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2013年3月

2013年3月12日 (火)

第20回MEMS講習会「MEMSデバイス/プロセス技術の最前線」@岡谷市 盛況の中で開催される

 2013年3月5日に長野県岡谷市にあるテクノプラザおかやで第20回MEMS講習会が開催されました。
今回は長野県工業技術総合センター様に共催者としてご参加頂き、講習会の案内、会場の準備、ご講演他多大なご協力を頂き、約80名の参加者のもと盛況の中で開催することができました。                    
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                  テクノプラザ おかや 外観

今回の全体テーマは「マイクロナノデバイス及びプロセス技術の最前線」として主にMEMSデバイス/プロセスの開発で活躍しておられる研究者の方や企業の方、日本を代表するMEMSファンドリーの方からご講演を頂きました。 
 また休憩時間を活用してMEMSファンドリー企業のパネル展示説明会が行われ、多数の聴講者の方にその活動を知って頂きました。Photo_2

                 熱心に講演を聞き入る聴講者

主な講演内容を以下に紹介します。

○【基調講演】「マイクロナノデバイスの可能性とベンチャー企業」
         東京大学 IRT研究機構 機構長 教授 下山 勲
 下山研究室で開発された多くのMEMSデバイスやそれらの応用例について講演して頂きました。カンチレバー型の超高感度圧力センサは1cmの高度差(気圧差)を識別することが可能で、階段を一段一段登って行く時の気圧の変化をセンシングできることを示されていました。また3軸方向の力のかかり方が識別できる触覚センサとそれらのデバイスを基に起業されたベンチャー企業について苦労話を紹介して頂きました。

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                   東京大学 下山先生

○【特別講演】「MEMS技術の展開及びMEMS製造装置の最新動向」
         住友精密工業 相談役 神永 晉
 MEMSプロセスにおいてシリコン深堀りエッチングは欠かせない装置です。住友精密工業の関連会社は深堀りエッチング装置で世界で最も高いシェアを誇る代表的な企業です。神永様は装置の開発や企業のM&Aを社長として引っ張ってこられて世界のMEMS産業の発展に多大な貢献をして来られました。
 最初にMEMSデバイスの開発の歴史を紹介して頂き、次にいかにして会社を成長させてきたか苦労話を聞かせて頂きました。また今後どのようにMEMS産業を発展させていくべきか神永様のお考えを聞かせて頂きました。Photo_4

                 住友精密工業 神永 様

○【特別講演】「福祉介護用柔軟接触型センサーの開発」
         信州大学 工学部 機械システム工学科 准教授 中山 昇
 中山研究室ではボールの変形を応用したユニークな柔軟型触覚センサを開発しておられています。これは垂直方向の力とともにせん断方向の力も計測可能な3次元触覚センサでかつフレキシブルな面状の触覚センサを構成することができます。応用例として介護ロボットのハンドがあり、人と接するところに柔らかくて微妙な力加減を計測することができる触覚を持つロボットハンドとして大きな期待が寄せられています。その他にもスポーツ器具やゲーム等幅広い応用が考えられます。当日はデモンストレーション用のシステムを持ち込まれ実演して頂き、多くの方が関心を持って質問されていました。

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                   信州大学 中山先生

その他の講演を簡単に紹介しますと、共催の長野県工業技術総合センターの水嵜様より同センターで開発されたMEMSデバイスの例と主に中小企業を対象とした開発サポートシステムについてご講演して頂きました。
 地元企業を代表してオリンパス㈱の網倉様よりオリンパスで開発しているMEMSデバイスとして特にカンチレバー型のデバイスの製法、応用についてご講演して頂きました。
 MEMSファンドリー企業の代表として大日本印刷㈱の鈴木様より世界のファンドリーの動向と大日本印刷のファンドリー事業、MEMSプロセス技術についてご講演して頂きました。
 その他にマイクロマシンセンター ファンドリーサービス委員会メンバー企業である数理システムからMEMSの設計ツールであるMemsONEの紹介、マイクロマシンセンターが一昨年設立したマイクロナノオープンイノベーションセンターの紹介がありました。
 お忙しい中を集まって頂いた聴講者の皆様にはお礼を申し上げますとともに、今後も魅力あるMEMS講習会を企画していきますのでまたのご来場をお待ちしております。
                                                           阪井 淳

