« 2013年10月 | トップページ | 2013年12月 »

2013年11月

2013年11月21日 (木)

欧州VTT(フィンランド)との国際ビジネス交流会のご案内

MEMS協議会 国際交流事業の一環として、首記イベントを企画しましたのでご案内致します。

VTT(正式名 VTTテクニカルセンター、フィンランド)はヘルシンキ近郊のエスポー市にある、3100名の職員を有する北欧最大の研究所で、全世界を顧客としたオープンイノベーションに熱心です。早くからセンサやMEMSの研究開発に取り組み、半導体や電子デバイスとMEMSの技術融合に熱心で、特にパッシブデバイスと半導体を集積した一種の集積化MEMS(Integrated Passive Devices IPD)に力を入れています。またMEMS協議会・国際交流部は10月にVTTの研究所を訪問し、Meetingと見学をさせて頂きました。(詳しくはhttp://www.nanomicro.biz/mems/2013/10/2013memsmems-07.html) 

今回、VTTからVice President のJuha Palve氏および産官学担当のAarne Oja教授が来日され、MEMS協議会を始め日本のMEMS関連企業や研究者との交流を希望されています。この機会に本国際ビジネス交流会を企画致しましたので、皆様の積極的なご参加をお願い致します。

企画タイトル: 欧州VTT(フィンランド)との国際ビジネス交流会
        International business meeting with VTT Finland
開催日時:         11月28日(木)10時00分から12時00分まで
開催場所: (財)マイクロマシンセンター 新テクノサロン
      東京都千代田区神田佐久間河岸67 MBR99ビル 6F
                        TEL:03-5835-1870 FAX:03-5835-1873
        
地図→http://www.mmc.or.jp/gaiyou/map/
来訪者: フィンランド VTTテクニカルセンター
            Vice President :       Juha Palve氏
            産官学担当:             Aarne Oja教授
参加費: 無料

プログラム:   司会   MEMS協議会 三原 孝士
9:45      受付開始
10:00      主催者挨拶 
   (財)マイクロマシンセンター 専務理事 青柳桂一
10:15      VTTの取り組み内容(1) 
   研究所紹介、印刷電子技術、光学計測
   Vice President Juha Palve:
   ”VTT, a leading European R&D institute. Success stories in printed functionality and optical instrumentation”
10:45      VTTの取り組み内容(2) 
   MEMS技術、大衆商品に利用される高度計、共振器、分光計、超音波関連MEMS
   Prof. Aarne Oja, Programme director:
   “VTT solutions based on MEMS technologies: MEMS altimeters, resonators, spectrometers, ultrasonics for consumer electronics.”
11:15 質問および討論会
11:40 ビジネス交流会終了
12:00 まで 名刺交換会

ご参加を希望されます方は、下記の申込欄にご記入の上、11月26日(水)までに front@mmc.or.jp 宛 にご送信頂きたくお願いいたします。

=============== 参加申込欄 ===============
欧州VTT(フィンランド)との国際ビジネス交流会
(11月28日(木)10時00分から)

申込者氏名:
ご所属団体名:
所属部署:
E-mail:
TEL:
======================================

お問合せ:
一般財団法人マイクロマシンセンター 
MEMS協議会 事務局次長・国際交流担当部長 三原 / 酒向
E-mail:front@mmc.or.jp
〒101-0026 東京都千代田区神田佐久間河岸67 MBR99ビル6階
Tel: 03-5835-1870   Fax: 03-5835-1873 
http://www.mmc.or.jp/

| | コメント (0)

「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポにBEANSパテントショップ、MNOIC、MemsONEが出展(11/5-7)

 第30回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムが、2013年11月5日から11月7Imagesensor_2日の会期で、仙台市・仙台国際センターで開催され、一般財団法人マイクロマシンセンターではMEMS協議会・MNOIC事業、BEANSパテントショップおよびMemsONEの技術展示を行いました。この「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムは電気学会センサ・マイクロマシン部門の開催で、日本機械学会マイクロ・ナノ工学部門主催「マイクロ・ナノ工学シンポジウム」および応用物理学会集積化 MEMS 技術研究会主催「集積化 MEMS シンポジウム」が同時開催され、国内最大のセンサー・MEMS領域のシンポジウムになっています。参加者は毎年増加しており、今回は700名の参加があったとのこと、4つのパラレルセッションとポスター報告、更に企業や研究機関の出展と、出展者プレゼンテーションがあります。今回は、30回を記念した様々なイベントや特別講演も企画されました。

