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2011年5月

2011年5月13日 (金)

マイクロマシンセンター標準化事業の動き

 マイクロマシンセンターではMEMS関連の標準化を進めています。MEMS関連の国際標準はIECのTC47(半導体デバイス専門委員会)の中のSC47F(MEMS分科委員会)で審議されています。我が国はSC47Fの幹事国として積極的な役割を務めていますが、わが国の活動状況は以下の通りです。
<我が国から提案し、国際標準として成立>
・MEMS用語集(IEC62047-1)
・薄膜材料引張試験法(IEC62047-2)
・引張試験用標準試料(IEC62047-3)
・薄膜材料疲労試験法(IEC62047-6)
<我が国が提案し、審議中>
・共振振動疲労試験法
・構造体接合試験法
・曲げ試験法
<新たに提案及び提案準備中>
・曲げ試験用標準試料
・電子コンパス
・Angular rate sensor(ジャイロ)
・形状計測法(開発中)

 最近活発な活動をしているのが韓国です。MEMS通則がIEC62047-4として国際標準となっていますが、以下の提案が審議中です。
・RF MEMSスイッチ
・FBARフィルター
・薄膜曲げ引張試験法
・ウエハー・ツーウエハー接合試験法
・マイクロピラー圧縮試験法
・熱膨張係数試験法
・金属薄膜成形限界測定法
・バルジ試験法

 また、これまで議論には参加していましたが具体的な提案がなかった中国から標準の提案予定が表明されています。

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サウジアラビア研究所訪問2011 報告

サウジアラビア研究所訪問 2011 報告
                                                                         2011年5月13日
                                                                              MMC 三原

  アラブ首長国連邦(UAE)のアラス・アルハイマ(Ras Al Khaimah)にて2011年4月26-28日に開催された第17回マイクロマシンサミット(Micromachine Summit 2011)に前後して、サウジアラビアの研究所をMEMS協議会国際交流委員会委員長の下山東大教授および安達九州大学教授(Life BEANS九州センター長)と一緒に訪問しました。訪問先はサウジアラムコの研究所、およびKing Abdullah University of Science and Technology (KAUST)です。砂漠の真ん中に人工的に作られたオアシスと広大な研究所、最新の設備と世界中で活躍されている研究者のスカウト・・何から何まで驚きの連続でした。
<サウジアラムコ研究所>(4月25日)
 サウジアラムコは、サウジアラビア王国の国営石油会社であり、保有原油埋蔵量、原油生産量および原油輸出量は世界最大規模を誇ります。初期は米国資本でしたが、1973年、サウジ政府が経営参加、1980年に実質的な完全国有化、1988年に現在のサウジアラムコになりました。サウジアラビア(アラビア半島)の東岸(オマーン湾)のダンマン空港から車で約1時間の海岸部にあるザフラーン(Az Zahran)と言う町全体がアラムコの本社と研究所です。今も砂漠の真ん中にヤシを植え、施設が造られていました。研究所の研究者は250人と比較的小規模でした。訪問のきっかけは、サウジアラムコの日本法人が下山東大教授を訪問し、MEMSセンサーに関して情報交換を行ったのが始まりです。研究テーマの特徴ですが、研究テーマをUp Stream ProjectとDown Stream Projectに分類し、前者は基盤技術としてナノテクやロボット技術、後者はサウジアラムコの事業に欠かせない応用技術の研究開発です。研究スタイルは米国的で自由で開放的な雰囲気です。世界中から優秀な研究者を集めると同時に、サウジアラムコの抱える技術的な課題を世界中に発信し、あらゆる共同研究の可能性を探る姿勢は大変優れたオープンイノベーションであると感じました。サウジアラムコの研究者は下山東大教授の開発したMEMSカンチレバーを用いた世界で初めての、実用的なせん断応力センサーに強い興味を示されていました。一見、世界最大級の石油会社にしては基礎研究や新事業の研究が希薄であると感じましたが、もう一つの訪問先であるKAUSTの研究設備はサウジアラムコが独自の予算を使って導入されたと言うことで、基礎研究から応用研究まで国家的な広がりで研究開発が進められている印象でした。

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                               写真1.サウジアラムコ研究センター