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2013年 3月 MNOICの最近の状況

2011年の4月に開設したMNOICも、ほぼ2年が経過しました。この機会に最近の状況を整理してご報告をしたいと思います。現在ご利用頂いている法人は、年間利用をご利用頂いている7法人、ビジター利用が11法人、アカメディア利用が1法人、研究委託のご利用が6法人です。また最近の傾向として、昨年度は1件であった研究委託が大幅に増えたことです。また研究支援の多い装置としては、X-CT評価、分析SEM、測長SEM、接合装置、ステルスダイサー、シリコン深堀ドライエッチ、マスクレス露光装置、i線ステッパ、ホトリソ関連装置等です。なお、このような研究支援による装置のご利用は、まだ特定の装置を使った場合に限定されています。MEMSデバイスの研究やプロセス開発にMNOICの研究支援を使って頂ければ、多くの装置を平準化してご利用頂けると思います。それにはMNOICの研究支援で得た成果をアピールする、即ち実績を出していくことが重要と考えています。
既にブログでご報告した内容ではありますが、最近のトピックスをご紹介します。
(1)MNOIC実習セミナー
MNOICの活動の中でも、特に人材育成には力をいれ、これまでにUMEMSME・MNOICセミナーや装置セミナー、国際ワークショップ等を実施してまいりました。MNOIC事業も支援サービスを開始して2年足らずが経過し、多数の装置を用いた研究支援が可能になって来ましたので、今年度からMNOICで利用可能な最先端装置を用いた「実習形式のセミナー」を開催することに致しました。既にブログでもご紹介していますが、今回はその第一弾として、1月22日-23日に1.5日のコースでMNOIC開発センターにて、MEMSの微細3次元内部構造を観察して三次元データを取得可能なX線CT(コンピュータトモグラフィー)装置を用いた実習を実施致しました。学習・実習の内容としましては、
 X-CT(米国Xradia社産業用X線CT “MicroXCT-400”)の原理・利用方法を販売元であるキヤノンマーケティングジャパン㈱からご紹介
 世界最先端の評価および三次元再構成による解析事例を東京大学・大竹准教授からご講演
 X-CTの操作方法の実習(クリーンルームにて実施)
 X-CTを用いたTSV(シリコン貫通配線基板)サンプルの計測実習
 測定データの解析、三次元データの再構成の実習(予め取得したデータを使った解析)
で、中身の濃い実習になったと自負しています。参加者数も予想をはるかに超える8名でした。またMNOICの年間利用法人には1名まで無料で参加できる特権もあります。
 MNOICではこのような実質的な実習講座を、来年度(2013年度)は2回開催を予定しています。その中の候補テーマとしては、1)常温、室温ウェハー接合技術、2)MemsONE設計ツールとナノインプリント装置を用いたマイクロモールド実習等です。皆様の積極的な御参加を期待しています。

M1
写真 1 X-CTを用いたMNOIC実習セミナー

(2)国際ワークショップ
MNOICがその役割の一旦を担っているTIA、N-MEMS領域では、集積マイクロシステム研究センターが母体となり、研究開発組合やMNOICユーザを含めると約100名規模の(国内最大級の規模を持つ)関連組織がNMEMSイノベーション棟に集結しており、海外からも沢山のお客様が集まります。特にMEMSの分野では海外の研究や産業化が活発ですので、このような機会は海外の研究者やビジネスパーソンとの情報交換を行うチャンスでもあります。そのような機会を捉えて国際ワークショップを開催し、最新のグローバルな情報交換を行える環境にあります。2012年度は昨年7月のマイクロマシンセンターの海外アフィリエイトとの国際ワークショップ、昨年の11月にオランダのHTCE(ハイテクキャンパスアインフォーヘン)との国際ワークショップに加えて、今年度3回目となるカナダ、アルバータ州との交流会を行いました。このようなイベントが開催できるのもオープンイノベーションの特徴です。是非皆様もMNOICのようなつくばの研究拠点をご利用頂き、このような国際的な交流の場で情報交換されては如何でしょうか。
M2_2
写真 2 国際WSの様子

(3)ナノマイクロビジネス展
世界最大規模のMEMS領域の展示会である、マイクロマシン展(総合イベントマイクロナノ)が2013年度から「ナノマイクロビジネス展」と名称を変えての開催となります。2013年度は7月3日から5日まで東京ビッグサイトで開催されます。MNOICでもこの機会にセミナーを開催予定です。さて「ナノマイクロビジネス展」への改名の意図ですが、まずナノテクが基礎研究や応用研究から、いよいよビジネスへの展開が必要な時期にきています。更にMEMSやセンサーも事業化に向けて、益々のビジネスマッチングが必要です。このような思いを込めて、MEMSをナノテクまで広げ、更にビジネスを志向した展示会、これが「ナノマイクロビジネス展」です。皆様のご出展や、展示会、各種イベントへのご参加をお願い致します。(MEMS協議会 三原 孝士)

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