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2013年2月

2013年2月 7日 (木)

第23回マイクロナノ先端技術交流会開催される

 平成25年1月10日にマイクロマシンセンターで第23回マイクロナノ先端技術交流会が開催されました。
マイクロマシンセンターでは、MEMS産業の裾野を広げ、その発展を促進するために、マイクロナノイノベータ人材育成プログラム事業の一環として、マイクロナノ先端技術交流会を実施しております。これは産学交流を図ることを目的に、毎回大学等において先端的な研究に従事する方々を講師としてお招き、交流の機会を設けようとするものです。今回は「予防医療のための生体センシング技術の最前線」をテーマに、同分野の最前線で活躍しておられます東京大学大学院 新領域創成科学研究科 人間環境学専攻の山田一郎教授と東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 医療デバイス研究部門 三林 浩二 教授をお迎えして同交流会を開催致しました。

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           第23回マイクロナノ先端技術交流会@マイクロマシンセンター

講演内容の概要は以下の通りです。

◎「健康・医療・福祉のためのバイオセンシングと近未来生体計測~Soft-Device技術を用いたウエアラブルセンサ・バイオスニファ・アクチュエータ~」
 東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 センサ医工学分野 教授 三林 浩二

・予防医療のための生体センシングを普及させるためには、無意識で生体情報を抽出できるようなセンシング技術の開発が重要。すなわちこれまで言われてきた非侵襲、非観血計測からさらに一歩進めて無意識計測へ。
・三林研では非侵襲血糖センサとして涙中の血糖が血液中の血糖を相関があることを活用して、グルコースオキシターゼを用いる小型の電気化学式血糖センサをコンタクレンズ上に形成して血糖を比侵襲で連続計測する技術を開発。
・匂いセンサとして検出対象のガスだけに反応する酵素を抽出、呼気診断にも応用可能な高感度、高選択性のガスセンサを開発。
・ガスのセンシングにおいて、ガスが時間的、空間的に常に流動していることに着目。メッシュに蛍光型ガス感応膜を形成し、3次元でリアルタイムでガスが流動する様子を可視化することに成功。
・体内で特定の成分を検出するためのケミカルマシンを開発。特定の化学成分をエネルギーとしてアクチュエータを駆動、体内を泳動することができる有機人工アクチュエータを開発。

Photo_2                  東京医科歯科大学 三林 先生

◎「健康管理・予防医療をめざしたウェアラブル生体・環境情報処理基盤の開発」
 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 人間環境学専攻 教授 山田 一郎

・高血圧対策が注目を集めている。特に脳卒中、心筋梗塞のリスク評価指標として、血圧変動パターンを把握することが注目されている。
・血圧はカフ圧による測定が一般的だが連続測定ができない。心電センサ、脈波センサを用いた脈波伝搬速度(PWV)法による血圧連続測定システムを開発。
・カフ血圧法によって同時に測定したデータと比較して、同じ値が得られていることを確認。
・東大病院で血圧連続測定の効果(何を評価できるか)を検証。心臓病患者の心機能のリハビリ、運動、ストレスによる血圧の変動、起立性めまいとの関係把握、薬剤投与の効果が現れるタイミングの把握等を検証した。
・ストレスセンシングのために心電、脈波、皮膚温、呼吸のデータからストレス度を判定する手法を開発。
   

Photo_3                     東京大学 山田先生

今後も魅力あるテーマを設定して継続的に開催していきますので、皆様のご参加をお待ちしております。

                                                         阪井 淳

 

 

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2013年2月 6日 (水)

