第26回マイクロナノ先端技術交流会を開催(5月9日)
ゴールデンウィーク明けの5月9日(金)マイクロマシンセンター新テクノサロンにて第26回マイクロナノ先端技術交流会を開催しました。
今回のテーマは「トリリオンセンサ社会に向けた世の中の動きとワイヤレスセンサネットワークの最前線」。昨今のトリリオンセンサのブームもあってか、定員(40名)を超える参加をいただきました。
今回、“トリリオンセンサ”をテーマに取り組むことから、事前にTrillion Sensors SummitのChairのDr. Janusz Bryzek氏に本交流会開催の了解をいただいた上で進めさせていただいたことを報告します。
ご講演ですが、最初にSPPテクノロジーズ株式会社エグゼキュティブシニアアドバイザー・戦略会議議長の神永晉様より「トリリオンセンサ社会に向けた現状と今後の課題」についてご講演をいただきました。
前半は主に、SPPテクノロジーズ(株)との歴史からのMEMS産業の発展の様子をご紹介され、センサーネットワークを中心にトリリオンセンサへとつながっていることが示されました。後半はトリリオンセンサについての現状の動向についてお話いただきました。年間一兆個のセンサ社会に向けて、T-Sensorsサミットではロードマップづくりに向けた動きが加速している。2014年12月末には原案ができあがってくるとのことでした。初回のトリリオンセンササミットには日本からは神永様以外誰も参加されておらず、日本は蚊帳の外の感がぬぐえなかったそうです。2月に行われたトリリオンセンササミットJAPAN2014では300名もの参加があり盛況であったものの、その後ロードマップに向けての日本の動きは弱いと後の交流会で神永様がお話されていました。しかしながら、日本の技術力は優れており、クロスボーダでの協業が重要であると示されておりました。また、異分野融合、産官学連携等の連携も今後重要であると話をされていました。
後半は、産業技術総合研究所集積マイクロシステム研究センター副研究センター長の伊藤寿浩先生より「MEMS技術を用いたセンサーネットワークの取り組みと今後の展望」についてご講演をいただきました。
最初に無線センサーネットワークの課題についてお話いただき、その後に実際の研究の取り組みとして、技術研究組合NMEMS技術研究機構で現在とりくんでいますNEDOグリーンセンサネットワークプロジェクトおよびアニマルウォッチセンサネットワークプロジェクトについてご講演をいただきました。
小型・安価・低消費電力型センサの進展をご紹介いただき、まさにトリリオンセンサ社会に必須な技術ではないかと感じたのは私だけではないと思います。
また、鳥インフルエンザ対策としてアニマルウォッチ用のセンサのご紹介をいただきました。これは鶏だけでなく、他の牛・豚等の畜産系にも幅広く展開できる技術であり、世界に展開することでまさにトリ(鳥)リオンセンサの一つの候補ではないかと感じました。
最後に懇親会では両先生を囲んでトリリオンセンサ社会についての動向、日本の課題、そして、センサネットワークのあるべき姿について活発な意見交換が行われており、当初予定時間を大幅に超過して遅くまで議論が続きました。
<産業交流部 今本>
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