日記・コラム・つぶやき

2010年8月10日 (火)

猛暑日のつぶやき

最近の暑さ「猛暑日」「酷暑日」「熱暑日」どれが相応しいですか


 MMCにとって最大のイベント「マイクロマシン/MEMS展」が7/28~7/30(於:東京ビックサイト)行われました。今年は梅雨が予想より1週間早く明けて猛暑の中での開催でした。開催期間中は幸いにも晴れのち曇り・時々雨模様の天気だったため少しは暑さを凌げたと思いますが、来場者数は1万4000人と当初予想した2万人には届きませんでした。但し、昨年に比較すれば15%UPしています。ROBOTECH展とSURTECH展との同時開催の利点を考えて来場者人数の目標を高く設定したようですが、この時期の開催としてはまーまーの人数ではなかったかと思います。いずれにしても最大のイベントが終わりました。関係者のみなさまお疲れさまです。すでに今年の反省点を来年の「マイクロマシン/MEMS展」に活かすためのスタートが切られ、関係者一同来年こそはと秘策を胸に始動したようです。

 ところで、イベントと天気は毎年気になるところですが、今年の夏の天気は異常と思いませんか?エルニーニョ現象かラニーニャ現象の影響か知りませんが今年の暑さは近年にないような暑さと思います。京都のブナの木もあまりの暑さに赤枯れを起こしているとニュースで知りました。全国で熱中症にかかった人がで1万人を超えて、うち100数人が熱中症で亡くなっているようです。これだけ暑ければ猛暑日を越えた酷暑日(酷暑日という用語は、天気予報士の森田さんが提唱中です)に置き換えた方が良いのではないかと思います。みなさんは、「猛暑日」と「酷暑日」どちらが熱く感じられますか?私は、もっと、もっと暑いイメージがある「熱暑日」を提案します。その他では、熱湯日、猛熱日などが思い浮かびました。予報ではこの暑さはお盆過ぎまで続くようです。自分自身の体調管理には十分留意して涼風の吹く日を待ちましょう?涼風の前に台風が来るかもしれませんが。このようなことを言っていると逆に今年の冬が心配になります。大寒波でも来なければいいがと、ノーテンキに一人つぶやいています。(研究支援部 町田 進)

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2010年6月18日 (金)

ちょっとコーヒーブレイク ― 雨と紫陽花 とMM展―

梅雨の時期となり紫陽花が美しく感じられるようになりました。

この季節、毎日通勤で通る小さな公園に青や赤紫の紫陽花が見事に咲き誇っています。みなさんも通勤途上で見かけているかと思います。私だけかも知れませんが、この季節だけは雨が降っても許せます。なぜなら雨に映える紫陽花は一段と美しさが増し私の気持ちを癒してくれるからです。とは言っても、1日中雨でも困りもので、かってを言うなら私が紫陽花の横を通るときだけ少し雨が降ってくれればいい、できれば空は完全に曇りでなくうす曇りに映える何本もの細い線の雨がいいなどと、都合良いことを考えています。しかし、現実はドシャ降りの雨の朝に見た紫陽花を帰りも雨に打たれてうなだれている紫陽花を見せられて、梅雨を実感させられつつ今日も家路を急ぐ私であります。そして、はやく梅雨があけないかと思うのであります。人間って、かってな生き物ですね。


 今年の梅雨明けが予想される7月28日~30日に、2010年の「マイクロマシン/MEMS展」が開催されます。5年間のBEANSプロジェクトがスタートして今年は3年目にあたり、丁度中間評価の年でもあります。当然中間評価を意識して展示内容にも力が入ります。これまで見えていた成果はもちろん、見えなかった成果も見える化しつつあります。見える化した成果は、マイクロマシン/MEMS展に出展し来場者の皆様にも評価していただくことになります。特に来場者の方々から良い評価を得れば、プロジェクト予算にも良い影響を及ぼすかも知れません。

 さあー、コーヒー飲んで頭スッキリしたところで、気合い入れて頑張りましょう!そしてこの梅雨空を晴れ空に変えてしまいましょう。その先にBEANSの形をした虹が見える化 ! も知れません。(研究支援部 町田 進)

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   (水彩画:雨と紫陽花―F20号―)

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2009年6月 4日 (木)

「ボトムアップと博打の時代」-BEANSプロジェクトに関する記事の紹介

 日経マイクロデバイスの三宅さんが、Tech-Onに「ボトムアップと博打の時代」と題して、先日5/29の東京大学生産技術研究所の公開セミナーでのBEANS関係プレゼンに参加して記事を出しておられるので、紹介します。刺激的な題ですが、BEANSプロジェクトに対して、興味深い観点から分析した良い記事だと思います。
 
