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2013年12月

2013年12月21日 (土)

Cell-symposia参加報告

2013年11月21日から23日まで、アメリカ・ロサンゼルスで開催されたCell-symposiaに参加しました。会場となったCedars-Sinai Medical Centerは1,000床ほどで2,000名の医師が働く非営利的の巨大な病院であり、バイオメディカルの研究や技術を推進する教育機関としての役割を持つ学術保健科学センターでもあります。細胞を用いた治療などの先端的な研究発表の場であり、小規模な学会ではありましたが、非常に活発な議論がなされていました。医療分野含めた先端研究者が集まるため、市場動向を含めた情報収集には適していると考えられました。Photo

病気や薬剤探索などのモデリング技術についての報告が複数ありました。薬剤耐性菌は、将来的にもその耐性を広く獲得することも予想されるため、モデリングによるあらたな薬剤開発には有効な手法の一つと考えられ、検査法と同等に注力すべき分野だと考えられました。本学会においては、DNAを検出する際には、DNAマイクロアレイが用いられるケースが多く見られました。複数の遺伝子を同時に検出するニーズがあることが見受けられました。本プロジェクトにおいて目標としている簡便なDNAマイクロアレイ検出は本研究分野への応用した際にニーズがある可能性が示唆されました。一方、高感度な検出技術の報告は見られず、現状はそこまでの必要性がないものと思われました。日程の都合上、会期の半分のみの参加でしたが、非常に有意義なものとなりました。Oral

Poster

本研究プロジェクト分野におけるリーディングカンパニーであるC社の元役員へのヒアリングも行いました。C社のデバイスのコア技術を開発しており、技術と経営両面に精通した人物です。本プロジェクトで対象とする院内感染の重要性や現場での用いられ方を確認することができました。また、C社での経験から、どのような特徴が望まれているかをお聞きし、我々の提案を裏付けるお話をいただくことができました。現在はコンサルタント会社を営んでおり、技術にも明るいことから、競合他社についての情報も複数得ることができました。どのような観点から技術開発をすべきか、我々の強みが多種類同時検出であることなど有意義なアドバイスもいただきました。

以上より、本プロジェクトの推進において、市場や技術、競合などの有益な情報が得られたことから、当初の目的が達成できたものと考えています。

 

(NMEMS技術研究機構 田口 朋之・茂木 豪介)

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2013年12月19日 (木)

MemsONEの最近の活動状況

 MemsONE普及活動の一環として、各種講習会、委員会、イベント出展と精力的に活動しています。これらの10月から12月における活動状況をご報告します。

 

1)第4回実習講座の開催

 10月18日()13:0017:00に関東第4回実習講座「解析コース」を開催しました。受講者は企業ユーザ1名であったため、受講者の希望を入れて、前半に基本操作を組込んだプログラムで実施しました。受講者からはマンツーマンのため、良く理解できたとの高評価を得ました。

 

2)センサ・シンポへの出展

 11月5日()から7日()の3日間開催された「第30回センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムにMemsONEを出展しました。新規ユーザ開拓には至りませんでしたが、平素お会いできない先生方に会え、ライセンス更新やご講演依頼ができことは成果でした。

 

3)第2回MemsONE普及促進小委員会の開催

 11月13日()16:00-17:30に東京大学の藤田教授を委員長とする今年度第2回目の委員会を6階会議室にて開催しました。

 

4)第5回実習講座の開催

 11月14日()13:0017:30に関東第5回実習講座「基本操作コース」を開催しました。受講者は企業ユーザ1名でした。第4回と同様に受講者のペースに合わせた指導のため、良く理解できたとの高評価を得ました。

 

5)第2回MEMS設計解析基礎実習の開催

 11月29日()9:3017:30に第2回MEMS設計解析基礎実習を開催しました。参加者は企業ユーザ1名でした。今回の受講者はMemsONEの操作が初めてのため、前半の基本操作部のウェイトを上げたプログラムで実施しました。

 

6)第6回実習講座の開催

 12月6日()13:0018:00に関東第6回実習講座「解析コース」を開催しました。解析コースの定員は3名ですが、同大学2名の参加により計4名となりました。受講者の内訳は企業1名、大学3名でした。また、受講者が希望する解析機能が5種類となり、実習時間を延長して対応しました。実習風景は以下の通りです。 

Ca390091

実習風景(7F新テクノサロン) 

7)MEMS実践セミナー

 12月18日()10:0017:30に文科省ナノテクノロジープラットフォーム主催のMEMS実践セミナー「実習コース」を開催しました。本セミナーでは、有限要素法による解析ツールの操作手順(モデル作成、メッシュ分割、解析条件、実行、結果評価)を、MemsONEツールを実際に使用して学習するものです。受講者は4名の予定でしたが、2名の欠席により、2名での実習となりました。受講者はMemsONE未経験者のため、基本操作と各種解析を含むプログラムで実施したため、実習時間が6時間を超え、少々タイトではありましたが受講者は皆、真剣に取り組んでいました。

