、参考にできるかもしれません。

Photo2

                                   写真2 Kamin Whitehouse氏の講演の様子

 3つ目は、2日目午後のポスターセッションで、開催会場であるCISTER(Research Centre in Real-Time and Embedded Computing Systems)の学生であるJoão Loureiro氏が発表していた「Towards the Development of XDense, A Sensor Network for Dense Sensing」です。少々驚いたのは、まさにXDenseは面パターンセンシングデバイスであるということです。簡単なデモも行われていましたが、デモそのものは、3×3にアレイ上に並べた(接続した)光センサ端末を使った試作デバイスで行われていましたが、アプリは、表面の圧力(風力)分布のようなものを想定しているようでした。現時点では、試作されているものもかなりプリミティブで、面パターンの回路・情報処理等もこれからの課題のようでしたが、今後もウォッチしていきたい研究の一つです。

最後の4つ目は、最終日2月11日の朝に、チューリッヒ工科大学のLothar Thiele教授の基調講演「Predicatable wireless multi-hop communication ?」です。内容は、これまで教授のグループが取り組んできた無線センサネットワークのコンセプト“Synchronous transmissions”に関する研究のレビューのようなものだったと理解しています。詳細内容はネットワークの専門家でないと理解が容易でない部分も多くありましたが、重要なメッセージは、「ある程度無線センサ端末同士の同期がとれていれば(時計があっていれば)、マルチホップ通信のような複雑なことをやらなくても、無線バスとして(有線のように)通信することが可能であり、それに必要とされる時計の精度は、0.5 µsec以下である」ということです。精度の高い時計(時刻合わせ)は、コストも高く、電力も消費しますので、この時計の精度とコストバランス等について、さらに調査する必要はありますが、マルチホップ通信を必要とするような場合には、このような考え方についても研究する必要があると感じました。

Photo3_2

                                        写真3 Lothar Thiele氏の講演の様子

  最後になりますが、“その1”で紹介されていたインダストリアルセッションでも、例えばマルチホップ通信に関する必要性については議論が分かれていましたが、やはり各アプリ、各環境により、システムの最適解が異なることを改めて感じました。プロジェクトでも、より良いシステムを設計開発するため、適用フィールドでの調査が最重要であることを改めて認識しました。

(産業技術総合研究所 伊藤寿浩)

 

| | コメント (0)

2015年4月25日 (土)

ナノ・マイクロビジネス展2015、成功裡に閉幕

2015年4月22日(水) から24日(金)まで、パシフィコ横浜で開催されたナノ・マイクロビジネス展2015は、3日間の開催期間を終え、盛況の内に閉幕しました。

連日、お天気にも恵まれ多くの来場者が訪れましした。来場された皆様方に御礼申し上げます。特に、最終日である24日は、金曜日ということもあり会期中もっとも賑わいました。

各ブースには多くの来場者が訪れておりましたが、セミナー会場にも多くの聴講者にお出で頂き、立ち見が出るなど関心の高さが見て取れました。

最終日のセミナーは、TIA- NMEMSシンポジウム/MEMS協議会フォーラムが開催され、午前中、特別講演、新産業革命に向けた新しい胎動として、「ドイツ発・新産業革命インダストリー4.0とセンサーへの期待」、「産業界とのブリッジを目指す新生TIA-nanoと産総研」が、また、午後は、MEMS協議会活動とMEMS産業動向・技術動向として、MEMS協議会活動が紹介されました。いずれの会場も、熱心な多くの聴講者においで頂きました。この場をお借りして重ねて御礼申し上げます。

Dsc01968_640_3

Dsc01970_640_2

Dsc01976_640_4

さて、来年度のナノ・マイクロビジネス展ですが、MEMS産業の新たな展開に的確に対応するため、内容をリニューアルして、2016年9月14日(水)から16日までの3日間、MEMSセンシング&ネットワーク展としてパシフィコ横浜で開催致します。 (開催日程を当初は10月5日から7日とお伝えしておりましたが、上記の通りに変更いたしました。)

