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2014年11月

2014年11月18日 (火)

【平成26年11月の経済報告】 

 本項は、マイクロマシン/MEMSを取り巻く経済・政策動向のトピックを、いろいろな観点からとらえて発信しています。

 晩秋の平成26年11月の経済報告をお届けします。
 内容は、以下のPDFをご参照下さい。

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2014年11月17日 (月)

IEC/TC47/SC47F国際標準化会議開催される(11月12~15日)

 MEMSに関する国際規格はIEC/TC47技術委員会傘下の分科委員会SC47Fが担当しています。今年はSC47Fを含むTC47全体の会議がIEC総会(11/4~15)に招致される形で11月12日から15日まで東京国際フォーラムで開催されました。

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  11月12日に開催されたSC47F/WG1~3会議には33名(日本17、韓国4、中国10、ドイツ1、米国1)が出席し、審議中の規格案について各プロジェクトリーダから状況説明の後、意見交換が行われました。 その結果、今年7月にNP(新業務項目提案)が承認された日本提案のMEMSエレクトレット振動発電デバイスは、プロジェクトリーダ(東京大学・鈴木雄二教授)による主旨説明及び各国代表との意見交換の後、CD(委員会原案)に移行することを決議案としました。海外提案では接合領域の切断・押し引張り強度測定法(中国提案)の次段階への移行について審議が行われました。

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 11月13日に開催されたIEC/SC47F本会議では、前日検討が行われた決議案が承認されたほか、今年SC47F内にあらたに設置された4つの分科会に関し、要所に日本がコンビナ(座長)として就任することが決まりました。さらに11月15日にはSC47Fの上位委員会であるTC47本会議が開催され、SC47F委員会で行われた議事について報告が行われました。

 次回会合は2015年6月にシンガポールで開催されるSC47Fアドホック会議、その次は同年10月の2015年IEC総会(ベラルーシ・ミンスク)に招致される予定で、各国代表と再会を約束して会議日程を終了しました。

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 今回の東京会議におけるSC47Fの成果概要は、経済産業省のニュースリリース(速報)では主要成果のひとつとして紹介されています。(調査研究・標準部 出井敏夫)

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ロシアMEMS協会・MEMS関連企業一行の産総研MEMS関連施設(MNOICを含む)訪問

 MEMS協議会の事業の一つとして推進しています国際交流事業では、国際マイクロマシンサミットへの参加や、ナノマイクロビジネス展での国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムの開催、さらに現在20機関ある国際アフィリエイトと連携した海外産業技術調査や国際ビジネスワークショップ等の多彩な交流を行っています。

 今回、昨年から国際アフィリエイトに加わったロシアのRussian MEMS Association、およびMEMS関連企業のお客様がありましたので、ご報告致します。「MEMSの波」でもご紹介いたしましたが、2013年に中国上海で開催された国際マイクロマシンナノテクサミットに、ロシアの団長としてRussian MEMS AssociationのExecutive DirectorであるDr. Denis Urmanovが初めて参加されました。このRussian MEMS Associationは2010年に設立された比較的新しい民間が運営する非営利団体です。その組織の母体となっているSovtest ATEはロシアの企業で、半導体や電子機器の評価を行うテスターを中心に製造販売やソフト開発、委託開発、或いは海外の装置を展開する事業を行っています。2013年の7月に東京ビッグサイトで開催されたナノマイクロビジネス展に、このSovtest ATMのテステング関係の責任者であるRYKOV氏が来日、また9月26日にSovtest ATEのVladimir Lisov副社長がマイクロマシンセンターを訪問されました。  

今回、このRussian MEMS Associationが企画されたMEMS関連訪問団が10月14日にTIAの計測標準研究部門(Metrology Institute of Japan)、およびMEMS関連部門を訪問されましたので、報告します。今回の訪問者は、Russian MEMS AssociationのDenis Urmanov 様、 Sovtest ATEのIgor Markov役員とDmitriy Dvornikov部長、Russian RDE Electronstandart JSC,のValerii Malinin様の4名でした。 最初に計測標準研究部門にて情報交換と、実験施設の見学を行いました。産総研・計測標準研究部門のコーディネータである臼田博士と加藤博士に、活動内容をご紹介頂きましたが、終止熱心に多数の質問をされ、関心の高さが伺えました。また実験室ではMEMSの試験方法に関する話題や、ナノレベルの計測手段に関する見学をして頂きました。