MNOIC-UMEMSME特別セミナー(カナダ・アルバータ州との国際WS)開催報告

2013年1月28日にTIA N-MEMS UMEMSME/MNOICの特別セミナーとしてNMEMSイノベーション棟 1F国際セミナー室にて「カナダ・アルバータ州ナノテク・MEMS企業および、ACAMPとの国際ナノテク・MEMSビジネスワークショップ」を開催致しました。主催は一般財団法人マイクロマシンセンター、共催として産総研・集積マイクロシステム研究センター、カナダ・アルバータ州政府 在日事務所さらにTIAの後援を頂いての開催でした。このセミナーは、最先端TIA研究施設を用いた研究開発支援サービスを実施するマイクロマシンセンター・MNOIC事業が主体となって、産業界を中心に多くの方々に利用して頂く為に人材育成と国際交流の活動の一環として取り組んでいます。今回はカナダ・アルバータ州のオープンイノベーションを推進する機関・ACAMPと、そのACAMPをベースに活躍されている企業、ベンチャーの方々との交流で、カナダ・アルバータ州から7つの講演、日本から2つの講演がなされました。カナダ・アルバータ州は豊富な石油資源から得た投資によって、MEMSやナノテクの分野で先進的なオープンイノベーション活動をされ、その結果沢山のベンチャー企業が育成されていることは有名です。また今回セッションチェアをされたACAMPのCEOであるKen Brizel様の来訪は昨年のワークショップに続いて、2度目の来訪です。尚、ACAMP(Alberta Centre for Advanced MNT Products)はカナダ・アルバータ州・エドモントンにある、マイクロナノ産業を促進・推進するための非営利団体です。ACAMPを通じてユーザは世界最先端のマイクロナノ研究開発設備やネットワークを利用できます。またマイクロナノ領域の技術を用いた材料・デバイス開発、およびデバイス製造の支援を得られます。ACAMPのサービスは、ビジネス開発やマーケティング、実装、評価まで幅広いことも特徴で、これらの支援を受けて多くのベンチャー企業が起業、活躍しています。またWAVEと言う、世界中で活躍しているマイクロナノ領域の企業の経営・事業戦略が聞けるコンファレンスのホストでもあります。
 ワークショップの前に、カナダ・アルバータ州からのお客様にはMEMS4/8/12インチ研究施設(TKB812)の見学を(短時間でしたが)して頂きました。カナダ・アルバータ州からのお客様にもこのMEMS8/12インチ研究施設には大きな関心を持って頂けました。特にMNOICで揃えてある大口径で低温・室温で処理可能なウェハー接合装置は関心が高いようでした。
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写真1 MEMS4インチ研究施設・実験室の見学会

最初に集積マイクロシステム研究センター・前田龍太郎センター長から訪問の感謝のご挨拶、マイクロマシンセンターのMNOIC所長から開会の挨拶がありました。

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写真2 前田龍太郎 センター長の開会のご挨拶

セッション1は日本からの講演2件です。最初にMNOIC開発センター長の荒川から、MNOICの施設、サービス内容の紹介でした。2件目は昨年7月の国際ワークショップの時にカーボンナノの研究紹介をして頂いた産総研・CNT研究センターのダン・双葉様にCNTの材料やデバイス、実用化に至る産総研の研究取り組みを紹介して頂きました。

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写真3 産総研・CNT研究センターのダン・双葉様のご講演

セッション2は、カナダ・アルバータ州からの講演です。 最初にセッションチェアをお願いしたACAMPのKen Brizel様からACAMPでのアルバータ州の取り組み、マイクロナノ関連の産業推進、Waveイベントの紹介がありました。ACAMPは現在110法人の会員数があり、人材育成から産業化、ベンチャー支援まで幅広い活動を行っているようです。

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写真4 ACAMPのKen Brizel様のご講演

続いて、HIECO, Limitedの PresidentであるConnie Ruben様から、同社が得意とする非加熱的、非化学的な滅菌法に関するご紹介がありました。この会社は滅菌装置を販売するのではなく、コンサルタントを中心にされているようです。

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写真5 HIECO, LimitedのConnie Ruben様のご講演

次にPanvion Technology Corp. のPresident, Tomislav Milinusic 様から赤外線カメラを用いた検査装置のご紹介がありました。赤外線波長を80チャンネルに分解できる特殊なIRフィルターを用いて、瞬時にマルチスペクトル撮影が可能な技術です。

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写真6 Panvion Technology Corp.のTomislav Milinusic様のご講演

次にMicralyne Inc. のProcess 開発Team Leader, Dean Spicer様から独立系の純MEMSファンドリと称した説明がありました。このマイクロラインは高精度なMEMS光スキャナーを開発・製造できる世界でも数少ない企業ですが、この技術は50-60ミクロンの櫛歯電極を使って電圧だけで制御するものです。また来日されたDean Spicer様はMNOICの研究拠点に関して大変関心を寄せておられました。

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写真7 Micralyne Inc.のDean Spicer様のご講演

次にStream Technologies Inc.のCOO, Don Murphy様から 波長400-1100nmの可視領域で リアルタイム一括撮影が可能なhyperspectral cameraのご紹介がありました。貼り合わせプリズムの接合面にナノテクを用いて特殊なフィルターを挟み込み、プリズムから放出される16方向を同時に撮影することで可視光のスペクトルカメラが出来ます。前述のPanvion Technology Corp.とも連携されているようです。

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写真8 Stream Technologies Inc.のDon Murphy様のご講演

