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2012年12月

2012年12月13日 (木)

2012年米国MEMS産業動向調査(その2)UC.Berkeley BSAC訪問調査報告

米国MEMS産業動向調査を目的として2012年11月5日にUC.Berkeley BSAC(Berkeley Sesor & Actuator Center)を訪問しましたので、調査内容を報告いたします。
 米国のMEMS産業の現況に関し、大手企業は引き続き好調を維持しており、またキラーアプリを目指して多くのファブレスベンチャー企業が今も続々と誕生しています。これらの好業績をサポートするのが米国の大学のMEMS研究機関で、大学でありながら本格的なMEMS試作ラインを備え、長年の蓄積技術をベースに研究開発からプロトタイプ試作まで幅広くサポートできることを特徴としています。その中でもUC.Berkeley BSACは1986年の設立以来常に最先端のMEMS技術開発で世界をリードし、インフラ含めてすべての面で大規模にMEMSの研究開発を進めている代表的な大学です。開発の範囲は材料/プロセス/パッケージング、デバイス及び構造体、システムインテグレーションの各段階において体系的に研究が進められています。今回は、研究開発の方向性、企業サポートのシステムについてヒヤリングを行ってきました。

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           写真. UC. Berkeley 11月初め 夏の陽気

 BSACの研究開発は、企業との共同研究による商品化を目的として行われています。
取組みの基本方針として
・基礎研究と商品開発の間に位置付けられる技術開発
・学際的分野
・商品に結びつく技術開発
・企業との共同研究
・コンソーシアムの形態、をあげています。

 BSACが企業と共同で取組んでいる主なMEMS技術、デバイス開発プロジェクトは次の通りです。
・MEMS発振器、高周波フィルタ
・MEMSエネルギーハーベスタ、2次電池
・通信機能を備えてばらまかれた大量のSmart Dust
・危険環境、極限環境でのセンシング
・シリコンフォトニクス
・DNAアレイ
・太陽電池
・光集積回路
・ナノキャビティLED
・磁性応用イムノアッセイ、他多数
 狙いの分野の傾向を見ると、情報機器向けRF-MEMS、ナノバイオ等の今後需要の伸びが予測される代表的なMEMSと、昨今の環境エネルギー問題を反映した環境センサ、エネルギーハーベスター等への取組みが多く見られます。その他では光デバイスへの取組みが注目され、ナノ構造、ナノ加工プロセスを応用した太陽電池、LED、光集積回路等、今後巨大な市場形成が確実視されるデバイスにも企業ニーズに合わせて積極的に取り組んでいます。
 インフラは、Marvell Nano Fabrication Laboratoryと呼ばれている研究所に導入されている6インチのMEMS試作ラインが使われます。また0.35μmのCMOSラインも備え、集積型素子の試作も可能です。約30人のスタッフで管理され、各プロセスはモジュール化(標準化)されており、そこから選択することができます。
 各装置の状態を把握、維持するために月1回モニタウェハによるプロセス条件の検証が行われており、ユーザをそのデータを参照してプロセス条件を決めることができます。
 フォトマスクはLabo内部で設計し、パターンジェネレータでマスクを作製するところまでできます。

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                         写真. Executive Director John Huggins と

 企業サポートプログラムについて
 BSACはコンソーシアム形式すなわち会員制を採用しており、一般会員とコラボレーション会員から成ります。一般会員は参加費用$50,000/年で、BSACの研究テーマに対して委託研究の契約を結ぶことができます。また定期的に開催されているBSACの研究開発成果報告会に出席したり、早い段階でBSACの出願特許情報に触れることことができます。
 コラボレーション会員は参加費用$135,000/年で、一般会員のメリットに合わせて企業が望むテーマでBSACと共同研究を行うことができます。そしてその共同研究にUC.Berkeleyの大学院生を参加させることができます。また追加費用が要りますが、企業の社員を研究グループに派遣することができます。
 開発費用面でのメリットは、会員企業の年会費はまとめてプールされ、その数倍の連邦、州政府からの研究資金が加算されて、その資金を基に研究開発が運営されます。参加可能な企業は米国に限らず日本や欧州の企業も可能で広くオープンに運営されています。
 設立当初は大学内での単独研究であったのが、優秀な研究者達による技術蓄積とオープンな研究所運営が多くの商品開発成功例と多くの企業との共同研究(120プロジェクト)を生み出すに至ったと考えられます。