 MNOICの出展は、2011年の設立時から行い、3年目となります。継続的に出展することで学Imagemnoic生の皆さんを含めた、センサー関連の多くの研究者に認知されています。今回は8インチのMEMSセンサーを加工したウェハーの展示と、ポスターを展示しました。大学や研究機関の施設は4インチが多く、8インチのウェハーを見る良い機会と思います。今回の参加者は過去最大の700名でしたが、日本のMEMSやセンサー関係者(学会会員)は約2000人規模と考えらますので、実質的に研究開発の業務に関わっているかなりの研究者・技術者はここに集まっています。事務局によりますと、企業からの参加者が増えているとのことです。発表・投稿での企業比率は決して多くないのですが、最近の半導体や電子デバイスの低調からMEMSを検討する技術者や研究者が増えている傾向があります。またポスター報告の中にはMNOICを利用して試作し、研究開発した事例も出されており、今後はこのような発表が増えることに期待したいと思います。またマイクロマシンセンターから3件の展示かあったことから、多くの研究者の方にマイクロマシンセンターの最近のアクティビティが高いことに驚きの声を寄せて頂きました。

 BEANSパテントショップはBEANSプロジェクト成果(特許等)の普及を目的として2013年度にImagebeansps開設しました。センサーシンポへの出展は“BEANSパテントショップ”のPRを行うとともに、イベント(展示会等)を積極的に活用した効果的な広報手法の検討に参考となる以下の基礎データ収集を目的としました。
(1) 「BEANSパテントショップ」のホームページ/展示会等のイベント/報道/文献の活用手法
(2) 「BEANSパテントショップ」ホームページでの知財情報の提供について興味を示している業種分野の把握とデモを通じた閲覧のし易さ、情報提供内容の理解度
 展示・デモの場でアンケート調査を行い、最終日には出展社としてプレゼンテーションを行いました。

 MemsONEの展示では、MemsONEがPRの強化の一環として、5年ぶりに本シンポジウムImagememsoneに出展しました。新しいユーザ獲得には直接結び付きませんでしたが、平素なかなかお会いできない先生方に会え、ライセンス更新の依頼や年1回開催している技術交流会での講演依頼ができ、出展の成果は得られたと考えています。また、出展の合間をみて、普段聞けない講演に参加することができたことも成果と言えます。

 次回、2014年は松江市・くにびきメッセで開催されます。マイクロマシンセンターのスタッフも一部本シンポジウムのスタッフに関わっており、次回の本シンポジウムでは産業界からの参加者比率を増やす様々なイベントを考えたいとのことです。最先端の産業動向調査の一環として、益々のご参加をお願い申し上げます。

(MEMS協議会:三原、水津 BEANS技術研究センター:阿出川)

| | コメント (0)

2013年11月20日 (水)

2013年度 ナノマイクロ領域での欧州産業技術調査(その2:セミコンヨーロッパ2013および国際MEMS/MST産業化フォーラム)

 2013年10月8日から10日まで、ドイツ・ドレスデンで開催されたセミコンユーロに参加しました。ドレスデン(Dresden)はドイツの東の端、ザクセン州の州都ですが、この地域はSiliconSaxonyとも呼ばれ、多数の電子デバイス製造拠点やMEMS・マイクロシステム関連の研究所があります。昨年も同じイベントに参加しましたが、併設されている「国際MEMS/MST産業化フォーラム」は、世界有数の企業や専門企業、および産業技術を主体とする研究所から最先端のデバイス、MEMSを支える最先端の装置や材料技術、世界中のMEMS産業動向調査等が発表され、2日間で全容を理解できるフォーラムであって、私の知る限り最も充実しているものと思います。

S1

写真1. セミコンユーロの開催されたメッセドレスデン

S2

写真2. セミコンユーロ・ロビーのあるビル

最初に「国際MEMS/MST産業化フォーラム」を報告します。このフォーラムはセミコンユーロ前日の7日と8日の2日間で開催され、17の講演がありました。

(1)革新的応用セッション1(MEMS Innovative Applications 1); 5件

キーノート講演が最初に2件ありました。まず、STマイクロのBenedetto Vigna氏(Executive Vice President)から, 「MEMS and Sensors for a New World 」と題した講演です。STマイクロは今やコンシューマIT機器のMEMSの研究開発から生産までトップクラスですが、技術のHumanizationとしてロードマップを示しています。この中で、Wearable Technology, Contextual Awareness Technology,Internet of Thingsが今後大きな市場になるとのことです。ここで、”Wearable”は身につけられるシステムにMEMSが利用されていくこと、”Contextual Awareness”では環境と人間を介在する全て、”Internet of Things”では、全ての物が繋がる時に必要なコンポネントとしてMEMSが展開されていくとのことです。最初のWearableシステムにはMEMSが多様に使われ、モーションセンサー、MEMSマイク、MEMSスピーカ、圧力、温度、湿度、MEMS表示やRF関連と言ったものです。更にSTマイクロは医療や自動車、家庭にもその範囲を広げて行きたいとのことでした。