 MEMS部門の訪問では、NMEMSイノベーション棟に来て頂き、最初にMEMS国際標準活動に関して出井から、産総研・集積マイクロシステム研究センターの研究紹介に関して産総研・伊藤副センター長から、MNOICに関して荒川開発センター長から説明がありました。国際交流事業で最近感じていることですが、最近は新規に産業を立ち上げたい東欧、アジア、中東の先進的な国々で、何処もMEMSの産業推進を行っています。これからも国際交流の事業が益々重要になってくると感じています。(MEMS協議会 三原 孝士)

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写真 1 産総研・計測標準研究部門での会合

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写真 2 熱心な議論

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写真 3 産総研・計測標準研究部門での見学会

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写真 4 日本食のランチ

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写真 5 国際標準化に関する意見交換

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写真 6 集積マイクロシステム研究センターの研究紹介

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写真 7 集合写真

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2014年11月14日 (金)

2014年度 ナノマイクロ領域での欧州産業技術調査・研究所訪問のご報告

 

MEMS協議会の事業の一つとして推進しています国際交流事業では、国際マイクロマシンサミットへの参加や、ナノマイクロビジネス展での国際マイクロマシン・ナノテクシンポジウムの開催、国際ビジネスワークショップの開催等に加えて、現在20機関ある国際アフィリエイトと連携した海外産業技術調査を行なっています。

 今回、フランス・グルノーブルで開催されるセミコン欧州および、国際MEMS/MST産業フォーラムへの参加に合わせて、フランス、スペインとイタリアのMEMS関連研究機関の見学と訪問Meetingを実施しましたので報告致します。

 ご存知のように、欧州ではナノテクやMEMSに対する継続的で旺盛な投資が行われ、かつ大学や研究所が所管する大型研究施設を用いて、様々な企業がMEMS事業化に向けた取り組みを強化するとともに、多くのベンチャーが当該施設によって巣立っています。またフランスやスペインではMEMSを使った環境センサーの研究開発が旺盛で、特に食品等の流通検査等を目指しています。更にイタリアは医療や健康分野にロボットを活用する取り組みを強化しています。今回はこれらの研究機関を訪問して最新の技術や取り組み状況に関する情報交換を行いました。

(1)聖アンナ大学院大学(Scuola Superiore Sant'Anna)BioRobotics Institute (Pisa市)

 最初の訪問地としてマイクロマシンサミットの最古参の一人で、先日のブラジルにて20回の開催記念に特別講演をされたイタリアの団長であるPaolo Dario教授が所長をされている、BioRobotics Instituteを訪問・見学致しました。BioRobotics Instituteは先進的ロボット工学の研究の中心であり、イタリアで最も有名な大学の1校である聖アンナ大学院大学(Scuola Superiore Sant'Anna)にあり、バイオ・ロボティクス、スマート・システムおよびマイクロエレクトロニクス分野の研究および革新的技術開発を先導されています。

 この研究所は、イタリア長靴の付け根に近い海岸沿いにあるピサ市から、長靴の内部に30kmの距離にあるポンテデーラ(Pontedera)市の駅の近くにあります。大学なのに教授の強い裁量権があるのか、極めて組織的・戦略的な運用をされていることに驚かされます。このBioRobotics Instituteは、バイオ・医療用ロボットの専用研究所で、5名の教授、3名の准教授、8名の特任教授と、90名の博士を抱える極めて大規模な組織です。また研究予算もイタリア政府からは30%のみで60%近くはEUの競争的資金で運営されています。加えて、イタリアで最も人気のある学部・研究所であって、極めて優秀な学生や研究者が集まって来るとのことでした。また産業化、企業との連携も盛んで、2011年から、近年MEMS分野で世界的な躍進を継続しているSTマイクロエレクトロニクスと共同研究を開始しています。この報道の中で「バイオ・ロボティクスとスマート・システムは、21世紀における人間社会の持続可能な開発の基盤となり、製造業、医療、スマート・ホームおよび環境保護等、あらゆる面で我々の生活の質を改善することになる」とPaolo Dario教授が発言されています。