 

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MemsONE V6.0 リリース案内

MemsONE最新版V6.0のリリースを12月2日(月)から開始しました。

本バージョンは、システム全体の安定化とMEMS回路シミュレータのGUI強化を図っています。

改善・強化機能の詳細については、ホームページ「MemsONEひろば」

  http://www.mmc.or.jp/mems-one/ の「リリース案内」でご覧ください。

なお、下記の条件に該当するユーザ様には、DVD媒体を無償で提供済みです。

  ◆スタンダード版導入企業で使用期間(保守期間)中の場合

  ◆アカデミック研究版導入ユーザでライセンスが有効な場合

 

アカデミック版のお申込みは、ホームページ「MemsONEひろば」

  http://www.mmc.or.jp/mems-one/ の「アカデミック版申込み」からお願いします。

 

ご不明な点が御座いましたら、下記までお問合せください。

一般財団法人マイクロマシンセンター 

MemsONEサポートセンター 担当:水津

電話: 03-5835-1870 FAX: 03-5835-1873

E-mail: mems1-user@mmc.or.jp

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米国MEMS産業動向調査の報告(2)

Image21 米国MEMS Industry Group主催で、2013年11月7日午後~11月8日、米国カリフォルニア州ナパにて開催されたMEMS Executive Congressに国際交流およびMEMS産業動向調査の一環として参加しました。
 この会議は毎年この時期に開催されているもので、講演やパネルディスカッション、休憩時間等の空き時間でのインフォーマルな会話(図3)を通して、情報交換、人的なネットワークを形成することによってMEMS関連産業のビジネスチャンスを上げることです。研究開発そのものに関するものではなく、事業化をどう促進するかに絞った会議であることが特徴となっています。
Image22Image23
 今回はワインの産地としても知られるナパを会場として、情報交流の場としてナパの名産のワインを飲みながら(図5)交流が盛り上がりました。

参加者は欧米を中心に、300名近くの方が参加されていました。日本からはオムロン株式会社マイクロデバイス事業本部長の関口氏、Yoledevelopmentの片野氏ほか数名というところで海外のMEMS産業の元気さと裏腹に日本MEMS産業の寂しさを感じた次第です。

Image24今回は主に以下のテーマについて発表がありました。
・MEMS市場動向(Yole development、 IHS)
・モバイルおよび将来の健康モニタリング
・エレベーターピッチ(短時間での新技術・事業の提案) (図4)


Image25 全体を通じて印象に残った知見として以下のようなことがありました。
・モバイルでのセンサの搭載数が急加速して増加してきているなか中で、Trillion Sensorについての関心が高かった。
・ また、モバイルの動向調査についても今後は加速度、ジャイロ、電子コンパス、マイクロフォンの発展から、さらには環境センサ、マイクロプロジェクタ、エネルギーハーベスティングデバイス等への展開が期待されてきており、さらに多くのMEMSデバイスが期待されています。
・講演でも話がありましたが、健康モニタ用途としてもウェアラブルセンサネットワークが急加速していきそうである。

 次回は、来年度は2014年3月10日、11日とドイツのミュンヘンにてMEMSExective CongressEurope2014が開催されます。
 MEMS産業、センサネットワークの急速な発展に向けて、日本でのMEMS産業の課題、今後のグローバル連携等について考える良い機会ですので、関係各位も参加されることをお勧めします。

 <産業交流部 今本>

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米国MEMS産業動向調査の報告(1)

Image11 11月3日~11月6日の3日間米国ボルチモアにて第12回IEEE Sensorsが開催されました。ボルチモアは首都ワシントンDC.から北東に50km程に位置し、会場はボルチモアの観光の拠点であるインナーハーバーを中心としたウォーターフロントエリアにあり、開催期間中は天気にも恵まれのどかな雰囲気の中で講演を聴くことができました。

Image12 ボルチモアインナーハーバーは蟹や海老料理が有名で、筆者は初日招待講演の江刺先生らと海老&蟹料理をいただきました。





Image13Image14 筆者は11月3日の晩にボルチモアに入り、4日朝からセミナーに参加しました。Sensorsは12回目の開催であり、年々発表件数が増えているとのことでした。今回は951件の投稿があり、530件がアクセプトされ、オーラル252件、ポスター278件の発表であり、地域毎では、アメリカ221件、アジア・オセアニア142件、ヨーロッパアフリカは167件とのことでした。そして、国毎の件数ではアメリカが200件で圧倒的に多く、続いて中国46件、ドイツ46件、日本39件、イタリア19件、韓国17件の順でした。日本からの参加者はこの割合に比して少ないようでした。