Infineon TechnologiesのUlrich Krumbein氏(Senior Principle Device Physics Discretes)から「The Infineon Silicon MEMS Microphone」と題した講演です。MEMSマイクに絞った講演ですが、これまでMEMSマイクはKnowles社が高いシュアを維持してきましたが、2010年頃から、Infineonがシュアを伸ばし、2012年の時点で30%を確保したとのことです。MEMSマイクの技術内容としてSN比を72デシベル以上、ダイナミックレンジを140デジベル以上に達成させたとのことです。この挑戦には、MEMSの設計や加工として微小ベンチレーション穴、バックプレイトの設計、スティッキング防止構造が重要であったとのことです。

キーノート以外で個人的に興味があったのは、Heptagon Advanced MicroOpticsのMarkus Rossi氏(Chief Innovation Officer)による「Evolution of Wafer-Level Optics to a Packaging Technology for Miniature Sensor Modules」です。これは半導体技術を駆使して積層のレンズアレイを一気に作成するものでレンズシステムのMEMS版と言えます。レンズの曲面加工は高分子材料へのホトリソとリフロー技術を使っています。

 またSi-Ware SystemsのBassam Saadany氏(Division Manager)による「Micro Optical Bench on a Chip」ですが、大変古くからある技術にも関わらず、長い時間をかけて技術を磨き、市場を開拓され、既に多くの光学機器への採用がなされて安定的な企業運用ができているようです。モジュールの例では、小形赤外分光器、MEMSマイクロスキャナー、3Dコリメートミラー、可変調整フィルター等です。

S3

写真3. SEMI EuropeのHeinz Kundert氏(President)によるご挨拶

S4

写真4. 会場風景とチェアのBosh Senontec のLammel氏

 

(2)革新的応用セッション2(MEMS Innovative Applications 2); 2件

キーノート講演が最初に1件ありました。InvenSenseのPeter Cornelius 氏(Director of Product Marketing)による「The Future of MEMS Sensors - System on Chip 」と題した講演です。

InvenSenseはファブレスで年率60%の売上を伸ばしているモーションセンサーの大手企業です。今回はOptical Image Stabilization 、日本では光学式ブレ防止となると思いますが、このブレを検出するセンサーの紹介でした。大きなカメラではなく、スマートホン等にこの光学式ブレ防止が使われて行く場合は、レンズを微小なボイスコイルで動作させ光軸を調整しますが、その場合にモーションセンサーの大きさが非常に重要になるとのことです。更にウェラブルシステム用のセンサーやMEMSについては、ジャイロセンサーを搭載することで、装着者の運動状態を細かく解析できるとのことです。InvenSense社はこのモーションセンサーを軸にし、他のセンサーとの融合、無線システムに発展させて” Internet of Things”世代にて、全ての物が繋がる時に必要なコンポネントの中心に置く構想でした。

(2)MEMSファンドリ、ファブレス(Foundry, Fabless, IDM) 4件

ATREGのBarnett Silver氏( Senior Vice President)から「The inflection point: Macro forces & emerging trends that will reshape the semiconductor industry through 2016」と言う興味深い発表がありました。 MEMSに限定せず、半導体全体の世界的なファンドリ企業、およびMEMSの内製企業やファブレス企業全体を俯瞰した場合の問題点や将来の課題を整理した発表です。これによると、最先端の半導体の工場における設計ルールは2007年が45nm、2009年が32nm、2012年が22nmであるが、この世代交代に伴って建設された半導体工場は、2007年が13社(この内日本が3社)、2009年が6社、2012年が4社で年々少なくなって(日本が戦線離脱)いる。現在最先端の施設を持つのはGlobal Foundry, Intel, Samsung, TSMCの4社のみである。 またファンドリに限定すると、TSMC、UMC,Global Foundryの3社に集中してきている。300mmラインの投資を7000Bドルと考えると、今後安定に投資が出来るかの不安が残ると言う課題提供です。興味深いのは、半導体投資は先進国全体の問題であるので、半導体の恩恵を受けている企業が分担して投資をしてはどうかと言った提言もありました。