 STマイクロ以外にも、リハビリテーション関連企業、イタリア通信企業、ヘルスケア関連企業との強力な連携をしています。更にピサ市のあるトスカーナ(Toscana)州は、The Land of Robotと言われるほど、あらゆる場面でロボットの振興を過去30年間にわたって進めていると言うから驚きです。会議室にて何人もの第一線研究者により研究紹介をして頂き、恐縮いたしました。その研究紹介は、ロボットの利用される触覚・圧力センサーや、指のような感覚で触った時の圧力分布をみるセンサーアレイ等です。またサービスロボットでは、高齢者にとってロボットが生活の役に立つにはどうすれば良いのか?と言う課題で、買い物ロボットの紹介がありました。買い物は機能が異なる複数のロボットがあって、買い物荷物が入った車両から、家の玄関まで運ぶディバリーロボットと、屋内で生活支援するロボットが相互に認証・確認しながら買い物を受け渡す場面がビデオで紹介されました。イタリアのこの地方には、介護や生活支援、街中での掃除ロボットやごみを収集するロボット等の実用化に向けた検証実験も進められています。近い未来に、トスカーナ(Toscana)州に行けば(サッカーは勿論ですが・・)街中の至る所にロボットの働いている姿を見ることが出来るかも知れません。

 研究施設の見学も、クリーンルームを始め、試作中の小型ロボットの実験室を見せて頂きました。MEMSのデバイス開発は勿論、バイオ関連、マイクロTAS、医療MEMS等々の幅広い研究をされています。その中でも強く記憶に残ったのは、10年前のマイクロマシンプロジェクトを思い起こす小型体内ロボットの研究開発です。カプセル内視鏡や、ロボットサージェリ、カテーテル、それらのアクチュエーション等の研究開発が今も脈々と進められていました。

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写真 1 聖アンナ大学院大学・BioRobotics Instituteの正面

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写真 2 会議室の様子

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写真 3 ダリオ教授とスタッフの方々

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写真 4 Meetingにご出席頂いた方々(右端がダリオ教授)

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写真 5 マイクロロボット

(2)バルセロナ大学・ナノマイクロ研究所[CNM](バルセロナ市)

 バルセロナ大学・ナノマイクロ研究所(National Centre for Microelectronic CNM)はスペイン最大のシリコンベースの半導体やMEMSの研究所です。ECのフレームワーク研究やスペインの研究開発プログラムを実行すると同時に、バルセロナ大学との連携によって多くのMEMSセンサー(バイオ・化学センサー)やマイクロ分析器の研究開発を行っています。

今回訪問したLuis A. Foseca Chacharo博士(ルイス博士)は、マイクロマシンサミットの常連的なMEMSの研究者ですが、SiNERGYと言われるエネルギーハーベスト技術と、その材料技術を中心にした取り組みをされています。材料としては、ナノワイヤー、帯電デバイス、圧電ピエゾ素子、スーパーキャパシター材料等が含まれます。

 ご存知のようにバルセロナはスペイン2番目の都市で、カタルーニャ州の州都、観光都市です。バルセロナ大学は、市中心から一つ山を越えた25km北の小高い丘の上にあります。CNMはバルセロナ大学のキャンバス内にありますが、純粋に国立研究所であって、大学の敷地内に場所を置いているのみとのことです。研究所はクリーンルームと一体化した巨大な建物でした。スペインにはマイクロシステムの研究所は地域別に3つあって、バルセロナはシリコン、マドリッドは化合物半導体、セリビアはアナログ・MixedICとのことです。年間経費は約15億円、180人の技術者・研究者と80名の設備管理者とのことです。1500m2の規模のクリーンルームを持つので研究所としては大規模と言えます。内部を見せて貰いましたが、大変良く整備された施設で、CMOSラインとMEMSラインが2系統あるものです。

 研究紹介では、スペインらしく化学センサーやバイオセンサーの熱心な研究紹介がありました。フランス、イタリア、スペインでは農業大国としてワインやオリーブの品質管理や流通管理技術に特に力を入れ、化学センサーも力を入れています。化学・バイオセンサーでは、マイクロホットプレート、共振器&カンチレバー質量センサー、赤外線光学式センサーの研究紹介がありました。また集積化MEMSやCMOS回路技術の専門家も多く、センサーネットワーク用の消費電力ICも開発され、無線チップや特殊ADC等の開発もされています。更にルイス博士の専門領域に近いあらゆる種類のエネルギーハーベスト技術も興味深いものです。特にナノ材料との組み合わせで熱電素子の研究に熱心でした。