ご期待ください。

 


続きを読む "ナノ・マイクロビジネス展2015、成功裡に閉幕"

| | コメント (0)

2015年4月23日 (木)

ナノ・マイクロビジネス展2015、2日目盛況に終了

 開催中のナノ・マイクロビジネス展2015の2日目の模様をお知らせします。

 まず、展示会場ですが、初日に比較して来場者が多く、活気にあふれた会場風景となりました。

P4220066_1600_400

P4220069_1600_400

P4220001_1600_400

 また、本日はセミナー会場において、社会課題対応システム関連プロジェクトの成果報告会が開催され、立ち見を含む満員の参加者となり、みなさん熱心に受講されておりました。



セッション1 グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト成果報告会

P4230233_1600_400_2


セッション2 第一回ライフラインコアモニタリングプロジェクト成果報告会

P4230236_1600_400

セッション3 第一回道路インフラモニタリングプロジェクト成果報告会

P4230262_1600_400

P4230263_1600_400_2

P4230265_1600_400

本日は来場者が多く、どのブースでも熱心に質疑応答がなされておりました。

P4230228_1600_400

P4230224_1600_400_3

P4230187_1600_400_2

 最終日の明日、24日(金)は、TIA N-MEMSシンポジウム/MEMS協議会フォーラムが午後、開催されます。

 多数の皆様のご参加をお待ちしています。


| | コメント (0)

ナノ・マイクロビジネス展2015 盛況に開催される


 今年のナノ・マイクロ ビジネス展2015は昨日(22日)初日を迎えました。24日までパシフィコ横浜にて開催します。

 会場では、ナノ・マイクロ分野における微細加工技術、デバイス、ソリューションが集積する専門見本市として、未来ビジネスの核となる先端技術の紹介や、ナノ・マイクロ分野の産学連携の場を提供致します。皆様のご来場をお待ちしております。

Dsc01707_400

Dsc01708_400


 ナノ・マイクロビジネス展/ROBOTECH 次世代ロボット製造技術展は、OPIE(OPTICS & PHOTONICS Internationl Exhibitions)と同時に次の要領で開催しています。

名称ナノ・マイクロ ビジネス展
ROBOTECH 次世代ロボット製造技術展
会期2015年4月22日(水)—24日(金) 10:00-17:00
会場パシフィコ横浜 展示ホール B
主催(一財)マイクロマシンセンター
共催技術研究組合NMEMS技術研究機構
オーガナイザーメサゴ・メッセフランクフルト(株)
後援
(申請予定)
経済産業省/(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)/
(独)日本貿易振興機構(JETRO)
協賛
(申請予定)
(一社)日本機械工業連合会 /(一社)日本ロボット工業会 /
(一社)日本分析機器工業会 /(一社)日本ロボット学会 /
ロボットビジネス推進協議会 / 東京大学IRT研究機構 /
日本真空工業会 /(一社)ナノテクノロジービジネス推進協議会
入場料¥2,000  (業界関係者、事前登録者は無料)
同時開催プログラム
(予定)
第21回国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウム
VTTセミナー
TIA N-MEMSシンポジウム(MEMS協議会フォーラム)
社会課題対応システム関連プロジェクト成果報告会
出展者プレゼンテーション
MEMS協議会産学連携ワークショップ 他
同時開催展OPIE ′15 (OPTICS & PHOTONICS International Exhibition)

続きを読む "ナノ・マイクロビジネス展2015 盛況に開催される"

| | コメント (0)

2015年4月17日 (金)

【平成27年4月の経済報告】 

 本項は、マイクロマシン/MEMS分野を取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 陽春、平成27年4月の経済報告をお届けします。業務の参考として頂ければ幸いです。

  内容は、以下のPDFをご参照下さい。
   「2015.4.pdf」をダウンロード


| | コメント (0)

2015年4月16日 (木)