(3)MEMS製造技術と品質 Manufacturing technology and quality 6件

SPTSのDave Thomas氏( Marketing Director)から「Advances in profile uniformity, CD uniformity and TILT control for high aspect ratio DRIE processes」と言う興味深い発表がありました。ご存知のようにMEMSはDeepRIEと言うシリコンの深堀技術の技術開発と同時に成長して来たと言っても過言ではありません。初期のDeepRIEは低温エッチング等を使っていましたが、Boschプロセスが実用化されて一気に一般的になりました。そのBoschプロセスを実用化(1995年に最初の出荷)した企業はご存知SPT(住友精密)で、今も80%の市場を確保しています。その技術を更に進化した「Rapier」と言う新規な製品群の紹介がありました。「Rapier」は主プラズマ発生装置に、リング状の副プラズマ室を設けて均一化を図ると同時に、ウェハー周辺で電界強度が一定になるような様々な対策をして、エッチングレートやエッチング角度の均一性を上げ、エッチング角度では既に計測が困難な程度に高精度加工(チルト量0.03度程度)が可能とのことです。

(4)MEMSマーケット 2件

MEMSマーケット予測では、MEMS分野の二大調査会社であるiSuppliとYole Développementから発表がありました。2010年からスマートホン向けのMEMSが急激に伸びていますが、2015年位までこの傾向は続きそうです。更に1014年からウェアブル電子機器への搭載が始まって年率20から40%の伸びが期待できるとのことです。 また今後伸びるセンサーは色センサーや赤外イメージセンサーです。色センサーはディスプレイ等の色調調整に使い、赤外イメージセンサーはジェスチャー認識に使います。

Yoleの発表は、少し専門性を縛ってBioMEMS関連です。最初に医療用デバイスの市場に関する報告があって、最大の市場は米国42%、欧州36%、日本10%、中国7%です。またBioMEMSの応用先として製薬研究市場、ポイントオブケア、医療デバイスが大きな市場を形成しており、今後は個人健康モニターが伸びるだろうとのことです。講演者が強調されているのはバイオ&医療MEMSは継続的に年率15%の成長をしており、今後も同じ成長を継続するであろうとのことです。

この「国際MEMS/MST産業化フォーラム」の特徴は、産業化のセミナーとして参加者が特に興味を持ちそうなテーマを挙げ、世界中から発表者を贅沢に集めていること、大学からの講演は少なく、殆どは企業や、産業技術に特化した研究所からの発表である点です。

S5

写真5.セミコンユーロの展示会場

次に「セミコンユーロ」展示会です。規模としては昨年と同規模ですが、(全体としては最先端半導体のデバイス製造は欧州全体は強くないものの)ASLMを始め強力な半導体関連製造装置メーカやIMECやフラウンホーファー研究所、LETIのような半導体を含めた国際連携を強力に押し進めている研究機関があること、更にMEMSを中心に欧州の産業の活況、また印刷電子機器と言った新規な取り組み等の話題性は多いと感じました。出展者としては、半導体やMEMS、電子デバイスの製造装置メーカ、半導体センサーやMEMS、パワー半導体、三次元実装関連の研究所や企業です。 日本の展示会と異なるのは、非常に多いベンチャー、専門企業の活力が高いこと、地域性を前面に出して地域単位で展示していることです。 引き続き欧州でのマイクロナノ分野は有望であると感じました。

S6

写真6. フランフォーファのIZM フレキシブル半導体の展示

S7

写真7. センサーPDを埋め込んだマイクロ表示装置

 昨年と同じくテクノアリーナと呼ぶ100名程度入れる無料のセミナーが2会場あって、個別セッションを並列で行なっていました。私はこの中で、Process technologyやAdvanced Process Control、Emerging Research Materials、Silicon Photonics 、3D TSV の各セッションを聞きましたが、どれも最先端の技術発表で立ち見が出るくらいの好評でした。

最初に「Next Generation Lithography Session」に関して簡単に報告します。注目の的であるEUVの発表がASMLとZeiss SMTからありました。ASMLは全体のシステムや電源、Zeissはミラーの制作状況です。従来のArFを用いた露光では解像度が限界に近いので2重や4重露光を行っていますが、コストが50%以上上がることが問題視されています。EUVでは装置自体やマスクは高価ですが、簡単なプロセスで精度を確保できます。ここではNAが0.25のNXE3300とNAが0.33のNXE3300Bの紹介がありました。3300Bは11台が制作されて、ASMLの各研究所の他にIMECを含む幾つかの企業で試験的に検討がされているとのことです。大きな問題としてレーザ光源の問題がありますが、現在の50Wレーザで毎時40枚の処理、2015年までには250Wまでパワーを上げることが出来ると予測しています。

壮大なプロジェクトであるEUVに対して他の手段も幾つか発表されました。IMS NanofabricationからはElectron multi-beam mask writer (MBMW)の発表がありました。電子源をProgrammable Aperture Plate Systemと言う可変2Dアレイで捜査し、並列処理するもので、既にかなりの完成度を持っています。またIBM Research - ZurichからはProbe Nanopatterningと言う先端部加熱型カンチレバを使ったAFM捜査型ホトリソの発表もありました。

