米国MEMS産業動向調査の報告(2)
米国MEMS Industry Group主催で、2013年11月7日午後~11月8日、米国カリフォルニア州ナパにて開催されたMEMS Executive Congressに国際交流およびMEMS産業動向調査の一環として参加しました。
この会議は毎年この時期に開催されているもので、講演やパネルディスカッション、休憩時間等の空き時間でのインフォーマルな会話(図3)を通して、情報交換、人的なネットワークを形成することによってMEMS関連産業のビジネスチャンスを上げることです。研究開発そのものに関するものではなく、事業化をどう促進するかに絞った会議であることが特徴となっています。
今回はワインの産地としても知られるナパを会場として、情報交流の場としてナパの名産のワインを飲みながら(図5)交流が盛り上がりました。
参加者は欧米を中心に、300名近くの方が参加されていました。日本からはオムロン株式会社マイクロデバイス事業本部長の関口氏、Yoledevelopmentの片野氏ほか数名というところで海外のMEMS産業の元気さと裏腹に日本MEMS産業の寂しさを感じた次第です。今回は主に以下のテーマについて発表がありました。
・MEMS市場動向(Yole development、 IHS)
・モバイルおよび将来の健康モニタリング
・エレベーターピッチ(短時間での新技術・事業の提案) (図4) 全体を通じて印象に残った知見として以下のようなことがありました。
・モバイルでのセンサの搭載数が急加速して増加してきているなか中で、Trillion Sensorについての関心が高かった。
・ また、モバイルの動向調査についても今後は加速度、ジャイロ、電子コンパス、マイクロフォンの発展から、さらには環境センサ、マイクロプロジェクタ、エネルギーハーベスティングデバイス等への展開が期待されてきており、さらに多くのMEMSデバイスが期待されています。
・講演でも話がありましたが、健康モニタ用途としてもウェアラブルセンサネットワークが急加速していきそうである。
次回は、来年度は2014年3月10日、11日とドイツのミュンヘンにてMEMSExective CongressEurope2014が開催されます。
MEMS産業、センサネットワークの急速な発展に向けて、日本でのMEMS産業の課題、今後のグローバル連携等について考える良い機会ですので、関係各位も参加されることをお勧めします。
<産業交流部 今本>
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