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写真 6 ナノマイクロ研究所・CNM

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写真 7 ルイス博士のお部屋

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写真 8 スタッフの方々と一緒に

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写真 9 バルセロナのマーケット(鮮やかな色のお菓子)

(3)フランス原子力庁/電子・情報技術研究所(CEA-LETI)

 説明の必要がないくらい有名な半導体・MEMS等のフランス最大の研究所(CEA-LETI/MINATEC)であって、MEMSに限定すると欧州最大規模です。フランスのCEA(フランス原子力・代替エネルギー庁)の付属機関であり、最初は放射線の検出器を開発するのが目的であったと聞いています。そのLETIは、フランスアルプスに囲まれた大学都市グルノーブルに1967年に設立された電子情報技術研究所であって、欧州を中心に世界中の研究所や企業と連携して今日では国際的な科学研究拠点として認められています。1700 名の研究者と、270名の博士課程の学生を有し、これまで50のベンチャー企業の基礎をつくり、約370社との共同研究を行っています。研究施設は、200mmと300mmのウエハー規格に基づく、研究所としては世界最大規模のクリーンルームを所有しています。

 窓口になって頂いた、アルカモネ博士(Dr. Julien Arcamone)はフランス大使館LETI日本代表のBruno PAING様からご紹介頂いた産学コーディネータの方ですが、もともとマイクロシステムの材料の研究者でまだ若いにも関わらず、研究者からコーディネータに転身されています。最初に驚いたのは、レセプションコーナで待って出迎え頂いたあと、LETI事務所で1時間位の情報交換を行いましたが、7割以上はアルカモネ博士の質問攻めでしした。日本のMEMSの産業の業容や課題、研究開発の状況や研究所の動向等です。LETIは日本に事務所を持っていて、毎年シンポジウムを開催しているので日本のことは十分判っていると思いますが、さすがに国際的な研究開発受託をビジネスにしている熱心さが伺えました。百聞は一見にしかず・・で早速、クリーンルームを、しかも着替えをして隅から隅まで見せてくれました。私が見た研究所の施設としては世界1(クラス)です。LETIのライバルはIMECと言い切っていましたが、IMECのMEMS開発はホルストセンサーで実施しているいので、間違いなく研究拠点から言うと世界1(クラス)と思います。しかも、MEMS専用のCMOSライン(と言うよるサーフェスMEMSライン)とMEMSライン(後工程と言うよりバルクMEMSライン)があって、その施設間をクリーン着を着たまま(かなり長い)自動リフトで移動します。これは初めてで“たまげた”と言う感じです。このCMOSとMEMSのラインは特殊な規則を作ることで双方向にウェハを行き来することが出来るとのことでした。尚、ナノエレクトロニクス施設は別にあるとのことです。

 LETIを一言で言うなら由緒正しい正統派研究所と言うイメージです。IMECのような連携を重視するのではなくて、あくまでも研究所主体です。基本的にはLETIが基本技術を揃え、また研究のリーダ、研究管理も主体的に行います。その戦略の違いが特許戦略に表れていて、LETIは自ら特許を所有して、相手にライセンスする方向です。このため、これまで2200の特許を所有しています。また基本的に、当該特許もバックグランド特許も排他的な供与は行わない方針で、コア技術保有の考えが浮かびます。(ここがIMECと最も大きな差と言っていました)

 LETIの研究開発予算は、250Mユーロ、20%が政府、40%が競争的資金、40%が産業界からと産業界の比率が大変高いです。連携企業は370社、フランスが20%、他のECが40%・・またLETIの上位組織はCEAで、CEAの研究子会社はマイクロシステムのLETI、新エネルギーがLitenがグルノーブルに、ソフトのLISTがパリにあるとのことです。またLETIの活動はシリコンデバイスが50%、(デバイス)システム関連が30%、光学関連が20%とのことです。クリーンクールや装置のメンテスタッフは勿論のこと、単なるデバイスや材料開発以外にそのデバイスを用いてシステム化する技術者も多く、実用的な研究開発が行われています。また気になった研究所と産業界の人材交流ですが、①産業界との人材交流や異動は頻繁に行われ、②スタートアップ会社創立も盛んとのことです。特に②を開始する場合は、研究所への復帰権利が基本的に5年間は保証されるとのことです。