参考:http://www-bsac.eecs.berkeley.edu/
                                           阪井 淳

 

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MEMS協議会・海外調査報告会(マイクロナノイノベータ人材育成プログラム)開催のご案内

MEMS協議会・海外調査報告会(マイクロナノイノベータ人材育成プログラム)開催のご案内

 一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会では、MEMSを含むマイクロナノ領域の産業推進を目的として、研究開発活動やインフラ整備活動(MNOIC等)を行なっています。また国内外機関と連携した長期的な人材育成や国際交流にも注力しています。今回、マイクロナノ人材育成プログラムの一環として、主として国際交流事業で得た米国やアジア、欧州の最先端産業技術動向や、世界の有力マイクロナノ関連研究所の訪問で得た知見を、報告する会を開催致します。また(財)マイクロマシンセンターが主導している国際標準化の活動に関しても報告致します。皆様のご参加をお願い致します。

詳細は下記ホームページをご参照ください。(12月17日から受付)

 http://mmc.la.coocan.jp/business/kaigai/chousa-rep.html

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 MEMS協議会・海外調査報告会(マイクロナノイノベータ人材育成プログラム)
開催概要
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開催日時: 平成25年1月24日(木) 15:00~17:10~18:30
主催: 一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会
開催場所: (財)マイクロマシンセンター「MMCテクノサロン」
       (地図: http://www.mmc.or.jp/gaiyou/map/)
概要:
1. プログラム

15:00~15:05 主催者挨拶
(財)マイクロマシンセンター 専務理事 青柳 桂一
15:05~15:50  「米国・欧州におけるMEMS最先端技術と産業動向」
・MEMS国際ビジネス会議(MEMS Executive Congress)
・ミシガン大学 WIMS(米国)
・カルフォルニア大バークレー校BSAC(米国)
・デルフト大学 ナノネクストNLプロジェクト(オランダ)
・LETI-センサネットワーク研究EPosSS(フランス)
MEMS協議会   阪井 淳
15:50~16:35 「マイクロマシンサミットと台湾・欧州におけるMEMS動向」
・マイクロマシンサミット2012(台湾)報告
・台湾公的研究所(ITRI,NDL,ITRC, 台南MSTC)訪問
・台湾ファンドリ(APM,TSMC,UMC,KYEC,ASE)訪問
・Semicon/Euro MEMS産業化フォーラム報告(ドイツ)
・オランダ、ドイツ研究所(HTCE,MESA+,IMEK)訪問
MEMS協議会  三原 孝士
16:35~17:10 「MEMS国際標準化に関する活動状況」
・MEMS国際標準化と日本の対応
・日中韓のアドホック活動(済州島Meeting等)
MEMS協議会  出井 敏夫

2. 参加者交流会  (財)マイクロマシンセンター・会議室へ移動

17:30~18:30 ----- 参加者交流会 (立食形式) -----
               (会場:マイクロマシンセンター本部 会議室)

参 加 費:  
* MEMS協議会メンバー ----- 無料
     (正メンバー、アソシエートメンバー、MEMSフェロー)
* 一 般 -------------------- 1人 3,000円
        当日受付にてお支払いください。

参加申込み: 下記申込みページに必要事項を記入してお申し込みください。(12月17日から受付)

 http://mmc.la.coocan.jp/business/kaigai/chousa-rep.html

申込締切: 平成25年1月18日(金)
(定員(25人)になり次第締め切りさせて頂きます。)

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問合せ:
一般財団法人マイクロマシンセンター
人材育成および・国際交流事業 三原 / 酒向
E-mail:front@mmc.or.jp  (共通使用アドレス)
〒101-0026 東京都千代田区神田佐久間河岸67
      MBR99ビル6階
Tel: 03-5835-1870   Fax: 03-5835-1873
http://www.mmc.or.jp/
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MNOIC実習セミナ X-CTを用いたマイクロナノデバイスの3次元構造の計測・評価、および三次元データ再構成の実習」開催