次の講演は、NEMSOR Technologies Inc.のPresident and CEO, Walied Moussa様から三次元ストレインセンサーや三次元の負荷センサーを搭載したセンサープラットフォームのご紹介がありました。Moussa氏はアルバータ大学の教授でもあります。このプラットフォームはセンサー回路、処理回路、無線通信も含まれています。センサーは結構頑丈で、検出したい被検体に直接ボルト等で頑丈に付け、歪みや圧力を検出するようです。3次元歪みセンサーの構造はキャリア濃度の異なる半導体を用いているようですが詳細は不明です。

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写真9 NEMSOR Technologies Inc.のWalied Moussa様のご講演

最後の講演は、Shield Diagnosticsの CEO and Co-FounderであるSamuel Legge様 からの講演でした。Shield Diagnostics はUniversity of Waterloo 発ベンチャーで2012年に発足した新しい会社で、MEMSを含むセンサーを統合化して診断を行うシステムの開発を目指しています。

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写真10 Shield DiagnosticsのSamuel Legge様のご講演

閉会の挨拶はACAMPのKen Brizel様から今回の見学会を含むワークショプへの御礼と、オープンイノベーションと国際連携の重要性に関するコメントがあり、国際ワークショップが完了しました。ワークショップの後、約20分程度名刺交換会を設けて講演者との簡単な交流を行いました。このワークショップの参加者は約35名で、今回はカナダ・アルバータ州のオープンイノベーション研究拠点から生まれた技術と、その実用化、産業化を推進する海外からのお客様と直接交流できる貴重な場になったと思います。このようにNMEMS研究拠点の利用(MNOICの利用を含む)をされますと、世界最先端の研究環境の利用や研究支援に加えて、このような刺激のある国際的なイベントにもご参加可能です。MNOICでは最先端の研究施設を使った支援と同時に、このような人材育成、国際交流等の様々な取り組みに努めて参ります。皆様の更なるご利用を期待しています。(MEMS協議会 MNOIC研究企画担当 三原孝士)

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2013年2月 5日 (火)

MNOIC実習セミナー X-CTを用いたマイクロナノデバイスの3次元構造の計測・評価、および三次元データ再構成の実習」の実施

一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会では、MEMS・マイクロナノ領域における産業推進の一環として独立行政法人・産業技術総合研究所・集積マイクロシステム研究センターの研究施設を用いた研究支援を行うMNOIC事業を実施しています。その中で特に人材育成には力をいれ、これまでにUMEMSME・MNOICセミナーや装置セミナー、国際ワークショップ等を実施してまいりました。MNOIC事業も支援サービスを開始して2年目を迎え、多数の装置を用いた研究支援が可能になって来ましたので、今年度からMNOICで利用可能な最先端装置を用いた「実習形式のセミナー」を開催することに致しました。今回はその第一弾として、1月22日-23日に1.5日のコースでMNOIC開発センターにて、MEMSの微細3次元内部構造を観察して三次元データを取得可能なX線CT(コンピュータトモグラフィー)装置を用いた実習を実施致しました。
【学習・実習内容】
 X-CT(米国Xradia社産業用X線CT “MicroXCT-400”)の原理・利用方法を販売元であるキヤノンマーケティングジャパン㈱からご紹介
 世界最先端の評価および三次元再構成による解析事例を東京大学・大竹准教授からご講演
 X-CTの操作方法の実習(クリーンルームにて実施)
 X-CTを用いたTSV(シリコン貫通配線基板)サンプルの計測実習
 測定データの解析、三次元データの再構成の実習(予め取得したデータを使った解析)
【装置の概要】(最初にブログでご案内した装置名は記載ミスでした。実際に使用した装置は以下になります。)
 製造元:米国Xradia社産業用X線CT“MicroXCT-400”
 販売元:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
 MicroXCT-400の主な仕様
   ウェハ寸法:8、12インチウェハ、チップ観察用ホルダ付属、
   機能:X線CTスキャン顕微鏡観察、取込立体画像/CAD図形変換、
   最高分解能:1µm、観察可能エリア:直径8インチ以内
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写真 1 装置外観(参考)

【実習に使用したサンプル】
 貫通配線基板(TSV: Through Silicon Via)ウェハー
 Viaの穴径 約50マイクロメータ
 貫通穴の長さ(ウェハーの厚さ) 400マイクロメータ
 配線材料 銅

【実施結果】以下実施内容の概略をご紹介します。
(1)  一般財団法人マイクロマシンセンターの人材育成事業の一環であるため、人材育成委員会・前田龍太郎委員長(産総研・集積マイクロシステム研究センター長)から開会の挨拶を頂きました。
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写真2 前田委員長挨拶