 国際会議はkeynote presentation以外は6つのセッションに分かれており、筆者は環境センサを中心に聴講しました。そして、聴講できなかった講演についても、講演内容によってはあとからプロジェクタ画像に講演の音声の入ったファイルがダウンロードできるようになっており、後から内容を確認できるようになっていました。しかしながら、講演によってはこのシステムに対応しておらず、聞き逃した講演も多くあり、全公演についてダウンロードできるようにして欲しいと思ったのは筆者だけではないようでした。
 環境センサを中心にヒヤリングしましたが、全体的に企業からの講演は少なく、産業化までにはまだ時間を要するアカデミックな内容が多くあったと感じました。

Image15 講演内容はガスセンサに関する内容が多く、CO2をはじめとした環境モニタを中心に、非分散型赤外セン吸収方式(NDIR)の小型・省電力化を目的としたマイクロホットプレートの提案や、可変光学フィルタを用いて光源一つで濃度計測する方法等の提案がありました。
 また、別のアプローチとしてイオン液体を用いる方式が提案されており、金属酸化物やNNDIR方式に比べて小型・低消費電力、安価を特長としたことをあげていましたが、応答特性、信頼性等の評価にはまだ至っていないようでした。
 また、赤外線センサについても講演がありましたが、ボロメータの小型・安価化の進展がめざましく、今後高密度アレイ化はボロメータ市場が急成長していくことが予想された。
 また、ポスターセッションは午後昼食後に開催されており、熱心な意見交換がされていてとても盛況だった。

Image16 また、2日目(11月5日)の晩には会場からバスで15分ぐらいの鉄道博物館にて夕食会が開催され、多くの方が参加し本学会を楽しんでいました。

 <産業交流部 今本> 

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第24回先端技術交流会の報告

Image4 12月3日(火)の午後からマイクロマシンセンター新テクノサロンでマイクロナノ先端技術交流会を開催しました。
 今回のテーマは「3次元光加工・精密造形技術の最前線」であり、この分野の最前線で活躍している産業技術総合研究所・先進製造プロセス研究部門・基盤的加工研究グループの岡根利光グループ長と京都大学・工学研究科・材料化学専攻の平尾一之教授を講師に迎え、3Dプリンタ、ナノ光加工を中心に最新動向が紹介されました。
Image3 産総研・岡根グループ長は「3Dプリンターのものづくりへの活用」と題して、いま話題の3Dプリンターの種類と特徴、3Dプリンターの鋳造への活用と「超精密三次元造形システム技術開発」プロジェクトへの取り組みを紹介されました。この技術は、樹脂素材を造形して試作や形状確認に用いられてきましたが、ファイバレーザーの高出力化といった技術的進展によって、近年ではABS樹脂など高品質の樹脂や金属素材の積層が可能になり、そのまま部材に使用できる事が視野に入ってきた事から、注目を集めるようになりました。

 後半は、京都大学・平尾教授からのご講演です。平尾先生はこれまでにも平尾誘起構造プロジェクトやナノガラス技術プロジェクト、三次元光デバイス高効率製造技術プロジェクトなど、数々のプロジェクトを牽引してきた事で有名ですが、今回のご講演「3次元ナノ光加工の現状と今後の展開」では、京都大学が注力しているナノテクノロジーハブ拠点や超短パルスレーザー加工の研究・開発事例が紹介されました。
Image2_2 ナノテクノロジーハブ拠点は、京都大学の学際教育研究推進センターのユニットの一つで平成23年5月にスタート。低炭素社会実現に必要不可欠なエネルギーを「創る」「蓄える」「使う」「戻す」を念頭において、様々な革新的次世代材料とナノマイクロデバイスの研究開発を加速するため、多種多様な基板・薄膜材料をウエハレベルでナノ・マイクロ加工・評価ができる各種装置を揃えているそうです。高度な専門技術職員のサポートを受ける事もでき、しかも基本的に情報公開義務がないので、企業が安心して研究・開発を行なえる環境が整っているという事でした。

 さらに講演では、フェムト秒レーザーに代表される短パルスレーザーの加工事例として、色素増感型太陽電池や有機ELディスプレイのガラス真空封止、ガラス中の泡を無くして実現した割れない薄型フレキシブルディプレイや窓用太陽電池、LED高効率化のためのサファイア基板切断、ディスプレイの反射を1/3に抑えたナノ無反射構造パネルやナイトビジョンへの応用、光導波路一括加工、等、幅広い研究・開発が紹介されました。
 
