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2011年11月21日 (月)

2011年 MEMS Executive Congress(米MIG主催)参加報告

MEMSの世界の産業動向、市場動向調査を目的として米国で開催されたMEMS Executive Congress(MEMS Industry Group主催)へ参加しましたのでその内容を報告します。
 この会議は、MEMSのデバイスメーカ、アプリメーカ、ファンドリー、製造装置メーカ、MEMS研究機関等の代表者が集まって将来のMEMSビジネスの方向性について議論する場として毎年11月に米国で開催されている国際会議です。会議の概況は以下の通りです。
・開催日時:2011年11月2日、3日
・開催場所:Montreley Plaza Hotel(米国カリフォルニア州モントレー)
・参加人数:225名(同会議ではこれまでで最大)
・主な参加企業
 デバイスメーカ:Texas Instruments、Robert Bosch、Hewlet Packard、STMicroelectronicsをはじめほとんどの大手MEMSデバイスメーカ
 ファンドリー:Silex、DALSA、Micralyne他
 研究機関:Fraunhofer、CEA Leti、BSAC他
 製造装置メーカ:住友精密、Applied Material他
 日本企業:オムロン、ソニー

Kaijou
                   会議が開催されたホテル全景


 プログラムはゲストの講演とパネルディスカッションから成ります。
パネルディスカッションのテーマとそこで出た主な意見は次の通りです。
○MEMS市場予測
・MEMS市場の伸びは、2011年は前年比10%増、2015年までに世界市場は$12B(iSuppli)、$20B(Yole)まで成長するであろう。
・特に民生用MEMSの伸びが大きく、年率20%増を続けるであろう。しかし価格破壊が続く。
・民生用途の急拡大は出荷数量の激増をもたらしつつある。徐々に半導体産業に近付いている。大量生産化はプロセス、設備の標準化を招き、それが低コスト化をもたらす。
○MEMSファンドリー
・Time-to-market(TTM)が重要。市場ニーズへの迅速な対応が勝負、半導体と比較してスピード半分
・現状からさらに生産量が拡大されると大手半導体企業の参入障壁が低くなる。
・大手垂直統合メーカ、半導体メーカは古くなった半導体装置をMEMSラインへ転用することによって、投資コストが削減される。
・MEMSファンドリーも量産設備を保有するICファンドリーがシェアを拡大するのでは
・純MEMSファンドリーはMEMS特有のプロセスノウハウ他特長を出さねばならない。
・今後MEMSトップメーカにファブレスの割合が増える。
○MEMSセンサ融合/ネットワーク
・MEMSはリアルタイムで周辺状況を使用者に供給してくれる。
・これまでの携帯電話は人とのコミュニケーションが主目的であった。
・これからは環境とのコミュニケ-ションが加わる。(携帯電話に環境センサが加わる)
・HPのCentral Nervous System of the Earth (CENSE)は大規模センサネットワークシステムで全地球上の資源(石油)探査に導入予定である。
・センサユーザは、断続動作で低コスト、低消費電力なセンサを求めている。
・センサネットワークで得られたデータは、クラウドへ置くことは無く、厳しいセキュリティのもとで管理されるであろう。
○民生MEMS
・スマートフォンは小型モバイルPCでは無く、個人の嗜好を取り入れたパーソナル専用情報機器となる。
・個人の健康管理はこれまで特定の条件の人達のものであったが、これからは大衆化する。
・通常一般生活でセンサデバイスの存在は意識されなかった。これからは様々な場面でセンサからのデータを意識する場面が増えるであろう。
・民生用MEMSで成長が期待できる分野は、医療・ヘルスケア、大面積デバイス、ユビキタスデバイスがあげられる。

Photo
            パネルディスカッションの様子 


 全体を通して、大手企業が集まって今後のビジネスの動向を議論する場であるので、「大きな市場を形成できる分野」が大前提としてありました。そのため話題の大半がモバイル機器への応用へ集中しました。
一方で医療MEMS等、市場は小さいが高付加価値型MEMSも注目されており、これらの分野も具体的に議論するセッションを設けるべきではと思われました。
 いずれにせよモバイルの好況を追い風に業界全体が活気付いており、日本のMEMS産業もこの追い風に乗れるよう提言活動を続けていきたいと考えます。

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