<KAUST>(4月29日~30日)
  King Abdullah University of Science and Technology (KAUST)は、サウジアラビア(アラビア半島)の西岸(紅海)のジェッタ空港から車で約1時間の北東部にあるTuwwalと言う場所で、町全体が大学施設です。3年前(2009年9月)に出来た新しい大学ですが、広大な砂漠に僅か1年間で壮大な大学(4km角)、学生や研究員の宿泊施設を作ったとのことでした。4月なのに気温は35度と外は暑いのですが、研究所の中には研究施設、図書館、マーケット、保育園、学校と何でも揃っており、かつ研究設備はサウジアラムコが500億円出資した最新設備が入っています。
  訪問のきっかけは安達九州大学教授が米国の大学教授であったJabbour 教授と懇意にされており、その後KAUSTに異動され今回の招待を受けたものです。このように世界で最も活躍をされ、世界中の企業と共同研究をされている先進的な研究者を迎え、かつ学生も全額奨学金を準備して世界中から集めています。研究設備の充実度も度胆を抜かれます。特にナノ材料の評価関連の設備は充実しており、TEM(透過型電子顕微鏡)は最先端の物が8台もある等、我々の尺度では測れない規模です。今回は、太陽電池用のナノ材料、触媒用ナノ材料、MEMS関連施設を見学させて貰いました。28日はサウジアラビアでは休日でしたが研究所を見学させて頂き、また29日は下山先生、安達先生を含むKAUSTの研究者の研究セミナーを開催して頂く等の最大のホスティングをして頂きました。残念ながら、少なくてもサウジアラビアとUAEの中東の研究所は米国と欧州との連結が強く、MEMSやナノテクの製造・評価装置は欧米の企業製が殆どでした。砂漠の真ん中に石油資本で広大な研究所が1夜にして完成し、欧米の研究者が活躍する研究者が世界的な成果を出していく・・少し疎外感を感じるのは私だけでしょうか?

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       写真2.KAUSTでのランチ、多くの研究者と一緒に(右の奥がJabbour 教授)

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                                          写真3.壮大な研究施設

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マイクロマシンサミット2011(第17回) 参加報告

          マイクロマシンサミット2011(第17回) 参加報告
                                                                   2011年5月13日
                                                                       MMC 三原

  アラブ首長国連邦(UAE)のアラス・アルハイマ(Ras Al Khaimah)にて2011年4月26-28日、第17回マイクロマシンサミット(Micromachine Summit 2011)が開催されました。今回、日本としては、MEMS協議会国際交流委員会委員長の下山東大教授および安達九州大学教授(Life BEANS九州センター長)から成る代表団を組織しました。
 マイクロマシンサミットは、年に1回、各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/マイクロナノテクノロジーに関する課題などについて意見交換する場です。通常の学会と異なるのは、各国・地域が代表団を組織して集まるというところであり、質の高い、まとまった講演と、影響力のある人々と意見交換できることが特徴となっています。
 今回のマイクロマシンサミットは、スイスを拠点とする国際的なマイクロナノテクに関する研究・教育・技術移転を行う組織であるFSRMがオーガナイザーとして企画・準備されました。参加は、ヨーロッパ、アジア、北米から17の代表団(国数としては22)でした。UAEは7つの首長国で構成されていますが、ホスト役であるShaikh Saud首長のご挨拶から始まる厳かな開始となりました。また主催者、首長、各国代表団から日本の震災や原発事故のお見舞いがありました。今回のテーマは ”MNT for Renewable Energy” と言うことで、各国が太陽電池やEnergy harvestingの為のナノテク・MEMS技術を発表の中心に置き、日本で発生している電力不足を下山先生が発表されることと重なって感慨深いサミットとなりました。会期中も日本の代表団に(個人的にも)エネルギー政策に関する多くの質問があり、ナノテクやMEMSによる再生エネルギーの活用、センサーによる電力や環境モニタリングが更に重要であることを身に沁みて感じました。

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                            写真1.マイクロマシンサミット会場

今回のテーマは、
・MNT for Renewable Energy
であり、各国からのCountry Reviewが18件、個別テーマが14件の合わせて32件の講演がありました。テーマの背景としては、ナノテクやMEMS活用による二酸化炭素削減および再生エネルギーの活用があります。更にMEMSセンサーを活用してエネルギーを効率に使うことが日本代表団の下山教授を始め、幾つかの国から提案されました。安達教授からは、ナノテクを駆使した新規な有機材料を用いる太陽電池の発表がありました。また先進国が抱える高齢化の進んだ場合のエネルギー政策も指摘がありました。更に中国が9人の代表団を送り込むなど、中国の熱心さが伺えます。多くの国が太陽電池に使うナノ材料に取り組み、これを各国の誇る国立研究所で集中して行っており、競争は厳しいと感じました。日本でもMNOICのような国立研究拠点を企業が有効に使う体制の立ち上げが急務であると感じました。

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                 写真2.下山東大教授(団長)によるCountry Review発表

<チーフデリゲートミーティング> (4月27日昼食時)
各国・地域の団長が出席して、参加国に関する課題や次回開催地について議論する場に下山団長が参加されました。今回はシンガポール、カナダ、インド、オーストラリアが不参加でしたが、新たにUAEとブラジルが加わりました。初めてプロシーディングを無くし、USBメモリで資料を配布しました。今後の課題としてCountry Reviewはもっと短くても良い、具体的な議論が出来るトピックスを増やす、企業を惹きつける工夫、パネルディスカッション実施等、成熟に伴って次の展開を図りたいという意見がありました。次回は台湾に決定されました。また英国が近いうちに開催したいとの意志表明がありました。

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          写真3.安達九州大学教授(Life BEANS九州センター長)の発表