 特に位相変調型液晶空間光変調器(LCOS-SLM)を併用することによって、従来一点づつレーザー照射して3次元構造を形成していたものが、一括で3次元照射が可能となり、フェムト秒レーザーによる製造への適用も実現に大きく前進したのではないかと感じました。

 また、ロームと京都のベンチャー企業アクアフェアリーとの共同研究を開発事例として紹介された、その場で水素を作ることができる定置用小型水素源燃料Image1電池は、その二日後の12月5日付け日刊工業新聞の1面で大きく取り上げられるなど、とても新鮮な内容が盛りだくさんでした。
 

 講演終了後は懇親会も開かれ、参加者と講師の方々との間で熱心なディスカッションが続いていました。今後も今回のような関心の高い、そしてホットな話題をの講演を企画・提案していきたいと思いますます。
<産業交流部 今本>

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2013年12月17日 (火)

カナダ・マイクロナノ研究機関との交流

一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会では、マイクロナノ領域の産業推進の一環として(現在19ある国際アフィリエイトを中心とした)海外機関と連携した国際交流にも注力しています。特に最近では欧米の大型研究機関が、国際的なオープンイノベーション活動拠点として海外の企業や研究所・大学との共同研究に熱心で、益々交流が盛んになっています。
 今回、カナダ・マイクロナノ研究機関との交流を実施しましたので報告致します。カナダとの交流は、カナダMEMSセミナーへの講師派遣、およびカナダからのお客様によるマイクロマシンセンターへの訪問と、交流会の実施と言う双方向の対応を行いました。今回の交流は、在日カナダ大使館が協力し、ケベック州政府事務所がオーガナイザとなって、C2MI ( MiQro イノベーション協働センター) 、3IT (共同技術革新研究機構)、テレダイン・ダルサ、ウオータールー大学などカナダMEMS関係機関との間で行われたものです。

まず12月4日に、SEMICON Japanの会場である幕張メッセ(千葉市)の国際会議場において、カナダセミナーが開催されました。最初にケベック州政府・在日事務所経済部ドミニク・マルコット部長から開会の挨拶の後、東北大学μSICの江刺正喜教授と、MMC/MEMS協議会の専務理事・青柳桂一から開催に当たっての挨拶がありました。江刺教授からはカナダの研究機関の体制に関して、青柳からは日本のMEMS産業の全体像に関して報告がありました。その後、当センター・産業交流部長 の 今本浩史から国内外における産業動向、およびグリーンセンサーネットワークシステムの研究開発の技術動向に関する報告がありました。なお、カナダからの報告は、シャーブルック・イノポ―ル情報技術,マイクロエレクトロニックス・ナノ材料経済開発ディレクター兼ナノ・ケベック役員のゴードン・ハーリング博士からMEMSパッケージングとテスティング分野でのC2MIの研究・商業化の活動概要、テレダイン・ダルサ・アジア太平洋地域プレジデントのキース・ルーベン 氏からC2MIの優位点とテレダイン・ダルサでの経験、を中心に数名講演者からの専門的な発表がありました。比較的大きな会場でしたが、殆どの席が埋まる規模で100名程度の参加者があったと思います。

 翌日の12月5日は、上記のキース・ルーベン 氏、NanoQuebecのDirectorであるゴードン・ハーリング博士、Waterlooナノテク研究所のラーファート・マンスール博士を始め、大使館のご担当者であるDenis様や巌様を含めて7名の方がマイクロマシンセンターの秋葉原事務所にお見えになり、情報交換を行いました。当日は大きな会議室・セミナー室が利用出来なかったために、MEMS協議会のメンバーに声をかけることができませんでしたが、マイクロマシンセンターからはMEMS協議会やMNOICの紹介、ナノマイクロビジネス展の紹介、更に国際標準化活動の紹介を行いました。カナダは当該分野での国際協力にも大変熱心で、今後更にマイクロマシンセンターとの交流を希望しておられました。MEMS協議会もこのような交流を通じて更なるMEMS産業の発展や推進を図るべく、今後の活動を盛り上げて行きたいと存じます。(MEMS協議会 国際交流担当 三原 孝士)

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写真 1 セミナーの様子

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写真 2 ケベック州政府・在日事務所経済部 ドミニク・マルコット部長から開会の挨拶

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写真 3 東北大学μSICの江刺正喜教授から挨拶

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写真 4 MMC/MEMS協議会の専務理事・青柳桂一から挨拶

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写真 5 MMC/MEMS協議会の今本浩史の講演

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2013年12月13日 (金)

