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2011年9月16日 (金)

韓国の研究機関NNFCおよびKRISS訪問

韓国の研究機関NNFCおよびKRISS訪問
MMC 三原 孝士

 ナノコリア2011の出展・参加に合わせて、韓国の研究所2施設を訪問しました。今回の出張の目的の一つでもあった、韓国のIMECとの呼ばれるナノテク&MEMSの研究拠点であるNNFC(National NanoFab Center)と KRISS(韓国標準科学研究院)です。両施設とも日本の「つくば市」にあたる「研究学園都市、太田(テジョンDaejeon)市」にあります。デジョン市はソウルの南約130kmに位置し、高速道路が発達している韓国では車での移動が一般的です。しかしソウルから市街に出るために(ソウルを東西に流れる漢江を渡るのに常時大渋滞しているために)車で1時間、デジョン市までは計3時間近くかかりました。
 NNFCですが、Korea Ministry of Science and Technologyが2002年から2010年まで165億円を投じて拠点化され、Korea Institute of Science and Technology Evaluation Policy (KISTEP)によって管理運営させています。現在の所長はマイクロナノ2011・国際シンポジウムで講演を頂いたKwyro Lee氏です。施設は韓国のIMECと呼ばれるように、立派な建物に、8インチナノエレクトロニクス(CMOS)ライン、4から6(一部8)インチMEMS施設、バイオ関連、ナノテク関連施設と何でも揃っているのが特長です。また重点研究領域は(1)0.18um-RF-CMOS、(2)CMOS/MEMS集積化、(3)bio-MEMS、(4)ナノ材料となっています。またMEMSに限定するなら、装置の数は51、オペレーター10人を含む20人のスタッフ、装置の投資は40億円程度です。MNOIC比較すると、イオン注入装置を含む最先端CMOSラインがあって集積化MEMSを容易に開発できること、またスタッフの充実です。また運営経費の約70%は政府からの支援で残りの30%も競争的資金(国家プロジェクト)から来ているとのことです。更に驚きは同規模のMEMSを含むマイクロ・ナノ研究拠点が韓国内に他に2カ所(何れも国家予算)あるとのこと、韓国の当該分野への強化ぶりが伺えました。
一方のKRISSですが、今回の研究所訪問の世話をして頂いた旧知の趙博士の本拠地であることから訪問しましたが、KRISSが研究所で最も歴史がある施設で標準や計測と言った要素技術を元に、多数の韓国発製品や企業を輩出している点で韓国の科学技術国家を支えていることを知りました。KRISSは1975年に研究学園都市・Daejeon市に最初に設立された歴史のある研究所で500m2、年間研究費90億円、研究員数が約400人の規模です。またKRISSの内部にもクリーンルームやMEMSの施設があって、赤外線センサーやバイオ関連MEMSを研究しています。この趙博士の専門分野は金属や無機ナノ材料の研究ですが、最近では電子顕微鏡の高性能化やイオンビーム研究をされ、韓国のSEMやTEMの実用化・産業化に多大の貢献があります。

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写真1 NNFCの全景(NNFC紹介資料から)

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写真2 NNFC訪問時、左から2番目がLee所長、右端が趙博士

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写真3 KRISSの全景

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写真4 KRISSの展示室で見つけたバイオロボット

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