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2010年5月

2010年5月28日 (金)

マイクロナノ2010合同記者発表会開催さる

マイクロナノ2010(第21回マイクロマシン/MEMS展、ROBOTECHSURTECH2010、およびセミナーなどの同時開催プログラムで構成、728日~30日、東京ビッグサイト)まであと2カ月となる528日、麹町会館にて、電波新聞、日刊工業新聞、日経BPなど科学技術系メディア17社を集め、合同記者発表会を開催しました。主催者側から今回の特色やMEMS産業の動向などのトピックスを提供し、各メディアで記事として紹介してもらうことで、イベントを盛り上げることを狙ったものです。質疑応答や記者発表会後の意見交換も含め、多くのメディアで記事として取り上げられ、注目を集めていくことを期待しています。
 

イベントのオーガナイザーであるメサゴメッセフランクフルトから、展示会および、様々なセミナーなどの同時開催プログラムの概要を説明したあと、マイクロマシンセンターからMEMS産業の動向や日本にとっての課題、表面技術協会からメッキ技術の最新動向、東大教授、下山先生からサービスロボットに関するビジネス・技術動向の講演をしました。  

  今回のマイクロナノ2010は、MEMSデバイスやアクチュエータなどサービスロボットの製造技術に焦点を当てたROBOTECHを新規に併設展示とし、また、技術的な重なりのある表面技術に関する展示会 SURTECHを同時開催とします。第21回目となるマイクロマシン/MEMS展と合わせて3つの展示会を同時に開催することによるシナジー効果が期待できます。同時開催プログラムでは、激化する国際競争の中で日本が抱える課題を技術的、政策的にどのように解決していくか、様々なセミナーやシンポジウムを企画・準備しています。サービスロボットは、MEMSなどのデバイスが、普及するための価格帯で提供するためのキーとなっており、約28兆円の市場規模が見込まれています。MEMS産業の新しい地平を拓く展示会、イベントとして多くの来場者が参加されることを期待しています。(MEMS協議会事務局)

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2010年5月20日 (木)

国際標準化研究開発の最近の動向

マイクロマシンセンターは経済産業省より受託してMEMSに関連した国際標準の研究開発を2テーマ進めています。両テーマとも、標準案はIEC/SC47F/WG1(微小電気機械システム)への提案を予定しています。

 「小型ジャイロMEMSデバイスの性能評価方法に関する標準化」事業は平成20年度より開始しており、2つの研究開発委員会(小型ジャイロ、電子コンパス)で国際標準の研究開発を行っています。

小型ジャイロMEMSデバイス(以下、「小型ジャイロ」という。)は、携帯電話のカメラ機能、ナビゲーション機能、自動車のエアバッグシステム、スタビリティコントロール、カーナビゲーションシステム等に利用が始まっており、今後ますます市場拡大が期待されています。しかし、性能評価の基準がないため、ユーザは製品開発で必要なジャイロの情報が入手できず、メーカは良い製品が市場において正当に評価されないという状況にあります。

性能評価方法を明確化し、それによって得られた性能を表記することが一般化すると、開発・製造段階での従来の困難さが減少し、応用製品の高付加価値化、高性能化がより進展すると期待できます。

電子コンパスも、GPSが携帯電話の必須アイテムとなりつつあるのに伴い、それを生かした歩行者ナビゲーション等に需要が拡大していますが、その性能・特性を規定する標準がありません。我が国主導で電子コンパスの特性項目と座標系を含むアプリケーションインターフェースを標準化することにより、電子コンパスメーカとユーザの開発効率を向上させ、我が国の産業競争力強化に大きく寄与すると期待しています。

そこで本事業では、小型ジャイロの静的、動的な特性を明確化するとともに、必要な性能パラメータを決定し、小型ジャイロMEMSデバイスの性能評価方法に関する国際標準化案を作成しています。また、電子コンパスについても、三軸電子コンパス及び三軸加速度センサと合わせた六軸電子コンパスの特性の国際標準化案を作成しています。電子コンパスは平成22年度に、小型ジャイロは平成23年度にIEC提案を予定しています。