RIMSの成果をナノ・マイクロビジネス展で出展します

 NEDO委託事業「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト/インフラ状態モニタリング用センサシステム開発/道路インフラ状態モニタリング用センサシステムの研究開発」(RIMSプロジェクト)について、2015年4月22日(水)~ 4月24日(金)にパシフィコ横浜で開催される「ナノ・マイクロビジネス展」に出展し、プロジェクトの取り組み状況や成果を発表します。
 また、同会場内では、社会課題対応システムに関連するプロジェクトの成果報告会も開催し、プロジェクトの研究開発状況や成果、将来像を紹介します。
 多数の皆様のご参加をお待ちしています。

1.開催日時・会場
日時 2015年4月22日(水)~4月24日(金) 10時00分~17時00分
会場 パシフィコ横浜  〒220-0012 横浜市西区みなとみらい1-1-1
       ホールB 小間番号B-0

2.ブースのみどころ
 2014年度から開始した本研究開発では、従来の点検技術を補完し、無線センサネットワークを活用して道路インフラの状態を常時・継続的・網羅的に把握することを可能とする道路インフラモニタリングシステムを開発します。高速道路の橋梁、道路付構造物、法面等を対象にして、環境エネルギを利用した自立電源を有し、各フィールドのモニタリングに適した新規の小型、安価、高性能、高耐久性の無線センサ端末を開発します。無線通信センサネットワークや高耐久性のパッケージングに関しては共通化を図り、効率的な開発を行うとともに、各フィールドのセンシングシステムを統合して図1に示します道路インフラのトータルな維持管理が可能な道路インフラモニタリングシステム(RIMS:ROAD Infrastructure Monitoring System)を構築します。

Photo
             図1 道路インフラモニタリングシステム(RIMS)

 今回の展示では、図2のブースレイアウト図に示しますように、概要説明ゾーン、実証ゾーン、革新センサゾーン、共通基盤技術ゾーンに分けて、プロジェクトの概要及び各要素テーマの成果について試作品も展示しながら紹介します。入口の大型モニタでは高速道路の損傷実態と補修状況ならびに点検の高度化の取り組み等を連続上映します。

Nmb150416

               図2 RIMSブースレイアウト図

3.関連プログラム
<社会課題対応システム関連プロジェクト成果報告会>
併催の「社会課題対応システム関連プロジェクト成果報告会」の中のセッション3でRIMS成果報告会を開催致します。本報告会ではRIMSプロジェクトの下山勲リーダ(東京大学 教授)がプロジェクトの概要およびH26年度の研究成果を紹介しますとともに、特別講演として西日本高速道路技術環境部構造技術課の緒方課長から「西日本高速道路におけるモニタリングの取組み」について、京都大学塩谷特定教授から「インフラアセット評価に資するi-NDT(先端的非破壊手法)」について紹介して頂きます。こちらの方も奮ってご参加下さい。

日時 2014年4月23日(木)14時25分~16時25分
会場 パシフィコ横浜 アネックスホール(F203)
参加費 無料

4.参加方法等
 本イベントの事前登録は「ナノ・マイクロビジネス展」公式ホームページからお願いします。http://www.micromachine.jp/

               (技術研究組合 NMEMS技術研究機構 技術開発推進室長 武田宗久)

| | コメント (0)

2015年4月10日 (金)

トリリオンセンサ社会を支える高効率MEMS振動発電デバイスの研究プロジェクトのキックオフ

 このたび平成26年度「エネルギー・環境新技術先導プログラム」のNEDO公募事業において、技術研究組合NMEMS技術研究機構が受託した「トリリオンセンサ社会を支える高効率MEMS発電デバイスの研究」のテーマが2月27日からスタートしました。それに伴い、推進委員会兼キックオフを4月3日(金)新テクノサロンで実施しました。