欧州VTT(フィンランド)との国際ビジネス交流会の実施

一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会では、マイクロナノ領域の産業推進の一環として(現在19ある国際アフィリエイトを中心とした)国外機関と連携した国際交流にも注力しています。特に最近では欧米の大型研究機関が国際的なオープンイノベーションとして海外の企業や研究所・大学との共同研究に熱心で、交流が盛んになっています。
 今回、VTT(正式名 VTTテクニカルセンター、フィンランド)からマイクロマシンセンターへお客様が見えましたので、この機会にMEMS協議会メンバーを中心とした企業からの参加者と、国際ビジネス交流会を11月28日(木)に実施しました。VTTはヘルシンキ近郊のエスポー市にある、3100名の職員を有する北欧最大の研究所で、全世界を顧客としたオープンイノベーションに大変熱心です。早くからセンサやMEMSの研究開発に取り組み、半導体や電子デバイスとMEMSの技術融合が活発で、特にパッシブデバイスと半導体を集積した一種の集積化MEMS(Integrated Passive Devices IPD)に力を入れています。今回の来日は、VTTからVice President のJuha Palve氏および産官学担当のAarne Oja教授でした。 

 最初に(財)マイクロマシンセンター専務理事・青柳桂一から開催の挨拶を行ったあと、VTT Vice President のJuha Palve氏から”VTT, a leading European R&D institute.  Success stories in printed functionality and optical instrumentation”の発表がありました。その後、産官学担当のAarne Oja教授から“VTT solutions based on MEMS technologies: MEMS altimeters, resonators, spectrometers, ultrasonics for consumer electronics.”と題する発表です。

他のブログにも書きましたが、VTTは北欧最大の2600平米のクリーンルームを有し、3つのラインを持っています。先端研究ライン、CMOSライン、MEMSラインです。これらを有効に利用して最先端研究から集積化MEMSやセンサー、更にVTTの子会社(VTT MEMSFAB)によるMEMSファンドリまで行っています。またデバイスでは、特にMEMSセンサー、マイクロ分光器、RFモジュール、放射線計測に注力しています。またVTTは海外からの共同研究連携に熱心で、VTT独自の共同研究に対する様々な支援があるようです。

当日は、通常のセミナーに比較すると参加者は少なかったのですが、高い関心のある方々に来て頂いているので、質問等が多く大変活況でした。十分時間があったので、発表の途中でも質問を入れて貰いました。また最後に名刺交換の時間を設け、十分個人的な質問も出来たと思います。Webを介して様々な情報が取れる世界になりましたが、やはり現地で活躍されている研究者と直接話が出来ることは大変重要です。MEMS協議会ではこのようなビジネス交流の場を、機会を捉えて多くしていきたいと思います。(MEMS協議会・国際交流担当 三原 孝士)

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写真 1 ビジネス交流会、開会の挨拶

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写真 2 VTTからの訪問者(Juha Palve氏(左)とAarne Oja教授)

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写真 3 VTTからの発表

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写真 4 名刺交換会

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第20回日本未病システム学会学術総会にてMNOICの展示

何度もご案内していますようにMNOICは、日本発のMEMS分野での本格的なオープンイノベーションを実施する活動です。お陰さまでユーザも増え、次第に認知されて来たと自負しております。しかし、本来のオープンイノベーションとは、異分野であってもここで活動することによって、容易に研究開発や事業化が可能になることと考えます。

 今回、一橋大学一橋講堂にて、11月9日~10日に開催されました第20回日本未病システム学会学術総会にて、その企業展示としてMNOICを出展致しましたので報告します。今回の学会の全体テーマ「超高齢社会における未病イノベーション~動き出した未病八策」でした。なお、未病とは聞きなれない方もおられると思いますが、「病気ではないが、健康でもない状態。自覚症状はないが検査結果に異常がある場合と、自覚症状はあるが検査結果に異常がない場合、そして「病気」とは「自覚症状もあるが検査でも異常がある状態」と定義されています。

 MEMS分野でも最近の社会課題対応デバイスとして、橋梁等の建築物のモニタリングシステムの中で注目されてきていますが、これを人間のモニタリングに置き換えると、この学会の研究対象である未病状態で的確にセンシングできるならは発病に至る前、即ち病気予備軍の段階で健康維持や発病防止ができ、個人のQOLを大幅に高めると同時に、国家的に爆発し続ける医療費を大幅に削減出来る期待があります。

このような背景から、本学会に技術展示を行いました。他の展示として機器展示が2点ありました。これらは心拍を計測して交感神経が活性な状態、と副交感神経主導で穏やかな状態をモニタリングする機器でした。今後は心拍に加えてMEMSで計測出来る様々なバイタルサインを得て、より確度の高いモニタリングが可能になると考えられます。なお、本学会では講演会やポスター報告が開催され、如何に未病状態を事前にモニタリングするか?或いは未病状態のメカニズム、地域での健康管理活動等を議論されていました。(MEMS協議会・MNOIC研究企画 三原 孝士)