 すなわち、同氏は、プロジェクト策定時の頃を振り返り、『 一般に,このようなプロジェクトでは研究テーマごとに目標を設定します。その目標に対する達成度が,プロジェクト終了後に問われます。BEANSプロジェクトの策定時にも各研究テーマの目標について議論がありました。そこであるテーマの目標が提示されたのですが,私は抽象的過ぎると感じました。もっと具体的な目標を設定したほうが,その成果のレベルが明確になると思い,素直にその旨を主張しました。』と述べ、同時にこれに対して反論があったことも紹介しています。
 
『抽象的な目標の方が良いというのです。これは,明確で具体的な目標を定めないボトムアップ的研究の方が,その後,成果を役立てている事例が多いとの理由からでした。かつての国プロの研究成果を追跡調査したところ,こうした結果が得られたというのです。私は,この話を聞いて,一瞬,「えっ?」と思いました。しかし,すぐに納得できました。その方が私の直感に合っていたからです。』
 
 そして、今回のセミナーで、この考え方が理解できたと言うのです。『今回,セミナーを聞いてBEANSプロジェクトの研究テーマは,ほどよくボトムアップ的という印象を受けました。例えば,今後デバイスに取り込まれるだろう有機材料と,無機材料の接着に抗体を活用するという研究テーマがあります。特定物質の検出ではなく,接着に抗体を活用するという試みは,将来,思いもよらぬ世界で活躍するかもしれません。』

 このような内容でなかなか面白い分析をされています。是非、ご一読下さい。(ブログ管理人)


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2009年5月30日 (土)

ある団塊人の未来のライフスタイル

 現在のBEANSプロジェクトは、20年後の社会に登場して、「環境・エネルギー」、「健康・医療」、「安全・安心」などの分野で新たな我々のライフスタイルを創出してくれることが期待される異分野融合型次世代デバイス(BEANS:いわゆる未来デバイスのこと)実現のための基盤的なプロセス技術を開発するもので、デバイスそのものの開発はこの後の話になります。
 
 従って、プロジェクトが成功した後、どのようなBEANSデバイス群が登場してどのように我々のライフスタイルを変えてくれるのかは誰もが興味あるところで、あれこれと思いをめぐらすのも楽しいものです。
 
 ここで、マイクロナノ・トークに掲載されたKaijin Danさんのエッセイを紹介します。BEANSプロジェクトが完了した後の、202X年、203X年時点におけるある団塊人A氏の、BEANSに囲まれた未来のライフスタイルが描かれています。
 
●202X年の話 → MEMSの未来-ある団塊人との共生

 『202X年の秋晴れの休日、初老の団塊人A氏は自分のブログ「団塊人の散歩道」にアップする紅葉に輝く季節の写真を撮るため、デジカメを片手に近くの植物園に出かけた。…………』

 
●203X年の話 →「団塊人の散歩道」

 『203X年のある日、家の壁面にセットした木洩れ日が差し込む居間は大変心地よく、A老人はパソコンを前にしてうたた寝を楽しんでいました。……』
 
 続編のエッセイがでたら、また紹介します。(青柳@BEANS本部)

続きを読む "ある団塊人の未来のライフスタイル"

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2009年3月 5日 (木)

旨い酒に酔いしれて

■酒に酔った弾みで本当のことをいえば、私は次世代MEMSなんかに興味はないね。だいたい、いくら考えてもMEMSがらみのことに楽しかったことは思い出せない。それどころか、MEMSといえば、さんざんに苦汁を飲まされた苦労ばかりが頭をよぎるくらいだ。もしMEMSをやってなかったらもう少しはましな会社人生だったかも知れぬと思うと泣けてくる。


■そんな私が何故、次世代MEMSをやろうというBEANSプロジェクトに参加しているのかといえば、これも今だから本当のことを言えば“BEANS”という名に惹かれたからだ。Y氏とA氏からこのプロジェクトに誘われたのは、忘れもしない一昨年のクリスマスの日だった。その夜、銀座でご馳走になったことも誘因ではあったが、決定的なのは”BEANS”というプロジェクト名だった。ビーンズがどうのこうのと二人のオジサンから熱い気持ちを打ち明けられたら、私はもうお腹を上にして地べたに仰向けになった犬のように、降参状態だった。


■私がこよなく愛する東北地方ご出身の二人のオジサンは、少年のような情熱で夢を語った。保守層を代表するようなY氏とA氏がそんなヒップな名前をプロジェクトにつけようとは、どうなっているんだ、この世の中は。 “BEANS”は、70年代の古臭い形容をすれば“男のロマン”、或いはとてつもなくバタ臭いユーモアを感じた。ちょうどA氏が厳粛な面持ちで難解なことを言ったはなから、ニヤッと悪戯っぽくウインクするような感じだった。