 セミコンユーロの講演会で知り合ったマイクロカンチレバーを用いた化学センサーでLETIから起業したApixanaylics社のColinet博士に、LETI訪問の後企業訪問を急遽行うことになり、LETIの内部にあるベンチャー棟に入ったApixanaylics社を訪問しました。非常に微小で多数のマイクロカンチレバーと、市販のキャピラリーカラムを用いて、分析と検出の出来るシステムで、既にプラットフォーム評価システムは販売を開始したとのことです。私もカンチレバーも用いた化学センサーの研究者でしたので、話が大変盛り上がり、この欧州調査も気持ち良く完了することが出来ました。欧州の研究所には、私一人の訪問にも関わらず、沢山の方々に時間を取って頂きました。この機会を借りて感謝したいと思います。この詳細な情報は、来年(2015年)1月にマイクロマシンセンターで開催されるMEMS海外産業技術動向調査報告会で報告致します。是非、沢山の方々のご参加をお願い致します。(MEMS協議会 三原 孝士)

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写真 10 LETIのアルカモネ博士と一緒に

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写真 11 急遽訪問させて頂いたApixanaylics社のColinet博士と

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2014年11月12日 (水)

畜産センサ研究コンソーシアムが提案した「生体センシング技術を活用した次世代精密家畜個体管理システム」がSIP(戦略イノベーション創造プログラム)「次世代農林水産業創造技術」に採択

このたび一般財団法人マイクロマシンセンターが参画しております畜産センサ研究コンソーシアム(代表研究機関:独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)動物衛生研究所)が提案した「生体センシング技術を活用した次世代精密家畜個体管理システム」が、農研機構生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)が管理法人をつとめる、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)課題「次世代農林水産業創造技術」における「(1)農業のスマート化を実現する革新的な生産システム①高品質・省力化を同時に達成するシステムiv)繁殖成績の向上や栄養管理の高度化のための次世代精密家畜個体管理システムの開発」の包括提案として採択されました。
http://www.naro.affrc.go.jp/brain/sip/files/SIP_Examination_outcome.pdf
同じく技術提案として採択されました岩手大学の2テーマを合わせて、今後畜産センサ研究コンソーシアムで次世代精密家畜個体管理システムの研究開発を進めて参ります。以下研究の概要について簡単に紹介致します。

牛の受胎率の低下や生産病の多発は、優良な子牛の生産や、肥育や搾乳などの生産性の高水準化の実現にとって大きな阻害要因となっております。この問題を解決するためには、日々変化している牛の繁殖機能や栄養・健康状態などの様々なバイタルサイン(生命情報)を連続的にモニタリングして、必要な牛の生体情報を個体ごとに見える化し、随時利活用できる技術の開発が必要となります。本研究では、必要期間連続で低侵襲に腟内モニタリングが可能な無線センサ端末や活動量をモニタリングできるインテリジェント首輪等を開発し、これを利用して発情行動が微弱化した牛においても授精適期を判定する技術を開発して受胎率の向上や分娩管理の軽減化を図ります。また、長期間連続して牛の第一胃(ルーメン)機能や体温、ストレス等の栄養生理機能を連続モニタリングできる無線センサ端末を開発し、これを利用して乳・肉の生産向上に効果的な飼養管理技術を開発するとともに、生産病(消化器病、呼吸器病など)の早期診断及び効果的な治療・予防技術を開発することを目的とします。研究イメージを図1に示します。また、図2に示しますように、リーディング22機関による産学官連携体制で研究を進めて参ります。

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                           図1 研究イメージ

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                        図2 研究実施体制

本研究で対象とする牛の生体センシング技術は、今後海外等との競争力強化に必要な農場の大規模化や、きめ細やかな高品質牛肉・乳生産を目指す地域型の中小規模農場経営のいずれにも導入可能であり、ICTを利活用した畜産分野における生産拡大に大いに寄与すると期待されています。研究期間は本年度から平成30年度までの5年間となります。今後得られました成果に関しましては、随時発表していくこととしております。  (マイクロマシンセンター 武田宗久)

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2014年11月11日 (火)

第23回MEMS講習会を山形県工業技術センターで開催しました。 

                   

 一般財団法人マイクロマシンセンター(MMC)は、MEMS 産業の裾野を広げ、その産業推進の一助となるべく、様々な活動を行っています。その一環として、MEMS                   協議会メンバー企業、特にMEMSの試作(MEMS ファンドリー)や設計ツール開発をサービスとする企業を中心に年2回実施していますMEMS 講習会を、山形県工業技術センターとの共催で、山形県高度技術研究開発センターにて平成26年10月30日(木)に開催しました。 

