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2014年12月

2014年12月24日 (水)

IEEE SENSORS 2014参加報告

NEDO「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト/インフラ状態モニタリング用センサシステム開発/道路インフラ状態モニタリング用センサシステムの研究開発」における「フレキシブル面パターンセンサによる橋梁センシングシステムの開発」に関する研究動向調査として、スペイン・バレンシアで開催されたIEEE SENSORS 2014に出席した。

IEEE SENSORSは、2002年に始まった比較的若い国際会議で今回は13回目となる。米国→ヨーロッパ→アジアの順で開催地が巡回するのは、IEEE MEMSなどと同様だが、我が国からの参加者は開催国スペインやアメリカについで多いにもかかわらず、未だ日本での開催実績が無いというのは不思議と言えば不思議である。今回は、最終プログラム記載の参加者が650名ということなので、規模的にはそれなりに大きな学会と言えよう。センサと言っても千差万別なので、決してすべてを網羅しているわけではないし、MEMS会議とも重なるところはあるが、センサネットワーク、IoTやウェアラブル、フレキシブルセンサは比較的早くから他の学会に先駆けて積極的にとりあげてきた学会という印象を持っている。また、今回は例年に比べて少し少なかったようにも感じるが、実証的な研究開発の発表件数や企業からの発表がMEMS会議などと比べて比較的多いのも特徴だろう。

ところで、バレンシアと言えば、短絡的ではあるが(というか古い!)、オレンジの町、明るい地中海の町というイメージである。基本的に開催期間は概ね天気にも恵まれたが、海岸がにぎわう季節ではない(完全にオフシーズン)ので、イメージしていたよりは落ち着いた街との印象である。また会議場は、2010年に世界ベスト会議場に選ばれたところだそうだが、町の中心部からは少し離れたところなので、より一層落ち着いて(?)会議に参加できた。

Keynoteは、”THE SENSABLE CITY”(Calro Ratti, MIT)、”GRAPHENE SENSORS IN THE EUROPEAN GRAPHENE FLAGSHIP”(Herre van der Zant、Delft工科大学)、”COMMUNICATION WITH CELLS BY ELECTRICITY AND LIGHT – IMPLANTABLE MICROELECTRONICS DEVICES”(Jun Ohta、奈良先端大)の3件で、セッションと各々の発表件数は以下の表の通りである。


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以下いくつかの関連発表を簡単に紹介する。

①(Session: ENABLING TECHNOLOGIES)「AN ACCELEROMETER DIGITAL FRONT END FOR EFFICIENT SEISMIC EVENT DETECTION SUPPORT IN A WIRELESS SENSOR NODE」(イタリア・Università degli Studi dell'Aquila) :MEMS加速度センサで地震検出するためのデジタルフロントエンドに関する発表である。Walsh変換を用いることにポイントがあるようである。本プロジェクトでも必須項目の一つである突発事象検出に参考になるかもしれない。なお、実証場所の、S. Maria di Collemaggio教会は有名な建造物らしい。

②(Session: MEDICAL FORCE SENSORS)「A MULTIPOINT THIN FILM POLYMER PRESSURE/FORCE SENSOR TO VISUALIZE TRADITIONAL MEDICINE PALPATIONS」(富士通研究所):シート上にポリプロピレンを電極で挟んだドット型の構造をアレイ状に並べた圧力/力センサアレイである。ポリプロピレンは圧電材料ではないが、ほぼ圧電材料に匹敵する出力が得られるとのことである。特別な材料やプロセスを必要としないため、低コスト製造、大面積化にも向いていると思われる。面パターンセンシングでも活用を考えるべきかもしれない。

③(Session: MEDICAL FORCE SENSORS)「A FLEXIBLE SKIN PILOERECTION MONITORING SENSOR」(韓国KAIST):皮膚の起毛を検出するセンサとのことであるが,製造方法に関し、導電性のポリマー電極パターンをシート内に形成する手法として参考にできるかもしれない。

④(Session: MEDICAL FORCE SENSORS)「FLEXIBLE 3-AXES CAPACITIVE PRESSURE SENSOR ARRAY FOR MEDICAL APPLICATIONS」(フランス・パリ南大学):タイトルの通り、フレキシブルシート状の静電容量型の3軸圧力センサアレイであるが、PDMS膜に印加される応力を静電容量で検出する方式であるので、構造物に貼って面パターンセンサとして動作させることも可能なはずであるが、性能については検討が必要である。

⑤(Session: MEDICAL FORCE SENSORS)「CONFORMABLE TACTILE SENSING USING SCREEN PRINTED P(VDF-TRFE) AND MWCNT-PDMS COMPOSITES」(イタリア・Fondazione Bruno Kessler他):シート状に、スクリーン印刷で、PVDF圧電センサアレイあるいはCNTを使ったひずみ抵抗効果センサアレイをそれぞれ形成したものである。スクリーン印刷を活用する点などで本プロジェクトの面パターンセンシングでも参考にすべきである。触覚センサとしては動作するようであるが、今回面パターンセンシングで目指す性能を持たせることができるかどうかは調査が必要である。

⑥(Session: SAFETY AND SECURITY APPLICATIONS I)「APPLICATION OF MEMS TO MONITORING SYSTEM FOR NATURAL DISASTER REDUCTION」(京都大学他):市販のMEMS加速度センサを用いて斜面の傾き検出を行った実証実験結果の報告である。市販のセンサでもあらかじめ測定した温度特性を用いて補正すれば、傾き精度0.01度が得られるとしている。実験現場はなぜか国内ではなく、台湾とのことであったが、(途中2ヶ月間のデータ欠損がなぜかあったが?)1年以上の実証実験の結果が示されていた。