「Emerging Research Materials」のセッションとして「New Trends in Epitaxy and Atomic Layer Processing」を聞きました。これは原子・分子層成膜でMEMSや薄膜機能素子への応用が進んでいます。研究ではどこも進み、金属以外の半導体や酸化物、窒化物やセラミックスでは広く研究・一部実用化も進んでいます。その中でも、TNO and TU Eindhovenの「Spatial Atomic Layer Deposition; a novel disruptive technology」は交互の供給する領域を絞って、サンプルを動かすと言う手法で通常のALPに比較して1桁高速の成膜が出来、ALDの実用化が一気に進んだということです。

「Silicon Photonics 」セッションで個人的に驚いたのはSTMicroelectronics のMaurizio Zuffada氏およびRichard Fournel 氏による「Silicon Photonics for Efficient Data Communications: ST advantage and solution」と言うテーマでSTマイクロが半導体300mmラインを「A low cost Silicon Photonics technology platform」と称して整備するとともに、欧州の他の研究機関と一緒にシリコン導波路型光デバイスと半導体チップを組み合わせた光モジュールの研究開発をしていました。STマイクロは半導体からMEMSにいち早く移行して成功を収めた企業ですが、まだ研究段階であるSilicon Photonics分野において、将来を見据えた研究開発投資や準備をしている姿勢が見て取れました。

「3D TSV」のセッションでは、相変わらず最先端の3D技術を各研究所・各社で発表されています。もう殆ど技術的には完成しているのでは?との印象でした。講演の中で、何人かは3D TSVはMEMSから市場にでると力説していましたが、MEMSでは既に古くから同様の技術は(小規模ながら)採用しています。よって、大規模の半導体では何か実用化を阻害する問題があるように思えました。その解のヒントになりそうな発表として、Multitest社のJames Quinn 氏から「MEMS Fusion – Challenges and Chances in Final Test」がありました。これは、従来の半導体に比較してMEMSではテスト技術に関して大きな飛躍があると言った内容ですが、3D半導体のテストに関しては課題程度で終わっています。これは、各社がまだ水面下で検討し、標準的な手段に移行していないのでないかと感じました。また、SEMI Europe Grenoble OfficeのYann Guillou 氏から「European 3D TSV Summit 2014 – Application Ready」との発表がありました。European 3D TSV Summitは今年(2013)1月に第1回がグルノーブルで開催されたものですが、第1回にも関わらず20カ国から320人の参加があったとのことです。第二回もグルノーブルにおいて1月20-22日で開催されます。

最後に各ブーズを回っての感想ですが、まず殆どの電子関連研究所は印刷電子技術(Printed electronics)や3D TSVを重視しています。特にフランフォーファ研究所のIZMは三次元実装に注力し、8インチのフレキシブルICや12インチのTSVウェハを展示していました。TSVに関する実験設備はメッキからCMPまで揃えてあるとのことです。更にフランフォーファ研究所はセンサーPDを埋め込んだ有機EL表示装置を展示実演していました。単純な疑問として有機ELは画素単位で認知でき画像を見ることが可能ですが、センサー素子はレンズがないと像を結ぶことは出来ません。このため素子の近接された物体のみ検できます。このことを質問すると、限定された応用を考えているとのことです。

最後に、IVAMの新所長Dr. Thomas Dietrichと会合を持つことができました。IVAMの所長は前所長のMr.Heinz-Peter Hipplerがお辞めになったあと、暫く空席でした。Dietrich氏は元ベンチャーを立ち上げた経験もある理解ある方で一般財団法人マイクロマシンセンターとの連携や日本企業との交流を積極的にされたいとの要望でした。

(MEMS協議会 三原孝士)

S8

写真8.IVAMの新所長Dr. Thomas Dietrich(右)と一緒に

 

| | コメント (0)

2013年11月12日 (火)

第21回MEMS講習会を開催(2013年10月28日)

 2013年10月28日に一般財団法人マイクロマシンセンター(MMC)新テクノサロンにて第21回MEMS講習会「製造業における製造装置・設備のためのMEMSセンサとセンサネットワーク、それらを用いたモニタリングとメンテナンスの現状、課題とセンサへの期待」を開催致しました。

