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2010年9月

2010年9月14日 (火)

BEANSプロジェクト中間評価審査を終えて

 さる9月10日(金)にNEDOによるBEANSプロジェクト中間評価分科会が開催されました。ここでプロジェクト発足から2年半にわたる事業活動や研究開発成果を研究評価委員の先生に評価をして頂きました。結果については後日公表されると思いますので、ここではプロジェクトとして中間評価への対応や事前の準備作業、また当日の会議の様子などについて私見を交えて報告します。
 NEDOではプロジェクト中間評価をスタート3年目に行います。BEANSプロジェクトが開始したのは平成20年7月なので、プロジェクト活動期間は実質24カ月しかなく、日程スケジュールが大変厳しい実施計画となっています。そこで、本年度のプロジェクト方針には中間目標の一部を前倒しして達成することを掲げました。正直言って昨年度の成果には中間目標からすこし逸れたテーマや、また今の状況のままでは目標達成が覚束ないものがありました。そのために、先ずは6月の総合研究発表会にてプロジェクトリーダーの方針を徹底させて、全メンバーに中間目標の必達とそのためのチーム力の結束をお願いしました。以後この3カ月間で、研究者の頑張りは目を見張るもので、研究スピードが急速に上りました。研究者皆さんの努力とそれを指導された研究センター長の熱意に敬意を払いたいと思います。その結果は7月28日から30日に行われたマイクロナノ2010での技術展示内容に現れました。昨年の展示会では研究コンセプトや先行研究事例だけの発表でしたが、本年度は各研究センターがプロジェクト成果物を漏れなく展示することが出来ました。加えて、同時に開催した第4回BEANSセミナーにおいて各研究センター長には中間評価を意識したプレゼンテーションをお願いしました。参加者はプロジェクトの進展状況を目のあたりにして、研究成果に納得していただけたと思います。また、会場には事前審査のため研究評価委員の先生も来場されておりましたので、プロジェクト成果をアピールする絶好の機会にもなりました。以上本年度4月から中間評価対応への一連の取組では首尾良い結果が得られました。
 次は、いよいよ中間評価分科会のための準備ですが、プロジェクト活動の集大成とも云えるプロジェクト事業原簿の作成が大変な作業でした。原簿にはプロジェクトの位置づけ、研究マネジメント、研究成果、実用化の見通しそしてテーマ成果の詳細を記述します。この作業は、原簿に最新の研究データをできるだけ盛り込みたいために、提出期限ぎりぎりまでが続きました。やっとA4紙で900ページにわたる草稿が完成しましたのは8月下旬でした。またこれと併せて分科会当日に用いる審査委員へのプレゼンテーション資料の作成も並行して行いました。この間にBEANSスタッフおよび研究センター長には色々と面倒な手作業をお願いしましたが、お陰さまで事業原簿は記述内容とボリュームともに大変素晴らしいもの出来と確信しています。(事業原簿はNEDOより公開予定ですので是非一読をお願いします。)