⑦(Session: SPECIAL SESSION: BATTERY-LESS RF-ENABLED SENSORS FOR WIRELESS SENSOR NETWORKS)「BATTERY-FREE WIRELESS SENSORS FOR INDUSTRIAL APPLICATIONS BASED ON UHF RFID TECHNOLOGY」(スペイン・Farsens SL他):RF-ID技術を無線センサへ応用するためには、センサインターフェースの充実をはかる必要があるという主張であり、1.5 mほどの距離からの温度・圧力の無線モニタリングの実証結果についても報告されていた。インフラモニタリングにおいても、太陽電池などの電源および処理回路等とシートセンサ端末を切り離すことを検討しても良いかもしれない。

⑧(Session: SPECIAL SESSION: BATTERY-LESS RF-ENABLED SENSORS FOR WIRELESS SENSOR NETWORKS)「MULTI-BAND SIMULTANEOUS INDUCTIVE WIRELESS POWER AND DATA TRANSMISSION(ドイツ・フラウンフォファーIIS):構造物モニタリング用のFBG(Fiber Bragg Grating)センサに関するものであるが、埋め込みのために、RF-ID(コイル給電・データ読み取り)技術を用いている。受電電力は、距離5cmで3.3Wとのことである。

⑨(Session: MATERIALS AND PROCESSES)「A POST PROCESSING APPROACH FOR MANUFACTURING HIGH-DENSITY STRETCHABLE SENSOR ARRAYS」(オランダ・デルフト大学他):センサの材料等は異なるが、センサアレイの転写方法で、SOIウェハを用いること、Siの裏面バルクエッチング(DRIE)を用いているという点で、面パターンで検討しているプロセスと似ているところがある。センサ間の配線もうまく転写できており、参考にしたい報告である。

⑩(Session: TACTILE/FORCE SENSORS)「DEVELOPMENT OF A LASER MICRO-MACHINED INTERDIGITATED CAPACITIVE STRAIN SENSOR FOR STRUCTURAL HEALTH MONITORING APPLICATIONS」(アメリカ・テキサス大学アーリントン校他):プレゼンでは橋梁のモニタリングを対象にしているというイントロがなされたが、内容はレーザー加工を使った低コストな櫛歯型静電容量ひずみセンサに関するものであった。35m無線通信可能なセンサ端末もつくったとしており、全体の内容としては最もプロジェクト内容に合致したものである。ただ、ひずみは、0.1 %レベルの大きなひずみを想定しており、より高精度のひずみ計測に使える技術であるかどうかはわからない。

なお次回の会議は、2015年11月1−4日の日程で、韓国・釜山で開催される予定である。


以上(伊藤寿浩)

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2014年12月22日 (月)

EWGAE2014参加報告(2)

概要:

EWGAE(Conference of the European Working Group on Acoustic Emission)は、AE(Acoustic Emission)に関する科学的、技術的な発展に関する情報交換を行うことを目的に2年に一度開催される国際会議である。本年は、ドイツ非破壊検査協会(DGZfP)とドイツ連邦材料試験研究所(BAM)の共催で開催された。ヨーロッパ、米国を中心に、数多くのAE関係者が参加する会議であり、AEの情報を収集するためには最適な国際会議である。本出張では、EWGAEの各種講演を聴講し、構造解析、破壊力学、構造ヘルスモニタリング等の機械・構造的な観点からAEに関する情報収集を行った。以下、機械・構造に関連するセッションを聴講した中で、いくつかの発表について紹介する。

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開催地ドレスデンの市街地

(1)Corrosion Evaluation of Glass Fiber Reinforced Plastic (GFRP) Tanks & Pressure Vessels Using Acoustic Emission Technology(Technip, Compiegne, France)
GFRP製臭素タンクの腐食をAE法により検出する手法についての内容。パッシブモニタリング(稼働時測定)で腐食箇所を検出し、タンク内部の圧力を増したプルーフテストで、腐食箇所が検出できるAEが発生していても供用には問題がないことを確認している。テスト後にタンクを分解し、AEによる検出部位に腐食を発見したとのこと。腐食のような化学反応によって引き起こされた構造劣化についても、AEによるモニタリング、検出ができる実例として有用である。

(2)The Acoustic Emission Monitoring System of Aboveground Storage Tanks(Cracow University of Technology, Poland)
AEセンサによって地上オイルタンクのリークと腐食を判別するために、両者を判別する閾値を得るための手法を紹介した内容。リークについては、リークシミュレーターをタンク底面に設置して様々な条件のリークによるAEを検出・データ蓄積している。腐食については、1年間継続してタンクのAEを測定し、腐食によるAEのデータを取得している。得られた蓄積データを元に、リークと腐食を検出できるモニタリングシステムを構築したとある。リーク音も機械的観点からは音響放射の一種であり、AEセンサによる構造モニタリングの適用分野であることが知見として得られた。

