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2012年4月

2012年4月20日 (金)

Life BEANS九州拠点訪問報告 ~大電株式会社が新しくプロジェクトに参加されました~

 2012年4月10日(火)に開催されたLife BEANS九州のキックオフ&拠点会議のため、本部より3名(遊佐PL、福本副所長、新田)がLife BEANS九州を訪問しました。今回は、特に、今年度からプロジェクトへ参画する大電株式会社(以下、大電(株))の研究拠点である、久留米リサーチ・センターを訪問し、大電(株)のこれまでの技術開発への取り組み状況、プロジェクト成果創出に向けた取り組みについて、東京より同行したNEDO技術開発機構技術開発推進部の大久保主任研究員、渡辺主査、奥谷主査、Life BEANS九州の研究員とともに、説明を受け、質疑応答を交わしました。
 
 大電(株)では、電子輸送材料を利用したプリンタブルな有機EL等、有機材料の研究開発に取り組んでおり、様々な研究プロジェクトへの参画等により、有機材料の設計・開発や評価といった技術力を培ってきています。一方、Life BEANS九州では、これまで、有機発光デバイスの高性能化を目指した研究開発を行ってきており、プロジェクトの最終年度である今年度は、プロジェクト開始当初に計画していた目標を凌ぐ性能を達成するとともに、実デバイスへの展開のための評価検証を行っていくことが目標として掲げられています。今回の大電(株)の参加により、Life BEANS九州での研究開発がこれまで以上に加速し、より高い研究成果が得られることが期待されます。

Fig2_3

 久留米リサーチ・センターへの訪問の後、福岡市内にある会議室(福岡県Ruby・コンテンツ産業振興センター内プレゼンテーションルーム)に移動して、拠点会議が開かれました。遊佐PLによる平成24年度プロジェクト方針の後、安達千波矢センター長によるLife BEANS九州拠点の全体方針、及び各テーマの担当研究員による昨年度の研究成果の総括と今年度の計画が報告されました。安達センター長の方針説明の中で、「高い性能を実現する中でこそ、真のフィジクスが見えてくる」といった内容で各研究員に発破をかけているとの話があり、単に研究成果の数値目標を達成するだけでなく、学術的にも高い価値のある研究成果を創出しようという高い志の中で、各研究員が日々研究に取り組んでいる様子が伺えました。また、各研究員からは、次世代のディスプレイデバイスやエネルギー・ハーベスティング・デバイス等の実用化に向けて、より挑戦的な達成目標への決意が表明されました。

 Life BEANS九州では、昨年度までにプロジェクト開始当初に計画していた目標をクリアしていますが、今回のキックオフ&拠点会議で、新規に加入した研究員を含めてより高い成果目標達成に向けた意識を共有できたのではないかと思います。今後の研究員の活躍にご期待下さい。


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2012年4月 5日 (木)

いよいよ最終年度を向かえて

本年度はBEANSにとっていよいよプロジェクト最後の年になります。昨年度は全部の研究テーマが停滞や遅延もなく順調に推移したため、本年度に一部のテーマの予算が増額され、最終目標も高めの設定となりました。このように最終年度でより高い目標に挑戦できることはプロジェクトとして光栄であり、大変悦ばしいことです。しかし残された活動期間は研究成果の取り纏めやプロジェクト終結作業を除くと実質9か月しかありません。このことを思うとすこし緊張と不安が入り混じります。これまでの貯金をもとに、あまり無理をしないで卒なく終盤を終えることもできたのですが.でも今はこれがBEANSに与えれた使命と思って、最後まで全力投球をする気持ちになっています。

まだ振り返るにはすこし早いが、プロジェクト開始の時を思い起こします。このコラムの最初にBEAN研究者への思いとして「三人の石工」の喩え話を載せて、プロジェクトはもちろんのこと研究者も一人一人が抱負やビジョンを持つことの大切を説きました。BEANSのビジョンとはプロジェクト活動を通して社会や産業に貢献することです。そして、BEANSはこのビジョン実現のため融合とオープン化をプロジェクト理念に掲げました。融合とは研究テーマから人、組織さらにはマネジメントまでの幅広い意味合いです。オープン化は論文や学会発表、セミナー開催だけでなくな知識データベースや特許など知的財産権利に関わるところまでの成果公開を指します。

いま思えば理想や夢を大層に掲げたものとすこし恥じ入っております。しかし、理念はこれで正しかったと思っています。BEANSもこの4年間弱でご多分にもれず、色々な事情によって研究体制が変わり、また研究計画も状況に応じて大幅な見直しや修正が行なわれました。またこれに伴って研究者やスタッフも大部分が入れ替わりました、それでもプロジェクト活動が順調に継続ができて、輝かしい成果を生み出すことができました。プロジェクト関係者の英知や努力と、精進の賜物であることは言うまでもありませが、加えてBEANSの理念の存在も成果達成に著しく貢献していると確信しています。そして、プロジェクトが最後までこの理念を堅持し、また研究者やスタッフがその胸に”One BEANS”を自覚して最終ゴールを一緒に踏めるように、ここで最後の踏ん張りを期待したい。
    

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