 いよいよ分科会当日ですが、NEDOプロジェクト関係者、審査委員、説明者あわせて約30名位が出席しました。午前中の公開の部ではプロジェクト全体概要の説明と質疑が行われました。NEDO渡辺主査とプロジェクトリーダーである遊佐から事業原簿の内容にそって50分ほどプレゼンテーションした後で審査委員から質問を受けました。質問の内容は主に事業の概要や研究開発マネジメントに関わるものでした。特に、プロジェクトの位置づけと目標設定の妥当性、また成果展開の方法は実施者と委員との間で活発な質疑応答があって、会議が終了したのは12時過ぎで、終了時刻を大幅にオーバーしました。議論が弾んだ理由は、ひとつは評価委員にとって本プロジェクトの目的がデバイス製造プロセス基盤技術開発とそのプラットフォーム構築と云う新しい概念であること、加えてこれまでのNEDOプロジェクトとはすこし異質な定性的な目標設定にあったと思われます。この議論は当初から想定しておりましたので、サブプロジェクトリーダーの藤田先生がプロジェクト背景や目標設定の経過そして他のプロジェクトとの相違点などを確認して、議論収拾の方向で午前の部は終了しました。午後の部は非公開の会議となります。ここでは研究センター長からプロジェクトテーマ総数8件にわたる研究成果の詳細を報告しました。トップバッターは竹内センター長がバイオ融合プロセス技術開発で2件を、引き続き有機材料融合プロセス技術で安達センター長が2件を、そして杉山センター長が3次元ナノ構造形成プロセス技術で2件、さらに木股センター長が宇宙適用次元ナノ構造形成プロセスで1件をそれぞれ発表しました。休憩を挟んでマイクロナノ構造・大面積連続製造プロセス技術で伊藤センター長が2件を そしてBEANS本部からは武田副所長がBEANS製造技術知識データベースで1件を発表しました。審査委員はBEANSの最新のホットな研究話題に興味と高い関心を持たれました。そのせいか午前中の議論とはまた雰囲気が変わって、それぞれ専門家の立場で研究成果の学術的な意義や産業技術の価値など幅広い視点から深い討論がなされました。
 そして、最後に全体を通しての質疑と講評がありました。ここでは、全委員がプロジェクト成果とその創出活動を高く評価をしていること、そして今後はプロジェクト成果の普及や展開のために目標や方向をより明確にして、そして日本のMEMS技術の発展への貢献と産業の国際競争力の強化にむけたシナリオを検討することへの要望がありました。
 最後に、プロジェクト実施者側としては、プロジェクトの狙いや目標値設定の考え方など説明不足と議論足らずの感じはありましたが、計画達成状況や学術的な意義、成果の普及やこれからの成果展開などの内容について十分満足のゆく説明が評価委員にできたと思っております。公式の評価結果がでるのは一カ月先となりますが、今はプロジェクト折り返し中間地点である重要ポイントを無事通過したことで内心ほっとした心境です。(プロジェクトリーダー 遊佐 厚)

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2010年9月 7日 (火)

奇跡の復活

最近、奇跡が2度おきました。


 一つは、皆様既にご承知の小惑星探査機「はやぶさ」の帰還です。2003/05/09に鹿児島県内之浦より打ち上げられてから7年間(60億㎞)の旅を終え、極限環境下でいくつかの困難な状況を乗り越え満身創痍になりながらも、2010/06/13にオーストラリアの砂漠にカプセルが無事奇跡的に帰還できたことです。この快挙に日本国民並びに世界中の人々から拍手喝さいをいただいたようです。技術立国・チーム日本の面目躍如の感がいたしました。2つ目は、知っている人しか知らないと思いますが、チームBEANSの「もう一つのBEANSプロジェクト」で育てていた豆の樹が復活したことです。

Beans_wince これまでもブログで紹介しながらBEANSの樹を育てていましたが、5月の連休明けを境に急に元気がなくなり枯れてしまう寸前の状況でした。ブログでも覚悟を決めて枯れる方向に向かっていますという最終報告をしたところでした。ところが「はやぶさ」の奇跡に触発されたのか、突然幹の途中部分から新しい枝が伸びだして元気に緑色の葉っぱを付けたではありませんか。幹の上方半分は残念ながら枯れてしまいましたが、通常幹が枯れれば全体に栄養が行き届かなくなり当然BEANSの樹は枯れると思っていました。復活の理由は、Nさんの懸命な看護(看護方法は秘密だそうです)とOさんがつくばから心配しながら見守ってくれたことが功を奏し、枯死寸前の樹を奇跡的に復活させたのです。「良かった」そして「ありがとう」と申し上げたい。

 その後外野席からは、「BEANSの基の樹より脇から伸びた枝の方が大きくなったのでは?」と、まるでBEANS本体とGデバイスの予算額を比較したような雑音も聞こえてきました。いずれにしても、BEANSの樹は1本ですので、大きな幹の枝いっぱいに豆(成果)を付けるのかが楽しみではあります。と、言ってもまだまだ予断はできません。しばらくこのまま見守ってみようと思います。うまく成長してくれればと唯唯願いつつ。(研究支援部 町田 進)

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