(3)Observation and Analysis of Fracture Processes in Concrete with Acoustic Emission (AE) and Digital Image Correlation (DIC) (Technical University of Denmark, Kgs. Lyngby, Denmark)
コンクリートのCT(コンパクトテンション)試験片に対して、繰り返し負荷を与えてき裂を進展させ、同時にAEによる発生位置標定とDIC(Digital Image Correlation、デジタル画像相関)を取得することにより、AE発生位置とき裂との関係を明らかにした内容。き裂の進展経路とAEの発生位置は傾向が良く一致しており、コンクリートの損傷を捉えるためにAEを用いることは合理的であることが伺える。本発表以外にも、AEとDICの両方を用いてき裂経路とAEの関係を調査している発表が複数あり、構造劣化とAEを相関づける分析手法として広まりつつあることが伺える。インフラ構造物でも、画像診断と組み合わせることで、き裂のアクティブ性をより明確に診断できる可能性があると感じた。

(4) Real Time & Long Term Acoustic Emission Monitoring: A New Way to Use Acoustic Emission - Application to Hydroelectric Penstocks and Paper Machine (EDF, Grenoble, France)
水力発電所の導水管と紙工場のロール機に対してAEセンサによる長期モニタリングを実施した内容。AEセンサは見方を変えれば超高感度の超音波帯域弾性波センサであり、その用途は必ずしもき裂発生時のAEを捉えるだけのものとは限らない。異常発生時に構造物の発する超音波帯の振動を広義のAEと捉えて、その兆候を継続モニタリングすることにより、異常診断に活用することができる。本発表では、導水管を締結する金属製フープ20本それぞれにAEセンサを取り付け、27か月間の連続モニタリングを実施したとのこと。連続モニタリングの結果から、フープによってAEの発生状況が異なり、負荷の大きいフープにAEが発生していることが確認されたとのこと。また、紙工場のロールについても、軸受けから発生するAEを捉えて、同じように傾向分析ができるとしている。産業用の応用についても、モニタリングの需要は多々存在する好例である。

所管:

全体的な学会の傾向としては、実験室・試験片でのAE法の新規データ処理方法など、AEの適用法を検証する大学の発表が多かった。発表を分野ごとに分類すると、概ね、土木・機械構造物のAEを用いた診断の内容が30%程度、AEに関する信号処理・可視化に関する内容が30%程度、AEによる異常モニタリンに関する内容が10%程度、その他10%程度の発表構成であった。社会インフラ分野への構造モニタリング適用事例は、タンク・圧力容器などの定期点検を代用する事例が複数見られた。

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EWGAE 発表分野構成

基礎的な理論については概ね完成されているものの、そこに新たな視点で画像相関やウェーブレット等の分析手法を適用して新規性を訴求している。聴講した範囲では、M2M(Machine to Machine)・センサネットワークなどとAEを組み合わせた内容は事例が少なく、まだまだこれからの段階のように感じた。本報告で紹介したような、常時モニタリングを意識した構造モニタリング・産業応用としてのAEは、発展の余地が大いにあると推察される。

(NMEMS組合 大森 隆広)

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グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト最終成果報告会(H27.2.26)開催のご案内

NMEMS技術研究機構及び()新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、共同研究事業 グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト(平成23年度~平成26年度)の最終成果報告会を、平成27226日、国立科学博物館 日本館2階講堂にて開催致します。さらに、報告会終了後にポスターセッション/意見交換会を国立科学博物館 レストラン「ムーセイオン」で開催致します。

 

 報告会、ポスターセッション/意見交換会は下記の通り開催を予定しております。

なお、詳しいプログラムのご案内は、平成271月初旬頃を予定しておりますので、グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクトのHP(新着情報欄)をご確認いただきますようお願い申しあげます。http://www.nmems.or.jp/gsnpj/#whatsnew

また、会場の制約により参加申し込みは抽選とさせていただく場合がありますので、ご了承ください。 

 

日時 平成27年2月26日() 午前10時~19時15分

会場 国立科学博物館 日本館2階講堂及びレストラン「ムーセイオン」

内容 

 1. 成果報告会(10001730) (参加費無料)

 (1)特別講演:安全・安心・快適な社会に資する統合的センシング技術の現状と課題

 特定非営利活動法人ウェアラブル環境情報ネット推進機構 理事長/東京大学名誉教授  板生 清

 (2)省エネに寄与するグリーンセン・サネットワークシステムの構築と実証実験

 (3)小型・低消費電力を実現するグリーンMEMSセンサの開発

 (4)グリーンMEMSセンサ端末・ネットワークシステムを実現する共通基盤技術

 2. ポスターセッション/意見交換会(17451915) (有料)

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2014年12月18日 (木)

【平成26年12月の経済報告】 

本項は、マイクロマシン/MEMSを取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 年末、平成26年12月の経済報告をお届けします。
 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

「2014.12.pdf」をダウンロード

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PowerMEMS2014参加報告

The 14th International Conference on Micro and Nanotechnology for Power Generation and Energy Conversion Applications (PowerMEMS2014)が2014年11月19日~21日の3日間、淡路夢舞台国際会議場で開催されました(写真1:国際会議場、写真2:エントランス看板、写真3:前中委員長(兵庫大学)の開会挨拶の様子)。

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                  写真1 会場の淡路夢舞台国際会議場

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                       写真2 エントランス看板

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                      写真4 前中い印象開会挨拶の様子

