H22年度国内外技術動向調査まとまる
マイクロマシンセンターでは、国内外の最新かつ詳細なマイクロマシン・MEMSそして近年活発化しているナノ関連の研究開発の情報を収集・分析し、その技術動向を把握することを目的に、各年度2つの国際会議を定点観測して、調査報告書にまとめています。H22年度は上期に隔年開催の"APCOT 2010"を、下期に毎年開催の“MEMS2011”の調査を行いました。
"APCOT 2010"は5回目の開催に当たり、オーストラリアのパースにて2010年6月6~9日に開催されました。今回の参加者数は事前登録で166名、当日参加を入れても200名弱と、前回の450名に比べ大幅に減少しました。国別では事前登録で日本53名(前回102名)、前回開催地の台湾21名(同171名)、中国21名(同50名)、韓国14名(同46名)という状況で、相対的に日本が突出する形となりました。論文投稿件数は253件で、前回の589件から半数以下に減少し、その中から240件(前回377件)の論文が採択され、採択率は95%(前回64%)でした。国別発表件数は、多い順に日本61件(前回86件)、台湾47件(同161件)、中国28件、オーストラリア22件、シンガポール22件という状況ですが、前回発表がなかったフランスが7件発表したのは注目に値します。
“MEMS2011”はIEEEのMEMS (Micro Electro Mechanical Systems) 技術に関する国際会議で、今回は24回目となります。2011年1月23~27日の日程で、メキシコのカンクンで開催されました。参加者数は事前登録者560名で、昨年の事前登録者数563名とほぼ同数でした。一方、投稿件数は886件で、前回の885件を1件だけですが上回り過去最高を記録しました。地域別では北米357件(前回281件)、アジア362件(同425件)、欧州167件(同179件)とアジアが減り北米が増えました。採択された論文数は全体で343件(前回298件)、採択率は39%(同34%)と近年では高い採択率となっています。地域別採択論文数は北米146件(前回130件)、アジア136件(同113件)、欧州61件(同55件)、また地域別採択率は北米41%(前回46%)、アジア38%(同27%)、欧州37%(31%)と地域別格差が減少した形です。
報告書では、それぞれの会議の概要と、各論文を基礎分野、応用分野合わせて18の分野に分類し、注目すべき論文をトピックスとして紹介しています。
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