2013年2月22日 (金)

プロジェクト終了にあたり

 3月でプロジェクトは終了します。平成20年7月にプロジェクト活動を開始して、もう約5年が過ぎましました、この間BEANSならではの先進的、革新的な研究成果がたくさん創出されました。その成果は、学界はもとより産業界でも多くの注目を浴びて、BEANSプロジェクトの評判を大いに高めました。

 いま思うとBEANSはその名称に相応しい「異分野融合」の特長を遺憾なく発揮できたと思っています。ナノとバイオや有機材料、ナノとμ、マクロなど従来は融合が難しいとされていた研究領域に果敢に挑戦したこと、さらに基盤技術研究から成果の出口を意識した実証研究へと広範囲に取り組んだことが良かった。またプロジェクトマネジジメントでは融合とオープン化をキーワードに新しい産官学連携の仕組み作りも出来ました。プロジェクトとして評価はこれからNEDOの事後評価結果に委ねますが、予想以上の成果が得られたことに満足しています。

 これはひとえにプロジェクト関係者みなさまのBEANSへ熱い想いと真摯な取組の顕れであり、ここに改めて敬意と感謝を申し上げます。以下はプロジェクトリーダーとして個人的な想いです。

以前に本ブログにてアメリカ・インディアンの古い諺「目標さえ持てば、たとえそこに道がなかったとしても目的地には着けるものだ」を引合いに、目標さえ立てれば必ず道は拓ける。そして、いつか必ず夢や希望が適う意味で人生や仕事でも大変勇気つけられる知恵の言葉であること述べた。

 プロジェクトの仕事も同じであり、適切な目的、目標設定や実行可能な研究計画の重要さを繰り返して説きました。研究者の皆さんには不慣れな目標管理に反発や違和感を覚えた方もいたとおもいますが、結果的にはほぼ全研究テーマが期日どおりに目標を100%またそれ以上達成できたことに満足を覚えたのではないでしょうか。

 ただ、一方ではプロジェクトの目的、目標に縛られずに研究者の自由裁量性をもっと広げた方が良かったのではと少し心残りもあります。今、アレクサンダー・グラハム・ベルの「ときには踏みならされた道を離れ、森の中へ入ってみなさい。そこではきっと、あなたがこれまでに見たことがない、何か新しいものを見出すに違いありません」の名言を思い出しています。

プロジェクト・リーダー 遊佐 厚

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月28日 (月)

もう一つのBEANSプロジェクトのその後


****もう一つのBEANS(豆の木)成長報告****


 BEANSプロジェクトが平成20年7月にスタートして、早くも5年目(最終年度)に入りました。最終目標に向かって昼夜を分かたず研究に没頭されている研究者の皆様もそろそろまとめの段階にさしかかったことと思います。


 ところで、「もう一つのBEANSプロジェクト」(ジャイアントビーンズという豆の木の成長物語)について途中で一方的に打ち切ってしまいましたが、その後どうなっていますか?と総合研究会(5/21~5/22)の折に某研究者から尋ねられたとPL/所長から伺いました。私としては、豆の木を記憶されていた方が居られた事実に大変感激しました。感激ついでにその後について少し報告したいと思います。BEANSプロジェクトスタートとほぼ同時期に、BEANSの種を購入し、芽を出してからも時々成長の様子をブログで紹介してきました。途中で一度枯れてしまい、種を再購入して育ててきました。その後は枝が一部枯れたりしましたが、奇跡的に復活(ちょうど、惑星探査衛星はやぶさの奇跡の帰還時期と重なる)して、それからは順調な成長を続け今日に至っています。(写真参照)

P5280005 写真からみると、発芽から5年目を迎えた豆の木は、枝ぶりも良くたくましく成長を続けているように見えます。当初は豆の収穫とビールのおつまみを期待しましたが、残念ながらそこまでは無理なようです。BEANSプロジェクトが製造技術のプロセス技術の開発であったように、とりあえずは、豆の木本体の成長過程を楽しめたことこそが成功と思います。おそらく、BEANSプロジェクトの解散セレモニーではこの豆の木が脇役を務めて終了となるように願っています。丁度卒業式の式台の横に飾ってある植木の松のような役目かと想像しています。その後は、この豆の木もMMCの植物育てのスペシャリストNさんに引き継がれてさらに大きく成長されることと思います。但し、当初予定の40メートルまでの高さまでは無理かと思います。とりあえず、東京スカイツリーにあやかって634cm位になればと、ハードルを下げて期待しているところです。