                  
                   

 今回は「MEMS技術を利用した地域活性化」をテーマにMEMSを重要な産業として育成されている山形県工業技術センター、およびその関連企業とのビジネス交流会を行いました。MEMS分野での研究開発をされている世界的な研究者による基調講演と、山形県、MMCの双方からの報告を中心に企画され、最先端の技術開発や地域での産業化の課題等を議論する最適な場となっています。尚、副題として「山形でMEMSがもたらす新境地」                   となっていますが、山形市にある芭蕉記念館にあやかって俳句調にしたものですが、関係者さえ気が付いて貰えませんでした(笑)。

                  
                   

 当日は主催者、共催者の挨拶のあと、【基調講演1】として東京大学・松本 潔先生から「インフラモニタリング等に使用されるネットワーク型センサーを支えるMEMSデバイス技術」がありました。ここではMEMSセンサーの代表格であるマイクロカンチレバーを用いて、様々な高感度センサーの研究事例がありましたが、特にカンチレバーの片表面を水に浸透させることで超音波やアコースティックエミッションを検出する興味深い取り組みのご紹介がありました。カンチレバセンサーは高感度に加えて超低消費電力で超小型の特徴があり、センサーネットワークへの適用が期待されています。またマイクロカンチレバーのAFM以外のセンサー応用は始まったばかりであって                   今後が期待されます。 

                   

 【基調講演2】として山形大学・峯田 貴先生から 「スマート材料を用いたMEMSデバイス:形状記憶薄膜、磁歪薄膜などの形成プロセスやデバイス・MEMSへの応用」                     がありました。形状記憶合金(SMA)やFePd磁歪合金を使ったカンチレバーやアクチュエータの研究紹介です。このような異種材料の利用は長い経験に加えて、上手い応用先を見出すことが重要ですが、峯田先生は医療から産業・計測用途まで的確なターゲットを意識されて進められていました。是非実用化に向けて山形の企業に展開して頂ければと思います。山形地区からの講演では、山形県工業技術センターの岩松氏からMEMS技術への取り組みの報告がありました。着実な技術開発をされて優れたMEMSデバイスを開発され、また半数以上は企業との実用化案件であるとのことです。またデバイスのみならず、微細加工やナノテクによる表面改質の実質的な話題がありました。また山形東亜DKKから無線伝送可能な牛の胃内部のPHを計測する興味深い実用システムの話題がありました。農業や畜産にセンサーシステムを応用する先進的な例として具体的な課題や、ノウハウが沢山あることが理解できました。このセミナーの参加者は約40名でした。

                  
                   

 翌日は、「山形県高度技術研究開発センターの、MEMSおよび微細加工の関連施設 」の見学会が開催されました。当日の見学施設は、材料やデバイスの表面分析が可能な各種分析装置、MEMS関連施設とクリーンルーム、ナノ加工関連施設でした。クリーンルームでは全員がクリーン着に着替えて施設内に入りましたが、小規模ではありますが1施設に成膜、露光、エッチング、評価と言った全ての装置が揃っているために、手頃にMEMSや関連材料の試作が出来る特長があります。またナノ加工関連では、10年以上前に展開したマイクロマシンプロジェクトを彷彿させる数々の装置群と、その応用製品があって、技術が脈々と引き継がれ、実用化・産業貢献されている様子をくみ取ることが出来ました。またセンターのロビーには世界的に有名なエコカーが詳細に分解され、山形県がエコカーの部品供給が出来るようなきっかけを得られる貴重な展示がありました。改めて山形県の産業化への熱心さに感銘を受けました。今回は山形県工業技術センターの奥山所長、岩松様を始め沢山のスタッフの方々に主導して頂いて初めて開催できたこと、心から感謝して報告をさせて頂きます。 また次回もたくさんの方々にご参加頂けるような企画にしたいと思います。(MEMS協議会 三原 孝士)

                  

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写真 1 広々とした山形駅西口(東口は賑やかです)

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写真 2 セミナー会場の様子

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写真 3 山形県工業技術センターの奥山所長

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写真 4 基調講演1 東京大学・松本先生

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写真 5 基調講演2 山形大学・峯田先生

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写真 6 見学会の様子

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写真 7 クリーンルームにて1

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写真 8 クルーンルームにて2

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写真 9 ナノ加工のデモルーム

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松江で開催された「センサ・マイクロマシンと応用システム」にMNOICとMemsONEを出展しました。