PowerMEMS2014は発電とエネルギー変換のためのマイクロ、ナノ分野の国際会議で、基礎研究から応用研究までの最新の研究発表が行われました。172の投稿から選ばれた133の論文と6つのLate-news論文から選ばれた1つの論文の計134論文が16のオーラルセッション(64論文)と2つのポスターセッション(70論文)で発表されました。各日とも招待講演の後に2トラックでオーラルセッションが開催され、初日と2日目の午後にポスターセッション(写真4:ポスターセッションの様子)が開催されました。参加者は21カ国から182人(1位:日本77人、2位:英国15人、3位:独国14人、米国14人)が集まり活発な議論が行われておりました。以下3件の招待講演と全体の動向について報告致します。

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                     写真4 ポスターセッションの様子

初日の招待講演は当初予定していたGeorgia Institute of TechnologyのProf. Manos M. Tentzerisが急遽政府の重要な仕事で参加できなくなったため、Prof. Tentzerisと共同研究をしている東京大学大学院情報理工学研究科の川原圭博准教授が「Internet of “printed” Things」(当初の題は「Inkjet-Printed Nanotechnology-enabled RFID, Internet of Things and “Zero-Power” Wireless Sensor Nodes」)の題で代わりに講演をされました。川原先生の講演はナノ銀粒子インクを使ってインクジェットプリンタで紙やフィルム上に回路を形成したFlexible Inkjet-Printed Electronicsの紹介で、その技術で製作したアンテナで環境電波から集電するエネルギーハーベスタと湿度センサを組み合わせたスマート灌漑システム等の紹介がありました。ナノ銀粒子は焼結プロセスなしで回路を形成できるため、紙やフィルム等への回路形成が容易にできる技術であり、フレキシブルエレクトロニクスの新技術として興味あるものでした。また、インクジェットプリンタを使わなくてもナノ銀インクのペンで紙に回路を書いたり、または消しペンで書いた線を消したりすることもでき、非常に面白い技術であると思いました(写真5:講演終了後、紙にナノ銀ペンで書いた回路でLEDを点灯させているデモの様子)。

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                 写真5 川原先生ご講演後のデモの様子

2日目の招待公演は東京都市大学の三木千壽副学長が「Can Sensors Solve the Deterioration Problems of Public Infrastructure?」と題して講演をされました。社会インフラ老朽化の事例紹介、三木先生がこれまで実施されてこられた橋のヘルスモニタリングの研究内容等が詳しく紹介されました。この中で、社会インフラのモニタリングでは3W1H(何を、どこに、いつ、どのように付けるか)が重要であることを力説されていました。

3日目の招待講演はNiPS Laboratory, Università di Perugia, ItalyのProf. Luca Gammaitoniが「Energy Conversion at Micro and Nanoscale」と題して講演をされました。Prof. Luca Gammaitoniはマイクロ・ナノスケールではマクロの熱力学のエネルギー平衡とは異なることが起こるので、これに注目して、マイクロ・ナノ情報通信デバイスを考える必要があることを数学的に説明されていました。

冒頭述べましたように、本会議では以下の16のオーラルセッション(括弧内はセッションでの発表件数)が開かれました。
①W1M:RF Energy Transfer(4)
②W1R:Fuel Cell & Batteries(4)
③W2M:Electrostatic Energy Harvesting(4)
④W2R:Thermal Energy Harvesting(4)
⑤W3M:Engineered Material for Energy Harvesting(4)
⑥W3R:Energy Storage(4)
⑦W4M:Electret Energy Harvesting,(4)
⑧W4R:Micro Thermal Devices(4)
⑨T1M:Industrial Applications of Energy Harvesting(4)
⑩T1R:Microscale Combustion-I(4)
⑪F1M:Wideband Vibration Energy Harvesting-I(4)
⑫F1R:Microscale Combustion-II(4)
⑬F2M:Wideband Vibration Energy Harvesting-II(4)
⑭F2R:Power Electronics for Miniature Energy Conversion(4)
⑮F3M:Piezoelectric Energy Harvesting(4)
⑯F3R:Magnetic Devices(4)

今回の会議では、自立電源の方式として、代表的な圧電、静電、電磁、熱電の他に、燃焼、燃料電池、蓄電、RF給電等幅広い自立発電の手法が議論されていました。ポスターセッションも含めた全論文の分野別発表件数を図1に示します。図1より、方式としては圧電方式が最も多く、その次に静電気の発電効率を大幅に向上できるエレクトレットを含めた静電、電磁、熱電の順に多いことがわかります。静電発電ではエレクトレットを中心にかなり理論的にも詰められてきて、数百μWの発電が可能になってきており、オムロンから製品発表もされ、実用化のフェーズに入ってきたように感じました。社会インフラのセンサネットワークシステムをはじめとして、あらゆる場面で物がネットワークに繋がるInternet of Thingsが進展するにつれ、他の方式も含め、今後環境エネルギーを活用した自立電源の必要性は益々重要になってくると思われますので、PowerMEMSの分野は今後ともウオッチをしていく必要があると感じました。

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                     図1 発表論文の分野別分類

閉会式では、優秀論文の表彰のあと、参加者全員の記念撮影が行われ、米国ボストンで12月1日~4日に開催予定の次回のPowerMEMS2015(http://www.powermems2015.org/)での再会を約束して閉会されました。

(技術研究組合 NMEMS技術研究機構 武田宗久)

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2014年12月17日 (水)

2014年度 ナノマイクロ領域での欧州産業技術調査(その2:セミコンヨーロッパ2014および国際MEMS/MST産業化フォーラム)