 とりとめのない「もう一つのBEANSプロジェクト」にお付き合いいただき感謝します。(研究支援部 町田 進)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年5月25日 (金)

平成24年度BEANS総合研究会報告

 平成24年度BEANS総合研究会が、千葉県習志野市の幕張セミナーハウスにて、5月21日(月)午後1時から22日(火)午後4時までの日程で開催されました。参加者は、ご来賓の独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の大久保主任研究員、渡辺主査、奥谷主査をはじめ、技術研究委員会の委員12名、各センターの研究員(交流研究員、本部スタッフを含む)68名の総勢83名となり、例年の総合研究会に勝るとも劣らない規模で、研究成果報告、技術交流、意見交換が行われました。

1日目(5月21日(月))
 1日目の5月21日(月)は、NEDO大久保主任研究員からのご挨拶、遊佐PLからのお話に続き、各センターの研究員による口頭発表、招待講演、及びグループディスカッションが行われました。遊佐PLのお話では、総合研究会の意義やこれまでのプロジェクト成果のまとめ・課題、プロジェクトの最終的な成果創出を見据えた方針・計画等について、個々の内容をじっくりと熱意を込めてお話頂いたことから、各研究員もプロジェクトの最終的な目標達成に向けて、改めて気持ちを引き締めることができたのではないかと思います。

Beansconf01_5

 口頭発表では、各センター長から推薦された研究員による優秀研究発表が行われ、質疑応答が交わされました。

<優秀研究発表テーマと発表者>
・「生体材料を融合したMEMSデバイスのプロセス技術開発 
~超高感度センサー実現に向けて~」
                           (Life BEANSセンター 渡辺 吉彦)
・「ナノ構造を利用した熱電変換素子の高性能化」
                            (Life BEANSセンター九州 加藤 邦久)
・「微粒子自己整列のガスセンサ応用」
                            (3D BEANSセンター 阿波嵜 実)
・「繊維状基材への立体インプリント技術」
                            (Macro BEANSセンター 大友 明宏)


 招待講演では、以下の2つのテーマでお話を頂きました。エネルギー分野や生体分野といった社会的なニーズが高い分野への応用を見据えたもので、BEANSプロジェクトの成果展開へのヒントを示唆する内容になっていたのではないかと感じました。

<招待講演テーマと講演者>
・「アルカリイオンエレクトレット技術の開発」 
                           (静岡大学 橋口原 教授)
・「MEMS-Based Human Interface Device」
                           (慶応義塾大学 三木則尚 准教授)

Beansconf02

 グループディスカッションでは、竹井副所長がコーディネータとなり、”BEANSプロジェクトで何を生み出したのか?異分野融合はできたのか?それで得たものは?」という自らへの問いかけをメインテーマに、1日目の夕方の1セッションと2日目の午後の2セッションに亘り、各自の研究活動の回顧や成果の広報普及の具体的方法、人材育成やプロジェクト・マネジメントのあり方等、様々な視点で自由闊達な意見交換が行われました。なお、1日目は全てのイベントが終了した後も、夕食やその後の自由時間を活用した意見交換が行われる等、それぞれの研究員が有意義な時間を過ごしたのではないかと思います。

Beansconf03

2日目(5月22日(火))
 2日目のプログラムでは、午前中には各研究員によるポスター成果発表が、午後にはグループディスカッション、優秀研究賞、及び優秀ポスター賞の表彰が行われました。
 ポスターセッションでは計37件の出展があり、各ポスターの前では、研究テーマの成果や今後の展望等についての活発な議論が行われていました。企業から参加された技術研究委員の方々にとっても、研究員から、直接、研究内容について伺うことができる絶好の機会となったかと思います。

Beansconf04

なお、ポスター発表では、技術研究委員や有識者等で構成される14名の審査員により、報告内容、熱心さ等の様々な観点で採点が行われました。その結果、以下の4名の研究員が優秀ポスター賞に選出され、1日目に口頭発表を行った優秀研究者とともに表彰されました。