MNOIC実習セミナ X-CTを用いたマイクロナノデバイスの3次元構造の計測・評価、および三次元データ再構成の実習」開催

主催:一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会 MNOIC事業
後援:独立行政法人・産業技術総合研究所・集積マイクロシステム研究センター

【概要】
一般財団法人マイクロマシンセンター・MEMS協議会では、MEMS・マイクロナノ領域における産業推進の一環として独立行政法人・産業技術総合研究所・集積マイクロシステム研究センターの研究施設を用いた研究支援を行うMNOIC事業を実施しています。その中で特に人材育成には力をいれ、これまでにUMEMSME・MNOICセミナーや装置セミナー、国際ワークショップ等を実施してまいりました。MNOIC事業も支援サービスを開始して1年強を迎え、多数の装置を用いた研究支援が可能になって来ましたので、今年度からMNOICで利用可能な最先端装置を用いた「実習形式のセミナー」を開催することに致しました。今回はその第一弾として、MEMSの微細3次元内部構造を観察して、三次元データを取得可能なX線CT(コンピュータトモグラフィー)装置を用いた実習を計画致しました。この機会に世界最先端の装置を体験して頂き、更に多数のユーザの皆様にMNOICを利用して頂くことに期待しております。

【日程】
2013年1月22日( 火曜)14時開始、23日(水曜)16:30終了予定
【場所】
〒305-8564 茨城県つくば市並木1-2-1
産業技術総合研究所 東事業所:集積マイクロシステム研究センター内 NMEMSイノベーション棟
一般財団法人マイクロマシンセンター、MNOIC開発センター
http://mnoic.la.coocan.jp/access/index.html(MNOIC開発センター@つくば)
【学習・実習内容】
・X-CT(米国Xradia社産業用X線CT “VersaXRM-500”)の原理・利用方法を販売元であるキヤノンマーケティングジャパン㈱からご紹介
・世界最先端の評価および三次元再構成による解析事例を東京大学・大竹准教授からご講演
・X-CTの操作方法の実習(クリーンルームにて実施)
・X-CTを用いたTSV(シリコン貫通配線基板)サンプルの計測実習
・測定データの解析、三次元データの再構成の実習(予め取得したデータを使った解析)
【費用】研究支援料および資料代(ホテル代、昼食代は含みません)
・一般(企業等) 30,000円(消費税込)
・アカデミア(大学、公的研究機関) 15,000円(消費税込)
・学生 10,000円(消費税込)
【MNOIC実習セミナー費用の支払方法】

お申込み確認後受付メールをお送りします。ご住所に請求書と受講票をご郵送しますので、当日は、受講票をご持参ください。お振込みは2月28日までにお願いいたします。また、お振込み期限を過ぎる場合には、お振込み予定日をメールまたはFAXにてお知らせください。

【申込方法、および申込み先】以下を記入の上、メールにてお申し込みください。
**********************************************
・ 郵便番号:
・ ご住所:
・ 法人名:
・ ご所属:
・ ご氏名:
・       連絡先(電話):
・ メールアドレス:
・ 請求書の宛先・宛名(上記と異なる場合):
・ その他、ご連絡内容:
**********************************************
申込先:
〒101-0026 東京都千代田区神田佐久間河岸67 MBR99ビル 6F
TEL:03-5835-1870 FAX:03-5835-1873
email:t_mihara@mmc.or.jp
一般財団法人 マイクロマシンセンター
MEMS協議会事務局 MNOIC研究企画部
三原 孝士 宛
<その他>恐れ入りますが、宿泊場所等は各自でご予約ください。
【最小実施人数】
・1名

【実習プログラム】
2013年1月22日(火曜)  1日目
14時00分集合(開発センター会議室):入所方法、集合場所等は別途ご案内致します。
1)14:00-14:10 開催の挨拶(人材育成委員会・前田龍太郎 委員長挨拶)
2)14:10-14:30 オリエンテーリングとMNOICの概要説明(担当 三原孝士)
3)14:30-15:30 X-CTの原理と装置の解説(キヤノンマーケティングジャパン㈱
青木 優 様)
4)15:30-16:30 X-CTを用いたMEMS構造解析の例(東京大学 工学系研究科 精密工学専攻
准教授 大竹豊 先生)
6)16:30-17:00 MNOICの見学(三原孝士)
7)17:00-18:00 簡単な懇親会(参加者+関係者:ビールとおつまみ程度)