 今年も、センサやMEMS関係の国内最大のシンポジウムである「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム(以下センサーシンポと略します)が本年10月20日(月)~22日(水)、島根県松江市、くにびきメッセにて開催されました。このシンポジウムに一般財団法人マイクロマシンセンターからMNOIC(マイクロナノ・オープンイノベーションセンタ)とMemsONEを出展致しましたのでご紹介させて頂きます。

 尚、MEMS協議会担当の三原が、今回は電気学会・E部門担当・センサーシンポジウムの実行委員長を担当させて頂きましたので、この機会を借りて本シンポジウムの開催結果も併せてご紹介させて頂きます。このセンサーシンポは、電気学会・E部門の部門大会であると同時に、同会場において、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門主催「マイクロ・ナノ工学シンポジウム」、応用物理学会集積化 MEMS 技術研究会主催「集積化 MEMS シンポジウム」が同時に開催され、更に、電子情報通信学会、日本材料学会、エレクトロニクス実装学会との協力による企画セッションも開催されました。今回のセンサーシンポは「沢山の産業界の方々に参加頂きたい」と言う強い意志を持って企画し、未来を変えるトリリオンセンサーの衝撃(SPPテクノロジーズ株式会社 神永 晋氏)、MEMSの父、4個目のベンチャーへ挑戦(PROFUSA, Inc. Dr. Kurt Petersen、生産革命ミニマルファブ(産業技術総合研究所 原 史朗氏)をはじめ、地域性の高い講演3件、電気学会の「でんきの礎」の受賞を祝福して3件の関連講演会、また今回初めての試みとして最先端の大学、研究所、企業の研究者12名によるMEMS開発基礎講座という無料セミナーを開催しました。これらの盛り沢山のイベントの結果、約650名と言う沢山の方々にご参加者頂きました。関係者としてご参加頂いた方々、講演者の方々、役割を担われた委員の方々、関係学会のご担当の方々、事務局の方々に感謝致します。

 今回は、出展社の皆様にも最大限の敬意を払って、出展場所は受付、コーヒサーバ、メイン会場の出入り口の近いコーナに設けました。ご出展頂いた企業や法人の方々に感謝致します。一般財団法人マイクロマシンセンターではMNOICとMemsONEを出展致しました。MNOICもMemeONEも多くの研究者・技術者に浸透していることを実感しました。大学、産業界、更に公的な研究所にとって有意義な活動を今後も展開していく所存です。(MEMS協議会 三原 孝士)

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写真 1 最初に見つけた宍道湖のセンサーネットワーク

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写真 2 松江・出雲地方は天然資源の宝庫

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写真 3 偶然出会ったお祭り、京都からお腰入れしたお姫様を慰めるための太鼓祭りとのこと(町でお聞きした内容)

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写真 4 神永氏によるトリリオンセンサーの話題提供

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写真 5 懇親会の御神楽

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写真 6 Dr. Kurt Petersenのご講演

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写真 7 中村先生による宍道湖の大和しじみ:新聞発表

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写真 8 MNOICの展示

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写真 9 MemsONEの展示

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写真 10 ミニマルファブ 原氏によるご講演

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2014年11月10日 (月)

MemsONE実習講座の開催報告

 今年度のMemsONE実習講座(MemsONEのGUI操作や解析手順を学習するもの)は、参加者がタイムリーに受講できるように回数を増やして対応しています。また、基本操作コースは必須科目に位置付け、無料で受講できるものとしました。

 10月の実習講座は、第5回基本操作コース(10月9日)と第3回解析コース(10月28日)の2コースを開催しました。第3回解析コースでは、定員となる3名の参加があり、受講後のアンケートでは、きめ細かな指導で良く理解できたとの評価を得ました。

 今後の関東での実習講座は、残すところ第6回基本操作コース(11月13日)と第4回解析コース(12月4日)の各1回のみとなりました。この2コースが終了しますと、来年6月まで開催致しませんので、受講されていない方は是非ご参加ください。

 受講を希望される方は下記URLからお申込みください。

 講習会案内 http://mmc.la.coocan.jp/mems-one/hiroba/seminar_info/

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