<最優秀ポスター賞>
・「MEMSと肝臓」
                          (Life BEANSセンター 小島 伸彦)

<優秀ポスター賞>
・「生体分子認識による選択的ナノ材料修飾 
                ~ペプチド分子はカーボンナノチューブを掴めるのか~」
                          (3D BEANSセンター 嶋田 友一郎)
・「ナノ構造を利用した熱電変換素子の高性能化」
                          (Life BEANSセンター九州 加藤 邦久)
・「3D 構造への微粒子配列 -MEMSで花を咲かせたい!!-」
                          (3D BEANSセンター阿波嵜 実)
・「耳が光る、光を測る、鼠はまた一つ進化する」
                          (Life BEANSセンター高橋 正幸)

Beansconf05_2

総合研究会の閉会に際して、BEANSプロジェクトの藤田SPLと遊佐PLより講評を頂きました。藤田SPLからは、BEANSプロジェクトによって融合プロセスに対する認識や異分野の知見等を中心として大きな前進が得られているが、研究成果の社会普及という点で道半ばであり、革新的デバイスの実用化等にプロジェクト成果を適用していくための取り組みが必要でないかとの考えが示されました。また、遊佐PLからは、「3人の石工」の例に、仕事へ取り組む上での姿勢やプロジェクト・マネジメントについての整理が行われ、各研究員がより大きな目標を持って研究活動に取り組むことや今後の展開を見直す機会となったのではないかと評価を頂きました。

所感
 各研究員が総合研究会への参加を通して、少しでも多くのことを吸収しようと真剣に取り組んでいるという印象を持ちました。本研究会終了後、遊佐PL以下、本部メンバで軽く食事をしながら総合研究会の回顧を行ったのですが、そこにいたメンバも同様の印象を持っていたようです。
 なお、本研究会の1日目の5月21日(月)には日本列島の多くの地域で金環日食が観測され、二日目の5月22日(火)には東京スカイツリー開業といった、世間的にも大きなイベントが重なりました。今回の総合研究会が、プロジェクト関係者にとって、これらのビックイベントに負けないくらい大きな足跡となるよう、本研究会の結果をプロジェクトの活動に反映し、目標達成につなげていきたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年4月20日 (金)

Life BEANS九州拠点訪問報告 ~大電株式会社が新しくプロジェクトに参加されました~

 2012年4月10日(火)に開催されたLife BEANS九州のキックオフ&拠点会議のため、本部より3名(遊佐PL、福本副所長、新田)がLife BEANS九州を訪問しました。今回は、特に、今年度からプロジェクトへ参画する大電株式会社(以下、大電(株))の研究拠点である、久留米リサーチ・センターを訪問し、大電(株)のこれまでの技術開発への取り組み状況、プロジェクト成果創出に向けた取り組みについて、東京より同行したNEDO技術開発機構技術開発推進部の大久保主任研究員、渡辺主査、奥谷主査、Life BEANS九州の研究員とともに、説明を受け、質疑応答を交わしました。
 
 大電(株)では、電子輸送材料を利用したプリンタブルな有機EL等、有機材料の研究開発に取り組んでおり、様々な研究プロジェクトへの参画等により、有機材料の設計・開発や評価といった技術力を培ってきています。一方、Life BEANS九州では、これまで、有機発光デバイスの高性能化を目指した研究開発を行ってきており、プロジェクトの最終年度である今年度は、プロジェクト開始当初に計画していた目標を凌ぐ性能を達成するとともに、実デバイスへの展開のための評価検証を行っていくことが目標として掲げられています。今回の大電(株)の参加により、Life BEANS九州での研究開発がこれまで以上に加速し、より高い研究成果が得られることが期待されます。

Fig2_3

 久留米リサーチ・センターへの訪問の後、福岡市内にある会議室(福岡県Ruby・コンテンツ産業振興センター内プレゼンテーションルーム)に移動して、拠点会議が開かれました。遊佐PLによる平成24年度プロジェクト方針の後、安達千波矢センター長によるLife BEANS九州拠点の全体方針、及び各テーマの担当研究員による昨年度の研究成果の総括と今年度の計画が報告されました。安達センター長の方針説明の中で、「高い性能を実現する中でこそ、真のフィジクスが見えてくる」といった内容で各研究員に発破をかけているとの話があり、単に研究成果の数値目標を達成するだけでなく、学術的にも高い価値のある研究成果を創出しようという高い志の中で、各研究員が日々研究に取り組んでいる様子が伺えました。また、各研究員からは、次世代のディスプレイデバイスやエネルギー・ハーベスティング・デバイス等の実用化に向けて、より挑戦的な達成目標への決意が表明されました。