 「MEMSにおける形状計測法に関する標準化」事業は、今年度より活動を開始し、平成23年度までの3年間に亘り活動予定です。
 MEMS幾何形状は、他の電子デバイスとは異なり、長時間のウエットエッチングや深堀ドライエッチング(Deep-RIE)技術によって立体的3次元構造体が形成されています。しかしながら、順テーパや逆テーパがついたマイクロスケール断面や、高アスペクト構造を持つMEMSの底面・壁面粗さ等、MEMS構造に適した幾何形状計測法や表示法の標準化は、マイクロスケール寸法であるがゆえ確立されていません。MEMS3次元構造体における側壁形状、側壁の角度、アクペクト比といったMEMSデバイス特有の形状パラメータに対する計測は、光学顕微鏡をはじめとする簡便な測長に限られてきました。また、計測によって得られる形状パラメータの表示は、MEMSを設計・製作し、評価する上で必要不可欠であるものの、統一的な表示法は確立されていないのが現状です。これら計測法及び表示法に関する規格・標準化が進むことにより、MEMS製作段階での作業者間の意思疎通が図りやすくなり、効率的なMEMSデバイス開発の促進が期待されます。

そこで本事業では、3年間で、これらMEMSデバイスのマイクロスケール幾何形状の計測法、表示法を研究開発し、その標準の作成を目指します。具体的には計測対象とする立体的三次元構造の基準試験片を作成し、これを各種測定法により計測し、比較します。

基準とする計測法は、測長機能を有する電界放出型高分解能電子顕微鏡(FE-SEM)を利用した断面形状寸法計測とし、この測定結果をもって同構造体の形状寸法に関する基準データとします。FE-SEM観察は、高真空中での試料取り扱いなど簡便さに欠けるものの、広く普及している顕微鏡の中でも高分解能の観察と測長が可能であるため、基準データの抽出に利用しました。基準試験片内に作り込まれた溝やピッチパターンなどの各種測定対象を、光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、白色干渉計、触針式計測器等の各種測定法により計測し、基準データと比較検討を行っています。この結果より、構造やスケールに適した測定法を選定します。さらに、構造やスケールに応じた形状計測の表示法を整備することを予定しています。

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2010年5月12日 (水)

H21年度国内外技術動向調査報告まとまる

マイクロマシンセンターでは、国内外の最新かつ詳細なマイクロマシン・MEMSそして近年活発化しているナノ関連の研究開発の情報を収集・分析し、その技術動向を把握することを目的に年に二つの国際会議を定点観測して、調査報告書にまとめています。H21年度は上期に隔年開催の"TRANSDUCERS 2009"を、下期に毎年開催の“MEMS2010”の調査を行いました。
"TRANSDUCERS 2009"は15回目の開催に当たり、アメリカ・デンバーにて2009年6月21~25日に開催されました。今回の参加者は28カ国 984名、論文投稿数は1,307件でした。発表は一般口頭発表216件、ポスター発表384件で、採択率は45.9%でした。国別発表件数は、米国が前回の56件から94件と1.7倍に激増し1位、日本は2位(43件)、3位には伸張著しい台湾(24件)が入りました。次いでドイツ、スイス、中国、オランダ、韓国と続きました。基礎分野ではActuatorsが一番多く、Packaging Technologiesが昨年から大幅に増えました。応用分野では、Mechanical Sensor が昨年より大幅に件数を増やしトップでした。
“MEMS2010”はIEEEのMEMS (Micro Electro Mechanical Systems) 技術に関する国際会議で、今回は23回目となります。2010年1月24~28日の日程で、香港で開催されました。参加者数は事前登録者563名で、昨年の事前登録者数501名を上回る結果となりました。一方、投稿件数は885件で、過去最高を記録しました。地域別ではアジアが425件と最も多く、全体の48%と約半分を占めました。しかし、採択件数は北米130件、採択率46%、アジア113件、採択率27%、欧州55件、採択率31%で、今回は北米の採択率が高くアジアの採択率が低いのが際立ちました。分野別では、Fabrication Technologies(non-Silicon)が69件で一番多く、続いて、Fluidicが58件、Mechanical Sensor45件の順でした。
報告書では、それぞれの会議の概要と、各論文を基礎分野、応用分野合わせて17~18の分野に分類し、注目すべき論文をトピックスとして紹介しています。(調査研究・標準部@マイクロマシンセンター)