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写真 展示会場の様子

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MEMS協議会・海外調査報告会 (2014.01.15) のご案内

一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会では、MEMSを含むマイクロナノ領域の産業推進を目的として、研究開発活動やインフラ整備活動(MNOIC等)を行なっています。
また国内外機関と連携した人材育成や国際交流にも注力しています。
今回、マイクロナノイノベータ人材育成プログラムの一環として、主として国際交流事業で得た米国やアジア、欧州の最先端産業技術動向や、世界の有力マイクロナノ関連研究所の訪問で得た知見を、報告する会を開催致します。
また(財)マイクロマシンセンターが主導している最新の国際標準化の活動に関しても報告致します。
皆様のご参加をお待ちしております。 詳細は下記ホームページをご参照ください。
 http://mmc.la.coocan.jp/business/kaigai/

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  MEMS協議会・海外調査報告会
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開催日時: 平成26年1月15日(水) 15:00~17:00~18:00
開催場所: (財)マイクロマシンセンター 7皆会議室「新MMCテクノサロン」
      (地図: http://www.mmc.or.jp/gaiyou/map/

■プログラム
15:00~15:05 主催者挨拶
         (財)マイクロマシンセンター 専務理事 青柳 桂一

15:05~15:50 「米国・欧州におけるMEMS最先端技術と産業動向」
         ・MEMS国際ビジネス会議(MIG Executive Congress)
         ・IEEE Sensors, Baltimore(米国)
         「H24年度 MEMS産業動向調査報告書の完成報告」
            MEMS協議会 今本 浩史

15:50~16:35 「マイクロマシンサミットと中国・ロシア、北欧MEMS動向」
         ・マイクロマシンサミット2013(上海)報告
         ・中国公的研究所(国家重点実験室, 北および南分室)訪問
         ・Semicon/Euro MEMS産業化フォーラム報告(ドイツ)
         ・ロシア(RMA)、フィンランド研究所(VTT)訪問
            MEMS協議会 三原 孝士

16:35~17:00 「MEMS国際標準化に関する活動状況」
         ・MEMS国際標準化と日本の対応
         ・日韓中のアドホック活動(広州Meeting等)
            MEMS協議会 出井 敏夫
参加者交流会
17:00~18:00 簡単な立食形式 (会場:マイクロマシンセンター本部 会議室)

参加費:■ 一 般  1人       3,000円
    ■ MEMS協議会メンバー   無料
       (正メンバー、アソシエートメンバー、MEMSフェロー)
       ◇先着申込40名に達し次第締め切らせて頂きます。
参加申込: http://www.mmc.or.jp/cgi/form/h25-kaigai-rep/

問合せ:
一般財団法人マイクロマシンセンター
 MEMS協議会・海外調査報告会 担当  三原 / 酒向
E-mail:event@mmc.or.jp (参加申込・お問合せ)
                           (MEMS協議会 三原 孝士)

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2013年12月10日 (火)

μTAS2013参加報告

2013年10月28日から30日まで、ドイツ・フライブルクで開催されたThe 17th International Conference on Miniaturized Systems for Chemistry and Life Sciences, µTAS 2013 Conference (µTAS 2013)に参加しました。フライブルクはドイツ南西部バーデン=ヴュルテンベルク州にある都市です。フランクフルトからドイツ新幹線で2時間の位置にあり、スイス国境近くに位置します。環境都市とも知られ、アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクを中心とする大学都市でもあります。µTAS 2013はマイクロ流体デバイスに関する研究者が1000名以上参加する本分野において最大級の学会です。4日間で基調講演8件、オーラル発表約100件、ポスター発表約570件もの発表がなされ、そのテーマはマイクロ・ナノ工学全般に渡り、一分子検出、核酸やタンパクなど生体分子の検出デバイス、細胞の制御など幅広いものでした。

Photo_3          会場;メッセフライブルクの外観

Photo_5          基調講演開始前の会議場

DNA検出の発表は、学術的なものの方がいくぶん多い印象でした。それらは、ナノポアなどのデバイスを用いて一分子DNAハンドリングしているものが中心でした。商業化を目指していると思しき検査系の発表では、ボッシュやキアゲン、アボットといった企業が関与したものが多かったです。遠心力を駆動力に用いたデバイスについてはフライブルグ大学より報告がありました。血液中のウィルスを標的としており、核酸抽出からPCRを行うものです。血液からプラズマ細胞を分離するカートリッジが別にあり、遠心力を駆動力に選択した利点を活用しておりました。バイオ系の有力企業であるQiagen社との共同開発とのことで動向を注目すべきものと考えられました。同様に遠心力を用いるものの、チップ形状ではなく、研究用マイクロチューブ内で核酸抽出とLAMP法によるDNA増幅を実現するLabTubeという新たなプラットホームをMITが報告していました。Bosh社との共同研究であり、食の安全分野への応用を想定しているとのことでした。Labtube_2