 Life BEANS九州では、昨年度までにプロジェクト開始当初に計画していた目標をクリアしていますが、今回のキックオフ&拠点会議で、新規に加入した研究員を含めてより高い成果目標達成に向けた意識を共有できたのではないかと思います。今後の研究員の活躍にご期待下さい。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年4月 5日 (木)

いよいよ最終年度を向かえて

本年度はBEANSにとっていよいよプロジェクト最後の年になります。昨年度は全部の研究テーマが停滞や遅延もなく順調に推移したため、本年度に一部のテーマの予算が増額され、最終目標も高めの設定となりました。このように最終年度でより高い目標に挑戦できることはプロジェクトとして光栄であり、大変悦ばしいことです。しかし残された活動期間は研究成果の取り纏めやプロジェクト終結作業を除くと実質9か月しかありません。このことを思うとすこし緊張と不安が入り混じります。これまでの貯金をもとに、あまり無理をしないで卒なく終盤を終えることもできたのですが.でも今はこれがBEANSに与えれた使命と思って、最後まで全力投球をする気持ちになっています。

まだ振り返るにはすこし早いが、プロジェクト開始の時を思い起こします。このコラムの最初にBEAN研究者への思いとして「三人の石工」の喩え話を載せて、プロジェクトはもちろんのこと研究者も一人一人が抱負やビジョンを持つことの大切を説きました。BEANSのビジョンとはプロジェクト活動を通して社会や産業に貢献することです。そして、BEANSはこのビジョン実現のため融合とオープン化をプロジェクト理念に掲げました。融合とは研究テーマから人、組織さらにはマネジメントまでの幅広い意味合いです。オープン化は論文や学会発表、セミナー開催だけでなくな知識データベースや特許など知的財産権利に関わるところまでの成果公開を指します。

いま思えば理想や夢を大層に掲げたものとすこし恥じ入っております。しかし、理念はこれで正しかったと思っています。BEANSもこの4年間弱でご多分にもれず、色々な事情によって研究体制が変わり、また研究計画も状況に応じて大幅な見直しや修正が行なわれました。またこれに伴って研究者やスタッフも大部分が入れ替わりました、それでもプロジェクト活動が順調に継続ができて、輝かしい成果を生み出すことができました。プロジェクト関係者の英知や努力と、精進の賜物であることは言うまでもありませが、加えてBEANSの理念の存在も成果達成に著しく貢献していると確信しています。そして、プロジェクトが最後までこの理念を堅持し、また研究者やスタッフがその胸に”One BEANS”を自覚して最終ゴールを一緒に踏めるように、ここで最後の踏ん張りを期待したい。
    

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月28日 (水)

「技術研究組合50周年シンポジウム」が開催され、当組合も参加しパネル展示を行いました。

 2014年3月27日、技術研究組合「創設50周年」を記念して、ベルサール半蔵門(東京都千代田区)において、「技術研究組合50周年シンポジウム」が開催されました。  会場は一杯の盛況で、経済産業省 中西官房審議官の開会挨拶に続き、藤原技術振興課長から懇切丁寧な制度の説明がなされました。

 その後、桑野太陽光発電技術研究組合理事長を含む4名のパネリストによる「共同研究のパートナーづくりと事業化に向けて」(技術研究組合50周年シンポジウム)が開催され、技術研究組合制度の様々な活用・成功事例や事業化に向けた戦略、また、国主導のいわゆる「ナショナルプロジェクト」の受け皿としての現状・課題やその解決策について、産学の有識者による忌憚ない議論が展開されました。 また、34の技術研究組合のパネル展示や相談窓口も併せ開催され、当組合もBEANSプロジェクトのパネルを展示し、説明を行いました。 その後、盛況の内に閉会となりましたが、「50周年」の節目となったイベントでした。