2013年1月23日(水曜)  2日目
1)9:00 集合(開発センター会議室)
2)9:00-10:00 装置実習の概要説明、サンプルの説明(上野昭久、三原孝士)
3)10:00-12:00 装置実習 装置説明 2D、3D測定実習。(上野昭久、三原孝士)
4)13:00-14:00 装置実習 再構成実習(上野昭久)
5)14:00-16:00 測定結果の解釈、データ解析(上野昭久、三原孝士)
6)16:00-16:30 纏めと反省会(三原孝士、上野昭久、原田武)
7)16:30 終了予定

【装置の概要】
・製造元:米国Xradia社産業用X線CT “VersaXRM-500”
・販売元:キヤノンマーケティングジャパン株式会社 産業機器新規事業企画部ニュープロダクト推進課
VersaXRM-500の主な仕様(カタログから抜粋)
・X線源 :タングステン/最大管電圧160kV
・検出器 :2048×2048 TE冷却CCD
・測定視野 :最大50mm×50mm
・最高測定分解能 :≦ 0.7μm
・最大サンプルサイズ :φ300mm 15kg
http://cweb.canon.jp/newsrelease/2011-05/pr-xrm500.html


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(カタログからコピー)
【実習に使用するサンプル】
・貫通配線基板(TSV: Through Silicon Via)ウェハー
・Viaの穴径 約50マイクロメータ
・貫通穴の長さ(ウェハーの厚さ) 400マイクロメータ
・配線材料 銅

(担当 MEMS協議会 三原孝士)
以上


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仙台マイクロナノ国際フォーラム2012でのMNOIC展示

仙台マイクロナノ国際フォーラム2012でのMNOIC展示

2012年11月19日から20日に仙台市、サンプラザホテルで開催された「仙台マイクロナノ国際フォーラム2012」にてMNOICの展示を行いました。皆さんご存知のように東北大学・江刺研究室はMEMSの研究開発に長い経験と実績を残され、日本の全国の企業が研究員を派遣して知見を蓄え、日本のMEMS産業の基礎を築かれました。更に東北大学・戸津先生を中心に展開されているMEMSコインランドリーでは、大変自由度の高い研究施設を用いて、企業からの研究者自身がMEMSの研究開発と試作が出来ます。また仙台市にはMEMS技術を含む仙台地域に蓄積された知的資源を最大限に活かし、基盤技術の確立から製品化技術全般まで付加価値の高いものづくりを支援する、産学官の関係者によって設立されたネットワークである「MEMSパークコンソーシアム(MEMSPC)」があります。このように仙台市はMEMSを含むマイクロナノ分野の重点推進地域になっています。その仙台市で開催された、この大きなマイクロナノ関連イベントにおいて、大口径MEMSの研究開発を支援するMNOICをアピール出来たことは大変重要と思います。
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写真 1 会場となった仙台市、サンプラザ仙台ホテル
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写真 2 不思議な屋根を持つ自動販売機

11/19(月)は東北大学マイクロシステム融合研究開発センターシンポジウム2012が開催され、11/20(火)は日独マイクロナノ応用技術シンポジウム2012、更にその夕刻には、MEMSPCと産総研グリーンプロセスインキュベーションコンソーシアムとの特別セミナーが開催されました。また技術展示はこの2日間に渡って開催されました。
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写真 3 シンポジウムでの江刺先生のご講演
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写真 4 展示会場でのMNOIC展示
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写真 5 展示会場の全景
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写真 6 江刺先生(中央)とMEMSコアの本間社長(左)
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写真 7 ドイツ・フランフォーファ研究所・ENASのThomas Gessener教授と、日本での研究分室のスタッフの皆様

