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2013年2月 6日 (水)

MNOIC-UMEMSME特別セミナー(カナダ・アルバータ州との国際WS)開催報告

2013年1月28日にTIA N-MEMS UMEMSME/MNOICの特別セミナーとしてNMEMSイノベーション棟 1F国際セミナー室にて「カナダ・アルバータ州ナノテク・MEMS企業および、ACAMPとの国際ナノテク・MEMSビジネスワークショップ」を開催致しました。主催は一般財団法人マイクロマシンセンター、共催として産総研・集積マイクロシステム研究センター、カナダ・アルバータ州政府 在日事務所さらにTIAの後援を頂いての開催でした。このセミナーは、最先端TIA研究施設を用いた研究開発支援サービスを実施するマイクロマシンセンター・MNOIC事業が主体となって、産業界を中心に多くの方々に利用して頂く為に人材育成と国際交流の活動の一環として取り組んでいます。今回はカナダ・アルバータ州のオープンイノベーションを推進する機関・ACAMPと、そのACAMPをベースに活躍されている企業、ベンチャーの方々との交流で、カナダ・アルバータ州から7つの講演、日本から2つの講演がなされました。カナダ・アルバータ州は豊富な石油資源から得た投資によって、MEMSやナノテクの分野で先進的なオープンイノベーション活動をされ、その結果沢山のベンチャー企業が育成されていることは有名です。また今回セッションチェアをされたACAMPのCEOであるKen Brizel様の来訪は昨年のワークショップに続いて、2度目の来訪です。尚、ACAMP(Alberta Centre for Advanced MNT Products)はカナダ・アルバータ州・エドモントンにある、マイクロナノ産業を促進・推進するための非営利団体です。ACAMPを通じてユーザは世界最先端のマイクロナノ研究開発設備やネットワークを利用できます。またマイクロナノ領域の技術を用いた材料・デバイス開発、およびデバイス製造の支援を得られます。ACAMPのサービスは、ビジネス開発やマーケティング、実装、評価まで幅広いことも特徴で、これらの支援を受けて多くのベンチャー企業が起業、活躍しています。またWAVEと言う、世界中で活躍しているマイクロナノ領域の企業の経営・事業戦略が聞けるコンファレンスのホストでもあります。
 ワークショップの前に、カナダ・アルバータ州からのお客様にはMEMS4/8/12インチ研究施設(TKB812)の見学を(短時間でしたが)して頂きました。カナダ・アルバータ州からのお客様にもこのMEMS8/12インチ研究施設には大きな関心を持って頂けました。特にMNOICで揃えてある大口径で低温・室温で処理可能なウェハー接合装置は関心が高いようでした。
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写真1 MEMS4インチ研究施設・実験室の見学会

最初に集積マイクロシステム研究センター・前田龍太郎センター長から訪問の感謝のご挨拶、マイクロマシンセンターのMNOIC所長から開会の挨拶がありました。

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写真2 前田龍太郎 センター長の開会のご挨拶

セッション1は日本からの講演2件です。最初にMNOIC開発センター長の荒川から、MNOICの施設、サービス内容の紹介でした。2件目は昨年7月の国際ワークショップの時にカーボンナノの研究紹介をして頂いた産総研・CNT研究センターのダン・双葉様にCNTの材料やデバイス、実用化に至る産総研の研究取り組みを紹介して頂きました。

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写真3 産総研・CNT研究センターのダン・双葉様のご講演

セッション2は、カナダ・アルバータ州からの講演です。 最初にセッションチェアをお願いしたACAMPのKen Brizel様からACAMPでのアルバータ州の取り組み、マイクロナノ関連の産業推進、Waveイベントの紹介がありました。ACAMPは現在110法人の会員数があり、人材育成から産業化、ベンチャー支援まで幅広い活動を行っているようです。

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写真4 ACAMPのKen Brizel様のご講演

続いて、HIECO, Limitedの PresidentであるConnie Ruben様から、同社が得意とする非加熱的、非化学的な滅菌法に関するご紹介がありました。この会社は滅菌装置を販売するのではなく、コンサルタントを中心にされているようです。

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写真5 HIECO, LimitedのConnie Ruben様のご講演

次にPanvion Technology Corp. のPresident, Tomislav Milinusic 様から赤外線カメラを用いた検査装置のご紹介がありました。赤外線波長を80チャンネルに分解できる特殊なIRフィルターを用いて、瞬時にマルチスペクトル撮影が可能な技術です。

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写真6 Panvion Technology Corp.のTomislav Milinusic様のご講演

次にMicralyne Inc. のProcess 開発Team Leader, Dean Spicer様から独立系の純MEMSファンドリと称した説明がありました。このマイクロラインは高精度なMEMS光スキャナーを開発・製造できる世界でも数少ない企業ですが、この技術は50-60ミクロンの櫛歯電極を使って電圧だけで制御するものです。また来日されたDean Spicer様はMNOICの研究拠点に関して大変関心を寄せておられました。

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写真7 Micralyne Inc.のDean Spicer様のご講演

次にStream Technologies Inc.のCOO, Don Murphy様から 波長400-1100nmの可視領域で リアルタイム一括撮影が可能なhyperspectral cameraのご紹介がありました。貼り合わせプリズムの接合面にナノテクを用いて特殊なフィルターを挟み込み、プリズムから放出される16方向を同時に撮影することで可視光のスペクトルカメラが出来ます。前述のPanvion Technology Corp.とも連携されているようです。

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写真8 Stream Technologies Inc.のDon Murphy様のご講演

次の講演は、NEMSOR Technologies Inc.のPresident and CEO, Walied Moussa様から三次元ストレインセンサーや三次元の負荷センサーを搭載したセンサープラットフォームのご紹介がありました。Moussa氏はアルバータ大学の教授でもあります。このプラットフォームはセンサー回路、処理回路、無線通信も含まれています。センサーは結構頑丈で、検出したい被検体に直接ボルト等で頑丈に付け、歪みや圧力を検出するようです。3次元歪みセンサーの構造はキャリア濃度の異なる半導体を用いているようですが詳細は不明です。

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写真9 NEMSOR Technologies Inc.のWalied Moussa様のご講演

最後の講演は、Shield Diagnosticsの CEO and Co-FounderであるSamuel Legge様 からの講演でした。Shield Diagnostics はUniversity of Waterloo 発ベンチャーで2012年に発足した新しい会社で、MEMSを含むセンサーを統合化して診断を行うシステムの開発を目指しています。

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写真10 Shield DiagnosticsのSamuel Legge様のご講演

閉会の挨拶はACAMPのKen Brizel様から今回の見学会を含むワークショプへの御礼と、オープンイノベーションと国際連携の重要性に関するコメントがあり、国際ワークショップが完了しました。ワークショップの後、約20分程度名刺交換会を設けて講演者との簡単な交流を行いました。このワークショップの参加者は約35名で、今回はカナダ・アルバータ州のオープンイノベーション研究拠点から生まれた技術と、その実用化、産業化を推進する海外からのお客様と直接交流できる貴重な場になったと思います。このようにNMEMS研究拠点の利用(MNOICの利用を含む)をされますと、世界最先端の研究環境の利用や研究支援に加えて、このような刺激のある国際的なイベントにもご参加可能です。MNOICでは最先端の研究施設を使った支援と同時に、このような人材育成、国際交流等の様々な取り組みに努めて参ります。皆様の更なるご利用を期待しています。(MEMS協議会 MNOIC研究企画担当 三原孝士)

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