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2011年4月

2011年4月15日 (金)

本年度の技術研究組合BEANS研究所事業計画について

 技術研究組合BEANS研究所では、4年度目に入ったBEANSプロジェクトを着実に推進し、更なる成果を上げることを目標に研究開発事業を実施してまいります。

【基本的なスタンス】
 全世界的課題として環境エネルギー問題への対応が国や産業毎に強く求められており、革新的次世代デバイスの実用化においては製造プロセス自体の省資源や高効率な製造プロセスの実現による低環境負荷化が期待されています。併せて、東日本大震災の復興や被災者対策にも活用できる環境・エネルギー、健康・医療、快適・安心・安全に資する革新的デバイス群の創出も要請される観点です。

 このため、技術研究組合BEANS研究所が実施するBEANSプロジェクトは、サイエンスとエンジニアリングを融合させ、将来の革新的次世代デバイスの創出に必要な新しいコンセプトに基づき、基盤的プロセス技術群を開発し、かつ、そのプラットフォームを確立することを目的として平成23年度事業を実施します。

 さらに、本年度においては、低炭素社会づくりに貢献する高機能MEMSセンサおよびそれを活かしたネットワークシステムの構築と、革新的次世代デバイスの実用化における低環境負荷型製造プロセス技術を確立することを併せて実施します。

【平成23年度事業計画における主な研究内容】
 平成23年度は以下の事業を推進する。

●研究開発項目①:バイオ・有機材料融合プロセス技術の開発
 ①バイオ・ナノ界面融合プロセス技術
 ②バイオ高次構造形成プロセス技術
 ③有機・ナノ界面融合プロセス技術
 ④有機高次構造形成プロセス技術

●研究開発項目②:3次元ナノ構造形成プロセス技術の開発
 ①超低損傷・高密度3次元ナノ構造形成技術
 ②異種機能集積3次元ナノ構造形成技術

●研究開発項目③:マイクロ・ナノ構造大面積・連続製造プロセス技術の開発
 ①非真空高品位ナノ機能膜大面積形成プロセス技術
 ②繊維状基材連続微細加工・集積化プロセス技術

●研究開発項目④:異分野融合型次世代デバイス製造技術知識データベースの整備

以上



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ちょっと明るいニュース

この4月にプロジェクト関係者で転任や昇進された主だった方をご紹介します。
先ず、大学の先生ですが、九工大のM先生が教授に昇進、また東大のK先生が古巣の東北大へ準教授として栄転、同じくM先生も講師へ昇任しました。慶応大ではM先生が准教授に昇任しました。そして京大のO医師は医学部から東大・工学研究系の准教授へと華麗な転進を図りました。いずれの先生方もプロジェクト発足時からBEANS研究テーマに深く携わって頂いた方々です。云うまでもなくこの昇進はこれまでの研鑽と学術貢献が評価された結果ですが、その中にBEANS成果も含まれているのではないかと推察しております。加えてポスドク研究員では、東大M氏が出身研究室の助教に、産総研のS女子が研究職員に登用されるなど、若手研究者もキャリアーアップを図ることが出来ました。他にプロジェクト管理部門では、M電機から出向のT部長が産官学連携プロジェクトマネジメントの実績とスキルを高く評価されて東京本社へ栄転しました。このようにBEANSプロジェクトに関わっている多くの方が栄転や昇進されて、責任ある役職へ確実にステップアップしてゆく姿をそばでみられるのは大変楽しみであります。今後、更なる活躍を期待して、心から応援したいと思います。

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2011年4月14日 (木)

今、BEANSで出来ること

東日本大震災からもう一か月が経ちましたが、被災地や災害に遭われた方のことを思うと、まだまだ胸の痛む日々が続きそうです。さいわい、BEANSプロジェクトについては産総研ツクバと東大駒場の研究拠点が軽微な被害ですんだので、研究活動への影響は夏場の電力節電以外になさそうです。しかし、プロジェクトが最終ゴールに向かって折り返しをした矢先なので,研究者のモチベーション低下やメンタルヘルス面でなにか影響が現れるのではとちょっと心配しています。一方、今も被災地で復旧・復興活動に不眠不休で取り組んでいうる人々を思うと、元気や勇気づけにプロジェクトとしてできることは何かを考えます。被害に合わなかった人や組織ができることはボランティア活動・節電・義援金・企業活動、組織の活性化などたくさんあります。そして、大切なことは一人ひとりがこれまで以上にやれることに取り組むことではないかと思います。とくに国プロのように研究資金を公費で賄ってもらっている場合はなおさらです。国民の一人としては国難とも云うべきこの非常時に研究開発よりも復旧・復興事業を優先して欲しい気持ちです。一方において日本の科学技術の進展をこの震災で停滞させたくない理性もあって、この狭間で複雑な心境になります。プロジェクトもこれから研究予算の見直し、削減や節電などいろいろな震災対応が迫られかもしれないが、これを前向きに受け止めたい。今、BEANSとしてできることは、被災地の窮状や被災者の心情を想って、与えられた使命や目標の達成にこれまで以上に頑張ることしかないのではと思う。この地道な努力がいづれ日本経済の復活や産業力の強化の助けになると信じています。

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2011年4月 1日 (金)

Gデバイス、低環境負荷社会に向け大きな成果を得て終了

H21年度補正予算としてNEDOプロジェクト「異分野融合型次世代デバイス製造技術開発事業(BEANSプロジェクト)」に新たに加えられた研究課題「高機能センサネットシステムと低環境負荷型プロセス開発」略してGデバイスは、H22年度4月より1年間の短期集中課題として実施、先月3月に当初の狙いを完遂して終了しました。技術研究組合BENS研究所に6社の企業と、開発拠点の中心である産業技術総合研究所、関西拠点としての立命館大学が新たに加わり、企業15社とマイクロマシンセンター合計18団体が集い取り組んだものです。いわゆるMEMSセンサを用いたきめの細かいセンサネットワークシステムにより半導体やMEMSプロセス用クリーンルームのエネルギー削減、プロセスそのものの高効率化、低環境負荷化というグリーンイノベーションに向けた喫緊の取り組み課題をつくばイノベーションアリーナ(TIA)で、最先端8インチMEMSラインを実験場として導入し実施しました。BEANSプロジェクトの成果の一部の実証としてセンサデバイスへの可能性の検討や8インチプロセスラインでの特性、形状評価なども開発に取り組みました。


その成果については、2月に産総研つくば中央の共用講堂で行いましたInternational Workshop on Green Devices and Micro Systems 2011(GDMS2011)においていち早く一般に公開し、多くの参加者を得て高い評価を戴きました。今回の取り組みは、グリーイノベーション推進の強力な手段としてきめの細かいセンサネットワークによるエネルギーマネジメントが重要であることを半導体MEMS製造ライン、他で先駆的、実証的に示せたことが大きな成果といえます。加えて省エネルギーに向けて、クリーン空調だけではなく、製造装置そのものの強力な管理ツールとしても示せたことも重要な意義があるといえます。製造プロセスそのものの低環境負荷化に向けた取り組み指針を得られたことも意義があり、将来の国プロへの先導的な役割を果たすことができました。

ご協力いただきた多くの方々、温かいご声援をいただいたたくさんの方々に、この場を借りて御礼申し上げます。

                      (Gdevice@BEANS 小池)

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