 2014年10月6日から9日まで、フランス・グルノーブルで開催されたセミコンユーロに参加しました。昨年まで過去数年間はドイツのドレスデンで開催されていましたが、今年からグルノーブルとドレスデンで隔年、持ち回りで開催されるとアナウンスがありました。グルノーブルはフランスアルプスの最南端にあたる山々に囲まれた天空のお城と路面電車でおなじみの古都です。ナノマイクロの関係者のとっては欧州を代表する研究所であるCEA-LETIの本拠地でもあって、多くの方は馴染みが深いと思います。この有名な都市の割には交通が結構不便で、グルノーブルに空港はあるものの、通常は北西にあるリヨンから電車、或いは高速バスで移動します。写真にもありますように意外にもリヨンへの旅客機は比較的小型のジェット機でした。単にローマからリヨンまでの便が小型機だったのかと思いましたがリヨン空港に並んでいる航空機は皆小型機で、なんだか親しみを持てる印象です。リヨン空港からグルノーブルまでは高速バスが一般的なようで1時間に1本以上の割合で出ています。グルノーブルに近くなると固有のメサ型の山が見えてきます。メサは半導体やMEMSでは馴染みのある構造なので、これもまた親近感を感じます。セミコンユーロの会場は、イゼール河のほとりのグルノーブルの古都、ダウンタウンから南に5km程度離れたALPEXPOと言う展示会場で開催されました。ALPと言う名前を冠しているのでどんなに美しい山々を望めるかと期待していたのですが、写真にあるようにちょっと期待外れでした。会期中は天気が悪かったので晴天時にはもっと遠方の美しいアルプスが見えたのかも知れません。

 昨年も同じイベントに参加しましたが、併設されている「国際MEMS/MST産業化フォーラム」は、世界有数の企業や専門企業、および産業技術を主体とする研究所から最先端のデバイス、MEMSを支える最先端の装置や材料技術、世界中のMEMS産業動向調査等が発表され、2日間で全容を理解できるフォーラムであって、私の知る限り(全世界を見渡しても)最も充実しているものと思います。

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写真1. 開催地のグルノーブル近隣のリヨン空港、小型旅客機

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写真2. グルノーブルに近いことを知らせるメサ形状の山々

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写真3. セミコンユーロの開催会場 ALPEXPO

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写真4. 会場から見えるフランスアルプス

 最初に「国際MEMS/MST産業化フォーラム」を報告します。このフォーラムはセミコンユーロ前日の6日と7日の2日間で開催され、20件の講演がありました。

 キーノート講演が最初に2件ありました。まずSEMIのHeinz Kundert氏から, MEMS産業の全体概要の講演です。引き続き高い伸び率でMEMS産業が推移していることを強調されていました。2件目は、直近のMEMSの売り上げがSTマイクロを抜いてBoschなったことを反映してと思いますが、Bosch SensortecのJeanne Forget氏からThe future of MEMS sensors in our Connected Worldと言う演題でした。自動車用MEMSからスタートしたBoschらしく、MEMSの産業推移を第一波が自動車、第二波はコンシューマシステム、そして第三の波はIOTとのことです。またIOTの前にウェアラブル機器が一般的になって沢山のMEMSが利用されると言う展開です。Boschのお得意の集積化モーションセンサーの展開が講演のかなりを占めていましたが、最後に環境センサとして湿度センサーの紹介がありました。1.8V-15μAの低パワーで、1秒の高速応答、しかも3%の精度を確保できると言う優れた性能です。技術的なことには殆ど触れていませんが、写真を見る限りポリマーを用いた静電検出と思われます。お得意の周辺回路を別のチップに作ってハイブリッド構成にしています。集積化センサー技術を知り尽くした専門企業が本気で作った自信作と言えます。

 6件目は、Fingerprint Cards 社のJan Johannesson氏です。これは最新のiPhoneに搭載されている指紋センサーの紹介でした。Fingerprint Cards 社は1997年にスウェーデンの生体認証に特化して創立された企業で、15年以上のタッチセンサーの技術を磨いています。指紋検出は、光学式や超音波式がこれまで多用されてきましたが高価であるとの課題がありましたが、静電容量方式にすることで大幅なコストダウンと大量生産を可能にしたとのことです。

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写真5. MEMS産業化フォーラムの会場

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写真6. チェアのBosh Senontec のLammel氏

 9番目の講演は東北大学の田中先生から、高速通信バスと触覚センサーの集積化の発表です。センサー部はMEMS技術による圧力センサで、個々のセンサーモジュールは薄膜CMOS基板の上にMEMSセンサーを積層した実装となっています。個々のセンサーモジュールに通信プロトコルを含む信号処理回路が含まれ、45MHzのクロックを用いて高速の通信を行うと同時に256個のセンサー信号を高速に検出・送信できる能力があります。

 10番目の講演はNasiri VenturesのSteve Nasiri氏によるMEMSベンチャーに関する講演です。Steve Nasiri氏はInvenSenseの創立者であり、ご自身で6個のベンチャーを立ち上げた強者です。今回の講演は「InvenSenseをどうやって成長させたか」でした。2003年に設立して約10年でSTマイクロやBoschと常に競合しながら売上を増やしています。成長は年率約50%です。InvenSenseは技術的には、CMOSウェハーにMEMSセンサーウェハを直接接合する他社よりも、明らかにチップサイズを小型化可能な技術で競争に打ち勝ってきたとのことです。