 ご来賓として経済産業省やNEDOからのご挨拶を頂き、さらに研究開発管理を受け持つマイクロマシンセンター青柳専務理事からの挨拶のあと推進委員長の藤田先生(東京大学教授)より「エネルギー・環境新技術先導プログラム」のテーマについての思いをお話いただき、その上で、プロジェクトリーダの年吉先生(東京大学教授)より、本テーマの位置付け、概要の説明、決意表明をいただき、研究員全メンバの意識合わせを行いました。
 本テーマは、近い将来に到来するトリリオンセンサ社会には、自立電源を備えたメンテナンスフリーのセンサ端末の普及に向けて、その際必須となる小型高効率のエナジーハーベスタの開発を行うものです。特に低周波数の環境に最適なエレクトレット方式に注目して取り組んで行きます。
そのため、今後取り組む以下の3つの要素技術について個々に計画を発表いただきました。
①高密度固体イオンエレクトレットの形成 ・・・ 橋口先生(静岡大学教授)
②大容量イオン液体キャパシタの形成   ・・・ 鷺宮製作所(再委託先:東京大学)
③高効率エナジーハーベスタの開発  ・・・ 鷺宮製作所
また、実用上の観点からどこにどのような振動源があるのか、交通インフラ、オフィス、ファクトリでの展開の観点で業務管理者より実証ワーキングの取り組みを紹介しました。)
開発期間は2年を予定していますが、来賓の経済産業省からのコメントのとおり、まずは早期に150μWの出力を実現し、目標を少しでも前倒しして取り組みたいと考えています。
 その後の実施した意見交換会では、電力中央研究所、JR東日本、NHK放送技研からの有識者も参加いただき、本研究開発に関する夢のあるディスカッションが繰り広げられました。

(NMEMS技術研究機構主幹研究員 今本)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

実績を積み上げるMNOIC:4月22日―24日 ナノ・マイクロビジネス展 オープンイノベーション企画展示コーナに出展します。

 既に何度もご案内しておりますが、一般財団法人マイクロマシンセンターが主催する、横浜パシフィコで4月22日(水)から24日(金)まで開催されるナノ・マイクロビジネス展が実施されます。この中の企画展示として今年もオープンイノベーション企画展示コーナを設け、国内を代表するナノテクプラットフォームや、各県の工業試験センター、研究所に付帯する研究拠点等の21の法人が出展されますが、この企画展示コーナにMNOICも出展します。開設から5年目を迎えるMNOICですが、従来の研究支援(お客様の研究員の研究を支援)、研究受託(MNOICの研究員が代行研究)に加えて、加工や試作したサンプルを販売、少量生産も可能にする「工程受託」も昨年暮からサービスを開始しました。これで、研究開発の支援からファンドリ的な支援まで極めて幅の広いユーザに利用して頂けるようになりました。最近は今までのユーザの中で、更に複数の研究テーマを実施するパワーユーザが、少数ながら出てきたのが特徴になっています。これらに対応するため、現在技術スタッフや研究員を含めて総勢10名でMNOICのサービスにあたっています。オープンイノベーションコーナでは、展示会場の中にセミナー会場を設けて、毎日各イノベーション施設のご紹介も行います。全国のオープンイノベーション拠点が一堂に展示できる数少ない機会と思いますので、是非皆さんのご参加をお願い出来ればと思います。
 (MEMS協議会 三原 孝士)

Photo

写真 2014年のオープンイノベーション企画展示コーナ

| | コメント (0)

2015年4月 9日 (木)

エネ環:「完全自動化」自動車用革新認識器システム(IRiS)第一回研究会(キックオフ)実施で本格スタート

 このたび平成26年度「エネルギー・環境新技術先導プログラム」のNEDO公募事業において、一般財団法人マイクロマシンセンター、株式会社デンソー及び国立大学法人東京大学の産学連携チームが受託した「究極の省エネを実現する「完全自動化」自動車に不可欠な革新認識システムの研究開発」の研究テーマが2月27日からスタートしました。それに伴い、研究会兼キックオフを4月7日(火)、一般財団法人マイクロマシンセンター新テクノサロンで実施しました。