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2010年5月10日 (月)

第16回マイクロマシンサミット2010(ドイツ ドルトムント)開催さる

  ドイツ ドルトムントにて201042630日、第16回マイクロマシンサミット(Micromachine Summit2010)が開催されました。今回、日本としては、MEMS協議会国際交流委員会委員長の下山東大教授をはじめ、産総研、企業から成る代表団を組織しましたが、残念ながらアイスランドの火山爆発による航空混乱のため、ハノーバーメッセ出展ですでにドイツに滞在していた片白以外の方々は参加断念の判断となりました。

 マイクロマシンサミットは、年に1回、各国・地域の代表団が集まり、マイクロマシン/マイクロナノテクノロジーに関する課題などについて意見交換する場です。通常の学会と異なるのは、各国・地域が代表団を組織して集まるというところであり、質の高い、まとまった講演と影響力のある人々と意見交換できることが特徴となっています。

 今回のマイクロマシンサミットは、ドイツを拠点とする国際的なマイクロナノテクに関する企業、研究所の会員組織であるiVAMがオーガナイザーとして企画・準備されました。参加は、ヨーロッパ、アジア、北米から17の代表団(国数としては20)、88名でした。回復基調とは言っても未だはっきりとしない経済状況、さらにアイスランドの火山爆発など、ネガティブな環境もありながら、予定に近い代表団が集まり、貴重な意見交換がされた今回のサミットは、全体として成功であったと評価されると思います。

<テクニカルツアー>(426日~28日)

全体会議に先立ち、テクニカルツアーとして、以下のような企業、研究所を訪問しました。

Bosch:新規に導入されたMEMS 8インチライン

・カールスルーエ研究所:LIGA他の研究施設見学

Micro Parts:ヘルスケア関連応用の成功例

MST Factory:マイクロナノ関連ベンチャーのインキュベーション

<マイクロマシンサミット全体会議>(429日~30日)

今回のテーマは、

MEMS and NEMS for the Life Sciences

Ambient Assisted Living for Aging Society

であり、各国からのCountry Reviewも含めて45の講演がありました。テーマの背景としては、日本と同様、高齢化の進む人口動態があります。

 詳しくは、後ほど公開予定の講演資料を参照していただきたいですが、全体としては、いずれの国も同じような領域、テーマに取り組んでおり、競争は厳しいと感じました。

<チーフデリゲートミーティング>430日昼食時

 各国・地域の団長が出席して、参加国に関する課題や次回開催地について議論しました。

今回はシンガポール、インド、ギリシャが不参加であり、経済状況や火山爆発の影響と思われます。経済成長の著しいブラジルを入れてはどうか、という意見が出て、次回はゲストとして呼び、その次にデリゲートとして相応しいか判断する、という段取りが確認されました。

次回はスイスとなりそうです。予算確保が確認でき次第、正式決定となり、具体的に動き出すことになります。次々回については、北米(カナダ+米国)、オーストラリア、台湾が開催を検討することとなっています。

全体の議論において、意思決定のルールが不明確な部分があり、Formal Secretaryが必要との意見が出されました。第1回から主導してきたマイクロマシンセンターに課された課題であり、どのような形で貢献するか、今後の検討が必要です。(MEMS協議会事務局 国際交流担当)

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