 12番目の講演はAlissa Fitzgerald氏で、ご自身の名前を持つAMFitzgerald社ですが、一般財団法人マイクロマシンセンターにも一度訪問されて、米国の大学の施設を用いて安価な研究開発受託サービスをされていました。今回はRocketMEMSと言う概念で、今まで18ヶ月かかっていたMEMS開発を4-5 ヶ月に飛躍的に開発期間を短縮する仕組みの紹介です。その仕組みは、センサーの仕様や性能を物理モデル化して、設計時に性能を精密に予測できるようにしたこと、標準化可能なプラットフォームやプロセスをレディメードにしたことです。最先端の設計理論や仕組むを駆使する所が米国の研究者発ベンチャーらしい取り組みです。

 17番目はオーストリア大:Alexander Nemecek氏による、マイクロホットプレートを用いた集積化ガスセンサーです。CMOS基板上に周辺回路とガスセンサー用のマイクロホットプレートを集積化するもので、大学の研究としては完成度の高いものです。このようなスマートガスセンサーは大手のセンサーデバイス企業が製品化を考えていて、質問が大変活発でした。

 最後にMEMSマーケット予測では、MEMS分野の二大調査会社であるiSuppliとYole Developmentから発表がありました。この「国際MEMS/MST産業化フォーラム」の特徴は、産業化のセミナーとして産業動向・産業技術の最新情報に加えて参加者が特に興味を持ちそうなテーマを挙げ、世界中から発表者を贅沢に集めていること、大学からの講演は少なく、殆どは企業や、産業技術に特化した研究所からの発表である点です。

S7 写真7.セミコンユーロの展示会場

 次に「セミコンユーロ」展示会です。規模としては昨年と同規模ですが、半導体関連製造装置メーカからIMECやフラウンホーファー研究所、LETIのような半導体を含めた国際連携を強力に押し進めている研究機関の広い展示面積があること、更にMEMSを中心に欧州の産業の活況、また印刷電子機器と言った新規な取り組み等の話題性は昨年と同様、多いと感じました。出展者としては、半導体やMEMS、電子デバイスの製造装置メーカ、半導体センサーやMEMS、パワー半導体、三次元実装関連の研究所や企業とバランスの良い展示がされていたと感じています。 日本の展示会と異なるのは、非常に多いベンチャー、専門企業の活力が高いこと、地域性を前面に出して地域単位で展示していることです。 引き続き欧州でのマイクロナノ分野は有望であると感じました。

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写真8. 過去の展示コーナ並べられた懐かしいタイピュータ、テープ読み取り機

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写真9. 日本製の観察顕微鏡

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写真10. イノベーションビレッジと言うベンチャーコーナ

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写真11. WiFiやZigBeeの発明者Cees Links氏

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写真12. トヨタのパーソナルモビィティ

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写真13. このパーソナルモビィティの後部座席に乗せて貰いました。

 今回の展示で新しいと感じたことは、3つあります。最初はイノベーションビレッジと言うベンチャーコーナです。このコーナには30近いベンチャーが展示をしていました。またこのベンチャーが5分程度の告知を行うエレベータピッチセミナーも同時開催されて最新のスタートアップの状況を見ることが出来ました。私の専門であるMEMSカンチレバーを用いた化学センサーのベンチャー企業もそこで巡り合い、LETIを訪問した時に企業訪問を行う約束を取り付けました。何故か?アイデアだけで出展・発表しているベンチャーもありましたが、欧州らしいと思いました。第二は過去の半導体製造装置やコンピュータの展示コーナです。ここでは4インチの研究開発・生産の世代の蒸着装置やウェハーが展示され懐かしさ一杯です。私が学生時代に使ったコンピュータ読み取り紙テープを作成するタイピュータは本当に懐かしいものでした。第三はトヨタのパーソナルモビリテイ(TOYOTA i-ROAD)の実演展示でした。会場の一部をグルグル旋回するこの小型車は、一人乗りですが、転ばない電動バイクと言った感じです。載せて欲しいと懇願しましたが、流石にそれは駄目で、後部の荷物置き場に乗せて貰って、その感覚を楽しむことが出来ました。バイクと同じで狭いですが後部に乗ることはOKのようです。

 最後のトピックスは、セミナーでWiFiやZigBeeの発明者であるCees Links氏に逢うことが出来たことです。今ではその恩恵を受けることがない人はいない、ぐらいWiFiは有名ですが、ルーセントテクノロジーに在籍していた当時は、開発しても殆ど用途はなく、Apple社がコンピュータに搭載して爆発的に広がったようです。ZigBeeはWiFiの信頼性を引き継ぎながらセンサーネットワーク用に超低消費電力を達成した無線システムです。このZigBeeは秋葉原の電子工作屋で購入できる数少ない高度な無線モジュールですが、私も最近使い始めてその性能や信頼性に感動しているこの頃です。このZigBeeの大ファンであることを告げて写真を撮らせて貰いましたが、一緒の写真を撮れなかったことを今も後悔しています。

 このナノマイクロ領域での欧州産業技術調査(セミコンヨーロッパ2014および国際MEMS/MST産業化フォーラム)と欧州の研究所の訪問、ブラジルで開催されたマイクロマシンサミット、幾つかの都市で開催されたトリリオンサミット、米国MIGコンファレンス、国際標準活動等の海外産業技術調査の報告会は、2014年度も来年の年明けすぐ、1月13日(金)に一般財団法人マイクロマシンセンター7F、テクロサロンにて開催予定です。交流会もありますので沢山の方々のご参加を期待しています。(MEMS協議会 三原孝士)