 今回は会場として、MMCの7F(MMC事務局の階上)に新テクノサロンを設置して初めてIm01
同会場での開催です。新テクノサロンは普段は委員会や打ち合わせに利用しますが、仕切りを取って講演会場として使用すると60名まで入れる大きなセミナールームになります。さて今回のテーマは「製造業におけるMEMS」を意識してのテーマ設定を致しました。テーマ設定の趣旨を説明しますと、MEMSセンサ、それらを使ったセンサネットワークは、今後の社会課題を解決するためになくてはならない「ソーシャルデバイス」として、近年急速にその注目度が上がっています。その中でも特に社会インフラのモニタリングやメンテナンス、農業や畜産、さらに医療や健康領域での社会課題を、これらを用いてどのように解決するかの議論や取り組みが重視されています。一方では日本が長年優位に進めて来た、製造業の製造設備や装置に関しても、これらと同様にセンサ、センサネットワーク、IT技術を用いた更なる活性化が必要になっています。
 本講習会は、この課題に関する議論を(独)産業技術総合研究所にて日々問題意識をお持ちの研究者の方々と、本分野で具体的な活動をされている企業の方々にご参加頂き、最新動向や課題・その将来を紹介して頂くとともに、関係者の方々との交流を深めて、今後の同分野の技術開発の加速に繋げていく布石になればと思い企画致しました。

 最初にMMC専務 青柳による主催者挨拶のあと、課題提起講演として(独)産業技術総合研究所・集積マIm02イクロシステム研究センター長 前田 龍太郎氏から「製造のグリーン化と強靭化を目指すセンサネット技術」と題し、現在のセンサー、センサーネットワークの活動内容を産総研の研究内容や、国/NEDOプロジェクトであるグリーンセンサネットワークシステムの事例を引用した内容でした。また最後にMEMSの製造業としての今後のあるべき姿に関して課題提起がありました。

 そのあと、【特別講演】として産総研ナノエレクトロニクス研究部門 、ミニマルファブ技術研究組合の原史朗氏から 「生産革新としてのミニマルファブ ~ 概念と開発状況、センサー等デバイス生産への可能性」と題する講演がありました。ご存知とは思いますが、ミIm03
ニマルファブは今までの半導体やMEMSの生産設備とは対極のシステムです。特に半導体はメガファボと言われるように5000億円の工場を建設しなければ世界に対応できないと言われています。これに対しミニマルファブで構成された装置群を用いれば2から3桁少ない投資で済み、また使用する材料や電力等も大変少なくてすみます。原氏によれば現在の大規模LSI工場であっても、顧客の様々な要求を満たすために非常に多種類の製品を出荷しており、このために効率を落としているとのことです。
 また製造チップ個数とチップ単価の関係を製造工場のウェハーの大きさでプロットすることで現在の半導体ラインでは1万個x 1万円の逆数の関係に或ことを整理され、ミニマルファブではこの関係を2桁下げることが出来てチップ生産数が100個であってもチップ単価を1万円以下に抑えることができることを示されました。更に集積マイクロシステム研究センターとの共同研究によって、実際のPZT圧電素子を用いたカンチレバーを、ミニマルファブを約30%使って作成することに成功したとのことで、いよいよ現実のものとなりつつあります。

 このあと、「企業の取り組み、製造装置・設備におけるセンサの現状とその必要性」と題して5つの講演を行いました。最初はオムロン(株)PMEMSプロジェクトの積 知範氏から「工場設備のモニタリングのためのセンサ、センサーネットワークの現状、課題とその将Im04来」でした。オムロンはクリーンルームの省エネのために温度や湿度、パーティクル等のデータと空調の制御を統合化して多くの実績を上げていることは既に広く知られていますが、今回の講演では特に重要なセンサである、MEMSフローメータの説明でした。フローセンサは熱容量の少ない精密な温度計とマイクロヒータを組み合わせるMEMSが最も活躍できるデバイスです。更に2次元赤外線センサを用いたセンサ等の紹介もありました。単なるセンサ素子開発に留まらず、回路やシステム、利用方法に関する紹介もありました。

 次は横河電機(株)イノベーション本部の磯崎克己氏から 「製造プロセス管理・制御におけるセンサ、センサネットワークの現状、課題とその将来」です。MEMSの研究者であれIm05ば誰でも知っている横河電機の真空パッケージMEMS振動素子を用いた圧力センサーは高い信頼性を持っていることから産業用に幅広く利用されています。今回は化学工場に使い無線センサーシステムの紹介です。化学工場では防爆と信頼性で特に注意が必要ですが、防爆や安全性にはセンサーを完全にシールドして可燃性ガス等から内部の電子システムに触れさせない工夫です。また信頼性に関しては、特に無線システム特有のデータ欠損や不安定性を取り除くために、センサー、送信、受信、制御コンピュータを全て二重化してあるとのことです。最後の工場等の生産管理に特有のシステムの特徴と10年を超える長い付きあい、更に世界標準に基づいたインターフェース等の必要性を報告して頂きました。