展示会場では、沢山の方々とお会いすることができました。写真6は江刺先生、MEMSファンドリーを経営されているMEMSコアの本間社長(MEMSコアのファンドリビジネスは大変良好で、多くの引き合いがあるとのことでした)、また東北大学の桑野先生、田中先生、小野先生、仙台市・経済局の方々、MEMSPCの蛸島様などなど・・大変強く頼もしいネットワークがあることに実感致しました。この場を借りて皆様に感謝致します。また写真 7は東北大学・江刺先生と連携されているドイツ・フランフォーファのENASのThomas Gessener教授の日本での研究分室のスタッフです。このように国境を超えた取り組みがされており、将来MNOICにもこのような国際組織ができて欲しい、との願いから写真を載せさせて頂きました。
シンポジウムの翌日は技術ツアがあり、MEMSコインランドリーのある東北大学・西澤潤一記念研究センターを訪問致しました。戸津先生の説明のあと、2班に別れてクリーン着に着替えて研究施設を見学と、仙台MEMSショールームの見学を行いました。MEMSコインランドリー研究施設のルーツは東北地方のパワー半導体工場にあるとのことで、今もその名残がありました。日本に限らず海外でも、(今では設備もかなり古い印象を受けますが)これほどの整備された研究施設を継続的に運営できている大学の研究室は、極めて少ないと思います。また世界中の研究者から集められたMEMSサンプルがある、仙台MEMSショールームは「ここに来ればMEMSの全てが分かる」と言える素晴らしいものです。戸津先生とスタッフの皆さんに見学会のあと情報交換もさせて頂きました。重ねて感謝したいと思います。MNOICも東北大学・MEMSコインランドリー、更に京都大学を中心としたナノファブとの連携と言ったネットワークを更に強化したいと思っています。(MEMS協議会 MNOIC研究企画 三原孝士)
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写真 8 MEMSコインランドリーでの戸津先生の説明
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写真 9 仙台MEMSショールーム

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2012年12月 7日 (金)

MNOIC-UMEMSME特別セミナー(オランダ研究所との国際WS)開催報告

MNOIC-UMEMSME特別セミナー(オランダ研究所との国際WS)開催報告

11月15日にTIA N-MEMS UMEMSME/MNOICの特別セミナーとしてNMEMSイノベーション棟 1F国際セミナー室にて「低炭素社会におけるMEMSセンサーネットワークをテーマとしたオランダHolstセンター/HTCEとの国際ビジネスワークショップ」を開催致しました。主催は一般財団法人マイクロマシンセンター、共催して産総研・集積マイクロシステム研究センター、技術研究組合NMEMS技術研究機構、オランダ王国大使館、Holst Centre・High Tech Campus Eindhoven (the Netherlands)さらにTIAの後援を頂いての開催でした。このセミナーは、最先端TIA研究施設を用いた研究開発支援サービスを実施するマイクロマシンセンター・MNOIC事業が主体となって、産業界を中心に多くの方々に利用して頂く為に人材育成と国際交流の活の一環として取り組んでいます。今回はオランダのオープンイノベーションを推進する研究所の方々との交流で、オランダから3つの講演、日本から3つの講演がなされました。オランダ王国はMEMSやナノバイオの分野で先進的な研究をされていることは有名です。今回講演される ホルストセンター(Holst Center)を含むハイテクキャンパスアイントホーヘン(HTCE)は、フィリップスの半導体研究所のその研究施設、およびその人的資源を引き継いで国際的なオープンイノベーション拠点として活動中の研究所です。
 ワークショップの前に、オランダからのお客様にはMEMS8/12インチ研究施設(TKB812)の見学をして頂きました。多くの半導体とMEMSの研究所は、半導体では8インチ、MEMSでは6インチが一般的ですので、オランダからのお客様にもこのMEMS8/12インチ研究施設には大きな関心を持って頂けました。
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写真1 MEMS8/12インチ研究施設の見学会

また本ワークショップは、荒川MNOIC開発センター長の司会(チェア)で開催しました。最初に集積マイクロシステム研究センター・前田龍太郎センター長から産総研のMEMS研究の紹介、オランダ大使館・科学技術参事官のPaul op den Brouw氏からオランダの産業技術政策のお話がありました。
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写真2 前田龍太郎 センター長の開会のご挨拶
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写真3 オランダ大使館・科学技術参事官 Paul op den Brouw氏