P4070002_2

 ご来賓として経済産業省やNEDOからのご挨拶を頂き、さらに研究開発管理を受け持つマイクロマシンセンター青柳専務理事からの挨拶のあと研究開発管理担当より「エネルギー・環境新技術先導プログラム」の概要や本テーマの位置付け、実施体制なの確認を行いました。
 さらに、参加メンバ全員に向け技術開発推進委員会委員長服部さま(デンソー基礎研)、研究開発責任者下山先生(東京大学教授)から本研究に関する決意表明を行い、研究員全員のベクトルを揃えました。
 本テーマは、究極の省エネや安全を可能とする未来交通システムに必要な「完全自動化」自動車の実現に向け大きな技術的ギャップを乗り越えるのに不可欠な革新的認識システムとして、
①厳密な自車位置の把握・・・・・・航空機並の高精度分子慣性ジャイロ
②人間を超えた周囲環境の把握・・・人間を超える認識力を持つ分光イメージャ
③認識アルゴリズム・・・・・・ロボティクス技術に立脚した認識アルゴリズム
の三つの未踏認識技術の可能性を確保すべく
(1)原理検証:国立大学法人東京大学
(2)実用化の見通し:一般財団法人マイクロマシンセンター
(3)実環境の評価:株式会社デンソー

P4070024

の役割分担で取り組みます。技術開発推進委員会委員長、研究開発責任者の決意表明のあと、まだスタートから1ヶ月と始まったばかりではありますが、各担当の進捗報告及び成果報告を行いました。開発期間は2年を予定していますが、着手後10か月後のステージゲート(中間評価)での中間目標を達せすべく、明確な開発計画とそれぞれの緊密な連携を図るべく進捗確認と課題の摺合せを可能とするマネジメント体制を組んでおり、第一回にもかかわらず、内容的に豊富であり、技術開発推進委員会委員長や研究開発責任者を中心として、活発な議論と指示がありました。
 その後の実施した意見交換会では、研究会ではなかなか踏み込めない本研究開発に関する忌憚のないディスカッションを行いました。
(技術開発推進室主管研究員 小池)

| | コメント (0)

新たな挑戦を続けるMEMS協議会:4月22日―24日 ナノ・マイクロビジネス展 一般財団法人マイクロマシンセンターブースにお立ち寄りください。

 既に何度もご案内しておりますが、一般財団法人マイクロマシンセンターが主催する、横浜パシフィコで4月22日(水)から24日(金)まで開催されるナノ・マイクロビジネス展が実施されます。この中で主催者として今年もマイクロマシンセンターのブースを展示会場の最も奥に出展します。

 ご存知のようにMEMSやセンサーを取り巻く環境は近年凄まじく、米国発の1兆個のセンサーが必要になると言うトリリオンセンサーの概念、ドイツ発、新製造革命と言われるセンサーを使った製造概念、インダストリ4.0と枚挙に暇がありません。私のように長年センサーに携わってきた研究者から見ると「センサーの時代がついにやってきた」と言った印象を受けます。

 このような環境の中で行う今回のナノ・マイクロビジネス展ですが、既にお伝えしているように、併設シンポジウムが何時もより更に充実しています。国際シンポジウムではチップサイズ原子時計のNIST(米国 国立計量標準研究所)のキチン氏による講演を始め、世界最高性能を狙うエネルギーハーベスト技術や、自動車完全自動運転の為の高速・高精度空間計測技術等、またモニタリング関係のプロジェクトの成果報告会、ドイツインダストリ4.0のご紹介、新生TIAのご紹介等、自信を持ってお勧め致します。

 さて、MEMS協議会ですが、今年も初心者であっても判りやすいMEMSとは何?のコーナ、MEMS協議会の活動紹介コーナ、国家プロジェクトの成果を普及させるコーナがあります。そして今年の目玉はなんといっても、MEMS協議会の最も活発な活動である産官学連携の研究会が提案した、国家プロジェクトが3件(エネルギーハーベスタ、農業・畜産モニタリング、自動運転センシング関連)が採択されたことです。この内容もポスター報告しますので是非ご覧ください。

