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2009年6月 4日 (木)

「ボトムアップと博打の時代」-BEANSプロジェクトに関する記事の紹介

 日経マイクロデバイスの三宅さんが、Tech-Onに「ボトムアップと博打の時代」と題して、先日5/29の東京大学生産技術研究所の公開セミナーでのBEANS関係プレゼンに参加して記事を出しておられるので、紹介します。刺激的な題ですが、BEANSプロジェクトに対して、興味深い観点から分析した良い記事だと思います。
 
 すなわち、同氏は、プロジェクト策定時の頃を振り返り、『 一般に,このようなプロジェクトでは研究テーマごとに目標を設定します。その目標に対する達成度が,プロジェクト終了後に問われます。BEANSプロジェクトの策定時にも各研究テーマの目標について議論がありました。そこであるテーマの目標が提示されたのですが,私は抽象的過ぎると感じました。もっと具体的な目標を設定したほうが,その成果のレベルが明確になると思い,素直にその旨を主張しました。』と述べ、同時にこれに対して反論があったことも紹介しています。
 
『抽象的な目標の方が良いというのです。これは,明確で具体的な目標を定めないボトムアップ的研究の方が,その後,成果を役立てている事例が多いとの理由からでした。かつての国プロの研究成果を追跡調査したところ,こうした結果が得られたというのです。私は,この話を聞いて,一瞬,「えっ?」と思いました。しかし,すぐに納得できました。その方が私の直感に合っていたからです。』
 
 そして、今回のセミナーで、この考え方が理解できたと言うのです。『今回,セミナーを聞いてBEANSプロジェクトの研究テーマは,ほどよくボトムアップ的という印象を受けました。例えば,今後デバイスに取り込まれるだろう有機材料と,無機材料の接着に抗体を活用するという研究テーマがあります。特定物質の検出ではなく,接着に抗体を活用するという試みは,将来,思いもよらぬ世界で活躍するかもしれません。』

 このような内容でなかなか面白い分析をされています。是非、ご一読下さい。(ブログ管理人)


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コメント

出資する国の立場としては、トップダウンの目標を設定した方が進捗の把握もしやすく、プロジェクト終了後の評価もしやすいわけですが、ボトムアップの目標設定はまさしく“賭け”。。。

博打を打って出るとは、有意義な成果への期待の大きさが覗えます。

投稿: 丘の豆の木 | 2009年6月18日 (木) 16時41分

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