テキサス大学からはPDMSとPaperをハイブリッドさせたマイクロ流体デバイスの報告がありました。両者の優位性を組み合わせようという試みで、コストの削減まで加味した研究であり、実用化への意識が感じられました。我々のテーマにおいても、コストダウンは一つの重要なファクターなので、参考になりました。発表内容は最先端のものであり、研究向けだけでなく、ポータブル型に設計されていたり、スマートフォンとの連動可能なものであったり、コストの低減化を試みていたりなどと、実用化を見据えたものがありました。

ヴァージニア大のLanders教授へのインタビューも行いました。本分野での第一人者であるとともに、企業との連携で実践的な研究を行っていらっしゃいます。市場、プロトタイプのスペックに関する課題、競合についての情報が得られました。

本プロジェクトの推進において、市場や技術、競合などの有益な情報が得られました。当初の目的が達成できたものと考えています。

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2013年12月 9日 (月)

SPIE Remote Sensing/ Security + Defence 2013@ドイツ、ドレスデン参加報告

SPIE Remote Sensing/ Security + Defenceはリモートセンシング技術に関する世界最大規模の学会である。Remote Sensingは衛星リモートセンシング、Security + Defenceは検出器や光学系に関する内容が主であるが、重なる分野も多いため共催されるようになった。

一般的な学術会議と比較して、実際の運用または製品そのものに近い内容の発表が大多数である点が大きな特徴となっている。

本年はドイツの古都ドレスデンで9/23-36の四日間開催された。会場はエルベ川沿いの美しい街並みが望まれ、ツヴィンガー宮殿などの有名な観光地の只中に位置している。ヨーロッパを中心とした最新の衛星技術を学ぶとともに、ドイツの重厚な雰囲気が同時に楽しめるようになっている。

○SPIE Remote Sensingに関して主に調査したセッションは以下である。

 ・ Remote Sensing for Agriculture, Ecosystems, and Hydrology;農業、生態系、水分学
 ・ Remote Sensing of the Ocean, Sea Ice, Coastal Waters, and Large Water Regions:海洋、海氷、広水域観測
・ Sensors, Systems, and Next-Generation Satellites:最新衛星のミッション(日本、ヨーロッパ、アメリカ)
・ Earth Resources and Environmental Remote Sensing/GIS Applications:地球、環境観測
 ・ Remote Sensing of Clouds and the Atmosphere : 雲、大気
 衛星リモートセンシングの適用先である生態系、水分学、海洋、大気観測など幅広い分野における発表があり、最新動向を探ることができた。衛星リモートセンシングの運用においては、環境保全を目的とした運用が主流となっている。可視域を中心とする波長分析から熱赤外域における要求が大きくなってきていることを実感した。実際の衛星に搭載されている光学系は、宇宙での使用を前提としているため、非常に複雑である。可動部や校正系の少ないシンプルなシステムの構築が重要であると思われる。

特に印象的であったのは欧米日の衛星ミッションについて独立したセッションが設けられて発表がされていたことである。世界的な衛星リモートセンシングの動向を把握するには最適であった。

○SPIE Security + Defenceの広域(衛星リモート)センシングシステムの開発に関係の深い以下のセッションを中心に調査を実施した。

・ Military Applications in Hyperspectral Imaging and High Spatial Resolution Sensing

  :ハイパースペクトル、高分解能

・ Electro-Optical and Infrared Systems: Technology and Applications:赤外線、EO

・ Millimetre Wave and Terahertz Sensors and Technology:ミリ波、THz技術

・ Electro-Optical Remote Sensing:リモートセンシング

・ Emerging Technologies:将来技術

 衛星リモートセンシングに関連するセンシング技術に関して、光学系、検出器、データ処理、キャリブレーション方法、イメージングシステムなど幅広い分野における発表があり、最新の開発動向を探ることができた。イメージングシステムに関しては、衛星リモートセンシングや軍用途を含めた様々な応用分野で、より多くの波長帯を検知できるシステムの開発が進められている。例えば、環境監視(森林、海洋)や大気汚染監視などにおいては、可視~赤外領域の波長情報が用いられ、検知対象によって異なる波長情報が求められている。

併設の展示会で多数の企業・機関から多岐にわたる高度な技術・製品が出展されていた。その中でもハイパースペクトルイメージングに関する、製品が多く出展されており、これら製品の注目の高さが伺えた。

 

(NMEMS技術研究機構 小川 新平、 藤澤 大介)

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2013年12月 1日 (日)