 最後になりますが、今年もMEMSとは何?のコーナで今年は超音波センサーを展示予定です。超音波は人間の耳には聞こえない、音速を持った空気や物質の粗密波ですが、医療のみならず様々な場所で使われています。非破壊検査や機器のモニタリングの手段にもなります。手作り感タップリの電子基板からの信号を見ながら、レトロ感覚を楽しんでください。
 (MEMS協議会 三原 孝士)

Nm1

写真1 2014年の一般財団法人マイクロマシンセンターのコーナ

Nm2

写真2 2014年のMEMSとは何?のコーナ

| | コメント (0)

2015年4月 1日 (水)

EWSN2015海外出張報告

 The 12th European Conference on Wireless Sensor Networks (EWSN2015)が2015年2月9日~11日の3日間、ポルトガル、ポルトのCISTER(Research Centre in Real-Time and Embedded Computing Systems)で開催されました。(写真1:会場のCISTERのオーディトリアム壁の垂れ幕、写真2:会場の様子)

Ewsnweb

               写真1 会場のCISTERのオーディトリアム壁の垂れ幕

2web

                       写真2 会場の様子

 EWSNはヨーロッパにおける無線センサネットワークの会議で2004年にEuropean Workshop for Wireless Sensor Networks(EWSN)としてドイツのベルリンで開始され、毎年ヨーロッパの都市で開催されています。2007年のオランダ、デルフトの時に今のEuropean Conference on Wireless Sensor Networksとなりましたが、引き続き同じ略称を用いています。参加者は50名強のこぢんまりとした会議ですが、それ故に質疑応答も多く活発な議論がなされていました。EWSN2015では初日の午前にスマートシティに関するワークショップが開催され、午後から開会式、フルペーパーセッション(3件)、インダストリアルセッション(5パネラー)、レセプション、2日目の午前はキーノートスピーチ(Dr. Kamin Whitenhouse, University of Virginia)の後にフルペーパーセッション(3件)、午後にショートペーパーセッション(9件)とポスター&デモセッション(13件)、バンケットが開催されました。3日目にはキーノートスピーチ(Dr. Lothar Thiele, ETH Zurich))の後3つのフルペーパーセッション(計8件)が開催されました。フルペーパーに関しては65件の投稿で14件の採択なので採択率は21.5%と小さな会議ではありますが、かなり厳選した発表がなされる場になっているようです。また、ポスター&デモセッションの前には時間制限の1分間スピーチ(写真3:1分間スピーチを待つ発表者)があるなど小さな会議故のいろいろな工夫がなされていました。さらに、来年度はオーストリアのグラーツで2016年2月15日~17日に開催されますが、来年度より名称をThe International Conference on Embedded Wireless Systems and Networksに変更して、これまでのヨーロッパの会議から国際会議に昇格させますが、EWSNという略称はそのまま継承するとのことでした。

3web

                  写真3 1分間スピーチを待つ発表者

 フルペーパーセッションのテーマ名は、以下の通りであり、ヨーロッパの無線センサネットワークの分野では、人センシングの分野がホットな話題であることが分かりました。
(1)Services and Applications (3件)
(2)Human-centric Sensing I (3件)
(3)Mobility and Delay-tolerance (3件)
(4)Human-centric Sensing II (2件)
(5)Routing and Data Dissemination (3件)

