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2014年12月16日 (火)

米国のMEMS産業動向調査の報告

 米国MEMS Industry Group主催で、2014年11月6日・7日、米国アリゾナ州スコッツデールにて開催されたMEMS Executive Congressに国際交流およびMEMS産業動向調査の一環として参加しました。
 この会議は毎年この時期に開催されているもので、講演やパネルディスカッション、休憩時間等の空き時間でのインフォーマルな会話を通して、情報交換、人的なネットワークを形成するとともに、MEMS関連産業のビジネスチャンスを見つける場となっています。MEMSを中心とした研究開発そのものに関するものではなく、事業化をどう促進するかを議論していく会議であることが特徴となっています。
 昨年のカリフォルニア州ナパでの開催に続き、今回はアリゾナのリゾート地のスコッツデールを会場として企業間を中心とした交流の場として盛り上がりました。
 参加者は欧米を中心に、300名近くの方が参加されていました。日本からはオムロン株式会社マイクロデバイス事業本部長の関口氏とマイクロマシンセンターから私の2名のみの参加ということで、海外MEMS産業の元気さとは裏腹に日本のMEMS産業の寂しさを感じた次第です。
 会場に前日夕刻に到着すると早速交流会が始まっていました。講演会場の様子からも日本人が少ないことが伺えるかと思います。参加者はMEMS企業、装置企業以外にもアップルはじめMEMSを活用する企業、各国の研究機関、そして調査会社、ジャーナル紙などのMEMSを取りまく様々な関係者が参加されていました。講演は成長続けるMEMS産業の次の展開について、ウェアラブルセンサ、スマートホーム、スマートカー、スマートシティーなどいたるところにセンサが付けられてくるトリリオンセンサ社会、IoT社会に関する議論が多く、ますますビジネスのコラボレーションが重要になってくるといった話題が多くありました。

 6日の晩にはホテル内でバーベキューパーティが開催され、2次会も併せて企業間を中心に大変盛り上がっていました。日本企業は置いてきぼりになっているのではという心配が頭をよぎった次第です。

 この後、コロラド州のボルダーに移動しました。日曜は終日予定が入っていませんでしたので訪問先の場所確認を含めてホテルの自転車を借りてボルダーの周辺を散策しました。日本より寒いと聞いていたにも関わらず15℃以上の快適な気候で天気もよく、コロラド大学やロッキー山脈につながる山々がきれいに見えました。

 月曜になると気候は一転して氷点下の雪の中NISTに訪問しました。NISTへの訪問はチップスケール原子時計(CSAC)のセンサネットワークへの適用可能性などの意見・情報交換を行うことを目的としてCSACの生みの親であるキッチン博士と面談しました。実験室にも案内いただき親切丁寧に3時間以上もお付き合いを頂き多くの情報を得ることができました。

 また、火曜には移動前にコロラド大学に訪問し、次のモバイル機器への搭載が期待されているマイクロボロメータ、および液体レンズを用いたオートフォーカスについて技術紹介をいただきました。私からは、MMCの取り組み、とりわけグリーンセンサネットワークプロジェクトと社会インフラモニタリングの現行プロジェクトを紹介しました。ビクター教授をはじめ皆さん実験室にも紹介いただき、外は寒い中でしたがとても楽しく意見交換をさせていただきました。

 この後、トリリオンセンササミット(T-Sensors Summit)に参加するためにカリフォルニア州のラ・ホーヤに移動しました。こちらは上述のMEMS Executive Congressとは異なり約200名の参加者のうち日本からは20名近く参加されていました。また、会議の雰囲気も意見交換というより講演が中心となる会議であり学会に近いプログラムでした。一方で、内容については今後センサがさらに飛躍的に増えるトリリオンセンサ社会に向けて、ヘルスケア、自動車、農業・畜産といった使う側からの話もあれば、センサに関する新しい革新技術もあり、ビジネスに近いところ、そうでないところ交えて盛りだくさんな内容でした。また、初日の晩には交流会が開催されMEMS Executive Congressと同様に意見交換が盛んでした。私は12月に開催されたT-Sensors Summitでも聴講する機会がありました。米国での内容と同様のプログラム構成ではあるものの、日本での開催とあってエレクトレットの振動発電ロードマップや道路インフラモニタリングの取り組み等の特徴ある講演を多く聞くことができました。

 今回、MEMS Executive Congress、およびT-Sensors Summitに参加して感じたことですが、どちらも、トリリオンセンサ社会、IoT社会等の産業成長に関する情報収集に適した場であると思います。特にMEMS Executive Congressはビジネスに力点をおいており、センサネットワークの急速な発展に向けて、日本でのMEMS産業の課題、今後のグローバル連携等について考える良い機会と思います。関係各位も参加されることをお勧めします。

 <産業交流部 今本>

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