Y氏が山形県の蔵元に特注で作らせたBEANSラベルがついた純米吟醸酒■MEMSには辟易としている私が“BEANS”に関わっているのはそういうわけだ。 私にとってはBEANSとは、“MEMSのプロジェクト”というより“男のロマン”なのである。 BEANSがもし仮に別の名前のプロジェクトだったとしたら果たして参加していたかどうか判らない。 きっとMEMSは懲り懲りだと言って近寄りもしなかったことだろう。


■自分にとっての“BEANS”はそんな風なものであるのと同様、皆にとっての“BEANS”はそれぞれに異なって当然と思う。 私にとっての“BEANS”はジェリービーンズ、メキシコ料理、コーヒーの香りのただようジャズ喫茶を   連想させる。 今もって“BEANS”からはMEMSはなかなか連想しにくい。


■旨い酒に酔ってしまった。 書き忘れないように書いておくが、写真の酒はY氏が山形県の蔵元に特注で作らせたBEANSラベルがついた純米吟醸酒だ。 豊潤でフルーティな味がした。


■国プロなのに、ユーモアセンス溢れる名称がついていて、

   国プロなのに、リーダーに愉快な人々がいて、

   国プロなのに、ガムシャラに働く研究員がいて、

   国プロなのに、会社みたいに開発”戦略“を考える。

   国プロなのに、特許への意気込みが凄い。


■そんなことも魅惑させる要因ではあるが、私にとってはやはりY氏とA氏のやたらに真面目でやたらに愉快闊達な性格、そしてBEANSというプロジェクト名がなんといっても魅力である。 だから、BEANSというプロジェクト名を人に聞かせた時の反応を見るのが一種の快感となった。


■旨い酒にかなり酔ってしまった。 本当を言えば次世代MEMSなんかどうでもいいが、このBEANSプロジェクトにかかわる愛すべき人々とはいつまでも親しくかかわっていきたい。 MEMSは忘れても、BEANSという名前はおそらく一生忘れられないだろう。                                                                                                    (yt)


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2009年1月 9日 (金)

手続き煩雑すぎ

Macro-BEANSセンター・産総研の石田です。今日は取り留めのない話を書かせていただきます。実は12月上旬に父が急逝しました。その際にはBEANS関係者からの弔電等本当にありがとうございました。実は葬儀の後、いろいろばたばたしたもので、市役所、銀行、社会保険事務所等々いろいろな手続きに奔走して、あまり12月は研究ができませんでした。  

その間、強く思ったのは諸手続きが多すぎて、手間がかかる~ということでした。うちの同僚からも身内が亡くなった後は色々大変だったと言われました。また自分達のように頭が働く年代ならばともかく、同じような手続きを一人でされているお年寄りの方を銀行などでお見かけすると本当に大変だなと思いました。銀行の支店長さんに「死亡届が出たら、一気に出来るシステムなんかできないのかな?」と聞いてみたら「システムとしては出来るみたいですが、法律的なところをクリアするのが大変でそうならないんですよね。」と。この12月は亡くなった父に感謝することというだけではなく、こういう複雑な現代の社会システムのあり方について色々考えさせられた1ヶ月でもありました。

 また高齢者の一人暮らしや介護などの深刻な問題もあります。BEANSで開発されるであろう新型センサーデバイスなどの新技術がこういう問題の解決にも役立ったらいいなと強く思った次第であります。

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2008年12月19日 (金)

BEANS for BEAMS

こんにちは。MBCの小林と申します。

今週は毎日のように忘年会が開催され、そろそろ肝臓も限界(;´д`)という方も多いのではないのでしょうか?我々MBCでも、月曜日はAISTの受入先グループの忘年会、そして木曜日はMBCだけでの忘年会を開催されました。

木曜の忘年会では、MBCでBEANSのブログを盛り上げようo(*^▽^*)oという話題があがり、ネタくり、順番決めを行いました。そのトップバッターが私、小林になったという次第であります。

BEANSという呼称を最初に伺ったとき、洋服のセレクトショップとして有名なBEAMSと一文字違いだな・・・(´∀`)ノ、という感想を抱いた記憶があります。私の担当しているテーマをざっくり言うと、「織って作る大面積デバイス」というものです。

研究が進展した暁には、BEAMSとのコラボで、「世界初!BEANS for BEAMS!ipodの充電ができるコートがBEANSとBEAMSのコラボで実現!」なんてことにならないかなぁとちょっと考えたりすることもあります。(マクロBEANSセンター 小林研究員)

↓忘年会会場からつくば駅への帰り道です。グリーンのイルミが美しいですね

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2008年9月22日 (月)

