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2011年6月30日 (木)

Microtech2011国際会議&展示会(米国) 参加報告

 6月13日~16日に米国ボストンで開催されましたMicrotech2011国際会議&展示会に参加しましたのでその概要を報告します。本会議が対象とする技術分野は、マイクロナノテクノロジーを応用したナノ構造材料、MEMS、エネルギーデバイス、バイオデバイスから成ります。また発表内容は大きく学術発表と産学官交流を狙いとした技術発表に分かれます。技術発表は交流促進のための工夫がなされ、企業、研究機関からの通常の技術発表の他、大学の保有特許のPR、企業からの共同研究先募集説明(オムロン、東レ他)、共同研究募集を狙いとした国単位の技術PR(独、中国、加)、大学単位の技術PR(ハーバード、MIT)等のセッションが組まれていました。MEMS関連で注目された動向、発表を以下に紹介します。

Microteck

                 Microtech2011講演会場

 MEMSアプリケーションで注目されたのは、ヘルスケア・医療機器向けMEMSへの取組みが本格化していることがあげられます。この分野はすでに次世代の有力なアプリとして注目されており、ベンチャーからMEMS大手まで多くの企業が取組んでいます。本会議ではいくつかのMEMS大手企業から具体的な取組みが発表されましたが、現時点では他のアプリで開発済みのMEMSデバイスを医療、健康機器に応用する事例が多く見られました。例えばオムロンはMEMSフローセンサを人工心臓に、アナログデバイスはMEMSマイクをデジタル聴診器へ応用されていました。両社とも今後医療・健康用にMEMSを積極展開する計画を公表していました。現在開発中のデバイスとしては、STMicroelectronics(ST)はコンタクトレンズに眼圧センサ及び受発信回路を組み込んだデバイスを紹介していました。

 スマートフォンにはナビゲーション用センサやRF-MEMS等すでに多くのMEMSデバイスが搭載されています。これからは健康チェッカや環境センサを組込むことが大きな流れになりそうな様子が伺えました。携帯大手のNokiaはエコセンサを搭載するコンセプトを打ち出しており、ここでは温度、湿度、紫外線、CO、粒状物質等のセンサがあげられていました。STからはVOCガス、アンモニア、アルコール等の環境センサをスマートフォン用に開発していることが報告されました。

 MEMS設計・プロセス技術に関しては、これまでの大きな流れである集積化技術がさらに進展している状況が伺えました。これまではMEMSセンサ+CMOS集積化が中心でしたが、これからは異種センサの一体化、それにともなうセンサヒュージョンアルゴリズム、センサ、回路以外の要素、アンテナや電池の一体化を進める動きも見られました。STはワイヤレスセンサネットワークを想定して、センサ、制御回路、受発信部、発電素子、蓄電素子を縦型に積層化するコンセプトを紹介していました。

 本会議では企業の実用化レベルの技術発表と大学の学術発表を同時に聞くことができましたが、当然ながら両者に大きなギャップがあることが感じられました。例えばカーボンナノチューブのデバイス化研究は盛んですが、それができると従来のデバイスには無いどのようなメリットを引き出せるのか、まったくわかりませんでした。特にナノ構造材料の実用化にはどのような特徴を引き出せるのかという点で大きなハードルが感じられました。

 併設でマイクロナノ関連の展示会が開催されました。ここでも交流促進を目指した展示がなされていました。特に企業との共同研究を積極的に誘致しようと多くの大学、研究機関が出展していました。具体的には、よく知られたSandia研究所、ハーバード大の他、マサチューセッツ大、ノースイースタン大、ライス大、UCLA、フロリダ大、グラスゴー大(英)他それぞれ充実した研究施設と研究成果をベースにPRをしていました。共通事項としてすべて機関が共同研究先はオープンで、日本も歓迎ですとのことでした。また国単位のパビリオンが設けられ、カナダ、イタリアが国をあげて共同研究を誘致していました。

Microtech                 Microtech2011展示会場

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