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2014年12月16日 (火)

米国のMEMS産業動向調査の報告

 米国MEMS Industry Group主催で、2014年11月6日・7日、米国アリゾナ州スコッツデールにて開催されたMEMS Executive Congressに国際交流およびMEMS産業動向調査の一環として参加しました。
 この会議は毎年この時期に開催されているもので、講演やパネルディスカッション、休憩時間等の空き時間でのインフォーマルな会話を通して、情報交換、人的なネットワークを形成するとともに、MEMS関連産業のビジネスチャンスを見つける場となっています。MEMSを中心とした研究開発そのものに関するものではなく、事業化をどう促進するかを議論していく会議であることが特徴となっています。
 昨年のカリフォルニア州ナパでの開催に続き、今回はアリゾナのリゾート地のスコッツデールを会場として企業間を中心とした交流の場として盛り上がりました。
 参加者は欧米を中心に、300名近くの方が参加されていました。日本からはオムロン株式会社マイクロデバイス事業本部長の関口氏とマイクロマシンセンターから私の2名のみの参加ということで、海外MEMS産業の元気さとは裏腹に日本のMEMS産業の寂しさを感じた次第です。
 会場に前日夕刻に到着すると早速交流会が始まっていました。講演会場の様子からも日本人が少ないことが伺えるかと思います。参加者はMEMS企業、装置企業以外にもアップルはじめMEMSを活用する企業、各国の研究機関、そして調査会社、ジャーナル紙などのMEMSを取りまく様々な関係者が参加されていました。講演は成長続けるMEMS産業の次の展開について、ウェアラブルセンサ、スマートホーム、スマートカー、スマートシティーなどいたるところにセンサが付けられてくるトリリオンセンサ社会、IoT社会に関する議論が多く、ますますビジネスのコラボレーションが重要になってくるといった話題が多くありました。

 6日の晩にはホテル内でバーベキューパーティが開催され、2次会も併せて企業間を中心に大変盛り上がっていました。日本企業は置いてきぼりになっているのではという心配が頭をよぎった次第です。

 この後、コロラド州のボルダーに移動しました。日曜は終日予定が入っていませんでしたので訪問先の場所確認を含めてホテルの自転車を借りてボルダーの周辺を散策しました。日本より寒いと聞いていたにも関わらず15℃以上の快適な気候で天気もよく、コロラド大学やロッキー山脈につながる山々がきれいに見えました。

 月曜になると気候は一転して氷点下の雪の中NISTに訪問しました。NISTへの訪問はチップスケール原子時計(CSAC)のセンサネットワークへの適用可能性などの意見・情報交換を行うことを目的としてCSACの生みの親であるキッチン博士と面談しました。実験室にも案内いただき親切丁寧に3時間以上もお付き合いを頂き多くの情報を得ることができました。

 また、火曜には移動前にコロラド大学に訪問し、次のモバイル機器への搭載が期待されているマイクロボロメータ、および液体レンズを用いたオートフォーカスについて技術紹介をいただきました。私からは、MMCの取り組み、とりわけグリーンセンサネットワークプロジェクトと社会インフラモニタリングの現行プロジェクトを紹介しました。ビクター教授をはじめ皆さん実験室にも紹介いただき、外は寒い中でしたがとても楽しく意見交換をさせていただきました。

 この後、トリリオンセンササミット(T-Sensors Summit)に参加するためにカリフォルニア州のラ・ホーヤに移動しました。こちらは上述のMEMS Executive Congressとは異なり約200名の参加者のうち日本からは20名近く参加されていました。また、会議の雰囲気も意見交換というより講演が中心となる会議であり学会に近いプログラムでした。一方で、内容については今後センサがさらに飛躍的に増えるトリリオンセンサ社会に向けて、ヘルスケア、自動車、農業・畜産といった使う側からの話もあれば、センサに関する新しい革新技術もあり、ビジネスに近いところ、そうでないところ交えて盛りだくさんな内容でした。また、初日の晩には交流会が開催されMEMS Executive Congressと同様に意見交換が盛んでした。私は12月に開催されたT-Sensors Summitでも聴講する機会がありました。米国での内容と同様のプログラム構成ではあるものの、日本での開催とあってエレクトレットの振動発電ロードマップや道路インフラモニタリングの取り組み等の特徴ある講演を多く聞くことができました。

 今回、MEMS Executive Congress、およびT-Sensors Summitに参加して感じたことですが、どちらも、トリリオンセンサ社会、IoT社会等の産業成長に関する情報収集に適した場であると思います。特にMEMS Executive Congressはビジネスに力点をおいており、センサネットワークの急速な発展に向けて、日本でのMEMS産業の課題、今後のグローバル連携等について考える良い機会と思います。関係各位も参加されることをお勧めします。

 <産業交流部 今本>

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2014年12月11日 (木)

台湾MEMS産業訪日団がつくば地区を訪問、MNOICも交流会に参加しました。

 MEMS協議会では、MEMSビジネス内外交流事業の一貫として国際交流事業を行っており、海外のMEMS関連研究機関との交流も活動の大きな柱になっています。今回、台湾MEMS関連機関を中心とした台湾MEMS産業訪日団がつくば地区を訪問されましたので、MNOICもその交流会に参加しました。以下その時の内容をご報告致します。

