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2014年11月11日 (火)

第23回MEMS講習会を山形県工業技術センターで開催しました。 

                   

 一般財団法人マイクロマシンセンター(MMC)は、MEMS 産業の裾野を広げ、その産業推進の一助となるべく、様々な活動を行っています。その一環として、MEMS                   協議会メンバー企業、特にMEMSの試作(MEMS ファンドリー)や設計ツール開発をサービスとする企業を中心に年2回実施していますMEMS 講習会を、山形県工業技術センターとの共催で、山形県高度技術研究開発センターにて平成26年10月30日(木)に開催しました。 

                  
                   

 今回は「MEMS技術を利用した地域活性化」をテーマにMEMSを重要な産業として育成されている山形県工業技術センター、およびその関連企業とのビジネス交流会を行いました。MEMS分野での研究開発をされている世界的な研究者による基調講演と、山形県、MMCの双方からの報告を中心に企画され、最先端の技術開発や地域での産業化の課題等を議論する最適な場となっています。尚、副題として「山形でMEMSがもたらす新境地」                   となっていますが、山形市にある芭蕉記念館にあやかって俳句調にしたものですが、関係者さえ気が付いて貰えませんでした(笑)。

                  
                   

 当日は主催者、共催者の挨拶のあと、【基調講演1】として東京大学・松本 潔先生から「インフラモニタリング等に使用されるネットワーク型センサーを支えるMEMSデバイス技術」がありました。ここではMEMSセンサーの代表格であるマイクロカンチレバーを用いて、様々な高感度センサーの研究事例がありましたが、特にカンチレバーの片表面を水に浸透させることで超音波やアコースティックエミッションを検出する興味深い取り組みのご紹介がありました。カンチレバセンサーは高感度に加えて超低消費電力で超小型の特徴があり、センサーネットワークへの適用が期待されています。またマイクロカンチレバーのAFM以外のセンサー応用は始まったばかりであって                   今後が期待されます。 

                   

 【基調講演2】として山形大学・峯田 貴先生から 「スマート材料を用いたMEMSデバイス:形状記憶薄膜、磁歪薄膜などの形成プロセスやデバイス・MEMSへの応用」                     がありました。形状記憶合金(SMA)やFePd磁歪合金を使ったカンチレバーやアクチュエータの研究紹介です。このような異種材料の利用は長い経験に加えて、上手い応用先を見出すことが重要ですが、峯田先生は医療から産業・計測用途まで的確なターゲットを意識されて進められていました。是非実用化に向けて山形の企業に展開して頂ければと思います。山形地区からの講演では、山形県工業技術センターの岩松氏からMEMS技術への取り組みの報告がありました。着実な技術開発をされて優れたMEMSデバイスを開発され、また半数以上は企業との実用化案件であるとのことです。またデバイスのみならず、微細加工やナノテクによる表面改質の実質的な話題がありました。また山形東亜DKKから無線伝送可能な牛の胃内部のPHを計測する興味深い実用システムの話題がありました。農業や畜産にセンサーシステムを応用する先進的な例として具体的な課題や、ノウハウが沢山あることが理解できました。このセミナーの参加者は約40名でした。

                  
                   

 翌日は、「山形県高度技術研究開発センターの、MEMSおよび微細加工の関連施設 」の見学会が開催されました。当日の見学施設は、材料やデバイスの表面分析が可能な各種分析装置、MEMS関連施設とクリーンルーム、ナノ加工関連施設でした。クリーンルームでは全員がクリーン着に着替えて施設内に入りましたが、小規模ではありますが1施設に成膜、露光、エッチング、評価と言った全ての装置が揃っているために、手頃にMEMSや関連材料の試作が出来る特長があります。またナノ加工関連では、10年以上前に展開したマイクロマシンプロジェクトを彷彿させる数々の装置群と、その応用製品があって、技術が脈々と引き継がれ、実用化・産業貢献されている様子をくみ取ることが出来ました。またセンターのロビーには世界的に有名なエコカーが詳細に分解され、山形県がエコカーの部品供給が出来るようなきっかけを得られる貴重な展示がありました。改めて山形県の産業化への熱心さに感銘を受けました。今回は山形県工業技術センターの奥山所長、岩松様を始め沢山のスタッフの方々に主導して頂いて初めて開催できたこと、心から感謝して報告をさせて頂きます。 また次回もたくさんの方々にご参加頂けるような企画にしたいと思います。(MEMS協議会 三原 孝士)

                  

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写真 1 広々とした山形駅西口(東口は賑やかです)

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写真 2 セミナー会場の様子

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写真 3 山形県工業技術センターの奥山所長

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写真 4 基調講演1 東京大学・松本先生

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写真 5 基調講演2 山形大学・峯田先生

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写真 6 見学会の様子

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写真 7 クリーンルームにて1

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写真 8 クルーンルームにて2

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写真 9 ナノ加工のデモルーム

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