欧州における農業のICT化に関する技術動向調査

 2013年9月24日から26日までドイツ・フェヒタで開催された11th International Conference on “Construction, Technology and Environment in Farm Animal Husbandry”(BTU2013)に参加しました。フェヒタはドイツ北部に位置し、ブレーメンから電車で1時間ほど南西に行ったところにある小さな町です。BTU2013は農業機械、ICT牧場に関する数少ない学会です。参加者は畜産業のICT化に力をいれているヨーロッパからの参加者がほとんどでした。特にドイツからの参加者が多く、英語とドイツ語が公用語となっているような学会でした。開催地、主催者によっても学会の趣向が変わるそうで、まだ不安定な学会の用にも感じました。本学会では鶏、豚、牛に関する発表が満遍なくされており、畜舎内の環境管理や、排ガスなどの空調に関する発表も多かったです。

家畜の個体管理に関しては、基本的に畜舎内での管理を前提とした研究が多かったです。そのため、カメラによる行動観察や、RFIDを用いた位置情報、個体情報の管理に関する研究が主でした。畜舎外での個体情報の管理に関する研究では、アルプスにおける放牧牛の位置情報の管理を試みた研究が発表されていました。アルプスでは1日1回放牧牛を目視することが義務付けられており、広い放牧地で牛を見つけるのが大変だそうです。また、アルプスの高原には無線アンテナの基地局を設置することが法律で許可されていないそうです。そこでGPSによる放牧牛の測位を試みていました。しかし、GPSは消費電力が大きく、2週間程度しか電池が持たないということで問題を抱えておりました。地域によって法律などの規制が変わってくるので、その地域にあった方法でシステムを作り上げる必要があると実感しました。

また、本学会では豚の研究に一番力を入れているように感じました。ヨーロッパ各地の研究機関が協力した、「PigWise」というプロジェクトが行われていました。PigWiseでは給餌器と豚につけられたRFIDタグの通信とカメラでのモニタリングによってどの豚がどの程度食事をしているのかを把握し、その後の肥育や体調管理に応用しようという試みを行っていました。食事の間隔に異常のある豚は何か体調の異常が疑われるというものです。学会で発表された研究では、食事間隔が異様に長くなった豚は実際に骨折していたそうです。狭い畜舎の中で大量に肥育されている豚はお互いにぶつかり合うことで骨折してしまうこともあり、どの豚が骨折したかを早く確認することも大事だそうです。

家畜の健康管理では体温変化を測定することが大事だと言われています。大動物になると体表で測定される体温は外気温の影響を大きく受けるため、深部体温とは大きな差があります。そこで、家畜の体温測定は膣内の温度が測定されており、家畜にストレスの無い形で体温をモニタリングする方法が確立されておりません。そのため正確な体温のモニタリング方法に関する研究が進められていいと思いますが、本学会ではPigWiseも含めて体温測定に関する発表はほとんどありませんでした。体温は測定しないのかと質問すると、「体温測定はもちろん重要だが、それは難しいからやらない」との答えが返ってきました。このことから、技術的な問題解決よりも、今使える技術でどれだけ実用化できるかということに力を入れているように感じました。確かにそのような視点を持つことは大事ですが、体温の常時モニタリングは避けてはならないならない課題であると感じています。まずはこれを解決することで、畜産業界に衝撃を与えることができるだろうと思います。

本学会のテクニカルツアーではBig Dutchmanという豚と鶏用の農業機械メーカーを訪問しました。日本を含め世界各地に販売しており、世界シェアは50%もあるそうです。そのBig Dutchmanが販売している豚の個体管理システムでは、畜舎内に豚一頭が入れるような自動給餌システムが配置されており、そこで豚が餌を食べているときに、体温測定を行い、その給餌システムの出口は次のゲートにつながっており、そこでは妊娠診断を行ったり、体重測定によって出荷判定を行ったりするような人手のかからないシステムとなっていました。もちろんそれらの個体情報は畜舎内の環境管理と合わせてすべてICTで管理できるようになっています。妊娠診断は装置内に入った豚に機械式のアームが胴体に巻き付くように固定され、アームに内蔵された超音波診断装置により妊娠の診断をするシステムでした。Big Dutchmanの製品は人手のかからない生産システムで大量の豚を機械的に飼育管理することを実現できるものとなっており、その規模に感銘を受けました。技術的にはそれほど難しいことをしているわけではありませんが、そのような大規模な養豚の生産システムは日本では実現できないのではないかと思います。

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図1 Big Dutchman

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図2 自動給餌器、豚が一頭ずつ給餌器内に入り、出口は妊娠診断装置や体重測定装置につなげることができる。

Photo_2

図3 自動妊娠診断装置、豚が中に入ると黒いアームが豚の腹に巻き付き超音波で妊娠診断を行う。

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