セッション1はオランダの研究者からの講演です。最初にオランダ、ホルストセンターのBert Gyselinckx氏からホルストセンターのご紹介と、最新の研究内容の発表がありました。Bert Gyselinckx氏には何度もIMECのセミナーでHuman++等のプロジェクトの報告を聞きましたが、MEMSの研究やセンサーネットワークの研究はオランダのHolstセンターで行なっています。HolstセンターはIMECとオランダTNO(応用科学研究機構)が共同出資したもので175名の研究員、70のユーザ法人が利用し、年間45億円の規模の研究センターです。
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写真4 ホルストセンターからBert Gyselinckx氏の講演

HTCEからはCees Admiraal氏からのご紹介がありました。HTCEはまだ7年目のオープンイノベーション拠点ですが、世界の10指に入る規模、質に選択された(順位としては世界7位)とのことです。膨大な敷地内に研究施設、企業のオフィスや共通施設があり、全世界から約120の企業が利用し、約8000人が働いています。後で聞いたところ、前身であるフィリップスの半導体研究所から1200名の研究員を含む4000人が雇用を継続し、オープンイノベーションを開始して約2倍の8000人の規模になったとのことです。オランダは(技術と雇用を守りながら)フィリップスの研究所閉鎖を、世界最大規模のオープンイノベーション拠点に変貌させたわけです。
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写真 5 HTCEのCees Admiraal氏

 オランダの発表の最後はNXPのJoost van Beek氏からCMOSからMEMSへの発展型デバイス(CMOS集積化MEMS)構想の講演でした。NXPセミコンダクターはフィリップスの半導体部門が2006年に分離し、アイントホーヘンのHCTE内に本社、研究所を持ち、HCTEの最大ユーザでもある世界屈指の半導体企業です。講演内容は次世代半導体の姿としてセンサー、アクチュエータ、RF等を1チップに統合化するものです。
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写真 6 NXPセミコンダクターのJoost van Beek氏

セッション2として、日本からの講演では最初にMNOIC荒川センター長から、MNOICの紹介をさせて貰いました。日本でもオープンイノベーション志向になってきたこと、世界的に見ても8から12インチの大口径MEMS研究施設を持つ研究機関はまだ少ないことから、興味を持って頂けたと思います。また日本の誇るMEMS技術の一つに大面積MEMSがありますが、産総研の高松氏から織物機を用いて機能性のある高分子繊維をメートルサイズに折り込み、大面積のセンサーMEMS(分布型圧力センサー)を作成する技術の紹介がありました。
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写真 7 産総研の高松氏による講演

最後の講演は集積マイクロシステム研究センター 副センター長の伊藤氏からGSN(グリーンセンサーネットワークシステムプロジェクト)の概要、センサー技術および応用に関する話題提供でした。MEMSセンサーの開発、超低消費電力回路技術、様々な応用と幅広いテーマの講演でした。
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写真 8 産総研の伊藤氏による講演

閉会の挨拶はMNOIC今仲所長から、オープンイノベーションと国際連携の重要性に関するコメントがあり、国際ワークショップが完了しました。懇親会の準備の間に、担当者から海外のお客様にポスター展示・報告を行い、その後同じ国際セミナー室で懇親会を行いました。懇親会の挨拶はHTCEのCees Admiraal氏、乾杯の挨拶は(財)マイクロマシンセンター専務理事の青柳です。この講演会と懇親会の参加者は約60名で、オランダ大使館の科学技術ご担当、オープンイノベーション研究拠点での最高レベルのご担当者、最先端の研究者を含む多数の海外からのお客様と直接交流できる貴重な場になったと思います。このようにNMEMS研究拠点の利用(MNOICの利用を含む)をされますと、世界最先端の研究環境の利用や研究支援に加えて、このような刺激のある国際的なイベントにもご参加可能です。MNOICでは最先端の研究施設を使った支援と同時に、このような人材育成、国際交流等の様々な取り組みに努めて参ります。皆様の更なるご利用を期待しています。(MEMS協議会 MNOIC研究企画担当 三原孝士)
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写真 9 MNOIC今仲所長による閉会の挨拶
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写真 10 HTCEのCees Admiraal氏による懇親会挨拶
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写真 11 MMC専務理事 青柳による乾杯の挨拶
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写真 12 懇親会にて
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写真 13 懇親会にて

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