 台湾のMEMS産業動向は何度かこのMEMSの波でご紹介しましたが、台湾全体が産官学連携で半導体やMEMSを含む電子デバイスの、研究開発から生産まで幅広く受託する「サプライチェーン」を行っています。特に半導体やMEMSでは前工程・後工程・実装、テスティングと世界水準(超)大型の施設を使って世界中の顧客に対応していると言っても過言ではありません。今回、中華経済研究院・東京事務所の楊様から台湾MEMS産業訪日団の訪問場所に関してご相談がありました。この時、訪日団の団長が(財)工業技術研究院の蔡清彥董事長でしたので、産総研のTIAの関係者にお願いして、産総研・国際交流部が事務局を引き受けて頂けることになりました。よって台湾MEMS産業訪日団が産総研・国際交流部を窓口として産総研N-MEMS関連部署の訪問を行い、その受け入れ側としてMNOICが支援すると言う形を取りました。

 台湾MEMS産業訪日団の産総研への訪問は11月18日(火)で、交流場所は産総研・東事業所、NMEMSイノベーション棟1Fの国際セミナールームでした。台湾MEMS産業訪日団は工業技術研究院の蔡清彥董事長を団長に、MNOICにも訪問された工業技術研究院南分院の朱俊勳副執行長、行政機関や研究機関の方々、半導体やMEMSの企業の方々で総勢25名でした。

 最初に、産総研・金山副理事長から産総研への訪問に対するお礼と、台湾・工業技術研究院と産総研の良好な関係に関してご丁寧なご挨拶があり、その後国際部・酒井部長から産総研全体概要説明、集積マイクロシステム研究センター・廣島副センター長から産総研のMEMS研究の最前線、私からMNOICのご紹介を行い、その後実験施設に移動して集積マイクロシステム研究センターで開発中のセンサーシステムや大型研究施設の見学を行いました。

 MEMS協議会・国際交流事業では今後もこのようなビジネス交流を積極的に行う予定です。また平成27年1月13日(火)には「平成26年度 MEMS協議会・海外調査報告会」を開催致します。皆様の積極的なご参加をお願い致します。(MEMS協議会 三原 孝士)

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写真1 大型バスから降車される訪問団

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写真2 会場の様子

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写真3 産総研・金山副理事長のご挨拶

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写真4 質疑応答の様子

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写真5 集積マイクロシステム研究センター 廣島副センター長から報告

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写真6 蔡董事長と金山副理事長

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写真7 見学会の様子

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写真8 交流会出席者の集合写真

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2014年12月 9日 (火)

平成26年度 MEMS協議会・海外調査報告会 のご案内

平成27年1月13日(火)、「平成26年度 MEMS協議会・海外調査報告会」を開催致しますのでお知らせ致します。

今回は、主として国際交流事業で得た米国やアジア、南米、欧州の最先端産業技術動向や、世界の有力マイクロナノ関連研究所の訪問で得た知見を、マイクロナノ人材育成プログラムの一環として、報告致します。
また(財)マイクロマシンセンターが主導している国際標準化の活動に関しても報告致します。
皆様のご参加をお待ちしております。

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平成26年度 MEMS協議会・海外調査報告会
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開催日時: 平成27年1月13日(火) 15:00~17:00~18:00
開催場所: (財)マイクロマシンセンター 7皆会議室「新MMCテクノサロン」
          (地図: http://www.mmc.or.jp/gaiyou/map/

プログラム
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15:00~15:05
     主催者挨拶 
     (財)マイクロマシンセンター 専務理事 青柳 桂一 
 
15:05~15:50
     「米国におけるMEMS産業動向」
         ・MEMS Industry Group(MIG)国際ビジネス会議 
         (MEMS Executive Congress US in Scottsdale,
            MIG Conference in Shanghai)
         ・Trillion Sensors Summit 2014 in San Diego
     「H25年度MEMS産業動向調査報告書の完成報告とH26年度取組み」
            MEMS協議会 今本 浩史
 
15:50~16:35
      「マイクロマシンサミット2014と欧州MEMS産業技術動向」
         ・マイクロマシンサミット2014(ブラジル)報告
         ・CEA-Leti訪問 (フランス グルノーブル)
         ・Semicon/Euro2014 MEMS産業化フォーラム報告(フランス)
            MEMS協議会 三原 孝士

16:35~17:00
      「MEMS国際標準化に関する活動状況」
         ・MEMS国際標準化と日本の対応
         ・日韓中独のアドホック活動(ジュネーブ会議等)
            MEMS協議会 出井 敏夫

参加者交流会  (会場:マイクロマシンセンター6階 会議室)
   17:00~18:00  飲物・軽食の簡単な立食形式親睦会

(プログラムはやむを得ず変更になる場合がございますのでご了承下さい。)

参加費:
    ■ 一 般  1人       3,000円
    ■ MEMS協議会メンバー   無料
       (正メンバー、アソシエートメンバー、MEMSフェロー)
       ◇先着申込40名に達し次第締め切らせて頂きます。

参加申込: http://www.mmc.or.jp/cgi/form/h26kaigai/

下記ホームページもご参照ください。
   http://mmc.la.coocan.jp/business/kaigai/h26/

 MEMS協議会・海外調査報告会 担当  三原 / 酒向

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