 次は(株)ティ・ディ・シー  取締役・企画営業推進 赤羽 優子さんから「精密機械加工技術のMEMS応用への期待」です。ティ・ディ・シーはウェハーやガラス基板を含む研磨Im06
サービスを行う社員60名の比較的小規模の企業ですが、その技術力は国内外から高く評価されています。その成功の秘訣は「失敗を恐れず、とにかく顧客の要求に沿って試行して見る」とのことです。これによって、1ナノメートル以下の超高精度のナノ表面を研磨すると同時に、その評価のために世界最大水準の計測器を揃えています。更にどんな物体でも、どんな材料でも研磨するという姿勢から多くの研究者から高い信頼を得て、最も小さいものでは一辺が10マイクロメータの立方体、更にJAXA はやぶさ2プロジェクトでも使用されているとのことです。日本のこだわりの精神が生きた素晴らしい企業であると感じ、元気を貰った気がします。

 みずほ情報総研(株) サイエンスソリューション部 岩崎 拓也氏から「シミュレーションツールを駆使したCO2見える化の現状、およびセンサネットワークにおけるビッグデータ処理」です。ご存知のように環境負荷の大きな指標であるCO2放出量(算出量)は研究開Im07
発から試作・量産・デリバリまで統合的に管理されなければ地球規模の継続的な安定と成長の達成はありえません。しかしこのCO2を計算すること、予測することは大変な労力を要します。特にMEMSの様に複雑な製造プロセス、多種多様な薬品等を使う場合はモデル化、データベース化が不可欠です。今回はMEMSの製造におけるCO2の算出システムの紹介と、その実施結果が報告されました。シリコン深堀、金属のドライエッチ、ウェハー洗浄等がCO2の排出が大きいとのことです。

 また(株)東芝 電力システム社 浅井 知氏から「溶接自動化システムにおけるモニタリングの現状、課題と将来」という講演を頂きました。溶接という古くから産業の基礎となるIm08
技術ですが、科学的な管理や制御は困難で自動化が進まない領域です。これに様々なセンサ技術を組み合わせて自動化を推し進める研究です。まず素人でも判るように溶接の原理と課題から始め、センシングの項目や現状の手段を説明して頂きました。溶接の場合は施行部位の表面を視覚的に捉える必要があるので、表面の観察のためCCDカメラの利用、光学手段による断面の推定、更にレーザ励起による超音波診断等が使われています。これらの手法は現在注目されているインフラ系のモニタリングに通じるものがありますが、溶接の場合は遥かに精緻であり、高い品質が求められます。更に設計やシミュレーションデータとの比較や再シミュレーションとの連動と言った高度な技術が必要で大変貴重な講演でした。

 最後に恒例の活動紹介としてファンドリーサービス産業委員会の貫井 晋委員長から、「MEMSファンドリーサービス産業委員会活動紹介」があり、この中でMEMSファンドリーサIm09
ービスのワンストップソリューションであるMEMStationにてMNOICとの連動の紹介がありました。これは従来からMEMStationへの問い合わせに開発行為が伴う場合が多いことに対応するもので、今後は研究開発案件にも積極的に答えていきたいと思います。
講演会の後、ネットワーク交流会を開催しましたが、その準備の間の20分を使ってMEMSファンドリネットワーク企業によるポスター報告会を行いました。
 以上、今回のMEMS講習会は明確なテーマを決めて、産総研と企業の関係者による講演会を中心に設定致しました。(有料)参加人数は40名で、講師やスタッフを含めて60人の規模でした。MEMSやセンサを取り巻く外枠まで含めた中身の濃いセミナーであったと思います。参加者からも(普段は聞けない内容が多くて)好評の声が多く、今後の企画の参考にしたいと思います。
 (MEMS協議会 三原 孝士)

| | コメント (0)

2013年11月 8日 (金)

ナノ・マイクロビジネス展開催に向けての概要説明会・ビジネスフォーラムの報告

 ナノ・マイクロビジネス展は2014年、時期と場所を変え、新たな環境で開催します。
 開催時期 2014年4月23日(水)~25日(金)
  場所   パシフィコ横浜
                 
   開催の趣旨をご理解いただくため、趣旨説明とビジネスフォーラムが1月31日にホテル・グランドパレスにて開催されました。
 冒頭に当センター専務理事青柳桂一より挨拶と展示会のコンセプトの紹介があった。
                 