革新的な研究開発を行うにあたって

BEANSプロジェクト研究員の皆さんへ

BEANSプロジェクトでは、新産業を創出するための世の中にない新しい製造プロセスを開発することを目標にしています。でも、世の中にない新しいプロセスを開発すると言うのは良いのですが、どのようにすればよいのでしょうか?なかなか難しい問題だと思います。そこで、20年前に私が海外留学(UC Berkeley/UC San Franciscoのバイオエンジニアリング学科)した時に恩師であるStark先生から言われた教えを紹介ますので、参考にして頂ければと思います。

Stark先生は眼球運動研究の権威で、私が留学した時にはUC BerkeleyのOptometry学科の教授でした。アメリカでは検眼のための学科(Optometry)があり、そこの博士号を習得したOD(Optometry Doctor)がメガネを作っています。日本とは状況が少し異なっております。Stark先生はOptometry学科の教授でしたが、私が留学した時にも、九大の心理学の教授、名大の医学部の助教授、東大の工学部の助教授、フランスや中国の先生等世界各国の幅広い分野の先生が客員教授として来られていて、まさに異分野融合の研究を実践されていた先生でした。

私がそのStark研にはじめて訪れたときに、Stark先生から言われたのが以下の4つの教えです。

(1)常識に捕らわれず、物事の本質を見る研究をしなさい。

 工学者ならノイズは嫌なもので、それをなくそうとする。でも、ノイズの本質はブラウン運動であり、なくすことはできない。では、それで諦めていいかというとそうではない。筋肉はブラウン運動を効率的に特定の方向に変換することで筋肉運動を実現している。ノイズもそのように考えれば、ノイズを利用する新しい概念が生まれるかもしれない。

(2)生物を見習え、でも真似をするだけではダメである。

 新しいことを生み出そうとしてもなかなか新しいことを創出するのは難しい。その時生物の構造や機能を参考にすることは大いに役立つ。生物は長年の進化の過程で、彼らの環境に適した構造や機能を獲得している。したがって、自分のやりたいことに近い生物の構造や機能から学ぶべきことは多い。ただし、生物と人工物は全く同じではないので、ただ真似をするだけではダメで、その根本原理を究明して、人工物に適したように再構築することが必要である。ライト兄弟は鳥のように空を飛びたいということで飛行機を発明した。はじめは、鳥のように羽ばたく機構を開発していたがダメで、飛行の根本原理である揚力の原理を究明し、それを利用することで、鳥とは全く異なるが空を自由に飛べる飛行機を発明した。鳥と同じような羽ばたく機構だけにとらわれていたなら飛行機は発明できなかった。

(3)夢・ビジョン・情熱を持て、でも自分が生きているうちに実現できるものを。

 自分が何をやりたいか(夢・ビジョン)を先ず考えよ。そしてそれに情熱を持て。特に、新しいことをやる場合には、実現できるかどうかわからないので、困難が予想される。困難にぶち当たったときにそれを打開する原動力になるのは情熱である。情熱があり好きなことには困難があっても立ち向かっていくことができるものである。とはいっても、自分の生きている間に成果が出ないのもむなしいものである。自分が生きている間に実現できるようなテーマを選ぶべきである。新しいことが実現できるかどうか判断できないのではとも思うかもしれないが、よほどの天才でない限り、全く新しいことは創出できない。過去に誰かが同じようなことを考えているものである。その意味では過去のサーベイをすることは大事である。サーベイをして類似研究の状況を把握し、自分が生きている間に実現できそうもないと思うものはテーマとして避けるべきである。過去に類似の研究はなされて結果は出ていないが、それは周辺技術が確立されていなかったというものもある。周辺技術のその後の進展により実現の可能性が出てきているものもあるだろう。そのようなものをテーマとして選定すべきである。

(4)サイエンスの探究だけでなく、世の中の役に立つ研究をせよ。

 自分はサイエンス的に眼球運動のメカニズムを解明したいということで研究をしてきた。でも、サイエンスの探究だけでなく、自分の研究が常に世の中の役に如何に立つかを考えてきた。眼球運動のメカニズムの解明は直接的には、眼振や斜視の治療に役立つが、それだけに留まらず、人が物を認識するときにどのように眼を動かして見ているかとの観点から、認知心理学をはじめとする心理学の分野やパターン認識や認識工学等の工学の分野にも貢献してきた。教え子が開発したヘッドマウンティッドディスプレイをはじめとする人工現実感の研究も工学分野への応用の一つである。このように、常に自分の研究が世の中にどのように使えるかを考えることで、研究の幅が広がるものである。

以上、Stark先生の教えについて紹介しました。世の中にない新しいBEANSプロセス開発の一助になれば幸いです(武田宗久:BEANS研究所 副所長)

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