<テクニカルツアー>(4月28日)
全体会議の翌日テクニカルツアーとして、以下のような企業、研究所を訪問しました。
・Falcon Technologies International:CD, DVD, Blu-ray Discの生産工場の見学、工場での工程管理、電力や水の有効利用、スイスの支援によるエンジニアリング
・CSEM-UAE “Open air lab”:スイスCSEMとの共同研究、太陽熱を有効利用するシステム化技術の研究開発
・Masder Institute of Science and Technology:MITと共同して、再生エネルギー関連の研究開発

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                写真4.CSEM-UAE “Open air lab”の太陽発電設備

アラビア半島の砂漠に突然、研究所や最先端工場が建設され、欧州の研究者・エンジニアと移民工員による研究開発や生産と言った、日本では決して見られない光景を目の当たりにしました。世界は急速にグローバル化して来ています。

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2011年5月12日 (木)

平成22年度産業動向調査報告書まとまる

 マイクロマシンセンター産業動向調査委員会ではMEMS関連産業の発展を図るために必要なMEMS関連産業の現状及び将来展望を把握するために、毎年産業動向調査を行っています。平成22年度の産業動向調査報告書がまとまりましたので、その概要をお知らせします。報告書全体は、大きく分けてMEMSアプリケーション調査とMEMS関連企業動向調査とから成ります。社会動向を見ますとすでに多くの場面で取り上げられているように「快適・安全・安心社会」、「環境負荷低減・省エネ」、「超高齢化対応社会」を迎え、それらに対応した機器及びコンポーネントの需要が高まると予想されます。本アプリケーション調査では、MEMSが応用されている全分野を対象とするのでは無く、将来需要の伸びが期待される応用分野を抽出しました。例えば自動車用MEMSは現在最も大きな市場ですが、今後安全システムの高度化を進めるにあたって、益々MEMSデバイスの必要性が増してきます。またヘルスケア・医療機器、エネルギー関連機器、環境計測機器、サービスロボット用MEMSは、技術的に未熟なため現在ほとんど市場を形成してませんが、将来は新たなブレークスルーとともに市場が拡大していくものと予想されます。本アプリケーション調査における調査項目は、各応用分野においてMEMSが搭載される代表的な機器を選択し、そこで使われているMEMSデバイス、それを供給する代表的な国内外企業、その機器の将来動向を調査しました。。さらに全調査結果を鳥瞰することにより、将来どのような応用分野、MEMSデバイスが有望になるかを予測しました。

 MEMS関連企業動向ではMEMS関連の主要企業のビジネスモデルを分析し、特に新製品を事業化まで成功させた企業を選択してその成功要因の抽出を試みました。最近のMEMSの産業動向で注目したいことの一つとして、現在もっとも激しい競争が繰り広げられている携帯電話やゲーム機用のモーションセンサで日本企業が苦戦している状況があげられます。海外半導体大手のSTMicroelectronics社や米国のベンチャー企業Invensense社の競争力が高く、全般的に見て日本企業はこの市場で後塵を拝している傾向があります。しかし日本企業にも強い分野があり、旭化成のモバイル機器用電子コンパスやパナソニックの自動車用ジャイロセンサは世界でも高いシェアを確保しています。このように業績を伸ばしている大手企業やベンチャーから新規参入に成功した企業がどのようなビジネスモデルでもって成功を収めたのか、その成功要因の抽出を試みました。また調査企業対象は国内外、ベンチャーから大手まですべての企業から特徴のある企業択しました。セグメント化の方法は、まず経営形態、アプローチの仕方が根本的に異なる大手企業と製造インフラを持たないファブレスベンチャーに分けた。また日本企業の特長と課題を浮き彫りできるように国内、海外に分けて、それぞれ成功に至った代表的な企業を選択して調査を行いました。以上より次の結論を導出しました。

・大手企業、ベンチャー企業それぞれの成功要因抽出

・国内企業、海外企業の取組み比較より日本のMEMS産業の特長と課題、その方策提案

詳細は報告書をご参考に願います。

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2011年5月 2日 (月)

当センターでは5月からクールビズを実施します


 一般財団法人に移行して1月経過し、5月に入りました。
 当センターでは今月からクールビズを実施いたします。クールビズ期間は例年「6月1日~9月末」ですが、今年は、東日本大震災を受けた節電の必要性を踏まえ、政府ではクールビズの開始を1ヶ月前倒し(5月1日スタート)し、夏期の軽装を率先実行することとしたとの発表がありましたので、当センターにおいてもクールビズの早期実施を行うこととしたものです。

(環境庁HPサイトより)

 また、クールビズ以外にも計画停電を回避するため、節電の要請が来ておりますので、既に室内照明の部分消灯などを実施しているところです。昔から卒業式では「蛍の光 窓の雪 ……」などと何気なく唱ってきましたが、消灯して、窓の明かりで仕事をするとは思ってもいませんでしたが、新しいライフスタイル/ビジネススタイルになるかも知れません。

 ご来所の皆さま方には、当センターのクールビズ、部分消灯などの節電対策にご理解・ご協力の程お願い申し上げます。

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