  経済の回復基調を実感しているが、MEMSデバイスは国内市場が約8000億円で年率2ケタの伸びを示している。MEMSは身の回りの至る所に使われており、製品の小型化・高機能化には必要不可欠なデバイスとなっている。一方、MEMSそのものも進化を続け、単機能MEMSから積層技術を用いた複合機能MEMSへと、さらにはナノテク・バイオ技術などの異分野と融合した次世代MEMSへと開発が進んでいる。
    応用分野として、最近では社会インフラの老朽化、少子高齢化社会の進展などのわが国を取り巻く大きな社会課題を解決するツールとして、先進MEMSセンサーや自立電源、無線機能を装備したセンサー・ネットワークシステムが注目されている。
 このように、応用分野の拡大とともに異分野の先端技術と融合し進化を続けるMEMS技術、MEMSデバイスを取り巻くビジネス分野を総称して、ナノ・マイクロビジネスと捉え、昨年から、従来のマイクロマシン/MEMS展からナノ・マイクロビジネス展に改称して開催している。来年のナノ・マイクロビジネス展においては、先ほどのセンサー・ネットワークなどの「スマートモニタリング」、あるいはものづくりの観点からナノ・マイクロビジネスを支える「新たな製造プラットフォーム」などが直近の重要なキーワードになると思っており、皆さま方の積極的な出展検討と来場をお願いしたい。
 さらに、来年のナノ・マイクロビジネス展はレーザーと光学技術の総合展示会OPIEとの同時開催となり、MEMSと関連が深いレーザー・光学技術とのコラボ効果を大いに高めたいと思っている。また、同時期に米国MIG(MEMS Industry Group)の日本会議開催が予定され、海外から多くのMEMS関係のビジネスExecutive、研究者の来日も予想される。これらの連携も加え、今後のナノ・マイクロビジネスを大いに盛り上げたいと思っている。

見本市概要の説明の後、第一部ビジネスフォーラムでは以下3件の講演が行われた。
    東京大学・下山勲教授
 「MEMSが求められる社会ニーズと条件」

   少子高齢化が進展する我が国で社会インフラのエイジングへの対応策が必須となっている。輸送量の減少傾向の中でメンテナンスコストを有効に使う必要がある。ソリューションは地方自治体にJRや高速道路会社の民間ノウハウを取り入れ、データ収集とロボット技術による保全である。近赤外線でコンクリート劣化を点検するトンネル監視車載センサーが登場しているし、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構の先導研究プロジェクトではセンサーによる常時・継続モニタリングシステムの開発に取り組んでいる。アメリカでは製造生産性が向上し中国に対抗できるようになってきた。我が国でも社会貢献に向けた効率向上を目指すべきである。

   日経BP社・三宅常之副編集長
  「社会インフラでのセンサー・ネットワークの事例と傾向

 社会インフラの維持費は2030年には2倍となる。維持管理の低コスト化にはインフラの良否判定を高精度で安く行う必要がある。高精度センサーを低価格で大量に供給し、センシングと解析による対応が重要となる。これらは民生分野に代わる新たな成長エンジンと捉えられる。また、センサー・ネットワークの市場である建築、土木、医療、一次産業はエレクトロニクスにとって新たな市場となる。日経では社会課題に対応した基盤技術をソーシャル・デバイスと名付けている。日本では社会課題対応センサーシステム開発プロジェクトが、アメリカではトリリオン・センサーネットワークのプロジェクトが動き始めている。

   東日本高速道路株式会社・松坂敏博課長
 「高速道路メンテナンスの高度化を図る『スマートメンテナンスハイウェイ』構想」

    東日本高速道路株式会社はスマートメンテナンスハイウェイ(SMH)構想を9月に公表した。高速道路は東京オリンピック直前の名神高速の開通から始まり、現在は総延長約8,700kmとなり、延長比では全道路の約1%未満であるが、国内陸上輸送の約5割を担っている。新規建設投資は、ピーク時(平成10年)から約半減している一方で、今後は、インフラの老巧化対策として、約5兆円規模の大規模更新などが必要とされている。
 この為、インフラの安全・安心の確保に向け、センサー等を用いたICT技術の導入や機械化等を行い、これらが技術者と融合した総合的なメンテナンス体制の構築を目指し、スマートメンテナンスハイウェイ(SMH)構想を9月に公表した。
 2020年までに、既存の点検方法により収集・蓄積されたデータと、新たな手法により収集されたデータを一元的に管理・状態監視する『インフラ管理センター(仮称)』の整備を
目指す。また、国内の道路には2m以上の橋梁は約70万橋以上あり、その多くは市区町村が管理している事から、このようなICT技術等を用いた効率的なインフラメンテナンスに対する潜在的な市場ニーズは更に大きいと考えている。
                  
 この後、第2部のパネルディスカッションでは、講演頂いた三宅副編集長のファシリテータの下、下山教授と松坂課長がパネラーとなり、センサー・システムによるリアルタイムの継続的なモニタリングのメリット、センサーとロボットの使い分け、何を計測すればよいか、求められるセンサーの寿命、インフラメンテナンスの市場規模、センサー・システムによるモニタリングの実現性等につき活発な討議が行われた。
                (普及促進部 内田)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2013年10月 | トップページ | 2013年12月 »