 今回セキュアなリアルタイム性を有するセンサネットワーク技術を中心に産業的な立場から道路インフラへの適用可能技術を調査しましたので、以下に報告します。
産業的な観点という点では、EWSN2015に於いてはインダストリアルセッションが新たに設けられていました。これは学術的な観点が中心になりやすい学会において、ヨーロッパの無線センサネットワークのコミュニティは実用化を意識して活動していることを示しており、注目に値すると感じました。インダストリアルセッションではAirbus Group InnovationsのMartin Kubisch氏がコーディネータとなり、航空機、自動車、省エネビル、鉄道、人の動きに関する無線センサネットワークに関して、それぞれ産業界からAirbus Group InnovationsのMartin Kubisch氏、AVL ITS Global Research & TechnologyのPeter Priller氏、ISA Energy Efficiency のJorge Landeck氏、Ansaldo STSのFrancesco Flammini氏、KinematixのPaulo Ferreira dos Santos氏による自社の無線センサネットワークへの取組み状況の紹介の後にパネルディスカッションが行われました(写真4:インダストリアルセッションの様子、写真左から上述の発表者順)。各分野とも従来有線で繋がれていたセンサネットワークを無線センサネットワークにすることにより、センサの設置の手間、重量、ノードコスト等においてメリットはありますが、セキュリティを含めた信頼性、コスト、複数のセンサの統合、データ遅延、寿命、自立電源が実用化の上で課題であるとの共通の認識でした。今回は道路インフラのモニタリングに関しては、テーマアップされていませんでしたが、ここで上げられた課題に関しては、我々も取り組んでいるものであり、無線センサネットワークの実用化には関しては、各分野とも共通の課題があることが分かりました。未だこれら課題を有効に解決する手法は完成されている訳ではないので、対象分野は異なるものの我々の開発方針は間違っていないことが確認できました。

4web

         写真4 インダストリアルセッションの様子、写真左から上述の発表者順

 今回道路インフラモニタリングそのものに関する発表はなかったですが、ポスターセッションにおいて発表された「Development, Reconfiguration and Adaptation through Modeling and Simulation in DREAMS」( Dr. Richard Figura, Informatik und Wirtschaftsinformatik, Networked Embedded Systems Group University of Duisburg-Esse、Germany)において、橋梁モニタリングをターゲットとする図が記載されていました(写真5:ポスターと写真6:ポスターの中の橋梁の図)。発表者に確認しましたところ、ヨーロッパでは鉄道橋梁に関するモニタリングのプロジェクトであるSUSTAINABLE BRIDGESプロジェクト(http://www.sustainablebridges.net/)がFP6で実施されていたことが分かりました。また、スイスのdecentLab社において橋梁の長期構造ヘルスモニタリング(http://www.decentlab.com/structural-monitoring-0)を実施していることも分かりました。今後引き続きこれらの動向をウオッチしていきたいと思います。

5web_2

                   写真5 橋梁モニタリング関連ポスター

6web

            写真6 ポスターの中の橋梁モニタリングの図

 EWSN2015が開催されたポルトはポートワインの発祥の地で世界遺産にも指定されている古い街並みが残っています。しかしながら、その一方で街を網羅するFree-WiFi mesh netや市バスで街の環境情報を取得できるセンシングプラットフォーム等が整備されたスマートシティの一面も持っています。その市街地からドウロ(道路ではありません)川の対岸のポートワインのワインセラーが並ぶヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区へは、1886年に開通したドン・ルイス1世橋(写真7:幅8m、長さ174m)と呼ばれる吊り橋がかかっております。ドン・ルイス1世橋は2階建て構造で上層はメトロと歩行者用、下層は自動車と歩行者用になっております。この橋の前身は1806年にドウロ川に架けられた史上最初の20艘の渡し舟を連鎖させて作られた橋(ポント・ダス・バルカス橋)でしたが、1809年3月29日にナポレオンの命でフランス軍がポルトに攻め入った時に、難を逃れようと、この橋を多くの市民達が渡ったために、寄せる人々の重さに耐えきれず落橋し、多くの人々が溺れ死んだという悲劇が起ったとのことで、鎮魂のための青銅版(写真8)が橋の袂に設けられています。老朽化された橋の落橋等の悲劇が日本でも起こらないように、RIMSプロジェクトの成功を誓いたいと思います。

71web_2

                    写真7 ドン・ルイス1世橋

8web_2

           写真8 ポント・ダス・バルカス橋の悲劇鎮魂のための青銅版

                            (技術研究組合 NMEMS技術研究機構 武田宗久)

| | コメント (0)

« 2015年3月 | トップページ | 2015年5月 »