・会場:ベルサール半蔵門(東京都千代田区)の様子 Dsc05858_1600_640

・技術研究組合BEANS研究所のパネル展示 Dsc05864_1600_640

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年8月11日 (木)

BEANSもはや4年目をむかえ

BEANプロジェクトではこの4月から5月にかけて、十名以上の研究者とスタッフが入れ替わりました。この中には出向元に帰任した人、その代わりに派遣された人、あらたにBEANS研究員、職員に登用された新人など色々な方が含まれます。これまでにたくさんの優れた成果を出してくれたベテラン研究者が抜け、一時はどうなるかと大変心配しました。
幸い、いまは研究業務の停滞・遅延も特段になく順調に進展しております。新旧による仕事の引き継ぎがスムーズにおこなわれたことは、BEANSなればこそと少し自慢したい気分です。さて、プロジェクト活動ですが期間は残すところ一年半余となりました。この後は雲の上のゴールを目指して一直線に駆け上るだけです。だが、プロジェクトや研究者にとってはここが辛抱の時期でもある。頂上は見えていても簡単には登らせてくれない、胸付八丁の険しい道がまだ待っているからです。これを乗り越えるのは最早体力でも技量でもはなく、ただ使命感と志しのみと考えています。プロジェクト発足当時全員一丸となったあの不思議な熱気、これは何処からきていたのかを思い起こします。これから予想される厳しい局面に自らが奮い立ったのか、それともひと時の集団意識か。どちらにしてもこれからも全員が新たな意気込みでBEAN成果の集大成を目指して、それぞれのミッションを達成してもらえればと切に願っています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年5月17日 (火)

2011年度BEANS総合研究会報告

 BEANS総合研究会が経済産業省,独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から御来賓をお迎えして,2011年5月16日の午後から17日の1.5日間,神奈川県横浜市のMELONDIAあざみ野にて総勢80名の参加により開催されました.本総合研究会は各テーマ,研究員の昨年度研究開発報告,各拠点間の技術融合による新技術創出,BEANSが創出する未来に関する議論,及びプロジェクト内協力,競争力の向上を目的として実施されました.

Figure1110516_4

 16日(1日目)は来賓ご挨拶,遊佐プロジェクト・リーダー挨拶,グループディスカッション,平成23年度第1回プロジェクト推進連絡会,第1回技術研究委員会が実施されました.

 プロジェクト・リーダー挨拶では総合研究会の目的と主旨についての意義の確認,および最終目標に向けた研究計画の遂行力の強化について,プロジェクト研究員が全員一丸となって目標クリアに向けて注力することが重要であるとの話がありました.

 グループ・ディスカッションでは竹井副所長のコーディネイトにより,各拠点センターの研究員を産官学が融合する形で研究員を6つのグループに組織し,“がんばろう東北! がんばろう日本! BEANSがめざす「人・生活・地球」への貢献”と題してグループ・ファシリテーターを中心として各グループにキーワード,サブテーマに従ったディスカッションが行われました.その後は食事を挟み,各研究テーマに関する議論が深夜まで交わされていました.

 グループ・ディスカッションと並行してプロジェクト推進連絡会/技術研究委員会が開催されました.NEDOから平成23年度プロジェクト推進方針,プロジェクト・リーダーによるPL方針説明の後,各センターの今年度実施計画が発表されました.また,トピックスとして2件の技術講演(九州工業大学宮崎教授,東京大学三田准教授)が行われました.

  17日(2日目)はポスター成果発表,グループ・ディスカッション報告,口頭研究発表,優秀ポスター賞,優秀研究表彰が行われました.

 ポスター形式発表のためのインデクシングを実施後,ポスター形式による昨年度研究成果発表が行われました.

Figure2110516_2

 ポスター形式による昨年度研究開発報告は36件ありました.各研究員は優秀ポスター発表を目指して,各自の持ち時間ポスター発表を行い,多くの有効な議論が交わされていました.

 2日目午後には,グループ・ディスカッションの結果が参加者全員に紹介されました. 

 口頭研究発表では,各センター長推薦による以下の研究員の優秀研究発表が行われ,活発的な質疑が交わされました.