(2) 装置、および計測原理の説明:X-CT(米国Xradia社産業用X線CT “MicroXCT-400”)の原理・活用方法を販売元であるキヤノンマーケティングジャパン㈱の青木様に、質問を含めて1時間の講演をお願いしました。製造元である米国Xradia社の沿線や保有技術の紹介のあと、具体的な計測原理に入りました。この装置の特徴ですが、ご存知のようにX線は屈折レンズが作成できないために、反射光学系を使う必要があって倍率変更が容易に出来ない等の課題があります。このためにXradia社産業用X線CT装置は、サンプルを透過したX線を一旦シンチレータ膜によってX線を可視光に変換し、その後光学顕微鏡の接眼レンズで拡大して観察します。このため、最小分解能は波長と接眼レンズのNAで決定されるので波長レベルになりますが、シンプルな構成で接眼レンズの変更で倍率も自由に変更できます。このX-CTの最大の特徴は、樹脂、セラミックスや金属等の内部を、ミクロンオーダで観察、しかも角度を変えた多数の撮影データから3次元・直感的な詳細情報を得られる点です。
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写真3 装置・計測原理の説明(キヤノンマーケティングジャパン㈱の青木様)

(3) 評価、解析事例:X-CT装置の特徴を最大限に引き出せる評価・解析事例を東京大学・大竹准教授からご講演頂きました。MNOICの研究支援を受けて試作した光MEMS(マイクロMEMSスキャナー)をX-CTにて角度を変えて多数の撮影データをとり、これを3次元的なモデルに再構成し、設計データとの比較を行う一連の研究を紹介して頂きました。特にX-CTの光学的な特徴を使って、少ないメモリや計算能力で如何に行うか?またX-CTで問題になる幾つかのデータ補正に関して説明がありました。
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写真 3 大竹先生から三次元再構成の講演

(4) 計測実習:2日目の午前中にサンプル構造に関する詳細説明があったあと、MNOICが研究支援する研究施設(産総研・集積マイクロシステム研究センター 8/12インチライン後工程TKB812B)に入って、当該装置の構造、光学系、サンプルの設置の仕方、各種パラメータの設定、計測とデータ取得に関する説明がありました。実習ですので、実際に何人かの参加者に操作をして貰いました。X-CTと言うと長時間かけてデータを撮る印象ですが、断面を1枚のみ撮る場合は、SEMのようにスキャンして僅か1分から数分で観察できます。即ち、サンプルを非破壊でその場で内部が観察できる画期的な装置です。
(5) 3次元再構成の実習:午後は事前に事務局にて計測、角度を変えた多数のデータから、立体データを再構成する実習を行いました。X-CTで課題となっている幾つかの補正も、組み込み標準ツールで補正が行うことができ、実用上十分な精度を持つ3次元再構成像が得られます。例えばシリコン中の金属埋め込み構造の形状や表面等も有る程度の精度で観察できますし、バンプ内のボイドの位置も様々な角度から見ることができます。
(6) 纏め:今回の実習の最後に、実習は今回が始めてであったこともあって、皆様にアンケートと実習の感想をお聞きしました。全体的には大変好評で、世界最先端装置の有効性や課題が良くわかった、また是非MNOICの利用を検討したい等のご意見、更にこのような実習講座を今後も実施して欲しい等のご意見がでました。
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写真 4 実習の風景

最後に、今回は始めてのMNOIC実習講座の提案と実施で、正直言って参加者が集まるか不安でしたが、参加枠一杯の8名の参加者に来て頂きました。参加枠を超えた後にお申し込み頂いてお断りした方には申し訳なく思いますが、このような企画を今後も進めたいと思います。またMNOICの年間利用法人は1法人1名まで無料で御参加頂けます。年に3から4回の実習講座を予定していますので、皆様も是非ご検討ください。(MEMS協議会 三原 孝士)

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2013年2月 1日 (金)

海外調査報告会を盛況に開催

 マイクロマシンセンター/MEMS協議会(MIF)では毎年数回の海外調査を行っていますが、今年度実施した調査内容の報告会が1月24日に開催されました。当日は、国際標準化活動についても報告があり、最新のMEMS海外事情にご関心の方々、約30名にご参加いただきました。
 今回は国際交流事業担当から2件、国際標準化担当から1件、計3件の報告がありました。それぞれの報告をご紹介します。