  • Life BEANSセンター  松井等
  • Life BEANSセンター九州  種田将嗣
  • 3D BEANSセンター       嶋田友一郎
  • Macro BEANSセンター  今井孝彦

 表彰式では上記研究員の他,以下の優秀ポスター賞の表彰も行われ,遊佐プロジェクト・リーダーより表彰状が手渡されました.

  • 最優秀ポスター賞 百瀬健
  • 優秀ポスター賞  小島伸彦,高橋正幸,許允禎

Figure3110516_3

 最後にBEANSプロジェクト・サブプロジェクトリーダーである東京大学藤田先生から,総合研究会の総評として,BEANSと異分野融合に係わる研究についての講演を頂き,散会となりました.

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年4月15日 (金)

本年度の技術研究組合BEANS研究所事業計画について

 技術研究組合BEANS研究所では、4年度目に入ったBEANSプロジェクトを着実に推進し、更なる成果を上げることを目標に研究開発事業を実施してまいります。

【基本的なスタンス】
 全世界的課題として環境エネルギー問題への対応が国や産業毎に強く求められており、革新的次世代デバイスの実用化においては製造プロセス自体の省資源や高効率な製造プロセスの実現による低環境負荷化が期待されています。併せて、東日本大震災の復興や被災者対策にも活用できる環境・エネルギー、健康・医療、快適・安心・安全に資する革新的デバイス群の創出も要請される観点です。

 このため、技術研究組合BEANS研究所が実施するBEANSプロジェクトは、サイエンスとエンジニアリングを融合させ、将来の革新的次世代デバイスの創出に必要な新しいコンセプトに基づき、基盤的プロセス技術群を開発し、かつ、そのプラットフォームを確立することを目的として平成23年度事業を実施します。

 さらに、本年度においては、低炭素社会づくりに貢献する高機能MEMSセンサおよびそれを活かしたネットワークシステムの構築と、革新的次世代デバイスの実用化における低環境負荷型製造プロセス技術を確立することを併せて実施します。

【平成23年度事業計画における主な研究内容】
 平成23年度は以下の事業を推進する。

●研究開発項目①:バイオ・有機材料融合プロセス技術の開発
 ①バイオ・ナノ界面融合プロセス技術
 ②バイオ高次構造形成プロセス技術
 ③有機・ナノ界面融合プロセス技術
 ④有機高次構造形成プロセス技術

●研究開発項目②:3次元ナノ構造形成プロセス技術の開発
 ①超低損傷・高密度3次元ナノ構造形成技術
 ②異種機能集積3次元ナノ構造形成技術

●研究開発項目③:マイクロ・ナノ構造大面積・連続製造プロセス技術の開発
 ①非真空高品位ナノ機能膜大面積形成プロセス技術
 ②繊維状基材連続微細加工・集積化プロセス技術

●研究開発項目④:異分野融合型次世代デバイス製造技術知識データベースの整備

以上



| | コメント (0) | トラックバック (0)

ちょっと明るいニュース

この4月にプロジェクト関係者で転任や昇進された主だった方をご紹介します。
先ず、大学の先生ですが、九工大のM先生が教授に昇進、また東大のK先生が古巣の東北大へ準教授として栄転、同じくM先生も講師へ昇任しました。慶応大ではM先生が准教授に昇任しました。そして京大のO医師は医学部から東大・工学研究系の准教授へと華麗な転進を図りました。いずれの先生方もプロジェクト発足時からBEANS研究テーマに深く携わって頂いた方々です。云うまでもなくこの昇進はこれまでの研鑽と学術貢献が評価された結果ですが、その中にBEANS成果も含まれているのではないかと推察しております。加えてポスドク研究員では、東大M氏が出身研究室の助教に、産総研のS女子が研究職員に登用されるなど、若手研究者もキャリアーアップを図ることが出来ました。他にプロジェクト管理部門では、M電機から出向のT部長が産官学連携プロジェクトマネジメントの実績とスキルを高く評価されて東京本社へ栄転しました。このようにBEANSプロジェクトに関わっている多くの方が栄転や昇進されて、責任ある役職へ確実にステップアップしてゆく姿をそばでみられるのは大変楽しみであります。今後、更なる活躍を期待して、心から応援したいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«今、BEANSで出来ること