 「米国・欧州におけるMEMS最先端技術と産業動向」と題したMIF(MEMS協議会)阪井からの報告は、MIG Executive Congress(2012.11.7-9)、ミシガン大学WIMS、カリフォルニア大学BSAC、デルフト大学ナノネクストNLプロジェクト(オランダ)、LETIセンサネットワーク研究所EPosSS(フランス)に関するものでした。
 MIG(MEMS Industry Group)は米国を中心とするMEMS関連の150機関が参加し、MEMS産業活性化を狙いに情報サービスや各種シンポジウム等の活動を展開しています。MIG Executive Congressは参加者のビジネスマッチングに重点を置き、パネル討論やゲスト講演を行っており、2012年はMEMS産業/市場動向、医療/健康MEMS、民生用MEMS、有望MEMSがテーマとして取り上げられ、220名の参加規模でした。TI社Amerasekera氏は「Ultra Low Power Electronics in the Next Decade」としてSensory Swarm(蜂の群のように安価なセンサーを大量にばらまく)がビジネスチャンスであり、このための低消費電力デバイス、エネルギーハーベスティング、ワイヤレス、システム設計が技術開発の方向と講演がありました。Yole Developmentからは市場動向につき、圧力、加速度、ジャイロ、マイクロフォンと次々と大型市場を形成してきたMEMSの次のターゲットはオートフォーカスや環境センシングと報告がありました。iSuppli社からはMEMSマイクロフォンの市場形成につき報告がありました。この他の訪問機関についても研究開発内容の紹介がされました。

 「マイクロマシンサミットと台湾・欧州におけるMEMS動向」と題したMIF三原の報告は、昨年4月に台湾で開催されたマイクロマシンサミットや訪問した台湾の公的研究所とファンドリーの様子、そして昨年10月に訪問したセミコン・ユーロ及びオランダとドイツの研究機関に関するものでした。
 「国際マイクロマシンサミット」はMEMS関連の各国機関が毎年一堂に会するイベントで、2012年は第18回を数え、台湾・新竹で開催されました。20の地域、75人のデレゲートが参加し、18のカントリーレビュー、マイクロ技術におけるエコシステム、実用化の現状と将来に関するセッションが行われました。カントリーレビューでは着実な投資と衰える事が無い研究開発が米国、カナダ、ドイツ、フランス、スイス、台湾、中国、韓国で行われている、スマートフォンに代表されるMEMS市場の広がり、一方で民生用は価格破壊の危惧があり、研究ターゲットは医療やバイオへ向いていくと報告がありました。
 台湾の研究機関・企業訪問での実感したのはサプライチェーンと研究設備の充実ぶりでした。研究者に最先端の実験施設・評価装置を提供するNDL(Nano Devices Lab)、世界の半導体ファンドリであるTSMCを生み出したITRI(Industrial Technology Research Institute)、設計・実装・システム評価を提供するCIC(Chip Implementation Center)、TSMCのMEMS版であるAPM(Asiapacific Microsystem Inc)、世界トップの半導体ファンドリTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.)等が密接なネットワークを形成しています。
 セミコンユーロMEMS産業化フォーラムに参加し、欧州のマイクロエレクトロニクス産業の盛況ぶりについて調査しました。欧州の中でもドイツが強く、欧州の製造設備の1/3はドイツが占有しています。市場としてスマートフォン等の民生MEMSはあと2年で飽和するとみており、自動車、産業、医療等に期待しています。アジアとの直接競合は避け、特徴のある分野での発展持続を目指しています。この他、オランダのHolst Center、MESA+ Twente大学、ドイツのフライブルグ大学IMTEKを訪問した報告がありました。

 「MEMS国際標準化に関する活動状況」は調査研究・標準部の出井より報告がありました。MEMS関連の国際標準化はIEC(International Electrotechnical Commission)の半導体デバイスに係わる分科会が担当し、2008年からMEMSに特化したSC47Fで審議(参加10カ国)が行われています。これまでに様々な試験法を主とした国際規格13件が発行されており、12件が審議中です。提案国は日本と韓国に限られていましたが、中国の提案があり、ドイツからも提案の意向表明があります。この他に韓国・中国とはMEMS標準化ワークショップを毎年開催しており、情報交換を行っています。今後は、発行済み規格の見直し、製品規格の提案強化、新分野(エネルギーハーベスティング等)の提案、海外提案を含めた規格の品質向上等が課題です。

 当日の講演資料はMMC/MIF会員専用ページよりダウンロードできます。
 マイクロマシンセンターでは今後も、様々なシンポジウム、講習会、報告会を開催する事としています。どうぞご期待ください。
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